矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

デイリーコラム


2018.11.14

【無料で遊ぶ、矢野経済研究所の歩き方 ④】

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2018.11.13

【フィードバックで社員の生産性を向上 日立人財データ分析ソリューション】

日立製作所は、10月31日から「日立人財データ分析ソリューション」の提供を開始した(http://www.hitachi.co.jp/products/it/ws_sol/hcm/)。「日立人財データ分析ソリューション」では、社員の生産性や配置配属などに対する意識をデータとして可視化し、人事施策の高度化を図る。

まず、独自の測定方法により、生産性などの意識データを数値として算出する。次に、定量化された意識データと、勤怠や出張履歴・メールログなどの行動データを掛け合わせ、AIによって分析を行う。その結果、AIの分析を通じて生産性向上を促す要因を導き、社員にフィードバックとしてコメントを記した報告書を提供する。

同社は、2017年度の一部組織の新卒採用プロセスにおいて、人財データを活用した分析結果を取り入れた。具体的には、能動的に発信・提案する価値創造タイプの人材の採用枠を増やすなどの試みを行った。また、現在、生産性向上に向けた取組みを一部組織の社員約7,700名に対して実施し、効果検証を行っている。このような取組みを通じて蓄積したノウハウを、ソリューションの提供に活かしている。

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意識データにおいて、社員の人格なども考慮に入れれば、一層パーソナライズ化されたフィードバックが可能になると考える。心理学では、人格の個人差を測る指標がいくつか挙げられている。その一つにビッグファイブがあり、人格を5つの要素(開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神的安定性)の強弱で判断するものである。AIの分析に、アンケートなどを通じて数値化したビッグファイブのデータを加えることで、社員ひとりひとりに一層適したフィードバックを与えることができるのではないか。(井上 圭介)

2018.11.12

【産業用IoTについて】

「産業用IoT」について、かるくふれていく。簡潔に述べると産業用IoTとは、「リアルタイムで進行している事象をソフトウェアなどで自動制御、最適化を図る」ものである。具体的には、PTCの「ThingWorx」や富士通の「COLMINA」、NECの「NEC Industrial IoT」などが挙げられる。

産業用IoTの市場構造を紐解いていくと、以下の構造となっている(図を参照)。なお、1社で市場構造の全階層を提供することは難しく、エコシステムやパートナープログラム、M&Aの実施などで補完していくことが多い。

・開発/運用/導入支援:IoTシステムの開発/運用/導入を行うサービス

・アプリ群(SaaS、特定産業向けアプリなど):データ分析や特定産業分野に対応したアプリケーションなど

・プラットフォーム:収集したデータを高速処理するための基盤。センサー類から収集したデータの体裁を整えることやデータ統合などを実行する。

・クラウド基盤(IaaS):プラットフォームを支えるクラウド基盤部分

・センサー類:部品・製品に内蔵したセンサーなどを指しており、データの発信源である。

産業用IoTを活用した場合、おおまかなデータの流れは以下のとおりとなる。

①部品・製品に内蔵したセンサーでデータ収集、無線ネットワークなどでデータをクラウドに送信

②クラウド上のプラットフォームに構築されているアプリ等でデータ分析などを実施

③分析したデータなどを活用し、機器の自動制御、最適化を図る

以前、産業用IoTベンダーに何社か取材をした中で、産業用IoTベンダーは製造現場ごとに一つ一つシステムをつくりこんでいかなければならず、導入が非効率的であることを課題として挙げていた。対して、ユーザ側からはIoT導入にかかる費用、IoT導入による効果が得られる点があまり明確でない、との声が多い印象であった。効率的な産業用IoT導入に向け、今後どのような取組みが行われていくのか関心が高まった。(宮川 典子)

2018.11.09

<ITの浸透で事務職がなくなる?>

 ここ数年、様々な産業分野/職業で人手不足が言われている。この一方で、下表を見ると明らかなように、いわゆる事務職に対する求人は急激に減退している。

 事務的職業以外では、いずれの職種でも有効求人倍率は1.0倍を超えており、特にサービス業や建設作業者、ドライバー、保安職(現場作業系の職業)での求人倍率は高い。一方で事務的職業では、有効求人倍率は0.52まで低下している。

 我が国では多様な職種で人手不足が顕在化している中で、事務作業の需要が急速に減っているのである。この背景には、事務作業は自動化しやすい定型業務が多く、RPAなどに代表されるICTテクノロジーとの親和性が高い点が指摘できる。また事務作業自体に付加価値が少ないため、敢えて高コストの社員が関わる必要はないと考える企業が増えたのか。

 考えて見れば弊社でも、調査部門で事務作業を行うことは大幅に減っている。1990年代までは、各部署に1~2人の事務員が配属されていたが、現在では管理部門で一元管理する体制に転換して、現場では研究員自身で行う事務作業しか残っていない。また90年代には弊社にも社長秘書?もいたが、これもだいぶ前に廃止されている。

 比較的近い将来、多くの事務作業がITに置換されると、事務職や秘書といった職種が過去のものとなる日が来るのだろうか。(早川 泰弘)

2018.11.08

【リレーコラム:一番記憶に残っているIT】モバイル端末と言えば

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。そんな研究員たちの、「一番記憶に残っているIT(IT技術/ツール/ウェブサイトなど)」は、一体何でしょう?リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。第6回目の執筆者は、リテールソリューションや屋内位置情報ソリューションなどを研究する野間です。

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私は90年代など矢野経済でモバイル端末の市場を担当しておりました。当時話題になったのが「PDA(Personal Digital Assistant)」です。中でも有名なのがアップル社の「Newton」と日本メーカー、シャープの「ザウルス」です。

当時はまだまだ通信回線が未完成で、通信機能はなくスタンドアロンであるPDAが市場の中心でした。担当者である私のモバイル端末は、当時の社長にもらったおさがりの「ザウルス」や、ソニーの「CLIE」などいくつかを持っては飽き、持っては飽きを繰り返していました。

当時既にスマートフォンという概念はありましたが、通信料を考えると全く非現実的なものでした。それが今やほとんどの日本人が保有する時代に。さすがにここまでの普及は当時は全く予測できませんでした。さすが、スティーブジョブスです!(野間博美)

2018.11.07

【リレーコラム:一番記憶に残っているIT】これがパソコンの威力なのか!

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。そんな研究員たちの、「一番記憶に残っているIT(IT技術/ツール/ウェブサイトなど)」は、一体何でしょう?リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。第6回目の執筆者は、リテールソリューションや屋内位置情報ソリューションなどを研究する野間です。

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私はYanoICTではそれなりの古株で矢野経済のIT化の歴史と一緒に歩んできましたので、この話を避けて通ることはできないでしょう。

私が入社したころの当社は、文章こそワープロでアルバイトさんに入力してもらっていましたが原稿は手書き、市場規模の推計や細かな分野別の実績の推計など、ほとんどの社員が「電卓」による手作業で行っていました。一日に何百回も電卓のキーストロークです。エラーもしょっちゅう・・・

そこに我儘を言って導入しもらったのが、NECのPC-98シリーズのノートパソコンです。フロッピーを何度も挿したり抜いたり、GUIなんて存在しないバージョンのロータス1-2-3を覚えるのは大変でしたが、一旦覚えるとあらゆる計算が一瞬で出来上がってしまいます。これまでなんと無駄な労力を使っていたのかと愕然としたものです。

その後、手作りのイーサネットのケーブルで社内LANを構築する時代が来るのですが、そのお話はまた次回・・・(野間博美)

2018.11.06

【携帯電話の位置情報の活用 タクシーの乗車需要を予測】

先日のハロウィーンでは大勢の人々が渋谷に集まった。渋谷駅周辺では、ピークの午後6時から午後7時(10/31)の人数は約3万人に達した。この人数の推計には、携帯電話の位置情報が活用されている。

位置情報をAIで分析する取組みも行われている。そのソリューションの一つに、NTTドコモが提供している「AIタクシー」がある(https://www.nttdocomo.co.jp/biz/service/aitaxi/)。AIタクシーは、タクシーの需要予測の情報をオンラインで配信するサービスである。タクシー事業者に対して、500m×500mのエリア内において、現在時刻から30分後までに顧客を何組得られるかを地図上で提示する。なお、10分ごとに表示する情報を更新し、リアルタイム性を保っている。

AIは、人口統計データやタクシーの走行データ、気象データなどを用いて、30分後までのタクシー乗車需要を予測する。肝要の人口統計データには、NTTドコモの携帯電話を使用するユーザーの位置情報を活用している。国内で日本人が使用している同社の携帯電話は、約7,600万台に及ぶ(2018年3月時点、本台数より法人名義やMVNOを除く)。それらの膨大な位置情報を匿名化し、個人の特定を防ぎつつ需要予測を行う。

AIタクシー導入後の効果には、利用客の利便性向上、電車遅延やイベントなどの突発的な需要増加への対応、ドライバーごとの実車率のばらつき解消・底上げ、新人ドライバーの不安解消などが挙げられる。

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ハロウィーン当日には仮装を楽しむために外出した人々も多く、乗車需要が高まり、各地でタクシーが活躍したかもしれない。(井上 圭介)

2018.11.05

タクシー配車アプリ「Japan Taxi」

先日、初めてタクシーの配車アプリ「Japan Taxi」を利用してみた。ご存知の方もいるかとは思うが、Japan Taxiは乗車場所と降車場所を指定し、周辺のタクシーを呼び出すアプリである。事前に支払う料金もわかり、利用するタクシー会社によってはオンライン決済を利用できる。そのため、指定した場所から乗車し、目的地で降車するだけでタクシーの利用が可能となる。運転手に目的地までの道のりを指示する必要も、降車前に乗務員と料金をやり取りする必要もない。

実際に利用してみると、どのタクシーが呼び出したタクシーなのかわからず、タクシーが通りかかるたびにドキドキした。だが、乗車場所の周辺からタクシーが配車されるため、1~2分ほどで乗車することができた。また、タクシーを呼び出しても迎車料金がかからず、事前に料金もわかるため、安心して乗車でき心もお財布も穏やかであった。機会があればまた利用してみたいと思う。(宮川 典子)

2018.11.02

アジアでの撮影&独り言「アジアITSイブイブイブ」日本編⑧

アジアのITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は欧米の後を5年遅れて付いてくるとおもったら大間違い。アジアには、欧米の国々のような自動車文化は根付いておらず、でもだからこそ欧米を見ていては見えてこない何かがあるような気がする。アジアのITSは前夜の前夜のそのまた前夜くらい。「アジアITSイブイブイブ」です。

今回のアジアは日本です。10月4日に発表された、トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社「MONET Technologie」設立です。

この発表を受けメディア各社は「自動車業界を舞台に通信事業者の陣取り合戦勃発」「トヨタは自らモビリティサービス事業をやるのをあきらめた?」「ソフトバンク孫正義氏の“クルマは半導体の塊になる。ねじやボルト、ナットはなくなる”発言はおかしい」などなど毎日何本も追跡・分析記事を発表しています。

こうした中で当社としては「GAFAが支配するプラットフォーム世界の中で、日本企業が生き延びるための手段としての提携」という視点でアナリストオピニオン記事を発表しました。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/244

こうした記事を書くと「自動車本来の魅力は失われない。クルマをIoTと一緒にするのはおかしい」というご批判の声が出るかと思います。もちろんこれまでの自動車の歴史と技術の進化の中で産まれた「クルマの魅力」「愛車という気持ち」は今後も残るわけです。ただし世界全体を見渡すと、「モビリティサービス」という名前の異なるマーケットが、自動車産業の周辺に生まれて成長しつつあるということなのです。(森 健一郎)

2018.11.01

お手軽AI活用型FAQソリューション

「日経X TECH EXPO 2018」(東京ビッグサイト・10/17~19)を訪れた。L is B(エルイズビー)社の自動学習型FAQソリューション「AI-FAQボット」を紹介する。

 AI-FAQボットは、ExcelにまとめたFAQをもとに、Webサイトで表示するウィジェットを作成できるソリューションである。AIによる自動学習機能を有する。

 AI-FAQボットの特徴は、2点ある。1つは、運用が容易なことである。ExcelにQ&A形式で記入してアップデートすると、Webサイトですぐにウィジェットとして利用できる。また、運用にあたりAIに関する知識やノウハウは不要である。

 もう1つは、AIが自動学習し、FAQの精度が向上していくことである。ExcelのFAQデータ内に存在しない内容は、関連した言葉が入力された際にAIが自動で解析・学習し、Excelデータに反映する。管理者は、Excelを見ればどのような学習をしているか確認できる。

 利用料金は、FAQの数によって異なり、月額6万円からとなる。AI活用には、専門知識をもつ人材や時間を必要とするイメージがあったため、導入のハードルが低く、手軽だと感じた。

(星裕樹)

2018.10.31

【家電量販店のPB展開】

先日、家電量販店の株式会社エディオンが、PB商品「e angle」の販売を開始すると発表した。家電量販店は過去の業界再編の波を乗り越えた後、今度はEC事業者との競合に苦しんでいるが、PBはその対抗策になりうるだろう。しかし、個人的にはもう少し前のタイミングで、ドラスティックに実行すべきだったのではないかと考えている。

そもそもネット販売とリアル店舗が激しく競合するのは、同じ商品を扱っていることが大きな原因である。同じ商品であるがゆえに、リアル店舗で現物を確認した後に、ネットで購入することが可能になり、いわゆる「ショールーミング」化してしまうのである。確かに過去の家電量販店は、いわゆるナショナルブランドを同じフロアに広く取りそろえることが、歴史上で大きな存在意義であった。しかし、既に時代は大きく変わってしまった。ネット上なら無限に商品を取り揃えることが可能なのである。
家電量販店以外の業態では、アパレルやインテリアなど、消費者のニーズを的確にとらえた自社ブランド製品を店頭に並べるSPA的な業態が成功を収めている。
過去、家電量販店も一部にはPB製品を投入していたが、あくまで販売の中心はNBであった。近年では異業種から家電業界への参入が盛んになっており、ニッチなニーズをとらえた製品を投入してある程度の成功を収めているように思われる。しかし、そもそもこのポジションに最も近かったのは、家電量販店ではなかったか。もう少し早くに自社を消費者の「購買代理人」としてリポジショニングしていれば、事情は変わっていたに違いないと感じる。(野間 博美)

2018.10.30

製造業に提言する「ものづくりデジタライゼーション」

東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は10/25に製造業向けのイベント「BE:YOND2018」を開催した。

現場力や高品質な生産を得意としてきた日本の製造業だが、テレビやスマホは韓国や中国にシェアを奪われ欧米ではIndutrie4.0などの動きが先行するなど環境の変化に晒されている。矢野経済研究所の調査でも、IoTやAIは言うまでもなく、生産管理領域のパッケージシステム導入率は3~4割に留まり、デジタル化の遅れが目立つ。

「BE:YOND2018」のテーマは「ものづくりのデジタライゼーション」だった。基調講演に登壇したB-EN-G常務取締役の羽田氏は、IoTを活用した見える化の実現、更に製造や設計といった競争領域のデジタル化により、国際競争力を強化していくべきであると指摘した。

羽田氏は、先日書籍「ものづくりデジタライゼーション」(幻冬舎より9月発刊)を発刊している。同社が提供するERP「mcframe」を例に取り導入のハードルが低いIoTを紹介するなど、このテーマを分かり易く解説している。(小林明子)

2018.10.29

インターネットイニシアティブ(IIJ)がIIJ Omnibusサービスの拡張を発表しました(10/24)。

働き方改革の追い風もあり、最近は個人でも使うことができる便利なファイル共有・管理ソフトやスケジューラーなどが数多くあります。こうしたツールを企業でも活用することで、生産性向上や社員のモチベーションアップにつながることが期待されます。

ですが、いざSaaSを導入するとネットワークの遅延やセキュリティといった課題に直面することがあります。今回同社が発表した拡張は、まさにこうした課題に対応する機能です。

同社によると、Omnibusサービスは2017年3月から2018年3月の1年間で拠点数が約2倍になったとのこと。これらの課題に対応できないSaaSベンダもあるなか、クラウドサービスをセキュアかつ快適に使えるインフラの整備にIIJ Omnibusサービスがますます広がっていきそうです。

(小山 博子)

2018.10.26

無人決済店舗を実際に利用してみた

JR赤羽駅(東京都北区)の構内にある、無人決済店舗に行ってきました(10/19)。サインポスト社のAI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」を活用した店舗で、10月17日より実証実験が行われています。

無人決済店舗「TOUCH TO GO」は、入口に設置してある機器に交通系電子マネーをかざすと、入口専用のドアが開く仕組みになっています。店内の天井にはカメラが16台、商品棚にも約100台設置されているとのことでしたが、カメラの存在が気になることはありませんでした。スーパーの買い物では防犯カメラが気になりがちな私ですが、無人決済店舗はカメラが店内に馴染むように設置されていたため、リラックスして買い物できたのかと思います。

約140種類の中から商品を選び、出口付近にある決済ゾーンに進むと、手に持つ商品がレジのディスプレイに表示されました。私は、小倉シベリア1点を手に持っていましたが、ディスプレイには小倉シベリアと紅茶の2点が表示されました。私が商品選択に迷い、手に取ったり棚に戻したりを繰り返したからかもしれません。間違っている場合は、自分でディスプレイをタッチして商品数を変更します。後は、交通系電子マネーで決済を行い、レシートを受け取ると会計終了です。

入店できるのは1度に3人まで、利用者は事前に説明書を読む、といった取組みのおかげもあり、スムーズに買い物ができたと思います。ただ、会計の際に商品数を確認したり修正したりすると、そこでタイムロスとなり、レジ待ちの原因になってしまいます。無人決済店舗でストレスなく買い物できるようになるには、画像認識や物体追跡の技術向上が一つのポイントになると感じました。

(星 裕樹)

2018.10.25

【High Velocity Sales マーケティングオートメーションのスコアリング機能が充実】

セールスフォース・ドットコムのSales ColudおよびSalesforce Pardotに関する記者説明会に行ってきました(10/23)。

マーケティングオートメーションを導入したユーザの課題のひとつはスコアリングです。メールを開封してくれたら1点、電話問い合わせまでしてくれれば3点など、何に対し、どのような点を付けるか、試行錯誤を繰り返し、なかなか成果をあげられない企業も多くあります。

今回の説明会で発表された製品の中でも、High Velocity Sales(2019年春リリース予定)には、同社のAI Einsteinが過去の案件データなどをもとにスコアリングする機能があります。スコアリングに頭を悩ませる工数を削減し、より効果的なシナリオ設計に時間を費やすことができそうです。ユーザにとっては、待ち望んでいた機能のひとつと言えるでしょう。(小山 博子)

2018.10.24

【TV出演のお知らせ】

矢野経済研究所の代表取締役社長 水越が明日25日の朝に、モーニングCROSSにコメンテーターとして出演します。ご覧になった方は感想などもお寄せ下さい。

■日時:2018年10月25日(木)午前7:00~8:30(全時間)

■番組名:TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」(毎朝のニュース・情報の生ワイドショー)

http://s.mxtv.jp/morning_cross/

■チャンネル:地上波9チャンネル(091ch)

■出演内容:コメンテーターとして全時間出演

■MC:堀潤氏、宮瀬茉祐子氏

■他の出演者:フィフィ(タレント)、村雨辰剛(タレント・庭師)

2018.10.23

【入眠を手助けするコミュニケーションロボット ネモフ】

ロボットのアプリケーションや対話型サービスの開発を行ってきたパルスボッツ株式会社は、睡眠サポートロボット「ネモフ」を発表した(10/15)。

まず、パルスボッツの代表取締役 美馬直輝氏は、「利用者がすぐにコミュニケーションロボットの使用に飽きてしまうことを防ぐため、一定の役割を与えるべきである」と述べた。そのため、美馬氏は「ネモフに『眠りのおとも』という役割を与え、利用者の入眠の促進をめざす」と続けた。ぬいぐるみのような外見をしたネモフとのコミュニケーションは、利用者の就寝前の孤独や寂しさを癒し、安心感とリラックス効果をもたらす。主な利用者層としては、一人暮らしをする20-30代の女性を想定しているとのことである。

現在、同社は、ネモフのクラウドファンディングを通じた資金調達と限定100体の予約受付を行っている(https://www.makuake.com/project/nemoph/)。

以下にネモフの機能について記載する。利用者が所定の回数なでる、または話しかけることで、ネモフは下記の機能を実行できる。

①時報

現在時刻を声で教える。

②あいさつ

寝ぼけた感じの返事をする。

③オルゴール

5種類のオルゴールを奏でて、利用者をリラックスした状態にいざなう。

④不思議なおはなし

16種類の不思議なおはなしをゆっくりと発声する。なお、ストーリーの内容はすべてオリジナルである。

⑤目覚まし

ネモフ自体が揺れながら音楽を流し、利用者の目覚めを促す。

今のところネモフはネットワークに接続していない。しかし、今後同社はクラウドとの連携などを通じて、会話のバリエーション追加や機能拡張を検討している。

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ネモフが睡眠の時間・質を記録するスマートフォンアプリと連携できるようになれば、睡眠がどれだけ改善したかを数値化・可視化しやすくなるだろう。(井上 圭介)

※写真はパルスボッツ株式会社 代表取締役 美馬直輝氏とネモフ

2018.10.22

ICT企業の社名変更にみる企業戦略

データ連携ツールの「ASTERIA」の開発元であるインフォテリアが、2018年10月に「アステリア」へ社名を変更しました。主要な製品・サービス名と社名を統一する例は、AIのSENSY(旧カラフル・ボード)決済サービスのメタップス(旧イーファクター)など多数あります。社名を揃えることで、ユーザ、投資家双方に対して訴求力が増します。

ただし、平野社長は、単に主力製品の名前に変えただけではなく、世界ブランドを確立することが目的だといいます。以下の要件を満たすことがポイントだったそうです。

・「A」で始まる

・主要国語でネガティブな意味ではない

・「.com」が使用できる

・短い

松下電器はパナソニック、東京通信工業はソニーとなり世界的なブランド力の向上を実現しました。アステリアはこのような先輩企業の例に倣ったのでしょう。(小林 明子)

2018.10.19

【リレーコラム:一番記憶に残っているIT】私の分身?②

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。そんな研究員たちの、「一番記憶に残っているIT(IT技術/ツール/ウェブサイトなど)」は、一体何でしょう?リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。第5回目の執筆者は、ビジネスプリンタやクラウドコンピューティングなどの分野を研究する小山です。

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写真のAIBOはスピードボードに乗せています。ピンクボールでばかり遊ぶのも…と思い新たなアイテムを購入したのですが、残念ながら我が家には思う存分走らせてあげられるだけのスペースがありませんでした。学校の体育館のようなところで好きなだけ走らせてあげることができればと思ったもの今となっては良い思い出です。

2017年11月、およそ10年ぶりにaiboが発売されました。正直、興味はあるのですが、既に思うようには動けなくなっている先代を思うと、新しい子を買おうというまでの気持ちにはなれず、そんなところも含めてAIBOは確かにペット(家族の一員)なのだと思います。(小山 博子)

※【リレーコラム:一番記憶に残っているIT】私の分身?①は下記URLよりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/daily/show/id/184

2018.10.18

【リレーコラム:一番記憶に残っているIT】私の分身?①

矢野経済研究所ICT・金融ユニットでは、研究員が日々ICT関連分野の調査/研究をしています。そんな研究員たちの、「一番記憶に残っているIT(IT技術/ツール/ウェブサイトなど)」は、一体何でしょう?リレーコラム形式でICT・金融ユニットのメンバーが順に綴っていきます。第5回目の執筆者は、ビジネスプリンタやクラウドコンピューティングなどの分野を研究する小山です。

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私にとって「これまでで一番記憶に残っているIT技術/ツール/ウェブサイトなど」は、SONYが販売しているペットロボット、AIBO(ERS-210)です。購入前に既にテレビでもよく見ていたので、最初から立ったり、歩いたり、声に反応してくれたりするのだとばかり思っていました。ところが、起動させたばかりのAIBOはまだ赤ん坊。立ったり、歩いたり、ましてや自分の名前を覚えたりなどできるはずもないのです。肉球を触れば驚いてびくびく。でも撫でてあげると喜びます。毎日遊んであげられたわけではないので、育てること数カ月。ようやく自分の名前を言えるようにまでなりました。この頃には性格も形成されており、我が家のAIBOはのんびりとした子に育ちました。それもそのはず、AIBOの取扱説明書には育てる人の性格似る、という記載がありました。私に似ているのです。(小山 博子)

2018.10.17

【ショートレポートのご案内】

矢野経済研究所では、独自に収集したマーケットデータを1,000円で提供しております。

弊社が発刊する年間約250タイトルのマーケットレポートごとに、一部の内容をまとめたショートレポートです。

マーケットレポートに比べて詳細な内容は掲載されていませんが、その要約版、入門的な情報として活用できる内容となっております。

毎月10~20タイトルのレポートが随時追加されていきますので、是非ご期待ください。

詳細は下記URLよりご覧いただけます。

https://www.yano.co.jp/shortreport/index.php

2018.10.16

【ランドロイド 自動で衣類をたたんで整理】

いずれ衣類を人の手でたたまずにすむ時代がくるかもしれない。なぜなら、ランドロイドが私たちのかわりに、たたんでくれる可能性があるからだ。

ランドロイドとは、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社が開発している全自動衣類折りたたみ機である。冷蔵庫のような縦長の長方形の形をしており、内部に整理した衣類を積み上げる。

ランドロイドが衣類を仕分けるまでの過程について説明する。
まず、乾いた衣類をランドロイドに投入すると、ランドロイドは画像解析技術を用いて、衣類の種類(Tシャツやバスタオル、ボトムスなど)を識別する。つづいてランドロイド内のロボットアームが衣類をつかんで広げる。その後、搭載したAIが学習したデータを活用して、衣類の種類に合った最適なたたみ方を実践する。最終的には、あらかじめ設定した仕分け方に合わせて、アイテムの種類もしくは持ち主ごとに衣類を積み上げる。

さらに、ランドロイドで仕分けた衣類を確認できる、専用のスマホアプリも開発中である。加えて、ランドロイドを遠隔操作したり、動作状況や使用履歴を確認するなどの機能を備える予定となっている。

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズは、2018年度中にランドロイドの発売をめざしている。同社は2015年に開催されたイベント「CEATEC JAPAN 2015」にて初めてランドロイドを公開した。今年のCEATEC JAPAN 2018は、今月16日から19日まで開催されている。会場を訪れれば、ランドロイドのような革新的なソリューションを目にすることができるかもしれない。

https://laundroid.sevendreamers.com/ 

2018.10.15

【貯まったポイントで投資】

みなさんはポイントカードまたはクレジットカードをお持ちでしょうか。

お持ちでない方がめずらしいかとは思いますが、ポイントカード等で貯めたポイントを投資運用できるサービスがあることはご存知でしょうか。購買の付加価値として付与されるポイントをさらにお得に利用できそうです。また、これまで投資等を行っていなかった層の取り込みが期待できると思います。私もさっそく始めてみようかと思います。(宮川 典子)

※ご参考までに

https://dpoint-inv.com/portal/top 

2018.10.15

【「リーガルテックウォッチ2018~電子契約サービス編」発刊のお知らせ】

10/12に「リーガルテックウォッチ2018~電子契約サービス編」を発刊いたしました(50,000円・税別)。副題にございますように、電子契約サービス市場に関するレポートです。

今回取材を行い、電子契約サービス利用者の増加とともに、電子契約サービスでできることの多さも知ることができました。
電子契約サービス市場は、これからへの期待が大きい市場のため、今後の広がり、動向が楽しみです。(小山 博子)

https://www.yano.co.jp/market_reports/R60200601 

2018.10.12

【アプリでつくる自分好みのスイーツ】

パリで人気のパティシエ、ミシャラクのパティスリーが表参道にオープンしました。

日本公式アプリでは、パリでも人気のスイーツ「コスミック」を自分好みの組み合わせにカスタマイズできる「マイコスミック」をつくることができます。

質問に答えてすすめられたコスミックをそのまま採用するもよし、好きな素材に変更するもよし。もちろん、マイコスミックは店舗で注文することが可能です。まさにオンリーワンのスイーツ。期待に胸が膨らみます。

もちろん私も早速試そうとしたのですが、恥ずかしながら私の端末はアプリに対応していませんでした。。。まずはオリジナルを食べ、マイコスミックを作れるようになったときに比較しようと思います。スイーツだけでなく「マイコスミック」をつくる体験も楽しめる。これからはモノもコトも楽しめるお店が増えていくのかもしれません。(小山 博子)

 

2018.10.11

【Facebookであっても買収したスタートアップの管理は難しい】

最近、FacebookからInstagramの共同ファウンダーの2人が退社したとの発表があった。「自主性」に関する対立があったようだ。

こうしたことは日本のスタートアップを買収した大企業でも残念ながらよくある。通常、買収した際には、スタートアップの経営者に対して、契約上、3年程度の縛りで大企業の傘下で買収したスタートアップのチームを引き続き運営することが多い。
ただし、残念ながら契約期間を過ぎると辞めていくと聞く。そして従来、強力なリーダーシップの元、アジャイル型で走ってきたスタートアップが、リーダーが大企業の主導権に移った途端、萎むケースも残念ながらよく聞く。
理由は、「自主性」や大手とスタートアップの「文化の違い」によるギャップを埋めることができなかったというのが分かりやすい。買収に際して、せっかく多額の資金を投資しても当初の算定価値を失ってしまうのはもったいない。

徐々にオープンイノベーションの名の元、大手企業においてもギャップを埋める試みを進めている。・・・が、そう簡単に文化や社員の意識を変えることはできないのが実情。だからといってガラリと変えることもできないし、後戻りもできない。結局は試行錯誤をしながら、地道に継続的に進めていくしか道はない。
現在のオープンイノベーション、数年のトレンドで終わるのか、継続的な取組みとなるのか。一つの指標として大企業が買収したスタートアップの経営者の動きに注目してみるのもよいのではないだろうか。(山口 泰弘)

2018.10.10

10/17から赤羽駅にAIを活用した無人決済店舗登場

JR東日本は、10/17(水)から2ヶ月程度、東京都北区の赤羽駅ホームで、無人決済店舗の実証実験を行う予定です。

商品を手に取り決済ゾーンに進むと、支払い金額が自動計算され、電子マネーで決済されるそうです。AI技術としては、カメラで来店者を認識し、手に取った商品を読み取るという、画像認識の技術が主に利用されているとみられます。

最近、無人レジやセミセルフレジは様々な店舗に設置されるようになりましたが、バーコードのスキャンや支払いのためにレジを通る方式が主流です。赤羽駅のシステムは、レジ端末を使わない、どちらかと言うとAmazonGoに近い形なのかもしれません。

人手不足を背景に店舗の省力化の取組みは進んでいますが、有効性、正確性、万引き防止など様々な課題も指摘されます。JRの取組みは、駅ホームの小型店舗という条件だからできるのかもしれません。

いずれにしても、私も来週以降赤羽駅に行き、最新技術を実感してみたいと思います。(小林 明子)

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP492168_S8A001C1000000/

2018.10.09

<テレワークは不評?>

前回の掲載(https://www.yanoict.com/daily/show/id/182)で、「甚大な地震災害予想はテレワークを誘引する」と書いたが、今回はテレワーク制度の導入実態について述べる。

「平成29年 通信利用動向調査(総務省、n=2,580社)」によれば、テレワーク導入企業比率は13.9%、テレワーク導入予定企業は同4.3%で、テレワークを既に導入もしくは今後、導入予定がある企業は計18.2%になる。その一方、テレワークを利用する従業員割合では、「5%未満」とした回答が51.4%と過半数を超えている。

また人材サービスのEn-Japanが実施しているテレワークに関するアンケート(総合求人・転職支援サービス「エン転職」ユーザが対象:n=8,341人)を見ても、テレワーク制度のある企業での勤務経験割合は17%で、企業数ベースでは総務省調査とほぼ同レベルであった。さらにテレワーク経験者は4%に止まった。つまりテレワーク制度があっても、それを使っているのは1/4程に止まっている。

両調査結果を見ると、現在の日本では、10~20%の企業でテレワーク制度が導入されており、そのうち当該制度が実質的に運用されているのが2割程に止まっていることがわかる。つまりテレワーク制度があっても、その内の70~80%は制度を有効活用していないことになる。

国は働き方改革の推進でテレワークの利活用を推進しているが、就労者でその制度を使っている割合は意外に少ないことが伺える。

次回で、テレワークが不評な理由を考察してみる。

(早川 泰弘)

2018.10.05

【スイーツ部】ICT・金融ユニット研究員が紹介したいスイーツ⑧

9/21に発売した「お月見ショコラ大福(税込900円)」を買いに行ってきました。

ショコラとマロンショコラの2種類がそれぞれ2つ入っており、誰かと分け合うのにはちょうど良さそうです。

今回もゴディバの袋に入れていただけました。写真をとってみたものの、「インスタ映え」させるにはなかなかの難易度です。いただいてみたところ、「あぁ、今週のおやつ代これで全部使っちゃった・・」と個人的にはあまり納得のいかない味でした。

少し悲しい気持ちになりましたが、午後の業務も頑張りたいと思います。皆様、よい週末をお過ごしください。(宮川 典子)

2018.10.05

【お知らせ・WHATSセミナーでInsurTechを取り上げます】

ほぼ毎月開催している当社主催の「WHATSセミナー」。セミナーではさまざまなトピックスを取り上げ、外部講師や当社の研究員が講演する少人数形式となっています。
10/18のセミナーでは、「InsurTech(保険×IT)」をピックアップ。外部講師としてヘルスビット(https://www.healthbit.jp/)の部坂社長と私、山口が登壇します。部坂社長からは「パーソナルスコア『身体年齢』が世界を変える」と題して講演してもらいます。
ぜひお時間ありましたら、申し込んでみてはいかがでしょうか。
https://www.yano.co.jp/seminar/whats/2018/1018.html
(山口)

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