矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

デイリーコラム


2022.10.17

【NTTドコモ、健康増進サービスに高齢者の見守り機能などを追加】

 株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ)は、自治体向けに提供する健康増進サービス「健康マイレージ」において、フレイル推定AI機能や見守り機能などの新機能を追加し、2022年9月26日からサービスを開始したことを発表。新機能の追加にあたっては、背景として長期化するコロナ禍において、外出を控える高齢者の身体機能や認知機能の低下による健康リスクや介護リスクの高まりがある。
 元々、ドコモは、2018年2月から自治体向けに健康増進サービス「健康マイレージ」を開始している。同サービスについて、参加者は歩数計やスマートフォンでカウントした歩数に応じてポイントがたまり、たまったポイントを自治体ごとの景品に交換できる。一方、自治体は、参加者の歩数などのバイタル情報が閲覧できるほか、情報分析を通じて健康増進に向けた施策の立案への活用が可能。また商店街で使える商品券などのインセンティブ設定や店舗との連携促進などにより、地域の活性化を推進できる、まさに「三方よし」が可能となる。
 そうしたなか、今回、高齢者の健康維持や見守り負担の軽減を実現すべく、新たに3つの機能を追加した。まず「フレイル推定AI機能」は、ヘルステック基盤上の要介護状態に至るリスク度合いを推定するAI(フレイル推定AI)により、スマートフォンに蓄積された生活習慣情報や、位置情報などから自動的にフレイルリスクを推定しサービス利用者へ通知する機能である。
 次に「見守り機能」は、スマートフォンの位置情報から、通常時の見守りや災害の際の逃げ遅れを検知する機能である。自治体による高齢者の見守り負担軽減や遠方の家族へ通知も可能としている。
 最後に「サービス連携」はオンライン診療や遠隔食事指導を可能としている。まずメドレー社のオンライン診療アプリ「CLINICS」との連携することで、健康マイレージアプリからオンライン診療や服薬指導など一気通貫で利用できる。さらに保健指導サービスを提供するMealthy社との連携によって、管理栄養士による遠隔食事指導を受けることができる。
 今後ドコモでは、AI技術をスマートフォンアプリなどに連携させ、日常生活の中で自然と人々が健康になれる世の中を実現していきたいとしている(小田沙樹子)。

2022.10.14

【メタバースとデジタルツイン】

ICT・金融ユニットのメンバーが、ITをテーマにコラムを順次執筆します。担当している調査領域や、利用しているITツール、関心のある・今後拡大を期待しているITテクノロジーなどについて綴ります。一人目はユニット長の忌部です。

2015年に発刊した「2015 IoT時代の製造業ITソリューション」というレポートで、はじめてデジタルツイン、CPSを論じたが、それから7年経過した。当時は一部の人しか認識していなかったが、いまでは多くのユーザ企業が理解しており、共通認識となった。 そうしたなか出てきたのがメタバース。売り手側のなかには、このバズワード使わな損とばかりに、デジタルツインからメタバースへと売り文句を変更しているところもあるが、リアルと寸分違わぬものが求められるデジタルツインと、リアルでは体験できない世界観を表現しようとするメタバースでは、だいぶ意味合いが違ってこないか?と感じている。あまりマーケティング用語に踊らされず、着実な浸透を促進すべきだと思う(忌部佳史)。

2022.10.12

【Web3が難しい。】

ICT・金融ユニットのメンバーが、ITをテーマにコラムを順次執筆します。担当している調査領域や、利用しているITツール、関心のある・今後拡大を期待しているITテクノロジーなどについて綴ります。一人目はユニット長の忌部です。

Web3が難しい。当社のような業務であれば当然なことだが、情報収集はしている。ところが産業アナリスト的には、もしくは市場調査屋的にはというべきか、これがなかなか落ち着かせどころがなく、どう取り扱うべきか一向に固まってこない。 NFTを切り出せば、既に売買され市場は大きく動いてる。そこは比較的分かりやすいのだが、抽象度の高いレイヤで考えると、将来、市場にどのようなインパクトをもたらすのか答えが見えてこないのである。とはいえ、それを可視化するのが当社の仕事。なんとか形にしていきたい(忌部佳史)。

2022.10.11

明日10/12 (水) 13:40より3Dプリンタに関する講演を配信

Apérza TVで3Dプリンタについてお話しをさせて頂きました。 
https://tv.aperza.com/event/79?webinar=669

​今回は、市場や最近の事例、課題などについてお話をさせて頂いています。 お手すきの際、ご覧頂ければと思います。 宜しくお願いいたします(小山博子)。

※上記URLより視聴予約も可能です

●Apérza TVご紹介の概要
10/12 (水) 13:40~14:15
3Dプリンタの最終製品製造への適用、国内外事例と注目動向
エキスパートに聞く、今後の市場予測と展望
3Dプリンタの最終製品製造への適用に関心が高まっています。本プログラムでは、矢野経済研究所の小山氏をゲストに迎え、国内外での事例や、今後の市場展望を考える上での注目動向についても解説いただきます。
<こんな方にオススメです>
・3Dプリンタの最終製品製造に関心がある方
・3Dプリンタ活用の国内外事例に関心がある方

2022.10.07

【市場調査資料オンライン試読サービス実施のお知らせ】

当社では既に発刊している調査資料のご購入を検討するにあたり、事前に掲載内容を確認したいという方々に向けて、オンライン経由で調査資料の掲載内容をご確認いただけるサービスを実施しています。
これにより、弊社営業担当者とお客様ご自身のPCをオンラインで接続し、購入可否の決め手となる掲載内容を事前にご確認いただくことが可能となります。

ご希望のお客様は、下記のお問い合わせフォームからご連絡いただけますようお願い申し上げます。

https://www.yano.co.jp/contact/contact.php

以下、ご注意点がございます。予めご承知おきください。
※1. ご案内まで、お時間をいただく場合がございます。
※2. ご覧いただくページ数、時間には制限がございます。
※3. お客様の通信環境によっては、不安定な接続になる恐れがございます。

2022.10.05

【神奈川県によるアクセラレータープログラムの取組み】

  神奈川県では、コロナ禍で顕在化した課題の解決に向けて、大企業と連携して新たなサービス等の開発に取り組むベンチャー企業を6月から募集しており、9月27日に6プロジェクトを採択した。
 採択されたプロジェクトを一部取り上げる。プロジェクト名「Walk Around Mirai」について、エンターテインメントの企画提案などを手掛けるベンチャー企業DATTARUJIN合同会社や、資生堂やソニー、JTBが協業し、インバウンドの回復に向けて「非接触」「三密回避」を実現しつつ、訪日外国人が安心して楽しく観光できるコンテンツの制作プロジェクトである。
 具体的には、DATTARUJIN 社が有する音声コンテンツの開発ノウハウをベースに、JTBのツーリズム業界における知見、ソニーが提供する Sound AR™サービス「Locatone™(ロケトーン)」、資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)が連携。街を歩きながら楽しめる多言語音声コンテンツを外国人向けに提供するという。
 今後、神奈川県では採択したプロジェクトの実現に向けて実証フィールドの確保や、関係機関の調整など支援していく。各プロジェクトの成果発表は2023年2月末から3月ごろを予定している(小田沙樹子)。

2022.10.03

【三菱地所など5社による「マンション居住者を対象としたオンライン健康相談ブログラム実証実験」について】

 PHC株式会社や株式会社メディロム、三菱地所株式会社、株式会社Confie、TaqTik Health Inc.計5社は、2022年9月12日からオンライン医療相談プログラムを提供する共同実験を開始したことを発表した。同実証実験は、コロナ禍によって病院への受診控えが増えたことで健康上のリスクを高まっていることを懸念したことがきっかけ。予防医療の観点からウェアラブルデバイスを通じた通知と、自宅からでも医師と健康相談できるコミュニケーションの仕組みを構築することで、人々の良い健康管理を目指すことを目的としている。
 具体的には、三菱地所グループが管理するマンションの居住者を対象に、①居住者に対してメディロム社の活動量計を貸与、心拍や総消費カロリー等のバイタルデータを計測してもらう。②計測されたバイタルデータの解析はTaqTik Health Inc.が担い、通常と異なる状態が続いた際には当該住民に通知する。③通知を受信した居住者が健康相談を希望する場合には、PHCが提供する電子カルテを通じて健康相談を申し込む。④その後、遠隔医療システムを用いて、自宅からComfieの登録医師によるオンライン健康相談を受ける――といった流れになっている。
​  同実証実験は2022年12月11日までの実施予定している。取得したデータから健康状態の変化を分析し、ブログラムの有効性や、マンション居住者の健康相談に対するニーズなどを検証することで、将来的に住宅ヘルスケアサービス構築に活用していきたいとしている(小田沙樹子)。

2022.09.30

【個別調査のご案内】

矢野経済研究所では、企業様からのご依頼に基づき、オリジナルの市場調査の業務も行っております。
弊社の既存レポートでは知りたい内容が充分に満たせない、単なる調査結果だけではなくコンサルテーションも頼みたい、といった要望にも対応いたします
HPやメール、お電話等でご相談頂ければ、担当者からご連絡させて頂きます。費用の見積もりまでなら無料で対応いたしますので、市場データの収集やコンサルティングなどでお困りの方は是非お気軽にご相談ください。
詳細は、下記をご覧ください。
http://www.yanoict.com/service/service_e

2022.09.28

【プリンターの機能向上】

先日プリンターを買い替えました。10年ほど利用していたもので、修理サポートも終了していたため買い替えざるを得なかったのですが、機能の向上に驚きました。いつの時代の話だよと突っ込まれそうですが、以前のモデルはパソコンと有線でつなぐ必要があり自動給紙もできなかったため、かなり手間がかかりました。今回のモデルはパソコンと無線で接続できるだけでなく、スマホアプリからも印刷が可能となり、かなり利便性が向上しました。長年印刷していなかった写真をこの機会に印刷してアルバムでも作ろうかとも思っておりますが、純正インクの値段がもう少し安くならないものかなと切実に願っています(石神明広)。

2022.09.26

【某ウェブメディアの終了】

愛読していたウェブメディアが夏に終了しました。気に入った漫画が連載されている媒体と知ったのが4年ほど前で、それからそのウェブメディアに触れることは日常となりました。スマートフォンアプリから手軽にアクセスでき、当初目的としていた漫画だけでなく、他の漫画や小説、エッセイなどの様々な掲載コンテンツを読むようになっていました。書籍化した連載作品もいくつか本棚にも並んでいます。そのウェブメディアが、私を様々なコンテンツの世界へ連れてきてくれたのでしょう(井上圭介)。

2022.09.21

【無料で遊ぶ、矢野経済研究所の歩き方】

無料で、マーケットに関するニュースレターやメールマガジンを受け取ったり、マーケットレポート紹介コンテンツを見ることができる方法をご存知ですか?
もし弊社からの情報が欲しい!という方がいらっしゃいましたら、YRI Webメンバー登録をしてみてください。
ご登録頂きますと、矢野経済研究所発信の各種業界およびマーケットに関するニュースレターやメールマガジン、矢野経済研究所が独自で企画した最新市場調査資料(マーケットレポート)新刊のお知らせ等各種情報の受信、マーケットレポート紹介コンテンツの閲覧等、メンバー限定のサービスを利用することができます。
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2022.09.16

【アナリストオピニオン】もはや自動車問題は世界的社会問題である③

自動車問題は世界的社会問題である

実はここにきて、自動車がその存在感を見せつけているのはSDGsだけではなかった。国を挙げて次世代産業として盛り上げようとしている「スマートシティ」においても、自動車産業は大きな存在感を示している。
一般社団法人スマートシティ・インスティテュートの2021年の調査によれば「国内の自治体が検討・計画しているスマートシティの対象領域の中で、『移動・交通』はトップ」であった模様。『医療・健康』『デジタルガバメント』『防災』などを押さえてのトップだという。
消費者からも、産業界からも、社会インフラとしても、IT技術活用製品としても、さらには自治体からも、自動車と自動車産業はここにきて存在感を際立たせている。逆に言えば、自動車産業における問題点は、社会全体の問題点となりうる。

そこで考えられるのはIT・Techベンダの自動車産業への進出である。米国GAMAM(グーグル、アップル、メタ=元フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)や中国BATH(バイドウ、アリババ、テンセント、ホンハイ)などのIT・Techベンダの自動車産業への進出状況については、これまでにも多くの報道がなされている。グーグル/Waymoの自動運転走行テストは世界でも指折りの走行距離であるし、アップルの「アップルカー」は今か今かと製造・販売への期待が記事になっている。メタはそのメタバース技術が自動車で展開することは間違いないし、アマゾンの自動運転配送サービスやマイクロソフトのCASE基盤技術は既に世界中のプレーヤとの提携関係に踏み込んでいる。BATHにおいても自動車産業を次世代ビジネス注力分野に掲げている。
こうしたIT・Techベンダは、これまでの歴史の中で、様々な社会問題を解決すべくソリューションを展開し、ビジネスモデルを構築してきた。彼らが「消費者からも、産業界からも、社会インフラとしても、IT技術活用製品としても、さらには自治体からも、その存在感を際立たせている自動車と自動車産業」をほっておくはずがない。

日本の自動車産業は、海外の自動車産業との競争だけでなく、こうした米中のIT・Techベンダとの競争にも備えなくてはならない。逆に彼らとの共創の可能性もあり、むしろ国際的な提携戦略こそが、次世代をサバイバルするために不可欠であるとの声も多い。
なにせ自動車問題は世界的社会問題であるのだから。そして、問題のあるところにこそ、それを解決するための市場ニーズが存在するのだから。たとえコロナ禍が続いたとしても、ウクライナ侵攻がなかなか終わらないようなことがあったとしても、米中摩擦が激化したとしても、円安が進んだとしても、そこには間違いなく市場ニーズが存在しているのである。米中のIT・Techベンダが眼をギラつかせながら襲い掛かろうとしている「世界的社会問題」という需要が存在しているのである森健一郎)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/360

2022.09.14

【アナリストオピニオン】もはや自動車問題は世界的社会問題である②

苦し紛れに「ウクライナ侵攻とBEV一極進化問題」について話す

クルマはCO2排出削減やBEV(電気自動車)という点において、「環境」「エネルギー」と関わっていることは間違いない。しかしながら、さすがにSDGsのような「地球×あらゆる産業・あらゆる人々という規模の問題」において、自動車は枝葉にしか当たるまい」……と筆者はどこか他人事の立ち位置で参加していた。

ところが「SDGsでどのような調査企画を考えられるか?」という質問が参加者全員に順番に寄せられてきて、筆者にもその順番が回ってきてしまった。「森さんならSDGsの調査企画でどのようなものを考えますか?」と問われて、企画を思いつかなかった筆者は、知っている知識をならべることしかできなかった。下記のように、自動車産業の現状についてとりあえず並べてみた。

「新型コロナ禍による工場閉鎖からくる世界的な半導体不足は、自動車産業に深刻な影響を与えた。2022年に入ってからも半導体工場の操業停止、自動車生産工場の操業停止が続いている。だが、その一方で自動車は未来に向かって進化を続けていた。とりわけ中国と欧州中心に『カーボンニュートラル=BEV普及が決め手』と喧伝されていた。カーボンニュートラルはSDGsの目標の中の一つでもある。全ての自動車はBEVにシフトするという見解であった。」

「しかし3月に入り、思いもよらない深刻な問題が起こった。ロシアのウクライナ侵攻である。欧州OEMらは、特にドイツは、ロシアからエネルギー調達、BEV用Li電池のレアメタル調達をしていた。しかし、ウクライナ侵攻により、世界中が『ロシアからものを買うな』という動きになり、石油も買えなくなったため、欧州はBEV用のエネルギーをロシアの石油以外のものから作らなくてはならなくなってしまった。」

「もはや『脱炭素は当分棚上げ』『エネルギーをかき集めろ!』ということになったのだ。ある国は原発復興に向かい、ある国は米国・UAEから石油調達に向かいそうだ。この時点で既に『環境を考えたカーボンニュートラル実現』から離れて行くことになった。OEMらは自動車を作らないわけにはいかないから、カーボンニュートラルと逆走してでも、エネルギーやレアメタルを入手しようとするであろう。あるいは中国と欧州が唱えていたBEV一極シフトは困難という判断が下り、欧州でもBEV普及は5年以上後ろ倒しという声も聞こえてきた。」

……と、筆者が苦し紛れにここまで話したとき、「それなら私はSDGsの企画はやめておく!」という声が聞こえた。

自動車産業を語ることは、「地球×あらゆる産業・人々」を語ることなのか

前述のように、筆者はSDGsについての企画を求められた中で何と答えていいかわからず困ってしまい、仕方なく自動車産業の現状について、「コロナ禍、ウクライナ侵攻、BEV一極シフトの困難……」などと話したのであるが、これが「それなら私はSDGsの企画はやめておく!」という声を呼び起こしてしまった。
「いや、これは自動車産業だけの話だから。企画案がないので、とりあえず口にしただけだから……」と思ったのであるが、どうも「やめておく!」の声は本気のようである。困ってしまった。筆者は苦し紛れとはいえ「若い社員のヤル気をそぐような発言」をしてしまったのだろうか、あわわわ……。筆者はせっかくの企画会議を迷走させてしまったのであろうか、あわわわ……。 ここに至って、ようやく筆者は、自動車産業について語ることが、SDGsのような「地球×あらゆる産業・あらゆる人々という規模の問題」について語ることと同義に近いレベルになってきていることに気が付いたのである。

たしかに自動車は多様な性格を持つ商品だ。乗用車は消費財であり、そこでは「走りの魅力」「デザインの魔力」「ドライバを安全に安心に移動させる」「生き物ではないのに“愛”をつけて呼ばれる」といった消費財的な視点が求められる。その一方で商用車は生産財であり、そこでは「物流の効率化」「過疎地高齢者の移動を確保する」「高齢ドライバ・女性ドライバの労働環境支援」「ERP・SCMなどの他のITとの連携」などといったビジネス的な視点が求められる。
社会を構成するインフラとしても「移動手段としてのクルマ」「多くの労働人口を吸収できる一大産業」「日本においては数少ない海外で競争できるプラットフォーム」「CO2排出の源と非難されながら、逆にカーボンニュートラルの象徴であるBEVやFCEVでもある」などの重要性をもつ。
さらにCASEという自動車業界注目キーワードからもわかるように「情報化」「自動運転」「シェアサービス」「電動化(EV化)」というIT技術活用製品的な側面も多く、それゆえに筆者が「自動車×IT」担当でICT・金融ユニットに在籍しているわけだ。
そうなのか、自動車産業を語ることは、「地球×あらゆる産業・人々」について語ることになってしまう、なりかねない……そういうことなのか(森健一郎)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/360

2022.09.12

【アナリストオピニオン】もはや自動車問題は世界的社会問題である①

SDGs企画会議に参加した

先日社内の企画会議で「SDGs」をテーマとした回があった。会議の目的は「SDGs関連調査企画の立ち上げ」である。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標だ。SDGs(エス・ディー・ジーズ)と発音する。
SDGsは17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されている。17の目標には、飢餓をゼロにし、全ての人に健康・福祉・質の高い教育を与え、さらには安全な水など開発途上国に対する支援色の強い目標がある。一方で貧困を無くし、ジェンダー平等など、先進国をも含む目標も含まれている。

このままだと一見、これまであったCSRと同じように見える。だが、CSRがどちらかというと、事業内容と結びついていない場所で企業の利益を還元している社会奉仕的傾向が強いのに対して、SDGsは企業の利益と環境や貧困などの課題の解決を両立させることを目指しているという。
特に169のターゲットには、「課題を技術革新によって解決する」といった旨が頻繁に書かれており、これは下記のような市場を新たに開拓できる可能性があるということを示している。

表のように、「エネルギー」「環境」が期待される市場の中核になるものの、それ以外にも内容が多岐にわたっているため、当ICT・金融ユニットの会議においてもSDGsが意見交換のテーマに上がった。そのため「自動車×IT」を担当分野とする筆者にも声がかかり、筆者も末席に参加した次第である(森健一郎)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/360

2022.09.09

【市場調査資料オンライン試読サービス実施のお知らせ】

当社では既に発刊している調査資料のご購入を検討するにあたり、事前に掲載内容を確認したいという方々に向けて、オンライン経由で調査資料の掲載内容をご確認いただけるサービスを実施しています。
これにより、弊社営業担当者とお客様ご自身のPCをオンラインで接続し、購入可否の決め手となる掲載内容を事前にご確認いただくことが可能となります。

ご希望のお客様は、下記のお問い合わせフォームからご連絡いただけますようお願い申し上げます。

https://www.yano.co.jp/contact/contact.php

以下、ご注意点がございます。予めご承知おきください。
※1. ご案内まで、お時間をいただく場合がございます。
※2. ご覧いただくページ数、時間には制限がございます。
※3. お客様の通信環境によっては、不安定な接続になる恐れがございます。

2022.09.07

【オンライン化が進んで】オンラインによるゲームの進化②

コロナ禍の今、ウェブ会議ツールの浸透をはじめ、オンライン化が大きく進んでいます。矢野経済研究所 ICT・金融ユニットの各研究員は、オンライン化が進むなか何を体験し、今後の更なるオンライン化に対してどのような期待を抱いているのでしょうか。
16人目はFinTechなどの分野を担当する石神です。

※前回の内容はこちらからご覧ください

https://www.yanoict.com/daily/show/id/939

一方で、今後のゲームはどうなっていくのかが気になるところです。仮想空間で自身の分身ともいえるアバターを操作する形式はすでに存在しますが、それが現実とリンクしていくのかとも思います。メタバースのように、現実と同じようにサービスを受けられるものとリンクすることで、ゲームのランキングによって現実で使用可能な特典を得られたり、ゲーム内通貨で商品購入が可能になったりするのでしょうか。

ゲーム好きとしては、ゲームが発展・進化していくことは期待しているのですが、現実との境界の線引きが必要とも考えています。ゲームの醍醐味の一つには非現実の体験があると思いますが、現実とリンクすることで非現実感が薄まり、義務や強制を感じてしまうと本末転倒とも思います。

解像度の向上やVRによる没入感など、ある意味リアルに近づくことでゲームは進化してきましたが、そこにオンラインが加わることでリアルとリンクする部分が発生してくると考えられます。今後のゲームの進化を楽しみにしつつ、リアルとどう関わっていくかも注視していきたいと思います(石神明弘)。

2022.09.05

【オンライン化が進んで】オンラインによるゲームの進化①

コロナ禍の今、ウェブ会議ツールの浸透をはじめ、オンライン化が大きく進んでいます。矢野経済研究所 ICT・金融ユニットの各研究員は、オンライン化が進むなか何を体験し、今後の更なるオンライン化に対してどのような期待を抱いているのでしょうか。
16人目はFinTechなどの分野を担当する石神です。

私はゲームが趣味なのですが、近年のゲームはオンラインを前提に作られるものが多くなっています。 オンラインでリアルタイムに国内だけでなく海外のプレイヤーとも協力・対戦することが可能であり、通話しながらプレイすることも多くなっています。 プレイだけだはなく、ゲーム機能の修正やアップデート、追加コンテンツの配信など、ゲームとオンラインは切り離せないものとなっています。 私が子供の頃は、友人の家にゲームソフトとそれぞれのコントローラーを持ち寄り遊ぶことが多くありましたが、今はそんな光景も少なくなっているのでしょう(石神明弘)。

※次回に続きます

2022.09.02

【アナリストオピニオン】モビリティ×IT 自動車産業におけるIT新大陸 MICとはなにか③

MICは車両データや乗員データ、運転データなどの流れを軸に描いた図になるが、システム構成として表現すると上図となる。

機能として重要になるのは、ビークルOSとモビリティPaaSのデータ連携(通信)という縦の関係と、モビリティPaaS内にある横の連携である。

モビリティPaaSに相当するような機能は、現在進行形でOEMが開発中のものとなっている。以降で弊社の考えを論じるためにOEMサービス名を記載して簡単に紹介するが、あくまで弊社の解釈であり、各サービスの内容を正しく解説したものではない点には留意願いたい。

モビリティPaaSと自動車は、前者はクラウド、自動車はエッジ端末という関係性になる。モビリティPaaSは、トヨタでいえば「MSPF」と「Arene」、VWでいえば「VW.AC(V Volkswagen Automotive Cloud)」に相当する概念となる。トヨタの「AMP(Automated Mapping Platform自動地図生成プラットフォーム)はモビリティPaaSの外側で連携するものというイメージにしているが、モビリティPaaSの中にプロットしても特に違和感はない。MSPFやAMPは(実際がどうかは別にして)ソフト開発やサービス開発する側にとっては、ひとつのデータベースに過ぎないと考えられる。データ連携さえできていれば、内・外の議論にあまり意味はない。

モビリティPaaSに含まれるものは、矢野経済研究所では「車両・乗員データ」、「ソフト開発基盤」、「サービス開発基盤」に集約させた。
車両・乗員データは、文字通り車両や走行、稼働といった自動車にまつわるデータおよびドライバーに関するデータである。当然、プライバシー保護の問題は制御される必要があるだろう。
ソフト開発基盤は、ビークルOS上で動くアプリを開発するプラットフォームである。制御系に近いものはOEMと一部のTier1しか触れないだろうが、そうでないサービスアプリを開発するに必要なものはサードパーティに公開されることになる。
サービス開発基盤は、OEMやサードパーティが新たなサービスを展開する価値があるかをシミュレーションする基盤となる。さまざまなデータ(その地域の人口や施設、道路など外部データ含め広く連携することになるだろう)をみながら、新規サービスを展開した場合の事業シミュレーションなどを試すことができる。

最後に、将来、モビリティPaaSがどのようなものに使われるのか、いくつかのシーンにわけて当社の想定を紹介したい

■OEM 既存車両の改良
OEMは自動車の挙動のリアルタイムデータを使い、細かい制御の修正などを行い、よりよい乗車体験ができるようにビークルOSの修正などにもこの基盤を使う。こうした深いデータはOEM内部にしか公開していないものである。
■OEM 新車開発
新車開発にあたっても、さまざまな車種・車両のリアルなデータを活用し、よりよい車両開発のための企画がおこなわれる。
■サードパーティ・OEM 車内用アプリの開発
自動車に近いサービスを展開するサードパーティ(例えば自動車用音楽アプリなどエンターテイメント系など)は、ソフト開発基盤を使って、使いやすい音楽アプリなどを開発できる。ドライバーは、自動車のディスプレイなどを操作して、アプリをインストールする。
■サードパーティ・OEM 車外用アプリの開発
駐車場運営事業者が、近い駐車場サービスを案内したり、バッテリー充電拠点といったものも含まれる。
■サードパーティ・OEM 車外用サービスの開発
飲食店のロードサイド店が出店計画を行うとき、サービス開発基盤を使い、その地域の車両通行量などを調べ事業性評価を行う。その上でソフト開発基盤で、車が近接地にくるとディスプレイに割引案内を通知するといったアプリの開発をする。
特にスマートシティが進展してくれば、自治体や医療データなど広範なデータと連携することが見込まれる。自動車会社が提供するサービス開発基盤ではあるが、例えば地域の住民情報と連携し、医療データをもとに最適な病院を案内・自動搬送する機能など幅広く活用することができる基盤となるだろう。

忌部佳史

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/359

2022.08.31

【アナリストオピニオン】モビリティ×IT 自動車産業におけるIT新大陸 MICとはなにか②

MIC(右側のサークル)

自動車産業におけるデータ化は、まだまだ途上にある。将来的には全てコネクテッドになり、自動車は端末化されていくだろう。現在はカーナビや商用車ではドラレコといったものが、情報端末として自動車に付随していたが、今後はビークルOSがそれらに取って代わると予想される。

自動車の企画・設計・生産段階においては、トヨタはこれまでモノづくりの世界において、最強と呼ばれていた。コンカレントエンジニアリングを実践し、企画・設計の段階から生産関連も含めて検討に入り、後戻りをできる限り事前に防止する開発体制などが文化として根付いている。生産現場に至ってはTPS(トヨタ・プロダクション・システム)として、世界的に有名なトヨタ流の生産手法を確立、世界No1の実力を磨き続けている。
しかし、今後EV化が進めば、部品点数は減少、しかもモジュール化時代となれば、プラモデルを組み立てるようにモジュールを組み合わせれば自動車が作れるといわれるような時代になりつつある。安全性の実現など、実際にはそれほど簡単なものとは思わないが、少なくとも現在のモノづくりよりは、数段容易に模倣できるようになるだろう。言い換えれば、EV化は自動車生産のコモディティ化を加速させるということである。

このような時代を控え、自動車開発にはMICのような概念が極めて重要となる。抽象的な表現となるが、ハードウェアの付加価値が低下を避けられないなか、データやソフトウェアをいかに使っていくかが、付加価値の源泉になるだろう。

これまでもシミュレーションソフトを使って様々なテストを繰り返してきたが、今後は実際の走行関連データを使いシミュレーションを繰り返すことができる。実際のクルマの挙動を把握・理解することは、安全性や燃費の追求などに重要であり、新しい機能やサービスについて、こうした実データを使ってシミュレーションを繰り返すことで、よりニーズや目的に沿った機能・サービスを実装することができるようになるはずだ。
もちろん、OTAアップデートにも対応するので、市場に出荷されたあと、何らかの不具合が生じた場合は即座にアップデートができ、常に最新のソフトウェアを利用することができるようになる。

しかしながら、企画・設計・生産におけるデータの活用はまだまだサイロ化している。データをプラットフォームへ蓄積するように整備し、そのデータを企画・設計・生産の各段階で有効的・効果的に利用していく仕組み作りが必要になる。それがトヨタであれば開発プラットフォームとなるAreneの役目にもなっているのだろう。

MIC for Service(左側のサークル)

そして、社内の車両開発サイクルを高度化・最適化するだけではない。MIC for Serviceと名付けたが、そのデータを外部に開放し、モビリティからの情報を利用した新たなサービスを生み出す必要がある。
ここで“必要がある”という言葉を使ったが、自動車OEMは、これまでのモノづくりとしての自動車産業という枠組み留まっていては、十分にビジネスを拡張することはできない。成長を維持していくためには、ビジネスの転換が必要となってくる。

社会にとって永続的に必要不可欠な存在になるため、モビリティのデータは自動車の枠を超えて流通することが想像できる。自動車の運転データを使い、自動車保険の保険料を設定する(安全運転するドライバーには安く提供するなど)ことは、テレマティクス保険として実際に行われているのでイメージしやすいと思う。それは「運転データ-保険」という関係であるが、将来は、「運転データ-保険-カーシェア-駐車場」のようにサービス同士の連携も想定できるだろう。優良なドライバーは保険料も下がり、そのドライバーが運転するクルマをカーシェアとして提供する場合は(車の品質が高いので)収益分配が高くなるというような発想だ。
そうしたデータのリンケージは、無限の組み合わせがでてくるだろうが、そうした新しいサービスやビジネスをシミュレーションできる仕組みが「サービス開発基盤」である。OEMが持つ車両・乗員データに加え、サービサーが所有するさまざまなデータベースと連系させ、新しいサービスを設計し、それと連携した「ソフト開発基盤」によってサービスアプリを開発し、それを「Apps」として「ビークルOS」上にOTAを介して配信、ユーザがインストールすることで利用できるような世界観である。

そうした将来像を考えると、これからの自動車産業は、従来からある性能やデザインといったハードウェアの競争に加え、MICを何%完成させたかが競争の中核になると矢野経済研究所では考えている。データ連携、データの連鎖をどうデザインし、どう活用していくのか。自動車ビジネスの中核は、長い時間をかけてそこへ視点を移していくことになるだろう(忌部佳史)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/359

2022.08.29

【アナリストオピニオン】モビリティ×IT 自動車産業におけるIT新大陸 MICとはなにか①

ITとデータを分析の軸に、自動車産業の研究結果を発表

矢野経済研究所では、自動車産業に対し“ITとデータ”を分析の軸に据えて市場動向の研究を行い、その成果を2021年10月末に発表している。
2021 モビリティDX ~IT・データ視点から考察した自動車ビジネスの未来分析~』である。 (同上プレスリリース「モビリティDXに関する調査を実施(2021年))

ここではプレスリリースで触れているMIC(Mobility Information Circle:モビリティ・インフォメーション・サークル)について、もう一歩、深堀して解説したい。

MIC(モビリティ・インフォメーション・サークル)

自動車は急速に情報端末化し、今後、自動車関連のビッグデータをOEMは抱え込むことになる。そして、次の戦いは自動車を販売する以上に、このデータをどのように運用し、活用するかが重要になるというのは多くの識者が認識しているところだ。
そうした将来像を理解していくために、矢野経済研究所では、自動車がもたらすビッグデータの活用・運用の流れをモビリティ・インフォメーション・サークル(MIC)として整理した。今後、OEMや新興ベンダなど自動車メーカーにとって、競争の尺度はMICをいかに早く確立できるかに移ってくると矢野経済研究所では考えている。

MICとは、自動車OEMが今後目指すべき、車両情報(走行データや運転者の属人データなど含む)の循環・蓄積サイクルを表現したものである。
過去、自動車は販売されて以降、利用状況(走行情報など)を吸い上げることは困難であった。自動車が生活者の手に渡れば、接点は定期的な保守メンテナンス程度であり、出荷後の自動車の情報をOEMは入手することはできなかった。
しかし、自動車のコネクテッド化がすすみ、カーナビ関連情報、車両情報、走行関連情報・・・などが徐々に取得できるようになってきた。これは極めて大きな変化である。MICは、その変化の先、10年程度の未来を想定した概念となっている。

図では、右と左に大きく環を描いているが、矢野経済研究所では、それぞれ「MIC」「MIC for Service」と名付け、それぞれ下記のようなメッセージを込めている。

右:OEM社内・グループ内での新しいデータ循環

  • 走行データ等を次の車両開発に向け企画段階から活用する
  • 設計段階において実走行データ等を使ってより現実に即したシミュレーションが可能
  • 保守等において実走行データ等を生かした故障判断等が可能
  • ビークルOSのOTAアップデートで不具合の修正が可能
  • コネクテッドが“個車化”を推進、利用環境・状況に応じてクルマが最適化される

左:多様な企業に対し走行データ等を提供することで新しいサービスの創生

  • 運転態度等を反映した損害保険の提供
  • カーシェアビジネスにおける最適な車両マネジメント
  • 最適移動ルートの提供などMaaSの実現
  • サービス同士のデータ連携
  • モビリティデータを使った新サービスの事業性検証(シミュレーション)

次回もう少し詳細を紹介しよう(忌部佳史)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/359

2022.08.26

【無料で遊ぶ、矢野経済研究所の歩き方】

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2022.08.24

【AIにできない仕事㉕ 成熟したAIは人間の味方になる】

AIが人類の知能を超える転換点シンギュラリティは、AIにより人間の仕事が奪われるという失業危機と一緒に語られてきました。あくまで人間>AIという視点です。

しかし22年2月からのウクライナ侵攻の代償の大きさを考えれば、攻撃開始を判断した人間というものに疑問がわいてきます。えっ、本当に人間>AIなの?

ちょうど同じ時期に松本徹三氏(元クアルコム日本法人社長)が書いた小説「2022年地軸大変動」を読んでいました。同書には「人間自身の間違った判断から核のボタンを押して自らを滅ぼさないために、あえて全てのシステムの構築と運営の権限をAIに任せる」という考え方が書かれていました。もっとも全てAIに委ねるという決断自体は人間自らが行わなくてはならないのですが・・。

おもしろかったのは「人間を滅ぼしかねないのは未熟なAI」であり、「成熟したAIは人間をどこまでも生存させていく」のであり、さらに未熟なAIは成熟したAIに淘汰されていくという部分でした(森健一郎)。

2022.08.22

【チケットに代わる入場方法】

先日、とあるライブに行った際、紙チケットでも電子チケットでもなく、自分の顔を使って入場しました。顔認証による入場だったわけですが、事前に自分の顔写真を専用サイトに登録しておくだけで、入場時には専用端末が本人の顔と登録された写真を照合してくれました。認識度を上げるために一時的にマスクは外しましたが、入場にかかった時間はわずか2~3秒だったと思います。大きい会場だったため端末は複数台あり、現状は端末毎にスタッフが配置されていましたが、実際のスタッフの作業は音声案内でも十分可能だったため将来的には0人でも実現できると感じました。顔認証の入場についてはスムーズな入場に加えて、人件費の削減につながるので期待大です(今野慧佑)。

2022.08.19

【個別調査のご案内】

矢野経済研究所では、企業様からのご依頼に基づき、オリジナルの市場調査の業務も行っております。
弊社の既存レポートでは知りたい内容が充分に満たせない、単なる調査結果だけではなくコンサルテーションも頼みたい、といった要望にも対応いたします
HPやメール、お電話等でご相談頂ければ、担当者からご連絡させて頂きます。費用の見積もりまでなら無料で対応いたしますので、市場データの収集やコンサルティングなどでお困りの方は是非お気軽にご相談ください。
詳細は、下記をご覧ください。
http://www.yanoict.com/service/service_e

2022.08.17

【テレワークのなかの対面の価値】

山内が入社しエンタープライズITグループ所属となりました。ご挨拶は本人が書いているので割愛しますが、新人のOJTには対面のコミュニケーションが必要なので、メンバーに協力してもらいつつ私自身も1ヶ月ほど出社中心で働きました。テレワークに慣れると毎日通勤するのはなかなか辛い。毎朝身なりを整える時間がかかるし電車は混んでいるし…。今では、山内は自宅のネット環境を整備しテレワークに馴染んでおり、私も本稿を自宅で書いています。出社かテレワークかという議論はし尽くされた感がありますが、テレワークを経験すると手放せません。

とはいえ、この2年で取材やお打合せがすっかりオンライン化した結果、実際お会いすることの価値を再認識しています。皆さんもテレワークでお仕事をされているとは思いますが、タイミングが合えば時々対面の機会も頂けると幸いです(小林明子)。

2022.08.15

【180度転身して研究員に】

初めまして。2022年5月に入社し、同月ICT・金融ユニットに配属となりました山内翔平と申します。前職では建設業界で営業をしておりました。今までの分野とは180度異なる畑に飛び込み、ITという分野を少しずつですが噛み砕いて自分のものにしていきたいと思っております。また、仕事をする上での勘所は共通事項であると思います。人と人との信頼関係、誠実な姿勢、等々…。前職で培ったスキルを十分に活かし、業界貢献をしてまいりたいと存じます。皆様どうぞよろしくお願いいたします(山内翔平)。

2022.08.05

【夏季休業のお知らせ】

矢野経済研究所は、明日8月6日(土)から14日(日)まで夏季休業となります。そのため、次の営業日は8月15日(月)です。

皆様、お体にお気をつけてお過ごしください。

2022.08.03

【市場調査資料オンライン試読サービス実施のお知らせ】

当社では既に発刊している調査資料のご購入を検討するにあたり、事前に掲載内容を確認したいという方々に向けて、オンライン経由で調査資料の掲載内容をご確認いただけるサービスを実施しています。
これにより、弊社営業担当者とお客様ご自身のPCをオンラインで接続し、購入可否の決め手となる掲載内容を事前にご確認いただくことが可能となります。

ご希望のお客様は、下記のお問い合わせフォームからご連絡いただけますようお願い申し上げます。

https://www.yano.co.jp/contact/contact.php

以下、ご注意点がございます。予めご承知おきください。
※1. ご案内まで、お時間をいただく場合がございます。
※2. ご覧いただくページ数、時間には制限がございます。
※3. お客様の通信環境によっては、不安定な接続になる恐れがございます。

2022.08.01

【アナリストオピニオン】現状3社に留まる金融サービス仲介業、今後の拡大可能性を考える③

金融サービス仲介業を後押しする条件

制約条件を踏まえたうえで、後押しする条件として4つ挙げたい。まず現状、体制整備が特に大きな障壁となっており、プリンシプル・ベースである点が拍車をかけている。金融庁と日本金融サービス仲介業協会が共同で社内規定に関するひな形に近いものを提示することが望まれる。なお、その際には、現業との兼ね合いもあるため、カスタマイズできる柔軟性を持たせることが必要となろう。

次に現状、特に生命保険領域は、前述したように取扱商品が限定されており、収益性の観点からも参入を足踏みさせる要因となっている。そこで保険金面での緩和と取扱商品の緩和の2つの観点から検討する必要があろう。優先度の観点から保険金額面での緩和は従来の既存代理店とのすみ分けが難しく、抵抗も想定されるため、取扱商品の緩和が現実解といえる。

続いてエンベディッド型保険の普及の観点でもクラウド化、オープンAPIの推進は必須となってくるだろう。銀行APIの動きは改正銀行法を通じて実施したが、この取組みにおいては、金融庁から銀行側に対して、銀行の電子決済等代行業との連携・協働方針の表明期限を設けるなど、強力に推し進めてきた経緯がある。生命保険業界のクラウド化、オープンAPIの推進についても金融庁によるリーダーシップが必要とされているのではないかと考える。

加えて金額的な面での緩和は、前述のとおり既存の代理店との関係から時間を要するとみる。そうしたなかで、従来の生命保険会社の流通チャネルでは開拓しえない若年層の開拓に向けた取組みを後押ししていく必要がある。

金融サービス仲介業の拡大可能性

これまで金融サービス仲介業について、拡大の制約となっている要因や、拡大を後押しする要因について記載をしてきた。こうした点を踏まえて、金融サービス仲介業の拡大可能性について押さえておきたい。
まず現状の取扱商品の制限を解消することで、より収益性の拡大が見込めるようになれば収益拡大に向けて、異業種からの参入が広がってくるであろう。また、専門代理店においても、それ以外の領域の免許も取得することで、総合的な金融コンサルティングサービスを展開していく可能性が見えてくる。そうした際に、ネックとなる体制整備等については、現在、金融庁や日本金融サービス仲介業協会でも社内規定等について整備に向けた検討を始めているとの声もあり、期待したい。
金融サービス仲介業は、まだ開始したばかりであり、今後、さまざまな環境改善に向けた複数の取組みを推し進めていく必要があると考える。家計簿や福利厚生アウトソーシングなど、強力なプラットフォームを保有する事業者が参入することで、生命保険会社のチャネルではアプローチしえない顧客を開拓できる可能性を秘めている。保険会社にとって将来的に重要なチャネルになっていく潜在力を秘めており、今後の仕組みづくりに取り組んでいく必要がある(山口泰裕)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/358

2022.07.29

【アナリストオピニオン】現状3社に留まる金融サービス仲介業、今後の拡大可能性を考える②

金融サービス仲介業の拡大における制約要因

本稿では金融サービス仲介業の拡大における制約要因として4つ挙げておきたい。まず制度面である。シングルライセンスにも関わらず、各仲介業務において各々異なる体制整備が必要である点や兼業規制を含めて、実質4つの業務ごとの要件をクリアしなければならず、シングルライセンスは表面上の表現に留まる。
特に社内規定の整備は取得するうえで、大きな障壁になっている。プリンシプル・ベースで作成していく必要があるうえ、また、既に代理店資格等を保有している事業者は現業の規定とのすり合わせも発生する。加えて、日本金融サービス仲介業協会が定める規定への適合など考慮すべき点も多く、大きな制約の1つとなっている。

また、商品面での制約もある。取扱商品の制限が厳しく、特に生命保険領域は1,000万円未満の保険しか取扱いができない一方、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、普通死亡保険金は1,927万円とある。独身に限った場合には1,393万円とあり、独身の若年層であればカバーできる見込みがあるものの、結婚している場合には、金融サービス仲介業の取扱う保険ではカバーできない可能性が高い。
また、取扱い可能なバイク保険などの少額保険は、利益率が低く、金融サービス仲介業者側は強力な販売網を持っていなければ取扱いメリットが少ない。一方、保険会社側もシステム的なコストを含め、安価な保険商品を提供するメリットが見当たらない。

次に流通チャネル面について、金融サービス仲介業者は代理店と異なり、金融機関との関係は所属制ではなく、パートナーとしての位置づけにあるため、自ら保険会社と交渉し、保険商品を卸してもらう必要がある。一方、保険会社としては、既存のチャネルでは開拓が難しいユーザー層を中心に、金融サービス仲介業者に期待していると想定される。その際には必要に応じて一定程度の開発コストが必要となろう。

最後にITインフラ面である。生命保険会社が金融サービス仲介業者と連携していくうえで、効率性や個人情報保護ルールの観点からAPI連携が期待される。しかしながら、多くの保険会社はAPIを公開していないうえ、基幹システムはメインフレームをべースとしており、クラウド化が徐々に始まった状況にあるため、カスタマイズでの開発コストも考慮に入れる必要があろう。
なお、第一生命において2020年11月にクラウド基盤「ホームクラウド」が稼働を開始しており、将来的にはAPIも見据えている点で注目すべき動きといえる。また、住友生命もAWSを活用したクラウド化を進めるなど、大手生命保険会社を中心にクラウド化に向けた動きが出てきており、今後のAPI化に向けた動きとして期待したい(山口泰裕)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/358

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