矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2025.07.10

NTTコミュニケーションズ、データ利活用マーケティング支援を本格展開

 NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)は6月4日、NTTドコモ(以下ドコモ)が保有するデータを活用し、企業や自治体に対するマーケティング支援事業を本格的に展開すると発表した。データの収集・分析や施策立案、改善まで一貫して取り組む。

 背景には、データやAIを活用したマーケティングのニーズの高まりがある。デジタルツールの利用が一般的となり、ユーザーごとのデータ収集が可能になった一方、利活用のノウハウを持った人材が不足しているという。こうした状況を受け、具体的には▽マーケティング戦略の策定支援▽顧客データ基盤構築▽顧客や市場の分析▽顧客接点の高度化-の4つのフェーズで支援する。

 NTT Comによる支援の特長の一つとして、ドコモの保有するデータを用いた顧客分析が挙げられる。具体的には、クライアントの持つ顧客データと、1億人規模のdポイントクラブ会員のデータを掛け合わせてインサイトを導き出し、より効率的なアプローチを検討するという。また、携帯電話の基地局運用データを基に人流などを推計する統計データ「モバイル空間統計」もドコモグループならではのサービス。一定エリアにおける国内居住者や訪日外国人の人口増減を調べることができ、観光客の宿泊の有無や、イベント来訪者の属性などの調査に活用できるという。

 実際にNTT Comは今年3月から、広島県観光連盟、早稲田大学、インテージ、電通総研と共同で、広島県の観光マーケティングの実証実験を実施。モバイル空間統計でインバウンド客の動態把握をした結果、イタリアやスペインからの来訪率が高いものの、約3割が日帰りしていることが判明した。同観光連盟では今後、この2カ国を対象に宿泊者の誘客に向けた施策を検討するとしている。

 NTT Comビジネスソリューション本部事業推進部の徳田泰幸マーケティングインテグレーション推進室長は「NTTグループで保有する知見を活かし、効果的なマーケティングを実現していきたい」と話している。(川口 御生

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