株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、日本を含む世界主要33市場(32カ国1地域)の携帯電話サービス契約数やスマートフォンやフィーチャーフォンの市場を調査し、通信事業者別契約数や各種の出荷台数を予測し、メーカーシェアなどを明らかにした。 ここでは、世界の携帯電話サービス/5Gサービス契約数、スマートフォン及び5Gスマートフォン出荷台数予測を公表する。
【図表:世界の携帯電話サービス契約数、5Gサービス契約数予測】
【図表:世界のスマートフォン、5Gスマートフォン出荷台数予測】
世界の携帯電話サービス契約数は、新型コロナウイルス感染拡大によりオンラインによる販売が増加したものの、携帯販売店の営業活動が大きく制限されたことで新規契約が伸び悩んだ。2020年における世界の携帯電話サービス契約数は80億6,440万契約だった。回復傾向にある2021年の同サービス契約数は前年比101.2%の81億6,131万契約に増加する見込みである。
一方、コロナ禍の影響で2020年第2四半期には端末製造が滞ったものの、経済活動再開とリモートワークによる需要増に伴い、端末の販売は堅調だった。 2020年のスマートフォン世界出荷台数は、メーカー出荷台数ベースで13億2,909万台だった。2021年の同出荷台数は13億1,032万台(同98.6%)を見込む。
リモートワーク需要拡大や自動車のコネクテッド化、スマート家電の増加に加え、米中貿易摩擦の影響によって半導体や電子部品の供給不足が、現在発生している。
■中国スマートフォンメーカー動向
米中貿易摩擦の影響で、米国商務省は2020年9月に中国の大手通信機器メーカーに対する禁輸措置を発動した。その結果、制裁措置を受けた企業が5Gスマートフォンの製造が困難になり、シェアは大きく減少した。その間隙を縫う形で他の大手メーカーや中国の新興メーカーが大きくシェアを伸ばし、業界の勢力図は大きく変貌した。
2021年のスマートフォン世界市場は、世界的な半導体、電子部品の供給不足により不安定な状態が続いた。また、米国商務省の中国大手通信機器メーカーに対する制裁措置により、5Gスマートフォンの製造が事実上不可能となった。若年層向けサブブランド事業を売却したことで影響は最小限に留められたものの、中国の大手通信機器メーカーの競争力は大きく削がれる形となった。
一方、中国の新興スマートフォンメーカーは中国国内市場のみならず、インド、ASEANに加え、西欧市場でも成功を収めており、スマートフォンメーカーの勢力図が大きく塗り替えられる1年となった。スマートフォン世界出荷台数は5Gへシフトしながら緩やかに回復に向かうことが期待されたが、ロシアによるウクライナ侵攻によりサプライチェーンに影響が出ることが懸念される。
■レポートサマリー
●世界の携帯電話契約サービス数・スマートフォン出荷台数調査を実施(2020年)
●中国のスマートフォンメーカー7社の調査を実施(2020年)
●携帯電話の世界市場に関する調査を実施(2019年)
●国内移動体通信サービス・端末市場に関する調査を実施(2022年)
●国内5Gサービス市場の動向調査を実施(2020年)
■アナリストオピニオン
●5G導入を目前に控える国内市場と相次いで参入する中国メーカーの見通し
●スマホ市場における中国メーカーの躍進
●Huawei(ファーウェイ/華為技術)の行方
●危機的状況にあるHuawei(ファーウェイ/華為技術)の現状と市場見通し
●急速に進化するスマートフォンの高速充電技術と課題
●スマートフォン搭載インターフェイスの大きな変化と意味するもの
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調査対象:国内・海外移動体通信事業者、移動体通信端末メーカー・部品メーカー、EMS(Electronics Manufacturing Service)/ ODM(Original Design Manufacturing)企業他
調査期間:2021年8月~12月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(国内・中国・台湾、オンライン含む)、セミナー取材、ならびに文献調査併用
※移動体通信サービスとは:移動体通信サービスとは移動体通信事業者(Mobile Network Operator)が提供する、①音声通話、②データ通信サービスの総称である。課金方法にはプリペイド方式(先払い)方式と、ポストペイド(後払い)方式が存在し、現在は第四世代移動体通信方式(4G)によるサービスが主流である。
<市場に含まれる商品・サービス>
移動体通信サービス(音声通話、データ通信)、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートバンド、ワイヤレスヘッドフォン、ヘッドマウントッディスプレイ他)
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