矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.09.18

5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場に関する調査を実施(2019年)

2019年に商用サービスが開始された5G(第5世代移動体通信システム) 初年度は限定的な展開ながら、2020年以降世界各国で商用サービスが開始される予定。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場を調査し、5Gの概要、各国における商用サービスの普及予測、5Gスマートフォンの出荷状況など5Gの将来展望を明らかにした。ここでは、2025年までの世界の5Gサービス契約数を主要国別に予測し、公表する。

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5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場の概況

5Gの国際標準規格策定作業は4Gと同様、3GPP(Third Generation Partnership Project)及びITU-R(International Telecommunication Union-Radio)を中心に国際標準化団体や国・地域別の業界団体、政府機関、通信事業者、機器メーカー、半導体企業、ソフトウェア企業等、業界全体が一体となって策定された。2018年に5Gの商用化に向けた仕様「リリース16」が策定され、2019年4月に韓国・米国が世界初の5G商用サービスを開始したのを皮切りに、EU市場の一部などで商用サービスが開始されている。世界最大の携帯電話市場である中国でも5G商用サービスの準備は着々と進められており、2019年秋季には商用サービスを開始する計画となっている。2019年の世界の5Gサービス契約数は850万契約になる見込みである。

また、日本でも株式会社NTTドコモ、株式会社KDDI、ソフトバンク株式会社、楽天モバイル株式会社の4社に対して5G免許が交付され、2020年春を目途に5G商用サービスの開始が予定されている。

【図表:5G(第5世代移動体通信システム)主要国別サービス契約数予測】

図表:5G(第5世代移動体通信システム)主要国別サービス契約数予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:5Gサービス契約数ベース。
  • 注:2019年は見込値、2020年以降は予測値。

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5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場の注目トピック

■5Gは中国が市場を牽引する見通し
2018年の中国における携帯電話サービス契約数は15億7,500万契約に達しており、新規契約数は鈍化傾向にある。中国は4G普及にあたって、インフラ整備に加えて通信事業者間の競争を促す施策を導入することで市場活性化を図り成長を促してきた。更に、中国国内の携帯電話・スマートフォン端末メーカーの育成を図った結果、国際的に製品開発力・コスト競争力に秀でた端末メーカーが多数生まれた。結果的に中国は世界有数のIT産業を有する市場となった。

5Gの導入にあたっても、4Gの成功を踏襲する方針で、政府主導で様々な取り組みが行われている。既存3社の通信事業者に加え新規参入1社を加えた4社に5G免許を交付する方針である。また、インフラ整備についても主要都市への設置は既に完了していると言われる。政府主導で積極的な投資と支援が行われているため、5G商用サービス開始後の契約数は垂直的に立ち上がっていき、2021年の中国における5Gサービス契約数は1億契約になると予測する。その後も、中国のサービス契約数は爆発的に増加し世界市場を牽引していく見通しとなっている。

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5G(第5世代移動体通信システム)の世界市場の将来展望

5Gは2019年4月から韓国・米国で商用サービスが開始されている。2021年から順次世界各国の通信事業者による5Gサービスが開始され普及が進む見通しとなっている。4Gで早期に普及が進んだ米国、中国においては5Gについても早期に普及する可能性が高い。特に中国では5G対応の基地局が既に40万局設置されていると言われており、2019年9月には4社の通信事業者及び端末ベンダーに商用ライセンスが発給される見通しとなっている。中国のインフラベンダーは実績のみならず5G関連の技術的な面に於いて、既に欧米のメーカーを上回っているとされる。一方で、2018年末に米国と中国による貿易摩擦の一環で、中国メーカー製の通信機器導入を排除する動きが広まっている。世界各国の市場で中国メーカー製の通信機器を排除した場合のインフラ構築スケジュールに遅延が出る可能性が高い。

また、通信規格別にサービス契約数をみると、現在では4Gが主流となっており、2022年まで契約数の増加が続く見込みである。翌年から4Gは減少に転じ、それ以降は5Gサービスへの移行が進む見通しである。2025年の世界の5Gサービス契約数は41億3,400万契約になると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 移動体通信システムの変遷
  • 5Gの定義
  • 5Gロードマップ(5GNR導入スケジュール)
  • 5G(第5世代移動体通信システム)におけるシステム要求
  • 5G(第5世代移動体通信システム)における基本スペック
  • 5Gで活用される周波数帯
  • 4Gと5Gを併用したシステム構成
  • 4G/5G実用速度の違い
  • 国内移動体通信サービス大手3社 契約数実績/予測
  • 2019年度 国内携帯電話大手3社 契約数見込シェア
  • 国内移動体通信サービス 契約純増数実績/予測
  • MVNO(SIMカード)契約数 実績/予測
  • MVNO(SIMカード)普及率 実績/予測
  • MVNOサービス事業者別契約数 実績/予測
  • 2019年度 MVNO契約数見込シェア(n=14,560,000契約)
  • 5G免許付与事業者導入計画一覧
  • 通信事業者の各レイヤにおける提携関係
  • 国内携帯電話サービス契約数/5G契約数予測
  • 通信事業者各社の5G投資額
  • NTTドコモ サービス契約数/5G契約数予測
  • KDDI サービス契約数/5G契約数予測
  • ソフトバンク サービス契約数/5G契約数予測
  • 楽天モバイル サービス契約数/5G契約数予測
  • 世界携帯電話契約数、世界人口実績・予測
  • 携帯電話契約数実績・予測
  • 地域別 携帯電話契約数実績・予測
  • 2019年 地域別携帯電話契約数見込シェア(n=8,360,720千契約)
  • 大手通信事業者グループ上位20社契約数(2017年12月)
  • 通信システム世代別契約数実績/予測
  • 規格策定における主要業界団体
  • 各国の5G周波数割り当て状況
  • 主要市場における5G導入スケジュール
  • 主要市場における5G周波数帯
  • 主要市場5G契約数予測
  • 中国市場契約数実績/予測
  • 中国の取り組み状況
  • 中国市場5G契約数実績/予測
  • 中国市場スマートフォン出荷台数実績/予測
  • 中国市場5Gスマートフォン出荷台数実績/予測
  • 韓国市場契約数実績/予測
  • 韓国の取り組み状況
  • 韓国市場5G契約数実績/予測
  • 韓国市場スマートフォン出荷台数実績/予測
  • 韓国市場5Gスマートフォン出荷台数実績/予測
  • 欧州市場契約数実績/予測
  • 欧州の取り組み状況
  • 欧州市場5G契約数実績/予測
  • 欧州市場スマートフォン出荷台数実績/予測
  • 欧州市場5Gスマートフォン出荷台数実績/予測
  • 米国市場契約数実績/予測
  • 米国における大手4社の5Gサービス開始予定
  • 米国の取り組み状況
  • 米国市場5G契約数実績/予測
  • 米国市場スマートフォン出荷台数実績/予測
  • 米国市場5Gスマートフォン出荷台数実績/予測
  • 国内移動体通信端末カテゴリ別出荷台数実績・予測
  • 国内携帯電話端末市場 通信事業者別調達台数実績・予測
  • 国内スマートフォン メーカー別出荷台数実績・予測
  • 国内SIMフリースマートフォンメーカー別出荷台数実績・予測
  • 中古携帯電話市場 販売台数実績・予測
  • 日本市場スマートフォン/5Gスマートフォン出荷台数実績・予測
  • 日本市場5Gスマートフォン出荷台数実績・予測
  • スマートフォン メーカー別出荷実績・予測
  • 世界市場スマートフォン/5Gスマートフォン出荷台数実績・予測
  • 世界市場5Gスマートフォン メーカー別出荷台数実績・予測
  • 世界市場5Gスマートフォン 主要市場別出荷台数実績・予測
  • 5Gスマートフォン製品一覧(2019年7月末現在)
  • メーカー別 5Gスマートフォンの取り組み状況
    • SAMSUNG
    • Apple
    • Huawei(華為技術)
    • OPPO
    • vivo
    • Xiaomi(小米)
    • TRANSSION
    • LG電子
    • Lenovo・Motorola
    • ZTE

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関連リンク

■レポートサマリー
国内5Gサービス市場の動向調査を実施(2020年)
携帯電話の世界市場に関する調査を実施(2016年)
携帯電話の世界市場に関する調査結果 2014

■アナリストオピニオン
5G導入を目前に控える国内市場と相次いで参入する中国メーカーの見通し
危機的状況にあるHuawei(ファーウェイ/華為技術)の現状と市場見通し
スマホ市場における中国メーカーの躍進
Apple「iPhone」の需要頭打ちと今後の見通し

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調査要綱

調査対象:移動体通信サービス事業者、インフラベンダー、携帯電話・スマートフォン端末メーカー、ODM・EMS企業、半導体メーカー
調査期間:2019年4月~7月
調査方法:当社専門研究員による国内・海外直接面接調査、技術・サービス動向セミナー取材、ならびに文献調査併用

※5G(第5世代移動体通信システム)とは:5G(第5世代移動体通信システム)とは、移動体通信システムの国際標準化策定機関3GPP(Third Generation Partnership Project)他によって策定されたリリース15(2018年6月)以降に策定された通信規格である。第4世代規格(4G)やLTE/LTE-Advancedとの互換性を維持しつつ、6GHzを超えた周波数帯域を使用した新しい無線通信方式を導入している。
 21世紀以降の情報通信産業・移動体通信市場では、高速ワイヤレスブロードバンドサービスの普及に伴い、急増し続ける通信トラフィックへの対応が緊急の課題となっている。通信サービスに対するニーズが多様化しており、特にIoT(Internet of Things)と言われる通り、あらゆる「モノ」がインターネットに接続する時代が到来しており、5Gはそれらの多様化するニーズに対応するソリューションとして開発されている。また、5Gは移動体通信規格として初めての全世界共通規格として成立しており、従来の3G、4Gのような複数の通信規格が存在した状況は回避されている。

<市場に含まれる商品・サービス>
5G(第5世代移動体通信システム)、携帯電話、スマートフォン、5Gスマートフォン

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