矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

アナリストオピニオン
2013.11.22

国内民間IT市場におけるアベノミクス効果はおよそ80億円?

弊社による国内民間IT市場へのアベノミクス効果の算出

アベノミクス効果がしきりに叫ばれている。そこで弊社では国内民間IT市場へのアベノミクス効果について算出したが、結果は80億円であった(詳細は9月発刊『国内企業のIT投資実態と予測2013』参照)。

正直、80億円と言われてもどの程度のものなのかピンとこない。弊社調査による80億円の市場規模というと2013年度の大容量キャパシタ(電力を電荷のまま蓄えておく装置)の市場規模が80億4,500万円である。一方ではHRMで勢いを持つタレントマネジメントの市場規模(2013年度)の51億5,000万円よりも大きく、カーシェアリング市場(2012年)の市場規模100億円超よりも小さい。

しかし、国内民間IT市場規模はおよそ11兆円で(弊社推計)、80億円はこのうち僅か0.07%である。したがって、アベノミクスの影響は民間IT市場では極めて小さいと言える。  

80億円の算出根拠は以下の図の通りである。

【図表:80億円算出根拠】
【図表:80億円算出根拠】

矢野経済研究所作成

アベノミクス効果80億円算出の根拠とその背景

【図表:社外IT支出増加の理由】
【図表:社外IT支出増加の理由】

矢野経済研究所推計

まず、2013年度の社外IT支出が前年度予算101%以上と回答した企業にその理由を質問したところ、「新たに計画された新規IT投資が実施されるため」が26.2%、「予算凍結などで停止していた計画が実施されるため」が3.9%であった。両者を合計したおよそ3割が予定外のIT投資を行うこととなるが、これらの企業は何故予定外のIT投資を行うことになったのか。

【図表:計画復活・新規IT投資の背景】
【図表:計画復活・新規IT投資の背景】

矢野経済研究所推計

予定外のIT投資の理由を見ると、アベノミクス効果と捉えることのできる「民間設備投資増加による業績回復(期待含む)」、「公共投資による業績回復(期待含む)」、「円安による業績回復(期待含む)」、「個人消費増加による業績回復(期待含む)」に対する回答が12.3%あった。

本来金額換算をすることは適当ではないが、2013年度の民間IT市場規模10兆9,390億円のうち対前年度増加額2,150億円に予定外のIT支出(増額)を行った30.1%とそのうちアベノミクス効果を感じている12.3%を掛け合わせた結果が80億円である。ただし、算定根拠となる民間IT市場規模の対前年度増加額には公共への投資は含まれていない。

アベノミクスの三本の矢のうち成長戦略の柱にはITが掲げられている。2020年の東京五輪招致に向けたインフラ整備などの面においてIT投資は増加していくのか。80億円以上の効果が生み出されることを期待する。

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