矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

デイリーコラム


2019.11.15

【アナリスト通信】弊社でペーパーレス化は実現なるか

働き方改革やデジタル化でオフィスのあり方は変わりました。取材や打合せで色々な企業にお伺いしますが、スッキリしたオフィスが多いなと思います。「ペーパーレス化のため紙の資料はいりません」と言われることもあります。

残念ながら弊社のオフィスは旧態依然とし、調査レポートを作る仕事の都合もありますが、紙やファイル、資料などが積まれ雑然としています。そんな弊社でも今秋、レイアウト変更を機にようやくデスク周りを見直そうとしています。私は荷物が多い同僚に「捨てて下さーい!」と言って回っています(小林明子)

2019.11.14

【無料で遊ぶ、矢野経済研究所の歩き方】

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もし弊社からの情報が欲しい!という方がいらっしゃいましたら、YRI Webメンバー登録をしてみてください。

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2019.11.13

【アナリスト通信】銀行員の服装は「堅い」ままか?

先日、海外の銀行員の方向けにセミナーを行う機会がありました。日本の銀行との取組みの違いはもちろんですが、行員の方の服装にも違いがあり驚きました。男性と女性が同じポロシャツを着ていて、かなりラフな印象を受けました。

日本の銀行員は堅い服装というイメージがあり、私が金融機関にいた時には、クールビズとはいえ、「白いシャツしか着てはいけない」「ジャケットは夏でも持ち歩け」と言われたこともあり、服務規律でも細かく決められていた覚えがあります。

しかしながら、9月に、三井住友銀行が本部部門に限っては夏季期間中Tシャツやジーンズでの業務を認めるという試みを行い話題となりました。銀行員はこうあるべきといった職業に対する漠然としたイメージは今後薄れていくのだろうかと感じました(石神明広)。

2019.11.12

【リレーコラム】労働現場に進出するIT技術②第三次産業編

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。10人目は、ポイントなどの決済領域をみている井上です。

さらに、AIは知的労働にも進出しつつある。ここでは広告の領域を取り上げる。2018年5月に、電通を含む電通グループ3社は、AIを活用したバナーの自動生成ツール「ADVANCED CREATIVE MAKER(アドバンストクリエーティブメーカー)」(β版)を開発した。このツールは、5秒間に1枚のバナーを生成することが可能で、クリエイターの作業時間を短縮できる。 加えて、データセクション株式会社は、2019年5月より、AIによる広告コピー文自動生成システムを開発し、提供を開始した。現在、同システムは不動産物件情報の広告コピー作成に用いられており、今後は求人広告、旅行広告、スーパーマーケットのチラシなどでの活用もめざすようである。 このように、IT技術によって単純作業を自動化するだけではなく、AIを知的労働に導入する取組みも広がっている。いずれは弊社にもAIが導入される日がくるかもしれない。Webやヒアリングで収集した情報をとりまとめ、体系的な資料を作成できる「AI研究員」は将来誕生するのだろうか。(井上圭介)

※シリーズ①は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/daily/show/id/469

2019.11.11

【リレーコラム】労働現場に進出するIT技術①第一次産業編

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。10人目は、ポイントなどの決済領域をみている井上です。

IT技術の進歩により、将来、機械やAIが人間の代わりに仕事をする日がくるかもしれない。未来に思いを馳せつつ、労働現場におけるIT技術の活用について調べてみた。

将来、食料の生産は自動化されているのだろうか。その未来を実現する方法として、たとえば植物工場の活用があると考えた。植物工場の自動化に取組んでいる企業の一つに、株式会社スプレッドがある。同社は、次世代型農業⽣産システム「Techno FarmTM」を植物工場に活用している。同システムは、苗の植え替え、パネル運搬などの作業を自動化するだけではなく、IoT・AI技術を用いることで栽培環境の最適化を試みている。

同社は、同システムを用いた大規模な植物工場「テクノファームけいはんな場」を運営している。2018年11月より商品の出荷を開始した同工場は、1日当たり3万株のレタスを生産できる。さらに、新たな工場「テクノファーム成田」が2019年6月より着工され、2020年12月の竣工を予定している。今後、同様の取組みが広がっていけば、食料生産が自動化された未来が待っているのではないだろうか。(井上圭介)

2019.11.08

【新マーケティングサービスのご案内】

矢野経済研究所では新たなマーケティングサービスとして、市場調査にご関心のある方を対象とした「B2B市場調査入門 出張セミナー」と、ユーザーヒアリングから戦略を導き出す「戦略的CS調査サービス」を開始いたしました。経営の根幹を担う、顧客の維持・拡大や業績向上には、マーケティングの活用が重要となります。是非お気軽にご相談ください。

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詳細は以下のURLよりご覧頂けます。

https://www.yano.co.jp/market_reports/industryNews.php?id=124

2019.11.07

【アナリストオピニオン】ドローン活用のフィールドは水中へ③

ちなみに、2010年に米国ミシシッピ川河口沖で大規模な原油流出事故が起こったディープウォーター・ホライズンでは、水深1,500mの海底から原油を採掘していた。
その石油メジャーの一角であるロイヤル・ダッチ・シェルが主催する海底の地形探査コンテストの優勝賞金は700万ドル(7.7億円)にも上る。

さらに、通信用の光ファイバー海底ケーブルは、主要な大陸間を結ぶ比較的長距離なネットワークだけでも75万㎞に及び(2018年末時点)、さらに2021年までに15万㎞が追加される予定である。
石油・ガス用の海底パイプラインは、3,000,000㎞、送電用の海底ケーブルは8,000㎞以上が存在する。

このように、水中ドローン(AUVとROV両方)の活躍の場は非常に広大と言える。そして、ROVによる点検・検査は既に成熟した市場ではある。しかし、ROV自体が低コスト化することでこれまで導入をためらわれた分野での適用や新たな分野開拓(レジャー用途での利用などを含む)が進もうとしている。

水中ドローンを商用利用する上で求められるのは、海中インフラや建築物のメンテナンスにおけるコスト削減とリスク低減である。これに必要なのは、ROVの操作やタスク実行の自動化(半自動化)、収集データの管理・解析のスマート化による意思決定の簡素化である。この点においては、ROVはまだ進化の途上にあると言える。

そして、水中ドローンの最大の難点は、通信手段が限定される点にある。電波は、水中では急速に減衰し、低い周波数の電波を使った通信であっても100m程度の距離が最大であるため、大気中を飛行するドローンのように操縦信号や機体の状態を把握するためのテレメトリーを電波でやり取りできない。
潜水艦の場合は、超長波電波(VLF: Very Low Frequency, 周波数3kHz~30kHz)を使うことで通信できるが、波長が長い電波には巨大なアンテナが必要になるため、小型の水中ドローンでは使えない。水中での通信手段は超音波が有効であるが、遅延や障害物への弱さなどの弱点がある。そこで、可視光やレーザーを利用した光通信によって通信する手段が研究されている。
そのため、表中の水中ドローンにはケーブルでつなぐことで通信を確保するROVが多い。電力を同時に供給することもできるが、ケーブルが太くなると海流の影響を受けやすく、ケーブルを引っ張るためのパワーも必要になるため、内蔵バッテリーとするものが多い。しかし、ケーブルでつなぐことの最大のデメリットは到達距離の短さである。当然ケーブルの長さ以上遠くに離れることはできないため、ケーブルの長さイコール到達可能距離となる。また、ケーブルが海底の岩礁などに引っかかったり、ケーブル自体が捻じれて絡まる可能性もある。その半面、ケーブルでつながることで、例えば潮に流されて行方不明になるというようなことはない。回収時にはケーブルを引っ張り上げるだけで良い。

石油大手BPのレポート「Energy Outlook 2019」によると、エネルギー消費量(石油、ガス、石炭、原子力、リニューアブルすべてを含む石油換算トンベース)は、2040年まで年率1.2%で増加すると見込まれている。再生可能エネルギーは急速に増加(同7.1%)するが、石油、ガスもそれぞれ順に0.3%、1.7%の増加である。
この供給元は、依然として中東が主軸ではあるが、米国、中国、ロシアに加えて、アフリカが今後伸びる見通しである。ROVの適用を考えると、海洋資源開発が活発な米国、中国に加えて、東南アジア、アフリカが有望市場と言える。海に囲まれた日本もまた有望市場であり、同様に1万以上の島があるインドネシアも人口規模からも有望と言える(古舘渉)。

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/273

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61111200

2019.11.06

【アナリストオピニオン】ドローン活用のフィールドは水中へ②

AUVの商用利用は限定的で、海洋地質学、海洋生物学、海洋物理学などの研究分野での利用が主であった。近年、センシングと解析に関わるテクノロジーが発達するにつれ、その適用範囲が広がりつつある。その一例が、自律航行でパイプラインを点検するものである。

AUVは、ケーブルでつながれていないためROVよりも自由度が高く、何よりも船舶につながれたROVのように調査地点の海上に船を出航させなくてよい。しかし、高いレベルの自律性(autonomy)が求められ、バッテリー容量に制限があり、通信が低速であるなどの制約から、その適用範囲は海洋地質学や防衛用途に限定されてきたこともあって、現行のAUVはそれぞれの用途に最適なものがオーダーメイドで開発されてきたため、汎用性に乏しいという側面もある。

他方、最近露出が高まっている水中ドローンは、下記のようなROVの中でも低価格のもので、コンスーマー向けも含まれている。ケーブルでつながれたROVが現在の主流と言える方式となっており、用途としては水深100m未満の海底の探査、海底ケーブルの点検、橋などの建造物の水没部分の点検、船舶の船底(水中部分)の検査、養殖水産物の観察などがある。

そんな中で、RoboseaのBIKIは完全無線で、障害物検知に加え、水中コントロール用の音波リモコンがついているコンスーマー向けである。水面に浮上すればGPSで元の位置に戻る帰還機能もある。Notio plusのiBubble、Deep TrekkerのDTG3, Blueye RoboticsのPioneerなどは今年(2019年)出荷開始予定である。
水中ドローンも中国企業のものが多く、特に低価格パーソナルユース(ホビー用)ではこのほかにも多くの企業が参入している。
卵型(フットボール型)からプロペラを展開するドローン「パワー・エッグ(PowerEgg)」が有名なパワー・ビジョン社(PowerVision)は、パワー・レイ(Power Ray)を2017年に50,000台販売している。また、深く潜水しない水面ドローンとしてパワー・ドルフィン(Power Dolphin)も展開している。

ソーファー・オーシャン・テクノロジー(Sofar Ocean Technologies)は、かつてOpenROVとして水中ドローンを開発していた企業と海洋環境モニタリングブイ開発のスプーンドリフト(Spoondrift)とが一緒になった企業で初期の資金調達シリーズAで700万ドル(7.7億円)を集めた。OpenROVは既に7年前に設立されておりこの分野では老舗である。

これらのROVは、日本円で50万円以下のものも多く、伝統的にパイプライン点検などに利用されてきた水深500mに耐える1,000万円クラスのROVに比べるとスペックも低い。しかし、低価格になったことで、コンスーマーユースへと利用拡大が期待できる。
また、これまでダイバーが潜っていたような分野での点検が容易になり、潜航時間の制限を気にしなくて良い。港湾や護岸など陸続きの部分であれば船を出す必要もない。
一般的に、通常のROVによる点検は、比較的大型の船にROVを乗せて現地に行き、それなりの人員も帯同する必要があることから、1日のコストは5,000USドル(55万円)程度とされる。この1日のコスト分で購入できることになる。

水中ドローンの商用利用としての市場全体を見渡すと、AUVやROVの活躍する場は、石油・ガス、電力等のエネルギー産業が需要全体の半分を占める。その主な用途は、海底資源の探索と海底パイプラインや海底送電線ケーブルの点検である。
これらのタスクをこなすために利用されるのが、オンボードカメラによる可視光カメラ、超音波のソナー/エコー、磁気センサ、レーザースキャナ等である。(古舘渉)

  • デジタルカメラ:対象物の視覚的な点検に加え、ROVであればパイロットがROVの位置や新工法ことその周辺環境を把握するために利用できる。
  • ソナー/エコー:可視光が届かない距離でも対象物や周辺の障害物等を検知できる。
  • 磁気センサ:パイプラインの接続部分などの内外部の腐食検知
  • レーザー:水中ではレーザーの到達距離が限定されるものの、LiDARなどを使用することで近距離であれば高精度の3Dイメージを生成できる。

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/273

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61111200

【図表:主な水中ドローンのメーカーと製品】
2019.11.05

【アナリストオピニオン】ドローン活用のフィールドは水中へ①

空を飛ぶドローン(UAV)の話題で持ちきりだった2017年までに比べ、2018年後半からは水中ドローンの露出が増えた印象がある。空を飛ぶドローンの市場が中国のDJIに独占されている中、水中ドローンは新たな市場として注目されているようだ。

水中ドローンは、ROV(遠隔操作艇: Remotely Operated Vehicle)やAUV(自律型無人探査機: Autonomous Underwater Vehicle)と呼ばれるほか、UUV(無人潜航艇: Underwater Unmanned Vehicle)等の呼称もある。さらに、潜水せずに水面を航行する船はUSV(無人艇: Unmanned Surface Vehicle)や。UMV(無人航行艇: Unmanned Marine Vehicle)などとも呼ばれる。

ここでは、ケーブルにつながれて稼働する水中ドローンをROV、ケーブルなしで全く自律的に水中を潜航する水中ドローンをAUVと呼ぶ。

まず、AUV(自律型無人探査機)の場合、電波による通信が困難な水中ではGPS(GNSS)電波も受信できないため、自律航行のためにはレーザージャイロを使った慣性航法と詳細地形図を作成し、障害物を回避するためのソナーなど高度なシステムが必要になる。また、水深1,000mを超える深海を長時間潜航するための耐水圧性への要求も高い。航空機としてのドローン(UAV)が、早くから軍事・防衛分野での実用化が進んだように、AUVもまた、潜水艦や機雷対策、海底地形図作成(マッピング)などを目的に軍事用途で活用されてきた。また、海底油田などの資源探索や海底パイプラインの点検など、石油・ガス業界でも利用されている。

海底資源探索では、最初にAUVで広範囲に海底をスキャンし、気になる地点にROVを降ろして詳しく調査するという手法が一般的である。この場合のROVは、海底の石や泥を採取できるアームなどのマニピュレータを持つものだったりする。石油・ガスの業界では、かなり以前から海中の油田やガス田の開発にROVを活用してきた。また、タイタニック号など沈没船の捜索や海中に墜落した航空機の捜索にもROVは活用されている。

日本では、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が以前から無人探査機の開発運用を行っており、三菱重工や日立造船などが製造を手掛け、むしろこの分野では世界をリードしている。うらしま、かいこう、じんべいなど多種類の無人探査機(AUV)を開発してきた。日本近海にはマリアナ海溝など未探索の深海も多数存在し、海底資源であるメタンハイドレートやレアアースの資源量調査も注力されているところである(古舘渉)。

※図表の出展

JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)のプレスリリースより。リンク先には動画もあり。

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/273

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61111200

【図表:日本のAUV「じんべい」】
2019.11.01

【ショートレポートのご案内】

矢野経済研究所では、独自に収集したマーケットデータを1,000円で提供しております。
弊社が発刊する年間約250タイトルのマーケットレポートごとに、一部の内容をまとめたショートレポートです。
マーケットレポートに比べて詳細な内容は掲載されていませんが、その要約版、入門的な情報として活用できる内容となっております。
毎月10~20タイトルのレポートが随時追加されていきますので、是非ご期待ください。
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詳細は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.yano.co.jp/shortreport/index.php

2019.10.31

【アナリストオピニオン】MFP(複合機)の概念が変わる?新ソリューション/ITサービスの台頭③

リコー

リコーは、2019年1月にRICOH Intelligent WorkCoreを発表し、同月より提供を開始した。同時期に発売したMFP「RICOH IM Cシリーズ」をデジタル化へのゲートウェイとし、クラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」やパートナー企業のアプリケーションを組み合わせることで、オフィス業務の生産性向上に貢献するサービスである。

RICOH Smart Integrationは、MFPと様々なクラウド型のパートナーシステムをつなぎ、紙からデジタルデータへ変換・加工するアプリケーションを提供する。他にも、業務を効率化するアプリケーションが複数あり、MFPの操作パネルからユーザ自身でインストールできる。クラウドストレージ連携サービスやWebアドレス帳との連携サービス、AIを搭載したOCRサービスに加え、今後はQR/バーコードを活用したドキュメントサービスなども提供予定となっている。

リコーは、業種・業務に精通したパートナーとの連携を強化するために、2019年6月より「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACESパートナープログラム」を開始した。RICOH Intelligent WorkCoreとパートナーのアプリケーションが容易に連携できるよう、APIやSDK(Software Development Kit)を公開する。これにより、業種・業務にあわせた課題解決を実現するソリューションをスピーディに開発・提供することが可能になる。

2018年度以降、MFPベンダの動きが活発化しており、今後は上記のコニカミノルタ、富士ゼロックス、リコー以外にも追随する動きが広がると考える。従来のMFPと言えば、コピーしたりプリントアウトしたりFAXを送信したりといった「モノ」を活用することが主だったが、新ソリューション/ITサービスの台頭により、その様相は変化するだろう。

オフィスのセンターマシンとして大企業・中小企業問わず機能するMFPを生かし、また、現在のMIF(累積設置台数)を有効に活用できるため、各ソリューション/ITサービスの今後の成長が期待できる。ただ、オフィスの最適化やIT環境の構築などに関わるソリューション/ITサービスを提供する企業との競合は避けられない。MFPとソリューション/ITサービスの一体化なども含め、MFPベンダならではの取組みが差別化ポイントになるだろう。2019年度以降の各社の方向性、取組みに注目する必要がある。(星裕樹)

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/272

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61101600

図表:RICOH Intelligent WorkCoreの概念図
2019.10.30

【アナリストオピニオン】MFP(複合機)の概念が変わる?新ソリューション/ITサービスの台頭②

富士ゼロックス

富士ゼロックスは、2018年3月に新たな価値提供戦略として「Smart Work Innovation」を策定した。AIやIoT、IoH技術を活用することで、これまで同社が提供してきたソリューション/ITサービスの価値をさらに向上させるとしている。活用するAIは、オフィスに蓄積するドキュメント(文書)から「価値ある知」を抽出し、業務での利活用を実現する「Document AI」技術である。オフィス内の質の高いデータを使用するため、比較的少ないデータ量でも、高度な処理が可能だという。

同社は、繰り返し作業など業務の制約、専門性の偏在、情報流通環境のセキュリティ面での不安といった課題が企業に存在し、それらをSmart Work Innovationによって解決することで、更なる業務の整流化や生産性向上を実現できるとしている。

Smart Work Innovationとして提供されるサービスは、以下の5つである。(星裕樹)

①高精度データエントリーサービス
AIを活用して手書き帳票データを認識し、コンピュータ処理に適した形式に変換するサービス。人の視覚情報処理の仕組みを利用してAIを構築し、学習済みモデルを活用することで実現する。
ターゲットは、金融や公共、サービス業といった申込書など手書き帳票を大量に扱う業種である。

②図面情報抽出サービス
レイアウト解析技術と文字認識技術により、図面中の様々な場所に記載されている文字情報から、指定の文字列を抽出するサービス。情報抽出や照合作業の支援をすることで、情報確認の精度と作業納期の改善に役立てる。
ターゲットは、製造業や設備・建設業といった大量の紙図面を有し、それらを活用する業種である。

③専門知識体系化サービス
文書中の複数語句の関連性をリンキング技術によりオントロジーとして体系化することで、情報の関連性の発見を誰でも可能にするサービス。同社独自の自然言語処理技術を活用し、語句の関連性を抽出する。
各国・地域の法律に準拠する必要があるグローバル展開の製造業などで、法改正への対応策検討業務の改善が期待できる。

④クラウドセキュリティーサービス
オフィス、クラウド、モバイルを統合したセキュアなネットワーク環境を、閉域網として提供するサービス。同社のセキュア・ネットワーク・アウトソーシングサービス「beat」で得た知見を活用している。

⑤行動分析最適化サービス
IoTやIoH技術を活用し、人と人とのコミュニケーション(対話)の状況や、ワーカーの状態を可視化・分析するサービス。働き方やコミュニケーションの「見える化」を行うことで、働き方改革の具体的な施策立案や効果測定などを可能にする。

※知識を様々な概念間の関係として体系付けて表現し、コンピュータでも処理可能としたもの。

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/272

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61101600

2019.10.29

【アナリストオピニオン】MFP(複合機)の概念が変わる?新ソリューション/ITサービスの台頭①

MFP(複合機)は、コピー機能やプリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能などを併せ持つ事務機器である。20世紀末から広く普及し始め、ペーパーレス化と言われる現在でもオフィスになくてはならない存在となっている。

近年では、技術の成熟化により各製品に差がなくなってきたことで、ベンダ各社がMFPの付加価値を高めようと、ソリューションやITサービスを提供する取組みが出てきている。

ここでは、コニカミノルタと富士ゼロックス、リコーの3社の事例を紹介する。

コニカミノルタ

コニカミノルタが提供すWorkplace Hubは、シームレスにハードウェア、ソフトウェア、サービスが統合された拡張性のあるオールインワンITサービスである。2017年3月にドイツでその構想が発表され、2018年秋より欧米9か国(米国7都市・ドイツ・フランス・チェコ・英国・デンマーク・ポーランド・ハンガリー・カナダ)で順次提供が開始された。日本国内では、2019年4月より提供が始まっている。

コニカミノルタは、SMBの多くがITの効率的な活用や運用に課題を抱えており、専門人材の不足、情報セキュリティの不安、IT導入の効果検証ができていない点などを課題として挙げている。そこで、手軽に導入可能かつセキュリティを確保したIT環境をワンストップで提供することで、SMBが抱える課題を解決し、生産性及び創造性の向上を通じて事業の成長をサポートするとして、Workplace Hubの提供を開始した。

Workplace Hubの全体像は、上記の通りである。Workplace Hubのハードウェアは、国内ではタワー型サーバ「Workplace Hub Entry」(2019年4月販売開始)のみが販売されている。今後は、ラックマウント型サーバ「Workplace Hub Edge」、MFPとサーバの一体型「Workplace Hub AIO」の販売を予定している。

また、コニカミノルタ以外にも広くアプリケーションの幅を広げるべく、パートナー企業のソリューションを「Workplace Hub Platform Ready アプリケーション」として提供している。Workplace Hubの従量課金機能に対応しており、勤怠管理や設備管理、IT運用管理といったソリューションを揃えている。

ターゲットとするユーザは、企業規模は10~600名の中堅・中小企業、業種は製造業・小売・会計/法律事務所などである。ただ、同社では業種ソリューション展開としてヘルスケアや教育を計画するほか、大手企業の支店向けモデルを提供する計画も公表している。

世界市場では、2019年度に4,000顧客、2020年度に10,000顧客への提供を目標としている。そのために、リソースとしてシステムエンジニア1,700名の体制を構築した。

2019年3月期の決算説明会(2019年5月13日)では、2018年度の顧客数が100件未満、月平均単価が$1,270(約13万6,000円)と公表している。バージョンアップ等に時間がかかったことで設置が遅れ、顧客数が100件未満となったものの、月平均単価は計画時点では$1,230(約13万2,000円)程度としていたため、若干の上振れとなっている。(星裕樹)

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/272

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61101600

2019.10.28

【豪雨により被災された方々へのお見舞い】

10月25日に、豪雨により河川の氾濫や土砂災害などが発生いたしました。この度被災された方々ならびにそのご家族の皆様に、心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復興を願っております。

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本日、弊社はデイリーコラムの投稿を控えさせていただきました。明日から再び情報発信に努めていきたいと存じます。

被災された皆様の生活が1日も早く平穏を取り戻すようお祈り申し上げます。(デイリーコラム管理人)

2019.10.25

【新マーケティングサービスのご案内】

矢野経済研究所では新たなマーケティングサービスとして、市場調査にご関心のある方を対象とした「B2B市場調査入門 出張セミナー」と、ユーザーヒアリングから戦略を導き出す「戦略的CS調査サービス」を開始いたしました。経営の根幹を担う、顧客の維持・拡大や業績向上には、マーケティングの活用が重要となります。是非お気軽にご相談ください。

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詳細は以下のURLよりご覧頂けます。

https://www.yano.co.jp/market_reports/industryNews.php?id=124

2019.10.24

【リレーコラム】手ぶらで旅行に行ける未来②

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。9人目は、DMP/MAなどの領域を担当している宮川です。

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一方で、上記のことが全世界で体験できるようになれば、観光の醍醐味である「非日常体験」が薄れてしまいます。言語がいまいち通じない人と身振り手振りを交えて会話することや、色々な情報を参考にしつつ、右往左往しながら目的地にたどり着く、そんな楽しみはなくなります。VRやリアルハプティクスなどを活用して観光地への旅行体験をすれば、日本から出る必要すらありません。

ですが、そのような未来が訪れたとしても、「実際に行きたい観光地」はあり続けると思います。そこに求める価値は、実際に見る風景や現地の天候や雰囲気なのか、それとも全く別の何かなのでしょうか。逆にいえば、その魅力さえあれば、ICTなどが発展してもそこの観光地は発展し続けているということです。大変興味があります。(宮川典子)

2019.10.23

【リレーコラム】手ぶらで旅行に行ける未来①

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。9人目は、DMP/MAなどの領域を担当している宮川です。

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突然ですが、私は旅行に行くのが好きです。ですが、ものぐさな性格であるため、事前に何かを手配したり、緻密な計画を立てるのがあまり好きではありません。

海外旅行に行く際は手ぶらで空港へ向かい、現地の空港のチャットボットと会話して、予算や好みに合った洋服や宿泊所などを手配する。決済は全て生体認証で済ませるため、良く分からない人に話しかけられて無駄なチップを支払わされる危険性もありません。目的の観光地へは自動運転車に乗り、そこで乗り合わせた人たちとは自動翻訳を使って母国語でコミュニケーションがとる、そんな未来が待ち遠しいです。(宮川典子)

2019.10.21

【個別調査のご案内】

矢野経済研究所では、企業様からのご依頼に基づき、オリジナルの市場調査の業務も行っております。

弊社の既存レポートでは知りたい内容が充分に満たせない、単なる調査結果だけではなくコンサルテーションも頼みたい、といった要望にも対応いたします。

HPやメール、お電話等でご相談頂ければ、担当者からご連絡させて頂きます。費用の見積もりまでなら無料で対応いたしますので、市場データの収集やコンサルティングなどでお困りの方は是非お気軽にご相談ください。

詳細は、下記をご覧ください。

http://www.yanoict.com/service/service_e

2019.10.18

無料でも利用できる電子契約サービス

アドビ システムズ が提供するAdobe SignがAcrobat Reader DCのデスクトップアプリから月2回無料で利用できるようになりました。
Adobe Signは世界で60億件以上の取引実績を持つ電子サインサービスです。
電子サイン(電子契約)というと、ペーパレス、印紙代の削減などといったことが想起されますが、紙のサインに費やしていた工数の削減など、目に見えない負担の低減への効果が非常に大きいことが注目されており、導入企業も増加基調にあります。
中でもAdobe SignはMicrosoft、Salesforce、Workday、kintoneなどと連携しており、大手~中堅・中小企業まで便利に利用できるサービスのひとつです。
まずは無料で利用し、使いやすさや便利さを実感してから使いたい、不都合はないか確認したい、というユーザは多く、これを機にちょっと使ってみる、というのもありなのではないでしょうか。
矢野経済研究所では8月にリーガルテックに関するレポートを発刊しました。
 
電子契約サービスも1つのテーマとして取り上げています。
無料版を提供しているサービスや個人利用できるサービスもあるので、気軽に試すことのできるサービスとして今後さらに利用者が拡大していくでしょう。(小山博子)
 
2019.10.17

【TV出演のお知らせ】

矢野経済研究所の代表取締役社長 水越が明日18日(金)の朝に、モーニングCROSSにコメンテーターとして出演します。ご覧になった方は感想などもお寄せ下さい。

■日時:2019年10月18日(金)午前7:00~8:00(全時間)

■番組名:TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」(毎朝のニュース・情報の生ワイドショー)

http://s.mxtv.jp/morning_cross/

■チャンネル:地上波9チャンネル(091ch)

■出演内容:コメンテーターとして全時間出演

※他の共演者:関口舞氏(IT起業家)

■MC:堀潤氏、宮瀬茉祐子氏

2019.10.16

AIにできない仕事⑱ AIは新たな異物との出会いを演出できない

AI(人工知能)がやがて人間の仕事の多くを代替していくって本当でしょうか。でも、AIにもできない仕事があるのでは? 

 

最近、町を歩いていて、すれ違う人と目を合わせないことが増えた気がします。スマホながら見歩きのせいでしょうか。リアル歩道を歩いていても、意識はバーチャルなスマホのモニタの中の世界に行ってしまっているのです。すれ違う人がどのような人物であっても興味はなく、スマホでの既知の人物との交歓、既知の知識の周辺データ収集にのみ心が向いているのでしょうか。 

 

スマホは人間から新たな異物との出会いの機会を奪ったといえます。テレビが中心の時代では、特に家族と一緒にお茶の間で見る時は、嫌いな番組でも家族の手前否応なしに見たので、自分の知らなかった世界(=異物)に触れる機会がありました。が、スマホを一人1台持つようになってからは、関連コンテンツばかりがレコメンドで送られてくるため、もともとあった自分の興味の世界の中だけで閉じてしまいがちになったのです。 

 

70年代、筆者が高校生の頃、すれ違いざま目が合うと「この野郎」ということで、ちょっと顔かせということで、ちょっと痛い思いをしたりしましたが、今はそんなことあるのでしょうか。男女の目が合った場合はまた違った意味になるのでしょうが・・。(イメージイラスト有り)

 

先月参加した日経XTECH主催「DTTF2019」におけるDENSO International America Inc.・鈴木万治氏のセミナーでスマホ位置情報アプリ「Zenly」の紹介がありました。友人や家族の今の位置が24時間リアルタイムで分かってしまうというアプリです。10代後半から25歳くらいまでのZ年代層ユーザに大人気だそうです。

(注;Z年代層とは1995年~2009年生まれの世代。日本ではゆとり・さとり世代とも呼ばれ、中学生の頃からソーシャルメディアに触れ、高校生の頃からスマートフォンを持つ)

 

このアプリを見ながら歩いていると、どこにいっても既知の人の情報だけが途切れなく入ってきます。どうやら現在のITは、既知の人、既存の知識に上乗せするものを倍増させる傾向が強く、逆に自分の知らなかった世界(=異物)に触れる傾向のアプリは少ないように感じます。

 

たしかに筆者も通常の生活では、既知の人、既存の知識に上乗せメディアの傾向が強い気がします。けれど、海外に行った時は別です。語学力の弱さ故、地図に載っていないところで道がわからなくなると、一番優しそうな人を見分けてつかまえて、今の場所と、これから行く場所について聞くのがいつものスタイル。その場合、当地の言語がわからなくても、相手の目を見つめて、答えているときの表情から推し量ったり、確信をもって答えているか、あいまいなまま答えているか、調子を合わせているだけか、第六感を思い切り働かせながらやりとりします。そうしたやり取りを通して、むしろ相手の国の人の印象や、日本人に対する思いや、様々なものが透けて見えてくる(様な気がする)のです。 

 

異文化との付き合いは、結局こういうシーンがおもしろいのではないかと思います。もしも既知の人物や知識のみを追いかける事だけが強調されると世界が小さくまとまってしまうのではないか…という気がします。

しかし、「Zenly」がこれからのマーケットの中核となるZ年代層ユーザに大人気なら、ベンダ側としてはここを攻めればいいのでしょう。

 

逆に目が合うと「この野郎」ということで、ちょっと顔かせということで、知らなかった世界(=異物)が動き出すようなアプリは本当にもうニーズが無いのでしょうか。 

 

AIにできない仕事のヒントは、この辺りにもあるかもしれません。(森健一郎)

2019.10.15

【台風により被災された方々へのお見舞い】

この度の台風で被災された方々ならびにそのご家族の皆様に、心からお見舞い申し上げます。この台風によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復興を願っております。

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本日、弊社はデイリーコラムの投稿を控えさせていただきました。明日から再び情報発信に努めていきたいと存じます。

被災された皆様の生活が1日も早く平穏を取り戻すようお祈り申し上げます。(デイリーコラム管理人)

 

2019.10.11

顧客個人に向けたマーケティング施策の展開

昨今、企業側は顧客体験の質を向上させるべく、顧客一人ひとりにパーソナライズ化されたコンテンツ配信などに取り組んでいる。ここでは、CDP(Customer Data Platform)について紹介する。

CDPとは、顧客個人を基軸に属性データや行動データを収集・蓄積・統合するプラットフォームのことである。自社や他社(2nd/3rdパーティーデータ)が保有する顧客に関連するデータの統合・分析をリアルタイムで行い、MAなどの各種ツールを活用してマーケティング施策を展開していく。

各種データを統合・分析することで顧客の購買前から購買後の行動をリアルタイムで把握でき、より精度の高いマーケティング施策の展開につなげることができる。

なお、日本では2017年頃にCDPが登場したが、いまだに「プライベートDMP」といわれることも多い。

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CDPを活用することで、より正確な個人の嗜好などの把握が期待できるが、同時に「どうしてそんなことまで知っているの?」と不信感を抱かれる可能性もある。配信するコンテンツの内容には、これまで以上に細心の注意を払っていく必要がある。(宮川典子)

2019.10.10

【リレーコラム】ゲームの変遷②

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。8人目は、IoTやインフラ系ICTなどの領域を担当している早川です。

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平成から令和に至る昨今、eスポーツなど、ゲームが世界的なエンターテインメント競技として認知されています。またネットワーク環境や、AR/VRといったICTテクノロジーの利活用も相まって、より臨場感の高い&多人数参加型ゲームに変化しています。さらに言えば、ゲーム専用機を使わないスマホ/タブレット&クラウドタイプのゲームに軸足が移りつつあります。

そんなことで、パスワード入力でゲーム再開していた頃が、(たまにパスワードの転記を間違ってしまい、始めからやり直しになるなど、不便ではあったけど)のどかで懐かしい昭和時代だったと振り返るこの頃です。(早川泰弘)

※シリーズ①は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/daily/show/id/454

2019.10.09

【リレーコラム】ゲームの変遷①

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。2019年度は「平成を振り返って/未来に想いを寄せて」をテーマに、リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。8人目は、IoTやインフラ系ICTなどの領域を担当している早川です。

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筆者が大学生の頃、ファミリーコンピュータ(ファミコン)が発売されました。特にゲーム好きではなかったのですが、弟が欲しがったこともあり、取りあえず購入してみました。

当初はソフトが限定的で、壁打ちテニスとか、極端に単純なインベーダゲームもどきがあったように記憶しております。しかしすぐに飽きてしまいました。そもそもアクション系が苦手でしたので、遊べるソフトがあまりありませんでした。

その後、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーが発売され、ゆっくり遊べる上にストーリー性も向上したこともあり、ロールプレイング系ゲームを目的に、スーパーファミコン~プレステ3まではずっと購入を続けました。

元々は外で遊びたいタイプだったのですが、ドラクエが発売されると、ほぼ連日ゲーム三昧になります。今思うと、一種の中毒症状だったのでしょうか。(早川泰弘)

2019.10.08

【新マーケティングサービスのご案内】

矢野経済研究所では新たなマーケティングサービスとして、市場調査にご関心のある方を対象とした「B2B市場調査入門 出張セミナー」と、ユーザーヒアリングから戦略を導き出す「戦略的CS調査サービス」を開始いたしました。経営の根幹を担う、顧客の維持・拡大や業績向上には、マーケティングの活用が重要となります。是非お気軽にご相談ください。

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詳細は以下のURLよりご覧頂けます。

https://www.yano.co.jp/market_reports/industryNews.php?id=124

2019.10.07

【チャットツールの台頭とつながらない権利】

働き方改革を推進するにあたり、ITツールを採用する企業も多いだろう。ITツールの一例として、チャットツール「LINE WORKS」が挙げられる。

LINE WORKSについて簡単に説明する。まず、チャットツール全般の特徴となるが、メールよりも文面が簡潔ですむ。また、スマートフォンにアプリを入れることで、外出中でもメッセージを手軽に送受信できる。さらに、LINE WORKSではメッセージの送信画面から、送信先となる相手の予定を確認できる機能も備えている。

チャットツールの台頭に伴い、どこにいてもメッセージを送受信できるようになる一方で、「つながらない権利」を耳にするようにもなってきた。つながらない権利とは、勤務時間外や休日に仕事上のメールなどへの対応を拒否できる権利である。フランスやイタリアではこの権利を認める法律が成立しており、ニューヨークでも条例案の審議が進んでいる。

今後、在宅勤務などが一層広がり、社外で仕事をする機会がますます増えていく。チャットツールで連絡を取り合い、緊急の要件には即座に対応するなどして、社外でも仕事と適度につながる姿勢が、労働者には求められていくのだろうか。(井上圭介)

2019.10.04

【ショートレポートのご案内】

矢野経済研究所では、独自に収集したマーケットデータを1,000円で提供しております。
弊社が発刊する年間約250タイトルのマーケットレポートごとに、一部の内容をまとめたショートレポートです。
マーケットレポートに比べて詳細な内容は掲載されていませんが、その要約版、入門的な情報として活用できる内容となっております。
毎月10~20タイトルのレポートが随時追加されていきますので、是非ご期待ください。
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詳細は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.yano.co.jp/shortreport/index.php

2019.10.03

【アナリストオピニオン】マルチポイント化が進む中、店舗から求められる共通ポイントとは?③

共通ポイント事業者・グループ経由での共通ポイント発行

また、加盟店を経由せず、各共通ポイント事業者(グループを含む)が提供しているサービスを通じて発行されるポイントも多い。

dポイントと楽天スーパーポイントでは、共通ポイント事業者(グループを含む)経由でポイントを大量に発行している。特に楽天市場経由で相当な量の楽天スーパーポイントが発行されていると推測する。楽天市場では会員のポイント付与率が高く、楽天グループの国内EC流通総額5(2018)は約3.5兆円に上っている。なお、クレジットカード取扱高7.5兆円(2018)を誇る楽天カードからも、大量のポイントが発行されていると考える。また、dポイントにおいては、利用者は携帯電話料金の支払いを通じて多くのポイントを獲得している。

これらを背景に、dポイントと楽天スーパーポイントの会員は、共通ポイント事業者(グループを含む)が提供しているサービスを通じて得たポイントを、加盟店での支払いに充てることが多いと考える。

※5:楽天グループの以下サービスの合計。

市場、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、チケット、ブランドアベニュー、ドリームビジネス、ラクー、 ビューティ、マート、デリバリー、楽天ダイレクト、カーライフ、クーポン、 ラクマ、楽天デリバリープレミアム、Rebates、Raxy、楽天西友ネットスーパー等。

dポイントと楽天スーパーポイントを導入するニーズの高まり

共通ポイント事業者(グループを含む)を経由するポイントの発行額が大きいdポイントと楽天スーパーポイントでは、各加盟店は共通ポイントを発行するよりも充当する機会が多くなる。さらに、これら2サービスにおいて、利用者は期間限定ポイントを共通ポイント事業者のグループ以外の店舗でも使用できる。こうしたことから、店舗では充当する機会に恵まれた上記2サービスを導入するニーズが高いと考える。

消費税増税に合わせて、10月からキャッシュレス決済時のポイント還元がスタートする。店舗によって還元率が異なり、ポイント還元を行わずに実質値引きで対応する動きもみられる。各店舗におけるポイント還元への対応は割れているが、引き続き加盟店において充当の機会が多い共通ポイントを導入するニーズは高くあり続けると考える(井上圭介)。

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/271

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61102400

2019.10.02

【アナリストオピニオン】マルチポイント化が進む中、店舗から求められる共通ポイントとは?②

加盟店での充当の機会が多い共通ポイントが求められている

4種類の共通ポイントのうち、店舗において導入するニーズが高いサービスはいずれであろうか。共通ポイントのビジネスモデル上、加盟店にとってポイントの充当(利用者が店舗での支払いにポイントを充てる)は金銭的負担とはならないが、発行は金銭的負担となる。そのため、各店舗は充当の機会が多い共通ポイントを導入するニーズが高い。ポイントの充当には、下記の事項が影響を与えていると考える。

  • 期間限定ポイント
  • 共通ポイント事業者(グループを含む)経由でのポイント発行

以下ではこの二つの側面から共通ポイントを考察する。

期間限定ポイントの利用可能範囲に差異あり

各社の期間限定ポイントの概要を下表に整理した。

表からわかるように、共通ポイントの種類によって、期間限定ポイントの利用可能範囲が異なる。この違いが、加盟店での充当の頻度に差を生み出していると考える。

期間限定ポイントは、dポイントと楽天スーパーポイントにおいては、通常のポイントと同様に加盟店で幅広く使用できる。期間限定ポイントを加盟店で充当する利用者が見込めるため、これら2サービスの導入を希望する店舗は多いと考える。

一方でTポイントとPontaの期間限定ポイントの用途は、各共通ポイント事業者のグループが提供するサービスに限定されている。そのため、たとえばT会員は期間固定Tポイントをヤフーグループのサービスで利用する際に、合わせて通常のTポイントも消費しているケースが多いと考える。その結果、ヤフーグループ以外のTポイントの加盟店では、Tポイントの付与は継続しているが、T会員がTポイントを消費する機会が減少している可能性がある。(井上圭介)

※全文、関連資料の概要は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/271

https://www.yano.co.jp/market_reports/C61102400

【図表:共通ポイントにおける期間限定ポイントの比較】

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