従来からの衛星ビジネスは静止衛星(GEO)を中心に提供されていた「衛星通信」「衛星放送」「気象衛星」と主に中軌道衛星(MEO)で提供される「衛星測位システム」が中心だった。これらは国家が主導される形で展開されてきたが、民間主導で低軌道上に大量に打ち上げられた「衛星コンステレーション」(LEO)によるサービスが注目を集めている。半導体、エネルギー技術、IT技術の向上を背景に衛星打ち上げコスト、衛星製造コストの低廉化が進んだことが大きい。代表的な例が(米)Space-X(社)「Starlink」で、同社は2023年夏時点で5,000基以上の低軌道衛星を打ち上げ、世界60カ国以上で商用サービスを展開している。衛星コンステレーションで提供されるサービスは大きく ①衛星ブロードバンドサービス ②リモートセンシング(地表測定、気象観測、資源探査等)に大別される。 衛星通信サービスは移動体通信向け基地局整備が及ばない僻地での通信環境構築に向いており、レガシー化が進むGSM網の補完としての役割を期待されている他、日本では基地局からのバックボーン回線の利用が進められ、更に基地局整備が出来ていない山岳部や離島、航空機内、船上での通信サービスを実現している。将来的にはBeyond5G,,6Gへの活用が期待されており、既存の携帯電話サービスを補完する新たなインフラとして期待されている。 衛星通信サービスの開発・運用に於いては国内企業が積極的に関わっており、特に通信技術の開発と商用化に向けた取り組みでは現在最先端にあるが、宇宙産業はこれまで米国主導で展開されてきた経緯がある一方、EU、ロシア、中国、インド等も市場を虎視眈々と狙っている。 当資料では、2030年以降の6Gでの展開を視野に入れ、衛星サービス、衛星通信サービスを提供する事業者の取り組み状況、需要拡大が見込まれるアプリケーション動向、規格策定・技術開発動向を調査し、市場規模の把握をテーマに調査を行うものとする。
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