矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2026
【今週の"ひらめき"視点】後退する民主主義。世界は“普遍的価値”を取り戻せるか
当社代表が最新のニュースを題材に時代の本質、変化の予兆に切り込みます。   4月21日、アムネスティ・インターナショナルは世界の人権の現状に関する年次報告書を発表した。イスラエルのガザにおけるジェノサイド、ヨルダン川西岸への違法入植の拡大、ロシアによるウクライナの民間インフラへの空爆、米イスラエルのイランへの武力行使等を列挙したうえで、国際法を無視し、多国間体制に背を向け、力による支配と収奪を試みるこれらの国々の指導者を“政治的・経済的捕食者”と非難した。 また、米国、中国、ロシアといった大国に加え、アジア、中東、アフリカ、南米の多くの国で政権に対する異議申し立てを犯罪化し、抗議者を不当に拘束するなど、市民に対する暴力的な弾圧が拡大していると指摘、「彼らの行動原理は異論を封じ込め、“他者”とみなした者を非人間化することに基づく」と断じる。 世界の民主主義の達成度を示す指標にEIU民主主義指数(英エコノミスト誌)とヨーテボリ大学のV-Dem(スウェーデン)があるが、いずれも民主主義の停滞、後退を示す。EIUによると2024年時点で完全な民主主義国家は世界の15%、人口ベースで6.6%に過ぎない。V-Demは「2025年の自由民主主義指数は1970年代後半の水準まで低下、世界の至る所で強権的指導者が生まれ、権威主義化が進んでいる」と指摘する。とりわけ、米国の自由民主主義指数は2024年の0.79から2025年に0.57へ急落、「自由民主主義」国家の区分から脱落した。 政治・経済・軍事力を振りかざし、あからさまに自国利益を追求する大国の振る舞いが世界の空気を一変させる。国連憲章、国際法への信頼が霞む中、世界中がそれぞれの政治的立場、地政学的条件において“ますます厳しくなる安全保障環境”を自国の物語に変換、これが強権化の土壌となる。「政治的・経済的捕食者たちは、多国間体制は死んだという。しかし、彼らがそう主張するのはそれが非効率だからではなく自身の覇権と支配に資していないから」とアムネスティのカラマール事務総長は看破する。世界は法の支配にもとづく秩序を取り戻せるか、私たちは大きな岐路にある。 今週の“ひらめき”視点 2026.4.19 - 4.30 代表取締役社長 水越 孝
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2026
「Stripe、エージェンティックコマースへの対応準備に関する調査を実施」
2026年3月、主にEC事業者に対してオンライン決済サービスなどを提供するStripeは、ECで事業を展開している国内企業を対象に、エージェンティックコマースへの対応の準備状況に関する調査を実施し、調査結果を明らかにした。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000077879.html   エージェンティックコマースとは、商品の検索や比較から購入まで、オンラインショッピングにおける一連の購買行動を、AIエージェントが代行する仕組みを指す。2025年9月、OpenAIは米国において、ChatGPTとの会話内で商品の購入まで完結させる「インスタント・チェックアウト」と、EC事業者側との連携仕様である「エージェンティック・コマース・プロトコル(ACP)」を公開した。また、2026年には、GoogleがAIエージェントと各種システムをつなぐ標準プロトコル「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」の展開を開始し、米国のGoogle検索のAIモードやGeminiアプリを通じて、「Etsy」や「Wayfair」といった提携ブランドでの直接購入を可能にしている。このように、米国においてエージェンティックコマースは実用段階に入りつつあり、日本国内においても将来的な本格展開が見込まれる。   本調査は、日本国内においてEC事業を展開する従業員1,000名以上の企業を対象に実施された。Stripeは、「約6割の企業が導入を検討していると回答。その内、64.4% の企業が3年以内の導入を計画。」という調査結果を発表している。   この調査結果からも、日本におけるエージェンティックコマースの本格稼働は近づいていると言える。また、それに伴い、消費者の購買行動だけでなく、EC事業やオンライン決済事業の様相も変化すると考える。例えば、AmazonのようなECプラットフォームの在り方が変化する可能性があるし、EC事業者に対して各種決済手段との接続代行サービスを提供する決済代行業者は、今後GeminiやChatGPTなど複数のAIエージェントとの接続を代行する役割も求められるようになる可能性もある。当社は国内の主要決済代行業者への取材を定期的に実施しているため、取材の中でエージェンティックコマースへの対応に関する動向も積極的に追っていきたい。
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2026
インフラ設備点検/農業向けを中心にドローン活用サービスが急拡大③
ドローン活用サービス/ソリューションにおける問題点・課題 ドローン活用における課題の一つとして、オペレータ確保が挙げられる。ドローン操縦には、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」の取得が必要などの要件がある。特に、産業用途での活用が進む中、高度な操縦技術とデータ処理スキルを兼ね備えた人材が不可欠で、十分な数のオペレータを確保できるかどうかはドローンサービスの拡大では重要である。 またドローン活用が進むにつれ、ドローンの衝突を避けるなど、ドローンを安心・安全・効率的に活用するための制度や配慮も必要となる。2023年4月、日本発のドローン運行管理システム(UTM)に関する国際規格が発行された。ここではUTMに必要な機能と各機能の構造、相互の関連性、関連用語の定義等が整理されており、一定空域内を飛行する全てのドローンの機体情報を共有し、衝突事故の防止を支援する役割などを持つ。 この他にも、安全保障上の観点から、国産もしくは欧米製ドローンへのシフトが推奨されている。しかし現実には、中国製ドローンとの価格差は大きく、すぐに転換できる状況にはないと考える。 以下には、ドローン活用における問題点・課題を記載する。 【図表:ドローン活用における問題点・課題】   ドローン活用サービス/ソリューションの展望 ドローン活用による業務改善イメージを大別すると、以下の通り。 ①見える化/データを基礎とした現場把握、効率化/コスト削減/省人化 ②判断支援/シミュレーション機能の向上   現在のドローン活用では、航空測量の代替や人手不足対応に代表される前者(①)に主眼が置かれている。しかしドローン活用シーンの拡大や、画像解析能力に優れたAIテクノロジーの進展により、今後は後者が主体となる見通しである。そして5~10年といった時間軸では、ドローンを基盤としたCPS/デジタルツインの実現がターゲットの一つになるであろう。 また近年の機体価格の低廉化は、当該ビジネスの敷居を下げる効果がある。 さらにAIを始めとしたテクノロジー活用は、ドローン活用サービス/ソリューションのビジネスモデルに大きな変化を起こしている。具体的には、「従来のモノ売りビジネス(機体販売/運用代行/保守・メンテナンスサービス)」から、「コト売り(完全自動運行やデータ解析を付随したソリューション販売)」へと業態転換が進んでいる。その結果、ドローン活用サービスといったサービスカテゴリーが、「ソリューションサービス業」あるいは「ソリューション提供サービス業」といった業態になる蓋然性が高い。 このような変革が進む根底には、一貫した社会課題である「人手不足に起因した業務効率化/省人化志向」、「働き方改革の実践(就労環境の改善)」といった外部環境、社会的な要請もある。 尚、日本政府は、経済安保の観点から、国産ドローンの拡大を支援する方針で、2030年までに年産8万台の体制整備を目指している模様である。

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2026
2026 AI-DV(AI定義車両)市場の実態と展望 ~SDV/車載ソフト市場の構造大変革、産業OS・都市OS化を目指す未来~
本レポートは従来、『車載用ソフトウェア市場の実態と展望 vol.2 OEM、Tier.1、2編』と題して継続してきたレポートの最新版である。従来の車載ソフトウェア市場の動向を押さえるとともに、2028年以降、クラウドベンダーの存在感が高まってきた際に、車載ソフトウェア市場にどのような影響を与えるのか、OEMやTier.1、2に加えて、クラウドベンダー等との意見交換を通じて、シナリオを検討、2035年までの方向性を提示していく。 特にCASEからSDVへと移り変わるなか、AIエージェントを筆頭にAIを積極的に取入れていく動きが勃興、まだ定義はかなり曖昧ではあるものの、「AI-DV」との言葉が出始めており、タイトルの変更を行った。本レポートでは、OEMおよびサプライヤーの視点から制御系や車載IT系、SDV、今後勃興が想定されるAI-DVの構成比がどのように移り変わっていくのか、また実際のアーキテクチャの変遷を含め、以下4点について明らかしていく。 (1)車載ソフトウェア市場の市場規模 (2)車載ソフトウェア市場における制御系/車載IT 系/SDV/AIDV 別シェア (3)車載ソフトウェア市場における参入企業別シェア (4)車載ソフトウェアに関するアーキテクチャ(2018年/2025年/2028年/2030年)

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