矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

9 18
2026
【アナリスト便り】「2026 量子コンピュータ市場の現状と将来展望」を発刊①
9/16に『2026 量子コンピュータ市場の現状と将来展望』を発刊しました。ようやっとです。 2026 量子コンピュータ市場の現状と将来展望 | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所   今回は、ハードウェア(量子ビット方式/制御装置)およびアプリケーション(アルゴリズムを含む)を押さえる形で国内外のプレイヤーに取材を実施しました。2021年の発刊以来となりますので、気持ち的にはほぼ新刊といった感覚です。本稿では調査において感じられた前回との変化について簡単に記載しておきたいと思います。   ■ハードウェアはエラー訂正に加えて、新たな課題の登場や、方式のハイブリッドなど話題満載 まずハードウェアについて、エラー訂正への対応が主たるフォーカスポイントでしたが、今回取材したところ、古典コンピュータ(いわゆるHPC)との連携に際して、新たにデータの入出力問題やキャリブレーションに係る課題が登場するなど、多くの乗り越えるべき課題が登場、世界中の企業が解決に向けて試行錯誤を進める様子をうかがい知ることができました。 また、方式についても新たに中性原子方式が登場したほか、最近ではIBMが超伝導方式と併せて、半導体方式の企業を買収したほか、富士通も以前から超伝導方式に加えてダイヤモンドスピン方式の研究開発を進めるなど、今後、方式同士のハイブリッドの可能性も出てくるなど、益々面白くなってきています。
9 17
2026
「暗黙知を形式知に 日立製作所の設計ナレッジシステム」
日立製作所が、製造業の顧客向けに設計業務を支援する「設計ナレッジシステム」を開発し、「HMAX Industry」の新たなラインアップに追加するとともに、提供を開始したことを発表しました(2026年9月10日)。   本システムは、日立のモノづくりの知見を基盤に、形式知化プロセス(AIエージェント)と日立独自の形状認識技術を融合。「暗黙知→形式知→組織の資産」の循環を創出し、設計品質の継続的な向上の実現を目指すものです。近年は、熟練技術者の不足や技術継承を課題とする企業が多く、それらの企業がAIを活用し、暗黙知の形式知化に取り組む動きは見られますが、なかなか成果に結びつかないとも聞きます。   本システムは、日立ハイテクで行ったテストにおいて、曲げ作業や打ち抜き・切断加工が困難な作業の箇所や寸法不備等を自動で100%抽出(板金・製缶図面の検図記録(3年分)の不備案件に対してプロトタイプ版で設計ルールを抽出した結果)し、不具合のある設計データが後工程に流出する回数を減らすなど高い効果を確認したそうです。   ひとつでも多くの熟練者の「暗黙知」が組織の財産になる動きが広がることを期待します。
9 16
2026
「金融・保険関連のマーケットレポート試読会を開催しました!」
9/10(木)に、ICT・金融ユニットの金融チームが発刊するマーケットレポートの試読会を開催しました。 今回は弊社東京本社にて、金融・保険関連を中心とした27タイトルのレポートをご用意しました。ご参加いただいた皆様には、レポートを直接手に取って試し読みいただくとともに、私たち研究員との情報交換や交流の場としてもご活用いただきました。   金融・保険領域では初めての試みとなるレポート試読会でしたが、想定を上回る21名の方にご来場いただきました! ご参加いただいた皆様、また今回はご都合がつかなかったもののご参加を検討いただいた皆様、この場を借りて御礼申し上げます。   当日、ご来場いただいた方から次のようなお声もいただきました。 ・隣接テーマのレポートを閲覧できてよかった ・複数のテーマのレポートをまとめて試し読みできてよかった ・担当研究員と直接話ができるいい機会だった   開催にあたっては、運営面での改善点もありましたが、少しでも皆様のお役に立つ機会となっていれば幸いです。 当ICT・金融ユニットでは、エンタープライズや金融、自動車×ITなど幅広いテーマのレポートを発刊しております。今後もこうした機会を設けることができればと考えております。
9 15
2026
「警官の装着型カメラ、来年度から本格導入へ」
警察庁は8月28日、警察官がウェアラブルカメラを装着して活動する試行結果を公表した。職務質問や交通取締り等の現場において、カメラの映像が事件の状況確認や公務執行妨害事案での有力な証拠として活用されたことから、同庁は「有用性が認められた」と評価し、本格導入に向けた予算確保や運用ルールの策定作業を進める方針である。 試行では職務執行の客観的検証や若手警察官への指導教材としての効果が確認された一方、装着する警察官からは機器のさらなる軽量化が求められている。また、市民側から「監視」に対する反発や録音・撮影への拒否反応も見られ、記録範囲の画定や撮影データの保存・利用基準といった具体的指針の整備が今後の課題として浮き彫りとなった。  警察官にウェアラブルカメラ、本格導入へ 「有用性を確認」(CNET Japan) - Yahoo!ニュース   ウェアラブルカメラの導入は、法執行の透明性確保と警察官自身の身の安全を守る双方の観点から有用性が高い。北米等の先行市場では不可欠な装備として定着しており、日本市場においても警備・公共安全分野での映像DXの契機となる。 一方で、日本市場ならではの課題も浮き彫りとなっている。街頭防犯カメラの普及状況にも表れている通り、国内では諸外国と比べ「監視されること」への心理的抵抗感が根強く、人口あたりのカメラ設置台数も低水準にとどまる。このことからも、今後はハードウェアの軽量化・長時間バッテリー化に加え、現場での恣意的な録画停止を防ぐ厳格なガイドライン策定や、プライバシー保護とセキュアなデータ管理基盤の構築といった対応が重要となるだろう。

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9 16
2026
2026 量子コンピュータ市場の現状と将来展望
2020年、2021年に『量子コンピュータ市場の現状と将来展望』を発刊したが、当時、技術進化は日本を含むグローバルで研究開発が猛スピードで進む一方、活用面では手探りの状態にあった。しかしながら5年を経て2026年に調査した結果、研究開発面および活用面において以下のような変化が見られた。 まず研究開発面は急速に進展しており、ハードウェア側についてエラー訂正はもちろん、古典コンピュータとの連携における入出力問題のほか、キャリブレーションなどについても解決に向けて進んでいる。ソフトウェア側もさまざまなアルゴリズムや既存アルゴリズムの改善などに取組んでおり。NISQのみならず、Early-FTQCに向けたアルゴリズムの開発に向けた取組みも進められている。 次に活用面でも試行錯誤が進み、2025年~2026年にかけて本番環境に近い形でのPoCや、実際に量子コンピュータを活用した製品が登場するなど、活用の方向性が徐々に見えてきており、市場が育ってきている状況にある。また、実際に利用企業についても広がりを見せ始めており、いわゆる材料化学や創薬などを中心に初期から取組むイノベーターに加えて、2025~2026年にかけてCAE領域を中心にアーリーアダプターへと普及し始めている。 このように、5年間で急速に進展している量子コンピュータ業界について、市場規模や活用ロードマップなどをアップデートすべく、全27社(うち海外企業13社)に取材を敢行。具体的には、富士通や日立製作所、Jij、Quemix、Fixstars Amplifyなどの日本企業に留まらず、D-Wave、Equal1、Atom Computing、PlanQC、Quantum Machines、Classiq Technologiesなど、米国やカナダ、英国、ドイツ、フィンランド、韓国など、世界各国の注目企業に取材を行った。
8 31
2026
2026年版 車載HMI市場動向調査 -AI-DV時代におけるHMIの付加価値競争の行方-
近年、自動車の価値は、単なる「移動手段」から「移動空間における体験価値」へと大きく転換しており、その中核を担う技術が車載HMI(Human Machine Interface)である。デジタルコックピットやIVI(In-Vehicle Infotainment)の進化に伴い、操作インターフェイスはタッチ、音声、ジェスチャーを組み合わせたマルチモーダル化が進展しており、HMIはブランド価値や顧客体験を左右する重要な差別化要素となっている。 また、電動化(EV)、自動運転、コネクテッド化の進展は、車載HMIの高度化を加速させている。特にEV市場では、走行性能に加えて車内体験が競争力を左右する重要な要素となり、OTA(Over-the-Air)による継続的な機能アップデートを前提としたソフトウェア中心の製品開発が一般化しつつある。さらに、Android Automotive OSをはじめとする車載プラットフォームの普及や、生成AI・音声AIを活用したインテリジェントアシスタントの進化により、競争の軸は個別製品からエコシステム全体へと移行している。今後は、ディスプレイの大型化・高機能化、HUD・AR技術の普及、さらにはパーソナライズやウェルネスサービスの拡充を背景に、HMIの役割は一層拡大すると見込まれる。 本資料では、これらの市場環境の変化を踏まえ、車載HMI市場の構造、主要OEM・サプライヤーの戦略、技術トレンドを体系的に整理するとともに、今後の市場機会と事業の方向性について考察する。
8 28
2026
2026 保険に関する消費者の理解度・意識調査
保険に関する消費者の理解度と意識の実態を明らかにした市場調査資料です。 保険商品・保険用語に関する消費者の理解度を測定したところ、全体正答率は55.1%となりました。約2問に1問は誤答という結果であり、契約者が日常的に接する保険用語であっても、その内容が正確に理解されているとは言い難い実態が明らかになりました。特に年代による差は大きく、20代の正答率42.0%に対し、60代は64.8%と20ポイント以上の開きがみられます。 さらに本調査では、「自分は理解している」という自己認識と、実際の理解度との間にギャップが存在することも確認されました。「内容をしっかり理解し、納得したうえで申し込むタイプ」の正答率(58.8%)が、「大まかに理解した気になれば申し込むタイプ」の正答率(62.8%)を下回るという逆転現象がみられ、消費者の「わかったつもり」の実態を数値で裏付けています。また、2026年6月に施行された改正保険業法についても、64.8%が「全く知らなかった」と回答するなど、業界が重視する制度改正が消費者にほとんど届いていないことも明らかになりました。 本資料では、保険用語・商品理解度、加入時の自己認識タイプ、改正保険業法への関心・負担感、商品選択行動、保険業界への信頼・情報接触の実態について、「年代別(20代~60代)」「自己認識タイプ別(Q6の5分類)」の2つの軸から詳細に分析し、保険会社・保険代理店における募集品質向上やコミュニケーション戦略の立案に活用できる情報を提供しています。 全159頁。2026年8月28日、矢野経済研究所発行。

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