矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

9 10
2026
【発刊裏話】高精度測位補正サービスの可能性を探る
今回『2026 高精度測位補正サービスの市場動向』において、初めて高精度測位補正サービス市場を担当しました。 調査を始めた当初は、正直なところサービスの全体像をイメージすることが難しく、補正方式にもさまざまな種類があるため、理解するまでに苦労した部分もありました。 現在の主な活用分野は建設や農業で、建機の自動制御や測量、スマート農業などで既に実用化が進んでいます。市場の将来性を考えたとき、大きな鍵を握るのは自動運転分野だと感じています。  もちろん課題もあります。衛星信号を利用する以上、トンネル内や都市部の一部環境では位置測位が難しくなる場面もあります。また、電子基準点網の整備状況など、海外とのインフラ環境の違いも含め、実用化に向けて乗り越えるべきハードルは少なくありません。  本レポートで整理した通り、足元では自動車メーカー各社がカメラやLiDARを優先していると考えられ、需要創出の見通しは不透明です。しかし、高精度地図やLiDARなど他の技術と組み合わせながら活用が進めば、将来的には自動運転を支えるインフラの一つになる可能性を秘めていると個人的には見ています。建設・農業に続く成長分野として立ち上がる時期を、今後も注視していきたいと思います。   ▼高精度測位補正サービスについて整理した調査レポートです 2026 高精度測位補正サービスの市場動向 | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
9 7
2026
【今週の"ひらめき"視点】2025年の出生率、過去最低。人口減少を前提とした国土の再構築を
当社代表が最新のニュースを題材に時代の本質、変化の予兆に切り込みます。 8月28日、厚生労働省は人口動態統計速報を発表、2026年1-6月期の出生数は342,068人、前年同期比+0.8%、上半期としては11年ぶりに前年を上回った。出生率 ※ はコロナ禍による婚姻数減の影響を受けて2022年から2024年にかけて前年比▲5%台の減少が続いてきたが、2025年は▲2.2%と下げ止まった。2024年以降、婚姻数が持ち直したことが背景にある。 とは言え、出生率1.14は過去最低、前年比マイナスは10年連続だ。2023年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計人口の中位推計は2025年の出生率を1.25に置いていた。悲観シナリオとされた低位推計は1.10、現実はむしろこちらに近く、出生数の減少トレンドは中位推計に対して15年程度先行している。出生数と死亡数の差である自然増減は19年連続でマイナス、2025年は2年連続で▲90万人を超えた。人口減少に歯止めはかかっていない。 こども家庭庁はこの5月から8月にかけて15歳から39歳までの男女を対象に「若者10万人の総合調査」を実施、8月31日、その途中経過を公表した。設問は生活満足度や社会参画意識など広範に及ぶが、結婚に関する集計結果には驚かされた。未婚者のうち「結婚するつもりはない」との回答者は35.1%に達する。“収入への不安”や“自由時間の減少”が結婚に対するハードルの上位にあがるが、そもそも「結婚したいと思わない」との回答がそれらを上回り、「結婚するつもりはない」人の53.1%、未婚者全体の18.6%に達している。既に若者人口が減っている現状にあってこれでは出生率は上がるまい。 2021年、国土交通省は「国土の長期展望」の最終とりまとめを発表、2050年には居住地域の約5割が少子高齢化地域となり、全市区町村の約3割が人口半数未満となること、全人口の7割が災害リスクの高い地域に居住していることを前提とし、「コンパクト+ネットワーク」による持続可能な地域づくりの必要性を訴える。人口減少を所与の条件と受け止め、そのうえで地域の豊かさを実現する必要があるということだ。首都の優位性、東京の経済力、TOKYOの先進性の取り込み競争(副首都構想)では解決しない。優先すべきは“多様な豊かさ、多彩な個性をもった新たな地域生活圏の形成”と“自然災害と人口減少に応じた国土の適正管理”である。 ※出生率(合計特殊出生率)とは、1年間における15歳から49歳までの女性の各年齢別の出生率を合計した数値で一人の女性が一生に産む子どもの数の平均値。人口を維持するためには2.07が必要となる。 今週の“ひらめき”視点 2026.8.30 - 9.3 代表取締役社長 水越 孝

Main Contents Topics

8 31
2026
2026年版 車載HMI市場動向調査 -AI-DV時代におけるHMIの付加価値競争の行方-
近年、自動車の価値は、単なる「移動手段」から「移動空間における体験価値」へと大きく転換しており、その中核を担う技術が車載HMI(Human Machine Interface)である。デジタルコックピットやIVI(In-Vehicle Infotainment)の進化に伴い、操作インターフェイスはタッチ、音声、ジェスチャーを組み合わせたマルチモーダル化が進展しており、HMIはブランド価値や顧客体験を左右する重要な差別化要素となっている。 また、電動化(EV)、自動運転、コネクテッド化の進展は、車載HMIの高度化を加速させている。特にEV市場では、走行性能に加えて車内体験が競争力を左右する重要な要素となり、OTA(Over-the-Air)による継続的な機能アップデートを前提としたソフトウェア中心の製品開発が一般化しつつある。さらに、Android Automotive OSをはじめとする車載プラットフォームの普及や、生成AI・音声AIを活用したインテリジェントアシスタントの進化により、競争の軸は個別製品からエコシステム全体へと移行している。今後は、ディスプレイの大型化・高機能化、HUD・AR技術の普及、さらにはパーソナライズやウェルネスサービスの拡充を背景に、HMIの役割は一層拡大すると見込まれる。 本資料では、これらの市場環境の変化を踏まえ、車載HMI市場の構造、主要OEM・サプライヤーの戦略、技術トレンドを体系的に整理するとともに、今後の市場機会と事業の方向性について考察する。
8 28
2026
2026 保険に関する消費者の理解度・意識調査
保険に関する消費者の理解度と意識の実態を明らかにした市場調査資料です。 保険商品・保険用語に関する消費者の理解度を測定したところ、全体正答率は55.1%となりました。約2問に1問は誤答という結果であり、契約者が日常的に接する保険用語であっても、その内容が正確に理解されているとは言い難い実態が明らかになりました。特に年代による差は大きく、20代の正答率42.0%に対し、60代は64.8%と20ポイント以上の開きがみられます。 さらに本調査では、「自分は理解している」という自己認識と、実際の理解度との間にギャップが存在することも確認されました。「内容をしっかり理解し、納得したうえで申し込むタイプ」の正答率(58.8%)が、「大まかに理解した気になれば申し込むタイプ」の正答率(62.8%)を下回るという逆転現象がみられ、消費者の「わかったつもり」の実態を数値で裏付けています。また、2026年6月に施行された改正保険業法についても、64.8%が「全く知らなかった」と回答するなど、業界が重視する制度改正が消費者にほとんど届いていないことも明らかになりました。 本資料では、保険用語・商品理解度、加入時の自己認識タイプ、改正保険業法への関心・負担感、商品選択行動、保険業界への信頼・情報接触の実態について、「年代別(20代~60代)」「自己認識タイプ別(Q6の5分類)」の2つの軸から詳細に分析し、保険会社・保険代理店における募集品質向上やコミュニケーション戦略の立案に活用できる情報を提供しています。 全159頁。2026年8月28日、矢野経済研究所発行。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422