「貯蓄から投資へ」のスローガンの下、投資を促進する動きがある。投資を促進していく上で国は金融リテラシーを高めることも重要として、金融経済教育に力を入れ始めている。投資や資産運用などに注目が集まるものの、金融教育の中には当然ながら「保険」も含まれている。「保険」に関する教育状況はどうなっているのだろうか。生命保険会社による金融教育の取組状況と当社が生活者向けに行ったアンケート結果から保険に関する学びの機会の現状を見ていきたい。
国が金融経済教育に力を入れ始めている。老後2,000万円問題が取り上げられ、投資の有用性が話題となった。さらに岸田政権では、「貯蓄から投資へ」の流れを加速させている。岸田総理は2023年6月に「資産所得倍増元年-貯蓄から投資へ」をタイトルにしたメッセージを発信している。メッセージ内には資産形成を促す考えが記載されており、以下に参考として該当部分を抜粋のうえ掲載する。
“今年を「資産所得倍増元年」とし、「貯蓄から投資へ」のシフトを大胆かつ抜本的に進めていきます。「人生100年時代」。個々人の生き方、働き方も多様になり、それぞれのライフプランにあわせた資産形成が重要になっています。皆様が、ご自身のライフプランにあわせた資産形成を進められるよう、政府一丸となって取り組んでいきます。”
実際、岸田総理はNISAの抜本的な拡充やiDeCoの加入可能年齢引き上げなどに取組むことで、多くの人が資産の形成に取組めるよう体制を整備している。しかし、より多くの人に資産の一部を投資に振り向けてもらうために、今まで以上に国民が正しい金融リテラシーを身に着けるための環境を整える必要があろう。
2024年1月から新NISAが始まり話題となったことで、投資経験がない人もまずはやってみるという機会となっているだろう。しかし、金融リテラシーを持ち合わせていなければ運用は難しい。実際に8月に令和版ブラックマンデーと呼ばれた株価の乱高下が発生した結果、資産形成や投資に関する経験の少ない個人投資家たちは処分売りに走るなどパニックに陥った。
本来、投資の基本は「長期・積立・分散」であり、事が起こった際に冷静に経済情勢を見極めるために必要な知見を身に着けておかなければパニックに陥ってしまう。そこで重要になるのが金融経済教育である。実際に政府は民間企業と協力し、2024年8月に「金融経済教育機構(J-FLEC)」を設立、資産形成をはじめとした金融に関する知識を普及させるための取組みを開始した。(小田沙樹子)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/418
矢野経済研究所では、企業様からのご依頼に基づき、オリジナルの市場調査の業務も行っております。
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9月30日に『2024車載用ソフトウェアに関する実態と展望 vol.2OEM・Tier.1、2編』(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66111000)を発刊しました。本調査レポートは2023年12月に発刊した『2023車載用ソフトウェアに関する実態と展望 vol.1 協力会社編』(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65120100)の続編となります。今回は、大手OEM(自動車メーカー)やTier.1(サプライヤー)を中心に動向をまとめました。
テスラモーターズのテスラから端を発したSDV(Software Defined Vehicle)は、今やモビリティの将来を示す1つとして、トヨタ自動車が開発を進める「Arene」のようなビークルOSを含めた車載ソフトウェアのアーキテクチャ構築に向けて、国内外のOEMが巨額の研究開発費を投じて開発競争を繰り広げています。しかしながら、ソフトウェアは改善し続ける考えであるのに対して、自動車業界はハードウェアの機能安全性を最重視しなければならない業界ですから、ある意味、水と油の関係。当然ながらスムーズに溶け込むことはなく、さまざまな壁に阻まれ、悩み、時には方針を変えながら、なんとか最適なバランスを見つけるべく前に進もうとしています。
本レポートでは、国内大手OEM3社の試行錯誤の状況や市場規模と併せて、2012年以前/2018年/2023年/2027年/2030年の各々のアーキテクチャについて仮説を構築、提示しています。ぜひお手に取って頂けますと幸いです。
ちなみに「Japan Mobility Show」は従来、隔年開催でしたが、2024年からは毎年開催する形に変更したそう。SDVはこんなところにも影響を与えています。
9月26日に、2024年版 リテールソリューション市場の実態と将来展望を発刊しました。本レポートでは小売事業者とも意見交換し生の声をヒアリングしましたが、人手不足は本当に深刻なものになっていると実感しました。特に地方で非常に深刻な問題です。
そこで必要になるのはセルフレジですが、セルフレジ化がPOSターミナル端末の売上などに与える影響などを分析し、掲載しました。その他、小売業向け基幹システム、需要予測システム、ネットスーパー構築システムなどの市場状況もあわせて研究し、掲載しています。
2年ごとに発刊しているリテールソリューション市場の最新版、ぜひマーケット分析の資料としてください。(忌部佳史)
2024年版 リテールソリューション市場の実態と将来展望 | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)
2023年頃から今年にかけて、AIを活用した取り組みが増えており、月数万円程度のAI接客サービスなどが市場に多く提供されている。ECサイト構築支援事業者各社は試行錯誤しながらチャレンジしている状況と見られる。ただし、EC業界においてAI技術の活用はまだ十分に浸透していないとの意見が多い。
過去においてもEC業界では検索ロジックなどにAI技術が活用されてきたが、最近ではクリエイティブ領域での生成AIの活用が注目を集めている。今後、主にサイト構築やデザイン制作、単純作業のオペレーション業務などにAIの活用が広がり、業務効率化が図られると予想される。一方でそれと共に、サイト制作事業者やデザイン制作を主な業務とする事業者の中には、淘汰される企業が出てくる可能性がある。
また、生成AIの進化が加速することにより、マーケティングのパフォーマンスがさらに向上すると予想される。その他、対顧客とのコミュニケーション(接客など)分野やパーソナライズレコメンドによる販促の自動化、さらにはアパレルや食品などの小売分野において、AIを活用して生産前に需要予測を行うことで、在庫管理の最適化が図れると予想される。多様な場面でAIが業務を補完し、市場成長にポジティブな影響を与えると考えられる。
一方で、生成AIによって制作されたコンテンツに対する責任問題や、AIコンテンツの増加に伴いブランドとしての差別化が難しくなるといった懸念も多く存在する。(金貞民)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/417
主要事業者のほとんどがAIを活用し、様々な研究開発を行っていると見られる。自社開発のAIサービスを提供したり、パートナー企業と連携してAI関連機能を顧客に提供する事業者が増えている。また、社内の業務効率化を図るためにもAIの活用が進んでいると考えられる。
その他にも、セキュリティ関連ではAIを活用したクレジットカードの不正検知や、商品情報処理(収集・項目設定・加工)の自動化サービス、生成AIによる対話型コマース(AIとの対話を通じて希望の商品を検索・注文する)や、説得力のある件名や魅力的なコンテンツでメール文を瞬時に生成し、最適な配信時間を判断してメールを配信するサービスなども提供されている。
さらに、ショップの将来の売上を予測し、それに基づいて資金調達を行うサービスや、需要予測により在庫管理を最適化するサービスなど、様々なソリューションが提供、あるいは研究開発されている。(金貞民)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/417
矢野経済研究所では、2024年7月に『2024 AIで進化するECサイト構築支援サービス市場の実態と展望』を発刊した。
2020年のコロナパンデミックをきっかけにECの利用が急増し、ECサイト構築支援サービスの需要も増加している。コロナ禍において、ライトなSaaS型で新規参入した事業者の間では、コロナ禍が収束した後、EC事業から撤退する事業者と、事業規模が拡大して本格的にEC事業に取り組む事業者の二極化が進んでいると見られる。
最近ではAI技術の進化に伴い、AIを活用して顧客体験の向上やEC事業者の業務効率化、収益の最大化が図られている。例えば、AIチャットボットによる接客や、よりパーソナライズされた商品レコメンド、商品説明文の自動作成、SNSやCRM運用の自動化、需要予測による在庫管理の最適化などが試されている。ECサイトの運用においてAI技術は、単純な作業の業務効率化だけではなく、クリエイティブ領域でもその活用が期待されている。(金貞民)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/417
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政府の成長戦略にキャッシュレスが盛り込まれ、キャッシュレス決済の機運が高まり、クレジットカード決済の成長率が拡大基調に転換した。その頃、中国でコード決済が急速に広まり、存在感を高めていたこともあり、AlipayやWeChat Payの利用環境を日本で整備する取り組みが進んだ。同時に、日本国内においてもOrigamiなどのコード決済サービス提供事業者が台頭してきた。しかしながら、利便性等を考慮すると「コード決済はコンタクトレス決済を超えることは出来ない」という風潮もあり、コード決済サービス提供事業者のマネタイズが難しく、淘汰再編が相次いだ。
コード決済での事業拡大は難しい、という見方を180度変えたのが、PayPayである。圧倒的な資本力と営業力で、急速に加盟店を整備し、利用者への利得性を訴求する事で、急成長を実現していった。時間とコストをかけてコード決済文化を醸成するという、PayPayが果たした役割は非常に大きいものであった。PayPayの取扱高も2023年度では10兆円を突破し、プレゼンスを高めている。今後はサービスの拡充やPaaS領域の拡大により、さらなる成長が期待されている。
2014年から始まったキャッシュレス決済の波は、さらに加速している。政府の推進やイノベーション、事業者や消費者の意識変化が相まって、2023年度のクレジットカード決済は100兆円(2002年度の約5.8倍)を超え、キャッシュレス決済全体では、2022年度時点で130兆円(2002年度の約8倍)を超える水準まで拡大している。
今後も顔認証を活用した手ぶら決済のほか、AIやビッグデータによる最適な決済方法の提案など、新しい決済サービスが台頭する事になるだろう。20年後の未来におけるキャッシュレス決済はどうなっているのだろうか、我々が想像さえできないような決済サービスが登場する事になるであろう。支払いという概念さえなくなっている可能性もある。今後のキャッシュレス決済の進展が楽しみでならない。(髙野淳司)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/416
市場レポート紹介では、弊社が発刊したレポートや発刊予定のレポートを紹介していきます。
今回は2024年7月に発刊した6本を2回に分けて紹介します。
・2024 AIで進化するECサイト構築支援サービス市場の実態と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66107500)
2020年のコロナパンデミックをきっかけにECの利用が急増し、ECサイト構築支援サービスの需要も増加している。また、コロナ禍においてライトなSaaS型で新規参入した事業者の間では、コロナ禍が収束した後、EC事業から撤退する事業者と、事業規模が拡大して本格的にEC事業に取り組む事業者の二極化が進んでいると見られる。
最近ではAI技術の進化に伴い、AIを活用して顧客体験の向上やEC事業者の業務効率化、収益の最大化が図られている。例えば、AIチャットボットによる接客やよりパーソナライズされた商品レコメンド、商品説明文の自動作成、SNSやCRM運用の自動化などが試されている。ECサイトの運用においてAI技術は、単純な作業の業務効率化だけではなく、クリエイティブ領域でもAIの活用が期待されている。
本調査ではECサイト構築支援サービス事業者の事業動向と共にAIを活用した取り組みをまとめ、市場の実態と将来性を展望する。
・2024年 業務・産業向けプリンタ市場の実態と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66106100)
業務・産業向けのプリンタの中でも、特に将来性の高いプロダクションプリンタ、LFP(インクジェット方式)の2カテゴリを取り扱い、カテゴリ別に市場規模や動向をまとめ、掲載しています。また、研究テーマとして包装機向けプリンタ市場(国内)も別途取り扱っています。
・2024 ERP市場の実態と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66105300)
ERPマーケットレポート2024年版をお届けします。市場規模、シェア、市場のトレンド、主要ベンダーの実績と動向などを網羅した、矢野経済研究所定番の市場調査レポートです。
2010年に入り、厳しい経済環境の中で、従来の枠にとらわれない新決済サービスが次々と誕生し、キャッシュレス決済に新たなテクノロジーを持ち込むようなスタートアップが台頭していた。具体的には、PayPalやSquareなどの新決済サービスが生まれ、キャッシュレス拡大の機運が徐々に高まっていた。この頃は、次にどのような決済サービスが生まれるのか、楽しみで仕方がない時期でもあった。Stripeのようなコードを張り付けるだけで簡単にオンライン決済が導入できるサービスが立ち上がるなど、画期的なサービスが生まれる環境が整いつつあった。
2014年、政府の成長戦略においてはじめて、キャッシュレスという言葉が盛り込まれたことは、キャッシュレス業界においては大きな転換点となった。当時は、キャッシュレスを使って何が出来るのか、なぜキャッシュレスなのか、経済成長とキャッシュレスの関係性が十分に理解されていない時期でもあったため、キャッシュレス推進に懐疑的な見方もあった。しかし、キャッシュレス化の機運を本格的に高めるきっかけとなる出来事であった。(髙野淳司)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/416
今回、YzFLASH通巻100号発刊という事で、キャッシュレス決済の変遷を見て行きたいと思う。YzFLASH第1号が発刊された2001年9月頃は、キャッシュレス決済という言葉はあまり使われておらず、クレジットカードによる決済が主流であった。そのクレジットカード決済の取扱高も2022年度においては、17兆円程度の取り扱いであった。
2001年、日本の電子マネーの歴史は大きく動き始めた。2001年11月に、JRが発行する交通乗車券に電子マネー機能を付加した「Suica」とビットワレット(現楽天Edy)が発行する「Edy」が誕生し、電子マネーが脚光を浴びる事となった。電子マネーの利用は陸マイラーと呼ばれる層を中心に拡がった。当時ポイント還元率が高く、マイルを貯めやすいというメリットがあったため、陸マイラーにとって魅力的なツールとなっていた。
電子マネーは、脚光を浴びたものの普及拡大へのブレイクスルーが求められていた。2007年にセブン・イレブンで「nanaco」、イオンで「WAON」が利用できるようになり、国民の生活に密着した企業が電子マネーを導入した事で、利便性や利得性が認知され、利用者の増加に伴い電子マネーが本格的に普及するフェーズに入っていった。
クレジットカード決済は2000年半ばより2桁成長を堅持してきたが、2010年に入り、クレジットカード決済の2桁成長神話が終焉し、成長率の鈍化がみられた。その要因は、改正貸金業法の施行で収益が著しく悪化した事に加え、リーマンショックを背景とした景気停滞の影響が大きかった。(髙野淳司)
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https://www.yanoict.com/opinion/show/id/416
市場レポート紹介では、弊社が発刊したレポートや発刊予定のレポートを紹介していきます。
今回は2024年7月に発刊した6本を2回に分けて紹介します。
・2024年版 デジタルマーケティング市場の実態と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66106000)
近年、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)のツールは大手企業だけでなく、中堅・中小企業にも導入されるようになっている。さらに2022年以降、デジタルマーケティング市場では生成AIの活用が進んでおり、様々なコンテンツの発信に利用されている。これらの新技術は、ユーザによるデジタルマーケティングを加速させることが期待される。また、顧客ニーズが多様化したことで、属性や嗜好に合わせて最適な情報を配信する仕組み作りが重視されるようになっている。このパーソナライズドマーケティングを実現させる方法の1つが位置情報の活用である。本調査ではMA、CRM/SFA、CDPツールに加えて、位置情報を活用した広告を配信するツールベンダーから事業の概況やユーザ企業の状況を聞くことにより、市場の実態と将来性を把握する。
・2024年版 ポイントサービス・ポイントカード市場の動向と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66109700)
消費者の間では「ポイ活」が一般化し、ポイントサービスへの注目度が高まっている。また、共通ポイント事業者は、ポイントを中心に位置づけた「経済圏」としての取組みを進めている。共通ポイントをはじめとしたポイントは、単なる集客・囲い込みツールではなく、一人ひとりの嗜好や行動を捉えて、パーソナライズされたマーケティングを実施する重要なツールとなっている。
本資料では、多面的にポイントサービスの市場規模、動向、戦略を分析し、今後のあり方を考察する。国内におけるポイント発行額や共通ポイント、ポイント交換サービス、マイレージサービス、ポイントサイト、ポイントソリューション市場などの規模やその内訳を推計する。
・2024年版 NTN・衛星通信市場総覧 ~宇宙・成層圏通信網で拡大・発展する5G通信~
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66109600)
従来からの衛星ビジネスは静止衛星(GEO)を中心に提供されていた「衛星通信」「衛星放送」「気象衛星」と主に中軌道衛星(MEO)で提供される「衛星測位システム」が中心だった。これらは国家が主導される形で展開されてきたが、民間主導で低軌道上に大量に打ち上げられた「衛星コンステレーション」(LEO)によるサービスが注目を集めている。半導体、エネルギー技術、IT技術の向上を背景に衛星打ち上げコスト、衛星製造コストの低廉化が進んだことが大きい。代表的な例が(米)Space-X(社)「Starlink」で、同社は2023年夏時点で5,000基以上の低軌道衛星を打ち上げ、世界60カ国以上で商用サービスを展開している。衛星コンステレーションで提供されるサービスは大きく ①衛星ブロードバンドサービス ②リモートセンシング(地表測定、気象観測、資源探査等)に大別される。
衛星通信サービスは移動体通信向け基地局整備が及ばない僻地での通信環境構築に向いており、レガシー化が進むGSM網の補完としての役割を期待されている他、日本では基地局からのバックボーン回線の利用が進められ、更に基地局整備が出来ていない山岳部や離島、航空機内、船上での通信サービスを実現している。将来的にはBeyond5G,,6Gへの活用が期待されており、既存の携帯電話サービスを補完する新たなインフラとして期待されている。
衛星通信サービスの開発・運用に於いては国内企業が積極的に関わっており、特に通信技術の開発と商用化に向けた取り組みでは現在最先端にあるが、宇宙産業はこれまで米国主導で展開されてきた経緯がある一方、EU、ロシア、中国、インド等も市場を虎視眈々と狙っている。
当資料では、2030年以降の6Gでの展開を視野に入れ、衛星サービス、衛星通信サービスを提供する事業者の取り組み状況、需要拡大が見込まれるアプリケーション動向、規格策定・技術開発動向を調査し、市場規模の把握をテーマに調査を行うものとする。
矢野経済研究所では、独自に収集したマーケットデータを1,000円で提供しております。
弊社が発刊する年間約250タイトルのマーケットレポートごとに、一部の内容をまとめたショートレポートです。
マーケットレポートに比べて詳細な内容は掲載されていませんが、その要約版、入門的な情報として活用できる内容となっております。
毎月10~20タイトルのレポートが随時追加されていきますので、是非ご期待ください。
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詳細は下記URLよりご覧いただけます。
BaaS事業を展開している金融機関の多くは、BaaSを新規顧客獲得の場として位置付けている。特にネット銀行においては、リアル店舗を持っていないことから、アプローチが難しい顧客層も存在する。そこで、既に多くの顧客を抱えているあるいは通常ではアプローチできないチャネルを有している企業と協業しサービスを提供することで、顧客数の増加と銀行サービスの利用拡大が見込める。
事業者としては、銀行が有する支店や口座、キャッシュカードといった基本的機能を、事業者のサービス体系に組み入れ、より利便性の高いサービスとしてエンドユーザーに提供することが可能となる。例えば、事業者のサービスに口座やキャッシュカードを組み合わせ、エンドユーザーと企業との間で決済や送金などを行うことが可能となる。かつそれが事業者のサービスブランドと融合したデザインに整えることで事業者のサービスに銀行機能を溶け込ませることが可能になる。また、自らが金融サービスを提供することで新たな収益源の確保も可能となる。
異業種やFinTechのチャネルを通した金融サービス展開を促進する「電子決済代行業」や「金融サービス仲介業」の創設や、改正銀行法による銀行API解放等によりBaaSへの取組みは着実に進んでおり、今後も同様の取組みは拡大していくと見る。(石神明広)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/415
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今回は2024年9月末発刊予定のレポートを紹介します。
※レポートの発刊月、タイトル、内容等は変更される可能性があります。ご了承ください。
<ICT全般>
2024年版 リテールソリューション市場の実態と将来展望
BaaSを提供する金融機関は下記のような金融機関が挙げられる。金融機関のメリットとしては、BaaSとしての収益が見込めることと、認知度が上昇することだと考えられる。BaaSを通じて、銀行単体では持つことのできなかった顧客層との接点が拡充し、デビットカードや為替など銀行の収益機会に結び付く取引が生まれることで、トータルで収益の確保が可能となる。現在の低金利下において、金融機関は新たな収益確保に努めている。チャネルの拡大がサービスの利用拡大につながることから、今後参入する金融機関は増加していくものと考えられる。
【図表:BaaS提供金融機関】
ここでは、JR東日本の提供するJRE BANK の特長を記載する。JRE BANKは通常の銀行と同様に預金、融資、為替といった銀行の三大業務を備えており、普通預金、定期預金、振込、送金等のサービスを利用できる。その他、利用状況に応じて様々な特典を提供している。詳細な内容や付与条件については割愛するが、資産残高や給与等の受取状況に応じて特典を付与する形となっている。例えば、①JRE BANK優待割引券、②「どこかにビューーン!」の2,000ポイント割引クーポン、③普通列車グリーン車に使えるSuicaグリーン券、バスやホテルなど、JR東日本のグループ会社の特典等がユーザーに対する特典として挙げられている。
JR東日本は2018年に発表したグループ経営ビジョン「変革2027」の中で、「移動のシームレス化」と「多様なサービスのワンストップ化」を掲げており、そのなかで「金融機関、決済企業等の商品・サービス」の強化に言及していた。2016年に開始したポイントプログラム「JRE POINT」によって、それまで乱立していた、JR東日本グループのポイントサービス「Suicaポイント」「えきねっとポイント」「ビューサンクスポイント」等を統合した。JRE BANKはJRE POINTとともに、「JRE経済圏」を確立するためのツールの一つとする狙いがあるだろう。(石神明広)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/415
2024年5月東日本旅客鉄道(以下JR東日本)はビューカードと協業し、JR東日本グループブランドのデジタル金融サービス「JRE BANK」の提供を開始した。JR東日本は、楽天銀行の提供するBaaSの機能を利用し、銀行サービスの提供を行う。
BaaSとは、Banking as a Serviceの略であり、従来、金融機関が提供してきた銀行の機能やサービスをモジュール化し、さまざまな企業が自社のサービスに組み込んで利用できるようにする仕組みを指す。これまでは金融機関以外の企業が決済や送金、融資といった金融サービスを提供することは困難だったが、APIを利用して銀行のシステムに接続することで、これらの金融サービスを自社サービスの一部として提供できるようになる。事業者は銀行免許を取得することなく、自社サービスに金融機能を組み込むことが可能となる。
2017年の銀行法改正の影響により、金融機関においてオープンAPIの体制整備が進められたことでBaaSへの機運が高まっている。
BaaSは元々、2010年代に欧米を中心に発展したサービスである。銀行API開放に伴い、スタートアップ企業等が銀行APIを活用し、金融サービスを提供する動きが活発に見られた。日本でも近年活用が進んでいる。
【図表:従来の銀行サービス】
矢野経済研究所作成
従来の銀行機能においては、銀行が直接利用者に金融サービスを提供しており、利用者が銀行機能を利用する際には、店舗、ATMといった銀行が提供するサービスを利用する必要がある。
【図表:BaaSにおける金融サービス】
矢野経済研究所作成
BaaSにおいては、利用者に金融サービスを提供するのは、事業者であり銀行は事業者に対して、銀行機能を提供することとなる。(石神明広)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/415
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今回は2024年5月に発刊した1本です。
・2024年版 ネット証券市場の実態と将来展望 ~新NISA制度を巡るネット証券会社の成長戦略~(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65126500)
概要:今政府は「資産運用立国実現プラン」を掲げ、さまざまな領域での資産形成の促進を進める環境整備に取組んでいます。2024年より、新NISAが開始されており、ネット証券を中心に会員が拡大し、NISA経由での投資信託への資金流入が急速に拡大しています。個人投資家の株式売買においてはネット取引が主流となり、取引手数料無料化を開始するネット証券会社も出てきていることから、更に活況を呈しています。今後国内においても証券業界再編が進む事が予想されており、業界を越えた再編の可能性が高まっています。
本調査レポートでは、証券会社の取組みを網羅的に整理・分析し、ネット証券市場のあり方を展望いたします。
2024年7月31日、株式会社Zendesk(以下、Zendesk)は、同社が提供するソリューションのAI機能について、AWSおよびAnthropicとの連携を発表した。同社は今年5月にAI機能を搭載した新たなカスタマーサービスソリューションを発表しており、2社との連携により、ユーザー企業に対してより最適化されたソリューションを提供していく考えだ。
カスタマーサービスを効率的に行うためのクラウド型接客ツールで知られるZendeskは、顧客対応業務のさらなる効率化・品質向上支援に向けたAI活用に注力している。今年5月に実施した記者説明会では、AI時代に対応した包括的なソリューションとして、「AIエージェント」「エージェントCopilot」「Zendesk WFM」「Zendesk QA」の4つを発表した。ユーザー企業は、顧客と対話・質問対応まで行う「AIエージェント」や、過去のやり取りのデータの学習・分析結果から担当者をサポートする「エージェント Copilot」を活用することで、問い合わせにおける顧客の満足度を向上させることができる。また、人員管理予測ツールである「Zendesk WFM」や、顧客とのやり取りを評価・スコアリングする「Zendesk QA」により、カスタマーサービス部門の体制を最適化することも可能になる。
今回発表されたパートナーシップの締結により、Zendeskのユーザー企業は、AWSの「Amazon Bedrock」、Anthropicの「Claude 3」を利用できるようになる。「Amazon Bedrock」は多様な基盤モデルに基づいた生成AIアプリケーションの構築・拡張を可能にするサービスだ。「Claude 3」は自然な日本語をアウトプットできる生成AIモデルとして高く評価されている。これらを利用することにより、ユーザー企業は高度なモデルに基づいて、自社の業務特性にあわせたAI機能の構築が可能になる。ユーザー企業のニーズや特性にあわせた最適なモデルの選定も、Zendeskがサポートするとのことだ。
Zendeskは日本市場のポテンシャルを高く評価している。同社が実施したCX(=顧客体験)に関する調査によると、「今後1年間でCXの改善を目的としたAIへの投資を増やす」と回答した国内企業の割合は78%にのぼり、他国の平均を上回ったという。
また、同社の冨永 健社長は「日本は他国と比較して、電話など音声ベースの顧客対応が占める比率が大きい。テキストベースでの対応へのシフトが進めば、市場が成長する余地は大きい。」と見ている。さらに、冨永社長は「繊細なニュアンスをもつ日本語という言語において、AWSとAnthropicとの連携は特に大きな意味をもつ。」と述べた。
同社の一連の取り組みにより、国内企業におけるカスタマーサービス業務の変革が加速するか、注目したい。(都築励)
2024年7月23-24日、東京ビッグサイトにて「バックオフィスDXPO」が開催された。本イベントでは、人事・総務・経理といった間接領域を中心に、定型業務の効率化ツールから、従業員の教育・エンゲージメント向上支援サービスまで幅広いソリューションが出店されていた。その中で、今回はオムロン株式会社(以下、オムロン)が提供する業務改善ソリューション「pengu」についてお話を伺った。
主に制御機器、ヘルスケア機器、電子部品などで知られるオムロンだが、近年はITソリューション事業にも注力している。同社の説明によると、2023年12月にデータソリューション事業本部を設立するなど、これまでの「モノづくり」を主体としたビジネスから、データを軸に新たな価値を提供するソリューションビジネスへの進化を目指しているという。今回のイベントで展示されていた「pengu」もその中で重要な役割を担っているとのことだ。
「pengu」は、業務自動化ツールと育成プログラムが合わさった業務改善ソリューションである。強力な業務自動化ツールと、それを現場の実務担当者が使いこなせるようにするための育成プログラムをセットで提供することで、現場での業務DXの実現を支援する。
「pengu」の業務自動化ツールは、OCR・ETL・RPAの3つのツールがセットになっているのが特長だ。紙帳票を電子データ化するOCR、Excelでのデータ集計・加工を自動化するETL、人が行うあらゆるPC作業を自動化するRPAを組み合わせることで、各ツールを単体で使うよりも幅広い業務の自動化を実現できる。個々のツールを見ても、例えばOCRは手書き文字含めほぼ100%の認識精度を達成するなど、単体販売されている他社ツールに劣らない性能を持っているとのことだ。また、全てのツールをノーコード(プログラミング不要)で直感的に操作できるため、プログラミング知識を持たない非ITエンジニアでも利用できるという点も本サービスの強みである。
自動化ツールを提供するだけでなく、利用者の業務や特性に合わせた独自の育成プログラムを用意しているのも「pengu」の特長だ。一般的に、業務自動化ツールを導入したものの、利用者がツールを使いこなせず挫折してしまう、というケースが発生しがちである。本サービスには、利用者の挫折を防ぐために、心理学に基づいた学習タイプ診断、利用者の業務を題材にした専用教材の作成、専任SEによるマンツーマンレッスンといった工夫が織り込まれている。教育する内容も、単にツールの操作方法を教えるだけではなく、フローを構築する際の考え方やロジックの組み方までレクチャーすることで、利用者自身が業務の自動化を実現できる状態を作り出す。
DXにより多くの企業で業務のIT化が進んだ一方で、現場部門には紙や手作業によるアナログな業務が数多く残されている、とオムロンは考えている。同社は、その状況の打開策は「業務を理解している実務担当者がITスキルを身に着け、業務改善を進めること」と捉えており、「pengu」をその実現手段として押し出していきたい考えだ。(都築 励)
市場レポート紹介では、弊社が発刊したレポートや発刊予定のレポートを紹介していきます。
今回は2024年4月に発刊した2本です。
・2024年版 3Dプリンタ市場の現状と展望
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C66100300)
概要:海外では、金属を材料にする装置を中心に、3Dプリンタの活用が進んでいますが、国内においても製造業を中心に3Dプリンタの導入が進んでいます。
以前より装置やソフトウェアなどの高性能化が進み、コスト削減や納期短縮などの効果も出始めています。
本調査レポートは3Dプリンタメーカ、販社の動向の他、ソフトウェア、3D造形サービスなどの市場にも言及することで、3Dプリンタ市場の現状と展望を把握することを目的とします。
・2024年版 保険会社におけるIT活用の傾向分析-各業務における生成AIなどのテクノロジー活用実態-
(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65133100)
概要:保険業界においては従来の画像認識や音声認識、自然言語処理のAIに加え、ChatGPTをはじめとする生成AIの活用、さらにブロックチェーンやメタバース、ノーコード/ローコードなど様々な先端技術を活用した業務効率化を図り始めています。紙からの脱却や業務における省人化を目指す保険業界の事例を取り上げ、技術別・保険業界における特徴、さらに今後の保険業界における先端技術のロードマップのような形でまとめています。
矢野経済研究所は、8月10日(土)から18日(日)まで夏季休業となります。そのため、次の営業日は8月19日(月)です。
皆様、お体にお気をつけてお過ごしください。
2024年7月22日の記者発表会にて、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社(以下、AWSジャパン)は、生成AIの実用化を推進する企業・団体に向けた「AWS 生成AI 実用化推進プログラム」の開始を正式発表した。
AWSジャパンは昨年から国内企業・団体による生成AI開発の支援を推進しており、2023年には生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)の開発支援を行う「AWS LLM開発支援プログラム」を実施している。同プログラムにはNTT、リコー、リクルートといった大企業からスタートアップ企業まで、多様な規模・業種の国内企業計17社が参加した。AWSジャパンによると、参加企業は2023年8月に本格始動してから約半年間、同社からの費用および技術面での支援を受けながら開発を進め、今年1月に開催された最終成果発表会にてそれぞれの開発成果を発表したという。
今回発表された「AWS 生成AI 実用化推進プログラム」は昨年実施のプログラムの発展版として位置付けられている。AWSジャパンは、本プログラムを通じて、生成AIの活用によってビジネス課題の解決にチャレンジする国内の企業・団体に、それぞれの課題に応じた支援を提供する。
参加対象者は「モデル利用者」および「モデル開発者」である。具体的には、「モデル利用者」は公開されているモデルを活用した生成AIのビジネス適用に挑戦する企業・団体、「モデル開発者」は自社に特化した独自のカスタムモデルの開発に取り組む企業・団体、とされている。
参加者には、それぞれの生成AIの利用目的や検討状況に合わせて最適なサポートが提供される。例えば、「モデル利用者」に対しては公開モデルの中から最適なモデルの選定や実用化に向けたカスタマイズの支援、「モデル開発者」に対しては開発環境の設計や学習データの準備の支援、などだ。その他、戦略策定・課題設定などの上流フェーズでの支援や、AWSパートナー企業(コンサルティング・システム開発・運用会社など)とのマッチング支援、AWSサービス利用の際に使用できるクレジットの提供による費用面での支援なども用意されている。
国内における事業活動への生成AI活用の気運は高まっている。AWSジャパンが今年6月に実施した「加速する AI 活用、AI スキルに関するアジア太平洋地域の雇用主および労働者の意識調査」によると、国内企業の78%が2028年までにAI主導の組織になることを見込んでいることが分かった。一方で、同調査で国内企業の82%が必要なAI人材の確保に苦労していることも明らかになっている。今回発表された「生成AI 実用化推進プログラム」が国内におけるAI人材不足という課題を解消し、国内企業のAI活用を加速させられるか、引き続き注目したい。(都築 励)
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【プログラム応募概要】
実施期間:2025年3月末まで
募集数 :50社・団体程度を想定
募集期間:2024年7月22日~10月31日
応募方法:プログラム公式ホームページ掲載のWebフォームから申込
市場レポート紹介では、弊社が発刊したレポートや発刊予定のレポートを紹介していきます。
今回は2024年8月末発刊予定のレポートを紹介します。
※レポートの発刊月、タイトル、内容等は変更される可能性があります。ご了承ください。
<金融>
2024年版 収納代行市場の実態と将来展望
2024年版 Z世代の金融・保険に対する意識調査
<モビリティ>
2024 車載用ソフトウェア市場の実態と展望vol.2 OEM・Tier1,2編~新アーキテクチャの行方からみるSDVの未来~
それでは、PLMの導入とクラウドやAIの技術の活用により、製造業にはどのような未来が描けるのだろうか。
現状として、すでに「インダストリ4.0は実現しつつある」とロッキーCEOは話す。ものづくりのデータはデジタル化され、IoTで機械と人はつながり、それらを管理する製造空間ができ始めている。
そして今後は、1つの工場、1つの企業、1つの業界にとどまらないデータ利活用と価値創出へ進んでいくはずである。SaaSを活用すればグローバル拠点でも同じアプリケーションを用いて業務に取り組め、膨大なデータを取り扱うことになってもAIのサポートを受けられる。コアな業務とビジネスコラボレーションに注力できることで、ケイパビリティの向上と関係の広がりが進み、さらに魅力的なイノベーションが生まれることにもつながる。
時代の変化が加速している中、ものづくりのスピードはこれまで以上に求められる。価値ある製品を市場に投入し続けるためのひとつの手段として、DXを本格化するPLMソリューションはこれからも注目されるだろう。そして、PLM市場の中心を担うアラスは、デジタルスレッドによりデータの関係性をも紐づけられるAras Innovatorの提供により、今後も成長を続けるはずである。(佐藤祥瑚)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/414
このようなPLM市場動向の中で、日本の製造業では「Aras Innovatorを自社へ取り入れることに成功している」と両氏とも話している。
この発言の背景には、Aras Innovatorの強みのひとつである「適用性」が関連している。昨今では、パッケージの仕様に自社業務を合わせていく考え方である「Fit to Standard」が認知されているが、Aras Innovatorは、自社業務に合わせてパッケージをカスタマイズするアプローチを取っている。製造業においては、自社の設計・製造における強みが製品の差異化へつながるため、業務プロセスを標準化することは難しいとされる。つまり、ベストプラクティスの標準パッケージを導入した場合でも、何かしらのカスタマイズが行われることは多い。一方で、はじめから「自社業務にシステムを合わせていく」という考え方になじみのある日本企業は、Aras Innovatorのアプローチを受け入れやすく、スムーズな導入を行える。
PLMはデジタライゼーション、すなわちデータ利活用を行うシステムであるため、その導入が進んでいれば、データを収集し活用できる環境が整っているといえる。さらには、次のステップであるデジタルトランスフォーメーション、つまり組織全体や社内外含めた付加価値の創出を本格化するスタートラインに立てているといえるだろう。
さて、AIが産業全体から注目されている中、PLMにおいても例外ではない。
AIはそのモデルを構築するために、膨大な学習データを必要とする。そのため、AIモデルの構築を希望しても、データが各プロセスで電子化・収集されていない状況では、学習データを用意するために多くのリソースを投入しなければならない。対して、データがすでに収集できていれば、AI導入のステップであるデータ学習へとすぐに取り組みを進めることができる。そして、PLMを用いることはデータを収集していることにほかならず、日本企業において、PLMの導入と活用が進んでいるならば、AI活用への準備ができていると考える。
従来、可視化されていなかったデータがPLMにより収集され、そのデータを学習したAIモデルが完成することにより、これまで以上のインパクトを持った業務効率化や付加価値の創出が実現できることになるだろう。アラスもまた成長ドライバーとしてAIに注目し、成功事例を確立し、そのスキームを広げていこうとしている。(佐藤祥瑚)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/414
市場レポート紹介では、弊社が発刊したレポートや発刊予定のレポートを紹介していきます。
今回は2023年度 第4四半期です。7本のレポートが発刊されました。気になるレポートがございましたら、お気軽にお問い合わせください。(試読サービスも行っております)
<ICT全般>
2024 アフィリエイト市場の動向と展望(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65126400)
2024 クラウド・ITアウトソーシング市場の現状と展望(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65125500)
2024 自治体向けソリューション市場の実態と展望 ~迫る標準化対応の期限と自治体DXへの取り組み~(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65124400)
<金融>
2024年版 国内キャッシュレス決済市場の実態と将来予測(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65124900)
2024年版 オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65126200)
<ネットワークサービス>
2024年版 ローカル5Gビジネスマーケット調査 ~課題解決・DX推進に向けて評価が高まるローカル5Gビジネスの実態と展望~(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65124700)
周波数帯別のワイヤレスIoTマーケット分析 ~セルラー系/920MHz帯LPWA/セルラー系LPWA/WiFi系/その他周波数帯の市場ポテンシャル~(https://www.yano.co.jp/market_reports/C65125700)
近年、デジタル化を進める一環としてPLMを導入する企業が増加している。デジタル化の段階では、データを一元管理することのみにとどまっていることも多い。しかし今後は、データを活用することに重きが置かれるだろう。その背景のひとつにはイノベーションの起こるスピードが速くなっていることが挙げられる。新技術を取り込んだ高付加価値の製品を提供し続けるためには、PLMを用いたデータ利活用により、ケイパビリティの維持・強化を目指していく必要があると考える。このフェーズにおいても、製品ライフサイクルを一気通貫で結ぶデジタルスレッドという考え方が重要な意義を持つだろう。
このような動向に関連した昨今のPLMに関するトレンドとして、「SaaS」「サプライチェーンへの広がり」「セキュリティ対策」が挙げられる。
ロッキーCEOは、Aras InnovatorをSaaSとして実装するニーズが高いと話す。理由はいくつかあるが、SaaSで導入すると、サーバやアプリケーションのメンテナンスはアラスが行うため、ユーザ企業がより本業に注力できる環境を整えられることが挙げられる。
また、最近は、PLMで管理されたデータについて、社外も含めたサプライチェーン全体へと、利活用を広げる動きが出てきている。社内外でのコラボレーションはさらなる業務効率化や付加価値を生むことにつながるだろう。さらに、産業全体でみれば、これまでデータ化が困難であったBtoBデータをPLMへ取り込むことで、より高度なデータ利活用を行うことができる。
上記2つのトレンドには、セキュリティが大きく関わる。製造プロセスのデータは機密性が高い。そのため、SaaSを提供するためのインフラや、社外とのセキュアなデータ共有環境には、ユーザが安心できるセキュリティ対策が重要である。アラスでは、国際的なベストプラクティスをAras Innovatorへ取り入れるとともに、セキュリティに関するISO規格の最高レベルにも準拠している。(佐藤祥瑚)
※全文は以下よりご覧いただけます。
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製造業を中心に多くの企業へPLMを提供しているアラスは、6/13・14に日本におけるイベント「ACE 2024 Japan」を開催した。イベントでは、米アラス社のCEOロッキー・マーチンが来日し登壇したほか、アラスジャパン合同会社の久次社長の講演やユーザ企業・パートナー企業のセッション・展示が行われた。参加登録は1,200名を超え、PLM単一でのイベントとして世界的にも類を見ない規模であったことは、日本におけるPLMの注目度の高さを表している。今回は、ロッキーCEO及び久次社長へのインタビュー内容を交えつつ、PLM市場やAras Innovatorの概要、さらに製造業の展望を紹介する。
アラスは2000年にアメリカ ボストンで設立し、世界契約企業数600社以上、世界ユーザ数160万人以上のPLMパッケージ「Aras Innovator」を提供している。日本では、2012年にアラスジャパン合同会社が設立され、現在に至るまで成長を続けている。
製品に関連する情報を一元管理し活用するソリューションであるPLMにおいて、Aras Innovatorの大きな強みのひとつは、製品データと組織をつなげ、業務プロセスを確立する「デジタルスレッド」という概念を取り入れていることである。例えば、同じ製品においても、製造時期等によって部品や図面のバーションが異なり、データをそのまま管理しているだけでは前後の関係性がわからず製品情報を十分に把握できない場合がある。このようなシーンでもAras Innovatorを活用すれば、製品とそのデジタルアセットを、製品コンセプトの段階から設計、製造、品証、サービスまで完全に追跡できる。これにより、製品の製造過程や業務プロセスの効率化、より良い製品の実現につながる。
また、アラスでは、ユーザ・パートナーとのコミュニティ活動が盛んであることも特記したいポイントである。アラスメンバとユーザが意見交換を行うことで、ユーザの要望がAras Innovatorの新機能として反映されることも多い。今回のイベントにおいても、アップデートを発表した最高技術責任者ロブ・マカベニーが「皆さんの声を聴かせてください」と話しており、コミュニティ活動への積極姿勢が印象的であった。加えて、ユーザ企業への実装を担うパートナーとのコミュニケーションや、ユーザ同士で成功体験等ナレッジの共有を行っていることも、Aras Innovatorのさらなる導入・活用へつながっている。(佐藤祥瑚)
※全文は以下よりご覧いただけます。
https://www.yanoict.com/opinion/show/id/414
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