矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2025.12.12

ポイントサービス市場に関する調査を実施(2025年)

国内のポイントサービス市場は、キャッシュレス決済の増加やポイ活の浸透が後押しとなって市場全体の成長を後押し、2024年度は約2.8兆円と推計する。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のポイントサービス市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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【図表:国内ポイントサービス市場規模推移・予測】

【グラフ:国内ポイントサービス市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:ポイント発行額ベース
  • 注:2025年度は見込値、2026年度以降は予測値を掲載
  • 注:特定の企業・団体や企業グループが提供するサービスや商品の購入等に対して発行されるポイントやマイレージ等を対象とし、市場規模は民間企業によるポイント発行額で算出

 

ポイントサービス市場の概況

2024年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は、約2兆8,125億円と推計した。
特に近年は、キャッシュレス決済の浸透によりクレジットカードやコード決済の取扱高が増加を続けており、これらの決済サービスによるポイント発行の拡大が、市場全体の成長を牽引している。
また、物価の上昇が続く中で、節約・家計防衛に向けて「ポイ活」が幅広い年代層において浸透しており、ポイントを意識的に獲得するユーザーが増加していることも市場の成長を後押しする要因となっている。
さらに、ポイントサービスを導入する事業者の増加・多様化も進んでいる。
共通ポイントサービス提供事業者は、引き続き消費者が日常利用する店舗・サービスを中心に加盟店の開拓を進めており、加盟店舗数は拡大している。
加えてハウスポイントに関しても、従来は独自のポイントサービスを提供する事業者は小売・流通業が主であったが、近年は鉄道、金融、メーカーなど幅広い業種において、新たにポイントサービスの提供を開始する事業者が増加傾向にある。

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ポイントサービス市場の注目トピック

■マルチポイント化の進展および共通ポイント・ハウスポイントの共存
昨今のトレンドとして、ひとつの事業者が複数の共通ポイントを運用するマルチポイント化が進んでいることに加え、共通ポイントとハウスポイントが併用されるケースも増えている。加盟店としては、複数の共通ポイントやハウスポイントに対応することでユーザーの利便性が高まり、他社との差別化にもつながる。
​共通ポイントサービス事業者としても、共通ポイントとハウスポイントは競合関係ではなく、加盟店の業種や目的に応じて使い分けられるものと捉えている。
具体的には、共通ポイントは新規顧客の送客に有効である一方で、ハウスポイントは自社顧客に直接アプローチすることでロイヤリティを高めるものであり、両者は棲み分けができていると共通ポイントサービス事業者は捉えている。
また、一方のポイントサービスでは難しい多面的な顧客分析が可能になるなど、両者を併用することのメリットもあり、今後も共通ポイントとハウスポイントの共存関係は続くと見込む。

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ポイントサービス市場の将来展望

国内におけるポイント発行額は、キャッシュレス化の進展やポイントサービスの裾野拡大を背景として緩やかに増加を続け、2029年度には約3兆4,000億円まで拡大すると予測する。
今後は国内においてキャッシュレス化がさらに進展し、クレジットカードやコード決済の取扱高が増加していくと見込まれ、それに伴い決済サービスによるポイント発行額も拡大すると見込む。
特に、特定の対象店舗での決済に対して高還元率でポイントを付与するポイントプログラムを提供するクレジットカード会社が増えてきており、クレジットカードによるポイント発行額は高成長を継続すると考える。
また、共通ポイント・ハウスポイントともに、これまでポイントサービスが導入されてこなかった業種・業態においても新たに導入が進み、市場全体の裾野が拡大していくと予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 消費者物価指数推移(2016~2025年)
  • ふるさと納税受入額推移(2014~2024年度)
  • 国内ポイントサービス市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • ポイント発行額 業種別推移(2020~2025年度見込)とシェア(2024年度)
  • 国内ポイントサービス市場予測(2024~2029年度予測)
  • ポイント発行額 業種別予測(2024~2029年度予測)
  • 各種ポイントサービスのイメージ
  • 主要共通ポイントサービスの概要
  • ポイント付与時の全体像
  • ポイント充当時の全体像
  • 加盟店における共通ポイント発行手数料(1ポイントあたり)
  • 共通ポイントサービス市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • 共通ポイントサービス市場シェア(2024年度)
  • PayPayポイントを含む共通ポイントサービス市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • PayPayポイントを含む共通ポイントサービス市場シェア(2024年度)
  • 主要共通ポイントサービス事業者の事業戦略
  • 主要共通ポイントサービス事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要共通ポイントサービス事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要共通ポイントサービス事業者の金融サービスとの連携に関する取組み
  • 主要共通ポイントサービス事業者のデータ分析・AI活用に関する取組み
  • 主要共通ポイントサービス事業者の課題
  • 主要共通ポイントサービス事業者の展望
  • 主要共通ポイントサービス事業者の市場への見解
  • 共通ポイントサービス市場規模予測(2024~2029年度予測)
  • 共通ポイントサービス市場シェア予測(2029年度予測)
  • PayPayポイントを含む共通ポイントサービス市場規模予測(2024~2029年度予測)
  • PayPayポイントを含む共通ポイントサービス市場シェア予想(2029年度予測)
  • 主要コンビニエンスストアの導入ポイント
  • 主要スーパーマーケットのポイントサービス
  • スーパーマーケットにおけるポイントカード導入率推移(業界推計値:2021~2025年)
  • 企業分類(店舗数)別ポイントカード導入状況(2025年)
  • ポイントカード種類別導入率推移(2023~2025年)
  • ポイント還元率推移(2023~2025年)
  • 主要家電量販事業者のポイントサービス
  • 主要鉄道事業者のポイントサービス
  • 国内の主要マイレージプログラム
  • クレジットカード市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • クレジットカードによるポイント発行額推移(2020~2025年度見込)
  • 主要な汎用型コード決済サービスの概要
  • コード決済市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • コード決済によるポイント発行額推移(2020~2025年度見込)
  • 非接触IC型電子マネーの分類
  • 主要プリペイド型電子マネーの概要
  • 電子マネー市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • 電子マネーによるポイント発行額推移(2020~2025年度見込)
  • 主要ポイント交換サービス事業者の概要
  • ポイント交換市場規模推移と予測(2020~2029年度予測)
  • 主要ポイントサイトの概要
  • ポイントサイト市場規模推移と予測(2020~2029年度予測)
  • ポイントサイトにおける流通額推移と予測(2020~2029年度予測)
  • 主要ポイントサイト事業者の事業戦略
  • 主要ポイントサイト事業者の会員数拡大に向けた取組み
  • 主要ポイントサイト事業者の会員の利用促進に向けた取組み
  • 主要ポイントサイト事業者のデータ分析・AI活用に関する取組み
  • 主要ポイントサイト事業者の課題
  • 主要ポイントサイト事業者の展望
  • 主要ポイントサイト事業者の市場への見解
  • ポイントソリューションの全体像
  • 主要ポイントソリューション一覧
  • 主要マルチコード決済サービスの概要
  • 主要ポイントソリューション事業者の事業戦略
  • 主要ポイントソリューション事業者の導入企業の拡大に向けた取組み
  • 主要ポイントソリューション事業者の製品の機能拡充に向けた取組み
  • 主要ポイントソリューション事業者のデータ分析・AI活用に関する取組み
  • 主要ポイントソリューション事業者の課題
  • 主要ポイントソリューション事業者の展望
  • 主要ポイントソリューション事業者の市場への見解

■共通ポイントサービス事業者

  • 楽天ペイメント
  • NTTドコモ
  • ロイヤリティ マーケティング
  • CCCMKホールディングス
  • PayPay
■ポイント交換サービス事業者
  • ジー・プラン
■ポイントサイト事業者
  • オズビジョン
  • セレス
  • GMOメディア
■ポイントソリューション事業者
  • 大日本印刷
  • 日立ソリューションズ
  • 富士通Japan
  • ピーカチ

 

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関連リンク

■レポートサマリー
ポイントサービス市場に関する調査を実施(2024年)
ポイントサービス市場に関する調査を実施(2023年)
共通ポイント・ハウスポイントに関する法人アンケート調査を実施(2021年)

■アナリストオピニオン
価値向上を図る共通ポイント 他事業者との提携により活用範囲を拡大
マルチポイント化が進む中、店舗から求められる共通ポイントとは?
ポイントカード発行の真の目的はFSP実現にあり

■デイリーコラム
【発刊裏話】「2025年版 ポイントサービス・ポイントカード市場の動向と展望」
【アナリスト便り】「2025年版 ポイントサービス・ポイントカード市場の動向と展望」を発刊

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:共通ポイントサービス提供事業者、ポイントサイト運営事業者、ポイント交換サービス提供事業者、ポイントソリューションベンダー等
調査期間:2025年8月~2025年11月
調査方法:専門研究員による面接取材を主体に文献調査等も併用

※ポイントサービス市場とは:本調査におけるポイントサービス市場は、特定の企業・団体や企業グループが提供するサービスや商品の購入等に対して発行されるポイントやマイレージ等を対象とし、市場規模は民間企業によるポイント発行額で算出している。
ポイントの総発行額には、特定の企業が発行するハウス(自社ブランドの)ポイントやマイレージに加え、特定の決済(クレジットカード、電子マネー、コード決済等)により付与されるポイント、業種・業態に関わらず提携先で利用できる共通ポイント(楽天ポイント、dポイント、Ponta、Vポイント等)などが含まれる。

<市場に含まれる商品・サービス>
ポイントサービス、共通ポイントサービス、マイレージ、ポイントサイト、ポイント交換サービス、ポイントソリューション

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都築 励(ツヅキ レイ) 研究員
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