矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2021.11.11

モビリティDXに関する調査を実施(2021年)

自動車産業の将来動向について、IT・データの観点から調査。モビリティ・インフォメーション・サークル(MIC)の構築が、自動車メーカー(OEM)の今後の競争のポイントに。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、大きな変化に直面する自動車産業の将来動向についてIT・データの観点から調査・研究を行った。その結果、MIC(モビリティ・インフォメーション・サークル)の構築が今後の競争上のポイントになると考える。

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モビリティDXに関する調査結果概要

現在、自動車のコネクテッド化が進んでおり、自動車メーカー(OEM)は走行データや車両データ、乗員データなどを通信回線を介して、常時、取得できるようになってきた。今後もその動きは強化され、クラウド上のデータベース[モビリティPaaS(Platform as a Service)内、車両・乗員データ]に蓄積されるようになると見込まれる。そして将来、自動車メーカーは、このビッグデータをどのように運用し、活用するかが競争のポイントになると矢野経済研究所では考える。本調査において当社は、こうした自動車がもたらすビッグデータ活用・運用の流れを「モビリティ・インフォメーション・サークル(以下、MIC)」と名付け、整理した。

今後、既存の自動車メーカーやEVカーで新規参入を狙う新興メーカーにとって、競争の尺度はMICをいかに早く確立できるかに移ってくると当社では考える。それほどまでに、自動車ビッグデータの活用・運用は重要な要素になってくるだろう。

【図表:MIC(Mobility Information Circle:モビリティ・インフォメーション・サークル)概念図】

【図表:MIC(Mobility Information Circle:モビリティ・インフォメーション・サークル)概念図】
  • 矢野経済研究所作成
  • ※MIC(Mobility Information Circle):自動車OEMが、今後目指すべきモビリティ インフォメーションの循環・蓄積サイクルのこと。デジタルによる一気通貫した情報連携を示す。矢野経済研究所の造語。

MIC概念図の右側(MIC)はOEMの社内や自社グループ内での新しいデータ循環を示し、企画・設計段階のシミュレーション用途などにデータは活用されていく流れを描いている。また、自動車用のさまざまなアプリが開発され、個人の趣向に合わせてた最適化が志向され ”個車化” が進むと予測する。
MIC概念図の左側(MIC for Service)は多様な企業に対して、クラウド上のデータベースからデータ提供することで新サービス創造を支援しようとする流れを示す。モビリティからの情報を利用した新しいサービスを生み出すエコシステムとしての姿である。
ハードウェア(以下、H/W)としての自動車の価値は、将来、低下していく可能性が高い。それに変わる成長の源泉となるのが、このMIC for Serviceとなる。そこでは、新サービスが事業として成立するのか、シミュレーション等を行うサービス開発基盤が搭載されていくのではないかと予測する。

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モビリティDXに関する注目トピック

【図表:自動車ビジネス 価値の転換】

【図表:自動車ビジネス 価値の転換】
  • 矢野経済研究所作成

■自動車ビジネスでの「価値の転換」
自動車ビジネスにおいて、価値の源泉が急激に変化しつつある。モノづくり、データ取得&連携、モビリティサービスという3階層に分けて、自動車ビジネスの価値転換の推移を整理した。

【レイヤ1 モノづくり】
ビークルOSの登場により、クルマのスマホ化が起きようとしている。ビークルOSを境に自動車開発がソフトウェアとハードウェアに水平分離されようとしており、また、EV化により部品点数の削減・組立の簡素化などが志向され、モノづくりの価値は低下して行くと見られている。
【レイヤ2 データ取得&連携】
これまで、OEMと顧客との情報連携は分断されていた。しかし、コネクテッド化により、OEMはさまざまなデータを得られるようになるため、モノづくりに代わり、データづくりの価値が上昇してくると予測する。これからはデータを活用した設計開発により、よりニーズに見合った自動車開発を行っている必要がある。
【レイヤ3 モビリティサービス】
今後、H/Wとしての自動車の価値は相対的に低下していくことが考えられ、OEMにとってはデータを活用した “コト売り” が重要になると見込まれる。コト売りとは、モビリティデータ、インフォメーションを活用した各種サービスのことを指す。OEMは単にH/Wを製造・販売するのではなく、データをつくり、サービス化することでビジネスを拡大して行くとみられる。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 避けられない環境変化と自動車産業の対応
  • 人口推移(世界・日本)
  • 自動車のカーボンニュートラル化のポイント
  • 一般乗合バス事業者の収支状況
  • 主要国における高齢者人国の割合の推移
  • 世代モビリティ(電動トライク、電動ミニカー、超小型モビリティ)の国内販売台数予測
  • 本ポートの章立てとスコープの関係性
  • E/Eアーキテクチャ(分散型、ドメイン型)
  • E/Eアーキテクチャの進展推移イメージ
  • 車両単体の優劣だけでは解決できない課題の増加
  • ソフトとハードの分離とスケートボード型プラットフォーム
  • ビークルOSの一般的な階層性
  • ウーブン・プラネット・ホールディングスの組織と役割
  • Areneに含まれるツールやサービス
  • 既存OEMのビークルOS関連のビジネスモデル変化推移図(水平統合)
  • 類型別のビジネスモデルの変化推移予測(水平統合)
  • 既存の製造業向け企業情報システム
  • IoT時代の製造業向け企業情報システム
  • トヨタ モビリティサービス・プラットフォーム
  • 自動車設計開発に資する走行関連データ(将来)
  • 設計3分類
  • ビークルOSとモビリティPaaS概念図
  • 車の一般的な設計・開発工程(全体概要)
  • 車の一般的な開発工程(2019年の開発分担毎の動き)
  • 車の一般的な開発工程(2021年の開発分担毎の動きの変化)
  • 車の一般的な開発工程(2023年の開発分担毎の動きの変化)
  • 車の一般的な開発工程(2025年の開発分担毎の動きの変化)
  • 車の一般的な開発工程(2030年の開発分担毎の動きの変化)
  • MIC(Mobility Information Circle)概念図
  • ビークルOSとモビリティPaaS概念図
  • ビッグループで紹介されているサービス
  • MIC(2019年頃)
  • MIC(2021年頃)
  • MIC(2025年頃)
  • MIC(2030年頃)
  • 自動車ビジネス 価値の転換
  • MaaS車両とPOVによるビジネスの違い
  • 都市OSの詳細とコネクタによるデータ連携イメージ

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調査要綱

調査対象:車載ソフトウェア/ビークルOS/モビリティPaaS/自動車産業の設計・開発動向/自動車産業のビジネス構造
調査期間:2021年8月~10月
調査方法:当社専門研究員による専門家への直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※モビリティ・インフォメーション・サークルとは:MIC(Mobility Information Circle)とは、自動車メーカー(OEM)が今後目指すべきモビリティ インフォメーションの循環・蓄積サイクルのこと。デジタルによる一気通貫した情報連携を示す。矢野経済研究所の造語。

忌部 佳史(インベ ヨシフミ) 理事研究員
市場環境は大胆に変化しています。その変化にどう対応していくか、何をマーケティングの課題とすべきか、企業により選択は様々です。技術動向、経済情勢など俯瞰した視野と現場の生の声に耳を傾け、未来を示していけるよう挑んでいきます。

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