携帯電話端末市場は大きく変化しており、これまでの携帯電話(フィーチャーフォン)主体とした市場構造は崩れ去り、スマートフォン専業メーカーに加え、低コスト・高品質・多ラインアップを武器に急成長する新興携帯電話メーカーなどが急成長を見せております。また、スマートフォンに加え、タブレット、モバイルデータ通信などの新規市場が開拓され、PCメーカーや家電系メーカーといった異業種との競合も起こっています。現在、メーカー各社は製品の多様性と、ポジションの確立が求められており、厳しい開発・販売競争に晒されております。2011年-2012年版の本調査レポートにおいては前年版でほぼ確立したフォーマット(対象メーカー・地域)をベースに製品カテゴリ市場別のデータ分析を徹底的に行い、中期的な視点で将来を展望する事を目的とし、同時に国内メーカーの今後の方向性を探りました。
2011年度は通信事業者各社がスマートフォンへのシフトを打ち出し、端末メーカーのラインアップが充実しております。音声からデータ通信へのシフトが進むのと同時に、通信事業者はトラフィック増加や震災対策に向けた設備投資負担の増加が求められ、またこれまで通信事業者主導で展開されてきたモバイルインターネットサービスのビジネスモデルがスマートフォンの普及により崩れつつあります。通信事業者や端末メーカーが置かれている状況は決して楽観できないといえます。本調査レポートでは、移り行く今後の国内移動体通信市場を展望いたしました。
本調査レポートでは、①スマートフォン ②タブレット/UMPC ③エマーシングデバイス ④モバイルデータ通信端末 の動向を調査すると同時に、主要市場(日本、中国、インド、アジアその他、米国(北米)、欧州、南米、中近東、アフリカ)別の市場動向、市場規模を探り、将来展望を行う事を目的として企画いたしました。(2011年版ではPND市場の扱いは除いております。) モバイルデバイスは市場の移り変わりが非常に大きいため、「2010-2011 スマートフォン/UMPC/ネット端末世界市場動向調査」と題して発刊した昨年版と、大きくレポートの方向性を変更しております。
販売奨励金の廃止と新販売精度国内の導入により、国内携帯電話市場の構造は大きく様変わりいたしました。端末価格が上昇すると共に、通信事業者の囲い込み戦略により市場流動性が失われる格好となりました。また端末市場についても、機能面での成熟化が進み、ユーザーの買い替えを促す要素に乏しい状態となりました。しかし、3G網の構築によるモバイルデータ通信サービスと、アップル「iPhone」に代表されるスマートフォン市場の本格的な立ち上がりによって、国内の情報通信市場が大きな変貌を遂げようとしています。また2010年はアップル「iPad」に代表されるタブレット型PCやアマゾン「Kindle」、ソニー「Reader」に代表される電子ブックなど通信機能を内蔵したデバイスが登場し、モバイルデータ通信市場の活性化が見込まれております。本調査レポートでは、市場のシフトが進む中、市場の中期展望に焦点を充て、携帯電話加入者、ARPU、モバイルデータ通信利用者数、スマートフォンの稼動台数など2013年迄の予測データを掲載いたしました。
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