矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2023.10.27

ポイントサービス市場に関する調査を実施(2023年)

2022年度の国内ポイントカードサービス市場は約2.5兆円まで拡大。マルチポイント化か進むなか、共通ポイントサービス提供事業者はスマホアプリによるデジタルカード化に注力。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内ポイントサービス市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

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【図表:国内ポイントサービス市場規模予測】

【図表:国内ポイントサービス市場規模予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:ポイント発行額ベース
  • 注:2023年度は見込値、2024年度以降は予測値
  • 注:特定の企業・団体や企業グループが提供するサービスや商品の購入等に対して、発行されるポイントやマイレージ等を対象とし、市場規模は民間企業によるポイント発行額で算出している。

 

ポイントサービス市場の概況

2022年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は2兆4,816億円まで拡大し、2023年度は前年度比106.1%の2兆6,328億円になる見込みである。
2020年度はコロナ禍の外出制限等の影響でマイレージや百貨店、ショッピングセンター、飲食店など消費が落ち込む業種が生じたが、その後、人流が戻り徐々に消費が回復することで国内ポイント発行額は拡大傾向にある。
共通ポイントサービス提供事業者は主に大規模加盟店を中心に共通ポイントの加盟店獲得を進めており、ここ数年で幅広い業種で共通ポイントの導入が進んでいる。また、共通ポイントのマルチポイント化(一店舗で複数のポイント発行)の進展や、キャッシュレス決済の普及により主にコード決済におけるポイント発行が急増した事などから市場は拡大する見込みである。

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ポイントサービス市場の注目トピック

■ポイントサービスとキャッシュレス決済の融合、デジタルカード化の進展
共通ポイントを中心にマルチポイント化が進んでいる中で、ポイントサービスとキャッシュレス決済の融合が進んでいる。加盟店各社では、複数のポイントサービス提供のみならず、ハウス型(発行企業一社のみで利用可能な)電子マネーやクレジットカード、コード決済をワンストップで導入したいというニーズが高まっている。加えて、ポイントの活用により、キャッシュレス決済の普及が進むという見方もあり、キャッシュレス化を推進するためにも、ポイントサービスとキャッシュレス決済をワンストップで導入する機運が高まっている。

また、スマートフォンアプリでは会員との接点を強化できるというメリットがあり、共通ポイントサービス提供事業者はスマホアプリによるデジタルカードの提供に注力している。
共通ポイントサービス提供事業者は、スマホアプリを通じて個々の会員に適した情報をプッシュ通知するなどして加盟店の売上向上を支援する事で、共通ポイントサービスの付加価値を高めている。さらに、ポイントサービス機能(ポイントの使用・獲得履歴確認や、キャンペーン情報の通知、デジタルクーポンの提供等)の拡充を通じて、会員の利便性向上を図っている。
また、スマホアプリを活用したカードレス化は、単にデジタルカードとして利用できるに留まらず、キャッシュレス決済アプリとの連携を推進しており、キャッシュレス決済と連動させる事で、共通ポイントサービス提供事業者はデジタルカードの利用増加につなげる取組みを進めている。

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ポイントサービス市場の将来展望

今後、国内におけるポイント発行額は共通ポイントサービスの更なる浸透や、旅行を始めとしたコロナ禍で減少した分野の消費回復、物価上昇による流通額の増加などの要因により拡大し、2027年度の国内ポイントサービス市場規模は3兆3,999億円まで拡大すると予測する。

ハウスポイントを発行する企業においても、共通ポイントなどマルチポイント化が進んでおり、複数のポイントサービスを導入する流れは続く見通しである。加えて、キャッシュレス決済とポイントサービスをワンストップで提供するスマホアプリの普及が進んでおり、いかにポイントサービスとキャッシュレス決済との親和性を高められるかが、会員による利用促進のポイントとなる。
また、それにより、従来通りのポイント付与による顧客の囲い込みや、ID-POS(顧客IDが紐づいた購買データ)を用いた顧客分析から、データ分析を活用したマーケティングに結びつける加盟店向けの取組みが広がると考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ポイント発行額推移(2019~2023年度見込み)
  • ポイント発行額の業種別シェア(2022年度)
  • 国内ポイント発行額予測(2022~2027年度予測:億円)
  • 業種別ポイント発行額推移と予測(2019~2027年度予測)
  • 共通ポイントサービス/ポイント交換サービスの分類
  • 主要共通ポイントサービスの概要
  • ポイント付与(共通ポイントサービス提供事業者が利用者に共通ポイントを付与)
  • ポイント付与(利用者が消費する共通ポイントが加盟店の商品・サービスに充当)
  • 主要共通ポイント事業者の事業戦略
  • 共通ポイントサービス市場規模推移(ポイント発行額ベース)
  • 共通ポイントサービス市場シェア(ポイント発行額ベース)
  • 業界・提携先ポイント
  • 加盟店拡大に向けた取組み
  • スマートフォンアプリを活用した取組み
  • データ分析やCRMに関連した取組み
  • 主要共通ポイント事業者の今後の方向性
  • 主要共通ポイント事業者の課題
  • 主要共通ポイント事業者の市場に関する見解
  • 共通ポイントサービス市場規模予測(ポイント発行額ベース)
  • 共通ポイントサービス市場シェア(2027年度:ポイント発行額ベース)
  • 共通ポイントサービス提供事業者の実態
    • 楽天ペイメント株式会社(楽天ポイントカード)
    • 株式会社NTTドコモ(dポイント)
    • CCCMKホールディングス株式会社(Tポイント)
    • 株式会社ロイヤリティ マーケティング(Ponta)
  • 主要ポイント交換サービスの概要
  • ポイント交換サービス市場規模推移(流通額ベース)
  • ポイント交換サービス提供事業者の実態
    • ジー・プラン株式会社(Gポイント)
  • 主要マイレージサービスの概要
  • マイルの発行動向
  • 事業戦略
  • ロイヤリティプログラムに関する取組み
  • キャッシュレス決済とマイルの融合に向けた取組み
  • データ分析に関する取組み
  • 提携企業拡大に関する取組み
  • 課題
  • 今後の方向性
  • マイレージサービス提供事業者の実態
    • ANA X 株式会社(ANAマイレージクラブ)
    • 日本航空株式会社(JALマイレージバンク)
  • 主要コンビニエンスストアの導入ポイント
  • スーパーマーケットのポイントカード導入率推移(2017~2022年)
  • ポイントサービスの導入率推移(2020~2022年)
  • スーパーマーケットのポイントサービスの還元率推移(2020~2022年)
  • スーパーマーケットの導入済みの決済手段推移(2020~2022年)
  • 売上に占める各決済手段の割合推移(2020~2022年)
  • 今後導入予定の決済手段(2020~2022年)
  • 売り場1,000㎡あたりのレジ台数(2020~2022年)
  • 売り場1,000㎡あたりのセルフレジ・セミセルフレジ台数(2020~2022年)
  • セルフレジ設置状況(2020~2022年)
  • セルフレジ設置意向(2021~2022年)
  • セルフ清算レジ設置状況(2020~2022年)
  • セルフ清算レジ設置意向(2021~2022年)
  • レジレスの導入状況(2021~2022年)
  • レジレスの設置意向(2021~2022年)
  • スーパーマーケット全店売上高推移(2018~2022年)
  • 主な家電量販店のポイントサービスの比較
  • 主要ポイントサイト運営事業者の概要
  • ポイントサイト市場規模推移(売上高ベース)
  • 主要ポイントサイトの会員獲得に向けた取組み
  • 主要ポイントサイトのロイヤリティプログラムに関する取組み
  • コンテンツの拡充に関する取組み
  • データ活用や顧客対応に関する取組み
  • AI活用に関する取組み、考え方
  • ポイントサイト運営事業者の課題
  • ポイントサイト運営事業者の今後の方向性
  • ポイントサイト運営事業者の市場に対する考え方
  • ポイントサイト市場規模予測(売上高ベース)
  • ポイントサイト運営事業者の実態
    • 株式会社オズビジョン(ハピタス)
    • 株式会社セレス(モッピー)
    • GMOメディア株式会社(Point Town byGMO)
  • ショッピング取扱高推移(イシュアベース)(2018~2023年度見込)
  • クレジットカード市場のポイント発行額推移(2019~2023年度見込)
  • 主要プリペイド型非接触型IC型電子マネーの実績動向
  • 非接触IC型電子マネーの決済額推移(2018~2023年度予測)
  • 非接触ICがtア電子マネーにおけるポイント発行額推移(2018~2023年度見込)
  • コード決済市場規模推移(2019~2023年度見込)
  • コード決済におけるポイント発行額推移(2019~2023年度見込)
  • 主要ポイント管理・顧客管理システム/CRM-FSPソリューション製品一覧
  • ポイントと決済の融合に関する取組み
  • データ分析やCRMに関する取組み
  • スマートフォンアプリの活用に関する取組み
  • 主要ポイントソリューション提供事業者の事業方向性
  • カードレス化の進展に関する見解
  • ユーザー企業におけるデータ分析に関する見解
  • ポイントソリューションベンダの実態
    • クレアンスメアード
    • 大日本印刷株式会社(POINT TACTiX)
    • 株式会社日立ソリューションズ(PointInfinity)
    • 富士通Japan株式会社(ValueFrontポイントサービス)

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関連リンク

■レポートサマリー
共通ポイント・ハウスポイントに関する法人アンケート調査を実施(2021年)

■アナリストオピニオン
価値向上を図る共通ポイント 他事業者との提携により活用範囲を拡大
ポイントカード発行の真の目的はFSP実現にあり

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:共通ポイントサービス提供事業者、マイレージサービス提供事業者、ポイントサイト運営事業者、ポイント交換サービス提供事業者、ポイント関連ソリューションベンダなど
調査期間:2023年4月~9月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

※ポイントサービスとは:本調査におけるポイントサービス市場は、特定の企業・団体や企業グループが提供するサービスや商品の購入等に対して、発行されるポイントやマイレージ等を対象とし、市場規模は民間企業によるポイント発行額で算出している。
ポイントの総発行額には、特定の企業が発行するハウス(自社ブランドの)ポイントやマイレージに加え、特定の決済(クレジットカード、電子マネー、コード決済等)により付与されるポイント、業種・業態に関わらず提携先で利用できる共通ポイント(Tポイント、Ponta、楽天ポイント、dポイント等)等が含まれる。

<市場に含まれる商品・サービス>
ポイントサービス、共通ポイントサービス、マイレージ、ポイントサイト、ポイント交換サービス、ポイントソリューション

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高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
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