矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2019
【アナリストオピニオン】危機的状況にあるHuawei(ファーウェイ/華為技術)の現状と市場見通し②
Huawei製スマートフォンの仕向地別の構成比は中国が約9,000万台で全体の44%に達する。米国市場は元々少なく2018年はごく少数に留まっている。一方、日本、ASEAN諸国、インドを含むアジア市場や欧州市場等でもシェアを急拡大させており、存在感は高まるばかりであった。 Huawei製スマートフォンが市場で出荷台数を伸ばした背景には、 ①販売力 ②商品力 ③ブランド力 の全てが備わっていた訳だが、今回の件で商品力とブランド力は大きく毀損した。 またスマートフォン以外にタブレット、Wi-Fiルーター、WindowsモバイルPCなども手掛けており、今後はスマート家電分野への進出も計画されていた。 報道されているように、Googleとの取引が不可能となったことでAndroidOSについて、今後発売が予定されている新製品へのAndroid搭載が不可能となった。また既存製品のOSのアップデートが出来なくなる可能性や、Googleが提供する各種サービスが使用できなくなる可能性も指摘されている。また、同社製品が数多く搭載する(米)Qualcomm製チップセットの調達も不可能となり、市場へ競争力のある製品の導入が難しくなった。 更に追い打ちをかけるように(英)ARMのCPU製造におけるライセンス供給の停止に加え、SDアソシエーションの会員名簿からHuaweiの名前が削除されており、ハードウェア製造においても大きな影響が出始めている。今後、更に他のライセンスを使用できなくなる懸念も生じる。 Huaweiも既に対策を講じており、部品在庫の積み増しを図っているもののあくまで短期的なものである。またOSやチップセットも自社開発を表明しているが実現性に疑問が出始めている。 一方で中国国内ではHuaweiを擁護する動きが活発化しており、同社製品の購買運動や同社の元従業員が無償で働くといった本来、中国人には希薄だった団結感や愛国心が生まれている点は注目に値する。 混迷するスマートフォン市場 各国の状況は Huaweiが市場から排除される事による市場への影響だが、政治的要因があまりにも強い事から全く見通せない。 同社にとって最大市場である中国市場ではApple製品の不買運動が懸念される。一方で制裁を逃れた中国メーカー各社は漁夫の利を得るべく攻勢をかける筈でXiaomi(シャオミ/小米科技)、OPPO(オッポ/欧珀)、Vivo(ヴィーヴォ、ビボ)といった大手メーカーは恩恵を得られる可能性が高い。 米国市場では既にHuaweiは排除されており、影響は軽微である。日本市場では大手通信事業者各社が夏季商戦向けに採用を強化していたところなので出鼻を挫かれた格好である。MVNO各社も新製品の販売延期を発表しており、他社製品での穴埋めを迫られている。 ASEAN、インド市場ではHuaweiはサムスン電子、OPPO、Vivo、Xioamiといったメーカーと厳しい競争を強いられており、後退を余儀なくされる。 欧州市場では、サムスン電子、Apple、LG等にとって有利な状況なものの、OPPO、Xiaomiが進出し始めており、新興勢力が大きくシェアを伸ばすチャンスとなるかもしれない。 アフリカ市場ではHuweiは先行するTRANSSION(伝音)を追撃すべく攻勢を掛けていたが、やはり後退を余儀なくされる。一方で途上国では価格が優先されることもあり、自社開発のOS、チップセット開発に成功し、上手く製品に反映されれば芽はあるかもしれない。 スマートフォン市場は出荷台数が頭打ちの状況にあり、Huaweiの問題が市場にどのような影響を齎すかは読みにくい状況にあるが、もしHuaweiのスマートフォンが市場から消える状況になれば市場バランスは大きく変貌することになるかもしれない。(賀川勝) *全文は以下よりご覧いただけます https://www.yanoict.com/opinion/show/id/265

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2019
2019 ブロックチェーン活用サービス市場の実態と将来展望
当初、ビットコインをはじめとした仮想通貨基盤としてブロックチェーンに注目が集まっていたものの、2018年ころから仮想通貨の基盤に留まらず、サプライチェーンや権利証明など、大手企業を中心に実証実験を積極的に実施、物流の透明性向上によるコスト削減や書類チェックに係る時間の短縮など、さまざまな成果を上げ始めております。こうした結果、実証実験はブロックチェーンを試すための位置づけから、実際に商用化を見据えた実証実験へと位置づけが変わってきております。 また、制度面では仮想通貨交換業者に対する不正アクセス事件やICOに係る詐欺事案などの発生を背景として、仮想通貨等に関連して2017年、2019年と資金決済法や金融商品取引法などの法改正が相次ぎ、仮想通貨取引や仮想通貨を利用した資金調達に関して環境整備が急速に進んでおります。 本調査レポートでは、ブロックチェーンを取り巻くプレーヤーである、大手IT事業者やスタートアップの取組み状況やトレンド、既存システムとの使い分けなどについて網羅的に把握することで実態を掴むと同時に、今後の方向性について展望することを目的としております。
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2019
2018/2019年版 FX(外国為替証拠金取引)市場の動向と展望
FX市場は拡大しており、預り残高は1兆円を優に超える規模となり、口座数は600万口座超となった。また、取引高も相場動向に影響を受けるが4,000兆円規模で推移している。 2017年、「店頭FXのレバレッジを10倍に規制?」ということに端を発した問題は、2018年末に「決済リスク管理の強化」に落ち着いた。現在各社は、19年施行の日次データの報告、20年施行のストレステストを通じた自己資本の拡充に向けて体制整備を整えつつ収益構造の変革を進めている。近々では、マネーロンダリングへの対応やサイバーセキュリティ対応へ向けた取組みがなされている。 こうした激変期の中、各社の対応状況を掲載すべく例年に比べ発刊時期を遅らせた。 本調査レポートでは、従来の定性・定量情報に加え、「決済リスク管理の強化策」、「RegTechの対応」についても盛り込み、注目を集めている「仮想通貨事業への取組みとFX事業との相乗効果や影響」についてヒアリングを敢行した。 今後、各社がどのような戦略をもち、FX市場を成長・発展させていくのか、市場動向やマーケットサイズを踏まえつつ、有力企業を通して各社の戦略や将来展望をまとめた。

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