矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2024.07.01

BtoB掛け払いサービス市場に関する調査を実施(2024年)

2022年度のBtoB掛け払いサービス市場規模は約1,990億円。電子帳簿保存法改正やインボイス制度施行、企業のDX推進による市場の拡大が進む。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のBtoB掛け払い(請求書払い)サービス市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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【図表:BtoB掛け払いサービス市場規模推移と予測】

【図表:BtoB掛け払いサービス市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:サービス提供事業者取扱高ベース
  • 注:2023年度は見込値、2024年度以降は予測値

 

BtoB掛け払いサービス市場の概況

法人同士の取り引きでは一般的に商品納品後に請求書を送付し、小切手・手形や現金、口座振替、銀行振込などの支払手段が利用されてきたが、現在は銀行振込による支払いが主流となっている。
BtoB掛け払い(請求書払い)サービスは、 企業間取引における決済業務(与信審査、請求書発行、入金確認・督促)を代行し、与信から請求業務、債権保証までワンパッケージで提供するサービスである。BtoB掛け払いサービスは 2011年に2社の企業でサービスが開始された後、2017年から2020年にかけて複数の企業が新規参入し、近年、急速に市場が拡大している。

2022年度のBtoB掛け払いサービス市場は、サービス提供事業者取扱高ベースで前年度比134.1%の1,993億5,400万円に達し、2023年度には2,594億4,100万円まで拡大する見込みである。背景としては、中小企業を中心に、人手不足等から事務処理の効率化やコスト削減へのニーズが高まっており、従来の掛け払いでは請求書発行や入金管理などの事務作業が発生し、経理担当者への負担増が課題となっていた。BtoB掛け払いサービスではこれらの作業を代行することで、担当者の負担を軽減し、業務効率化を実現することが可能となる。

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BtoB掛け払いサービス市場の注目トピック

■法対応による、サービスニーズの高まり
2022年1月の電子帳簿保存法改正や2023年10月のインボイス制度施行は、中小企業にとって大きな事務負担となっており、従来の経理処理から大きく変化していく事が求められている。これらの制度に対応するには専用システムの導入や運用ノウハウが必要となるが、中小企業では人材や資金面での制約から、対応が難しいという側面がある。
BtoB掛け払いサービスは、請求書発行・保存の電子化、与信審査、代金回収、入金確認・督促など、請求業務全般を代行するサービスであるため、上記の様な企業課題を解決するための手段として、とくに小額で大量に請求書を発送している事業者を中心に注目が集まっている。

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BtoB掛け払いサービス市場の将来展望

2027年度のBtoB掛け払いサービス市場は、約7,400億円まで拡大すると予測する。 インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正が相次いでおり、DX推進と相まってBtoB掛け払いサービス市場は拡大傾向にある。また、中小企業の資金繰りニーズの高まりに加え、大企業の業務効率化へのニーズを獲得する事で市場拡大が進むと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 相関図
  • キャッシュレス市場規模推移(2019~2023年度見込)
  • キャッシュレス決済市場規模予測(2022~2027年度)

■サマリー

  • プリペイド決済サービスの分類
  • プリペイド決済市場の市場規模予測(2020~2027年度)
■コード決済
  • 主たるモバイル決済サービス
  • 主要コード決済サービスの加盟店手数料
  • 主要コード決済サービスのチャージ・支払い方法
  • 主要コード決済の決済対応状況
  • 主要コード決済の会員数・利用可能箇所数
  • コード決済の取扱高シェア(2022)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2022年度)
  • 主要コード決済事業者の経緯
  • 主要コード決済事業者の戦略
  • 主要事業者のビジネススキーム
  • 主要コード決済事業者の利用拡大に関する取組み
  • 主要コード決済事業者の加盟店拡大にむけた取組み
  • 主要コード決済事業者のアプリの機能拡充に向けた取組み
  • 主要コード決済事業者のデータ活用に関する取組み・見解
  • 主要コード決済事業者の今後の方向性
■非接触IC型電子マネー
  • 主要プリペイド型非接触IC型電子マネーの実績動向
  • プリペイド型非接触IC型電子マネーの決済額推移
  • プリペイド型非接触型電子マネーの決済額シェア(2022年度)
  • プリペイド型非接触IC型電子マネーの市場規模予測(決済額ベース)
■ハウス型プリペイドカード
  • 主要発行企業一覧(2015年以降)
  • ハウス型プリペイド市場規模推移(2020~2023年度見込み)
  • ハウス型プリペイド市場規模予測(2022~2027年度)
■ブランドプリペイド
  • ブランドプリペイド市場規模推移(2020~2023年度見込)
  • ブランドプリペイド市場予測(2021~2027年度)
■ギフトカードモール
  • ギフトカードモール市場規模推移(2020~2023年度見込)
  • ギフトカードモール市場予測(2022~2027年度)
■ネットワーク型電子マネー
  • 主要ネットワーク型電子マネー発行事業者一覧
  • ネットワーク型電子マネーの基本構造
  • ネットワーク型電子マネーの市場規模推移と予測(2020~2027年度)

 

  • デビットカードの市場規模推移と予測
  • 主要参入事業者一覧
  • デビット決済サービスの市場規模(2018~2022年度)
  • デビット決済サービスの市場規模予測(2022~2027年度)
  • クレジットカード不正被害額推移
  • ショッピング取扱高(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2022年度)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2021年度)
  • 主要21社の営業収益
  • 主要19社の業績推移
  • ショッピング取扱高予測(2022年度~2028年度予測)
  • ショッピング取扱高予測(カード決済/モバイル決済別:2021年度~2028年度)
  • カード会社の業績及び事業実績
    • 営業収益
    • 経常利益
    • 当期純利益
    • 有効会員数
    • カード取扱高(ショッピング)
    • カード取扱高(キャッシング)
    • ショッピングリボ・分割払い残高
    • キャッシング残高
  • EC市場規模推移
  • ECにおけるサービス別の市場規模とシェア(2020~2022年)
  • 決済方式別シェア(2022年)
  • EC市場規模予測(2022~2027年度予測)
  • 主要参入企業一覧
  • オンライン決済サービスプロバイダーの流通総額推移(2019~2023年度見込)
  • 主要オンライン決済サービスプロバイダーの実績
    • 取扱高推移(流通額:2019~2022年度見込)
    • 取扱高シェア(2022年度)
    • 主要EC決済代行業者の営業収益推移
    • 主要EC決済代行事業者の決済件数推移
    • 主要EC決済代行業者の加盟店数
  • 主要オンライン決済サービスプロバイダーの決済方式一覧
  • 主要決済代行業者の決済サービス拡充に関する取組み
  • 主要決済代行業者のECにおける重点分野と加盟店拡大のための取組み
  • 主要決済代行業者のリアル展開に向けた取組み
  • 主要決済代行業者のBtoB決済に関する取組み
  • 主要決済代行業者のFinTech関連サービスに関する取組み
  • 主要決済代行業者の将来展望・今後の方向性
  • 主要決済代行業者の課題
  • 主要決済代行業者のサービス動向
  • 主要決済代行者のシステムやサービスの対応状況
  • オンライン決済サービスプロバイダー市場規模予測
  • 後払い決済サービスにおける都度支払型とマンスルークリア型の比較
  • 主要参入企業とサービス/開始時期一覧
  • 主要参入企業の料金体系
  • atoneの料金体系
  • 後払い決済サービス市場規模推移(2019~2023年度見込)
  • 後払い決済サービス市場のシェア(2020~2022年度)
  • 後払い決済サービス市場のシェア(2022年度)
  • 後払い決済サービス市場規模予測(2022~2027年度)
  • 法人カード市場規模推移と予測(2021~2030年度予測)
  • BPSP市場規模予測(2022~2028年度予測)
  • 主要参入企業とサービス/開始時期一覧
  • 主要参入企業と費用や手数料比較
  • 主要参入企業とサービス比較
  • 主要参入事業者の業績動向
  • 主要掛け払い事業者のアライアンスの状況
  • 主要参入事業者の営業戦略
  • 主要掛け払い事業者の課題
  • 主要参入事業者の展望
  • B2B掛け払い市場予測(2021年度~2027年度予測)
  • 掛け払い市場シェア推移(2022年度)
  • 主要事業者のサービス概況一覧
  • 主要決済端末ベンダーの実績動向
  • 主要決済端末ベンダーの事業拡大策
  • 主要決済端末ベンダーの課題
  • 主要決済端末ベンダーの今後の展開
  • 主要マルチコード決済サービス
  • 主要マルチコード決済事業者の戦略
  • 主要マルチコード決済事業者のビジネススキーム
  • 主要マルチコード決済事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要マルチコード決済事業者の加盟店の支援に関する取組み
  • 主要マルチコード決済事業者の今後の方向性
  • 主要マルチ決済サービス提供事業者の戦略
  • 主要マルチ決済サービス提供事業者のビジネスモデル
  • 主要マルチ決済サービス提供事業者の実績動向
  • 主要マルチ決済サービス提供事業者の今後の取組み
  • 主要マルチ決済サービス提供事業者の課題
  • PayPay(PayPay)
  • 楽天ペイメント(楽天ペイ(アプリ決済))
  • NTTドコモ(d払い)
  • auペイメント
  • ティーガイア
  • ビットキャッシュ(BitCash)
  • 富士通Japan
  • アララ
  • 三井住友銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • Paidy
  • ネットプロテクションズ
  • GMOペイメントサービス
  • キャッチボール
  • ラクーンフィナンシャル(Paid)
  • ROBOT PAYMENT
  • 楽天カード
  • 三井住友カード
  • NTTドコモ
  • イオンフィナンシャルサービス
  • JCB
  • 三菱UFJニコス
  • クレディセゾン
  • PayPayカード
  • トヨタファイナンス
  • オリエントコーポレーション
  • ジャックス
  • UCS
  • ライフカード
  • ポケットカード
  • 東急カード
  • ゆめカード
  • ユーシーカード
  • パナソニックコネクト
  • 大日本印刷
  • GMOフィナンシャルゲート
  • トランザクション・メディア・ネットワークス
  • ネットスターズ(StarPay)

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関連リンク

■レポートサマリー
国内キャッシュレス決済市場に関する調査を実施(2021年)
EC決済サービス市場に関する調査を実施(2024年)

■アナリストオピニオン
BNPLはクレジットカード市場にとって脅威となるか
キャッシュレスによる店舗等の支援を
キャッシュレス4.0~デジタル通貨の台頭によるキャッシュレス社会の進展~

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:BtoB掛け払いサービス提供事業者
調査期間: 2023年10月~2024年2月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用

※BtoB掛け払い(請求書払い)サービス市場とは:本調査におけるBtoB掛け払いサービスとは、企業間取引における決済業務(与信審査、請求書発行、入金確認・督促)の全てを代行し、回収リスク(支払い延長・未払い、貸し倒れ)を保証し、与信から請求業務、債権保証までワンパッケージで提供するサービスを指す。市場規模は、サービス提供事業者の取扱高ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
企業間取引における掛け払い(請求書払い)サービス(債権譲渡型を含む)

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
数多くの取材を通して得ることの出来た「生の情報」を元に、お客様が抱えている問題にしっかり耳を傾け、もっとも効果的な解決方法を発見できる調査を提案することをモットーとしています。

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