矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2026
「PayPayによる生命保険業界への参入がもたらすもの②-包括提携に見るサービス拡張と今後の可能性-」
回は、PayPayによるT&Dフィナンシャル生命の子会社化について取り上げました。今回は同日に発表されたT&Dホールディングスとの包括業務提携の内容を見ていきます。 https://about.paypay.ne.jp/pr/20260604/02/ T&Dフィナンシャル生命の子会社の発表と同日に、PayPayとT&Dホールディングスによる包括業務提携も発表されました。具体的には、①PayPayアプリを通じた太陽生命商品の販売、②AIを活用した業務効率化、③スマートシニアシティ構想、④マーケティング連携、⑤健康増進・認知症予防サービスの検討、といった取り組みが示されています。 この内容を見ると、単なる販売チャネルの拡張にとどまらず、グループ全体でのサービス連携を志向していることが分かります。①ではPayPayアプリを通じた保険販売が想定されていますが、②以降は業務やデータ、さらにはヘルスケア領域にまで踏み込んだ取り組みとなっています。 特に、健康増進や認知症予防といったテーマは、太陽生命がこれまで力を入れてきた分野でもあり、PayPayの親会社であるソフトバンクグループが取り組むヘルスケア領域とも親和性が高いように思われます。 また、「スマートシニアシティ」といったキーワードも含まれていることから、今回の提携は単に若年層向けのデジタル金融サービスの拡張というよりも、むしろシニア層を含めた幅広い顧客基盤の獲得を視野に入れている可能性もあります。PayPay側がシニア顧客への接点を強化していく狙いもあるのかもしれません。 一方で、デジタルサービスを通じてどこまで保険が浸透するのかという点は重要な論点です。短期の自動車保険や季節性の保険商品であれば比較的気軽に加入しやすい側面がありますが、生命保険のように長期かつ保障内容が複雑な商品については、同様の形でデジタル完結が進むのかはまだ見通しにくい部分があります。 今回の取り組みが、生命保険の販売や提供の在り方をどこまで変えていくのか。PayPayが先行事例となるのかという点も含め、今後の展開を注視していきたいところです。
6 26
2026
「PayPayによる生命保険業界への参入がもたらすもの①-T&Dフィナンシャル生命の子会社化の狙い-」
PayPayは2026年6月4日、T&Dホールディングス傘下のT&Dフィナンシャル生命を子会社化することを発表しました。あわせて、T&Dホールディングスとの包括業務提携についても公表されています。 https://about.paypay.ne.jp/pr/20260604/01/ まずは、T&Dフィナンシャル生命の子会社化について見ていきます。PayPayはこれまで、キャッシュレス決済を起点に、クレジットカード、銀行、証券といった金融サービスを拡充してきました。今回、生命保険会社をグループに取り込むことで、保障や資産形成、さらには資産承継といった領域も含め、金融サービスの一体化がより進む形となります。 個人的にやや意外に感じたのは、その対象がT&Dフィナンシャル生命であった点です。同社は主に金融機関や来店型保険ショップなど、代理店チャネルに特化した販売を行ってきた保険会社であり、どちらかというとシニア層向けの資産形成・運用型保険や、就労世代向けの保障性商品を中心に展開している印象があります。また、T&Dグループ全体としても、太陽生命の認知症保険などに見られるように、シニア層やセカンドライフに関連する領域に強みを持つグループというイメージがあります。 一方で、PayPayはスマートフォンを通じた日常的な決済サービスを基盤としており、比較的若年層やデジタルネイティブ世代の利用が多いサービスでもあります。もちろん現在では幅広い世代に浸透していますが、この両者がどのように組み合わさるのかは興味深いところです。 プレスリリースでは、「T&Dフィナンシャル生命の顧客基盤に、PayPayが有するデジタルプラットフォームやUI/UX、マーケティング力などを組み合わせることで、新たな顧客体験の創出が可能」としていますが、現時点ではどの領域でどのようなシナジーが生まれるのかはまだ見えにくい部分もあります。デジタルネイティブと呼ばれる層も、いまでは保険を検討する世代にまで広がってきているように見えますが、生命保険のような商品がそのままデジタル上で受け入れられるのかという点については、まだイメージしにくい部分もあります。 その意味で、PayPayとT&Dフィナンシャル生命の組み合わせが、どの顧客接点でどのような価値を生み出すのかは、もう少し見ていく必要がありそうです。
6 25
2026
東京都が2025年度のキャッシュレス決済率を発表、伸びはやや鈍化
2026年6月15日、東京都は2025年度の都内におけるキャッシュレス決済比率が前年度比1.5ポイント増の62.2%であったと発表した。 2025年度 都内のキャッシュレス決済比率の調査結果について|都内のキャッシュレス決済比率の調査|東京都産業労働局 決済手段別にみると、クレジットカードは引き続き増加傾向(前年度比+2.2ポイント)にあるものの、コード決済は減少(前年度比▲1.4ポイント)となっている。年代別では、30代が66.9%と最も高く、最も低い70代以上でも58.0%と、年代による大きな差はみられないという結果となった。 東京都は2026年目標としてキャッシュレス決済比率60%を掲げており、2024年度(60.7%)に2年前倒しで達成している。一方で、2021年度の調査開始以来、伸長率が1ポイント台に留まったのは2025年度が初であり、2030年の目標である80%の達成に向けた道のりはやや厳しい状況にある。 同調査では「キャッシュレスを利用しない理由」に関する設問もあり、利用しない理由としては「不正利用に対する不安」や「個人情報を提供することへの抵抗感」が多く挙げられた。クレジットカードの不正利用被害は増加傾向にあり、不安を煽る要素となっている側面は否定できない。キャッシュレス決済の利便性やポイント還元による利得性に対する認識はある程度浸透しきっている部分もあり、目標達成に向けてはキャッシュレス決済に対する安心感の醸成が今まで以上に必要になると考える。
6 24
2026
「呼称変更で変わるのか、生命保険営業のイメージ」
一般社団法人生命保険協会は2026年6月12日、生命保険募集人を総称する呼称として「生命保険ナビゲーター”ソナエルジュ”」に決定したと発表しました。同協会が昨年9月から11月にかけて一般公募で募集してきた約9,000件の中から選定されたとのことです。従来の呼称である「営業職員」には押し売りのような印象を持たれがちであり、「生保レディ」は性別の偏りがあるなど、現在の多様性が問われる社会においてはそぐわない側面もあったのだと思います。 加えて近年は、自動車販売における保険販売との関係が報じられたり、出向者による顧客情報の持ち出しや、営業職員による金銭トラブルや不適切な営業行為が問題視される事案が取り上げられるなど、生保・損保問わず保険に関するネガティブな内容が報じられる場面がありました。そうした報道に触れる機会も増える中で、保険営業に対してややネガティブな印象を持たれることも増えているように感じます。今回は生命保険分野ではありますが、呼称を見直すことでイメージを刷新したいという意図もあるのかもしれません。 今回決定した「ソナエルジュ」は、「備える」と「コンシェルジュ」を組み合わせた造語とされています。単に保険商品を販売する存在ではなく、顧客の将来の不安等に寄り添い、その解決手段の一つとして保険を提案する役割が期待されていることもうかがえます。 ただし、保険募集人にとって販売実績が重要である構造は変わりません。呼称を変えるだけではなく、現場で働く方々の意識や営業スタイルそのものが変わっていかなければ、呼び方だけの見直しにとどまってしまう可能性があるのではないかと感じました。

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2026
2026 AI時代のサイバーセキュリティ市場の現状と展望
近年は、AIによる攻撃が急増しています。被害報告も増える中、経営層のサイバーセキュリティに対する意識は高くなっており、サイバーセキュリティ=「IT部門が担う技術的なもの」から「事業を継続するための経営基盤そのもの」という認識が広がり始めています。本調査レポートでは、各ベンダーの取組から広くサイバーセキュリティ市場について言及するとともに、サイバー保険、IT資産管理、アイデンティティ管理の各市場についても焦点をあてるとともに、実務者へのアンケート結果から得られたリアルな市場の温度感についても触れています。 本レポートは2026年5月に発刊したサイバーセキュリティに関するレポートで、市場規模にはハード、ソフト、サービスを含みます。 調査期間は2026年3月~5月、アンケートは2025年6月~9月に実施しています。 各市場の成長率は下記の通りです。 サイバーセキュリティ市場の2025年度の市場規模は前年度比9.2%増 アイデンティティ管理(IDaaS)市場の2025年度の市場規模は前年度比16.7%増 IT資産管理市場の2025年度の市場規模は前年度比11.7%増 サイバー保険市場の2030年度のCAGR(年平均成長率)は109.4% ※2025年度からのCAGR
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2026
2026 AI-DV(AI定義車両)市場の実態と展望 ~SDV/車載ソフト市場の構造大変革、産業OS・都市OS化を目指す未来~
国内AI-DV(SDV)の最新動向やアーキテクチャ、市場規模、将来予測を網羅した調査資料。 2018年/2025年/2028年/2030年におけるアーキテクチャの変遷と各年におけるプレイヤーの関係性の変化などを記載。今後のAI-DVに対応するうえで必要な情報を収録。 2025年の国内車載ソフトウェア市場は8,766億円を見込み、2030年には2兆円に達すると予測。 2026年3月に矢野経済研究所発行。 本レポートは従来、『車載用ソフトウェア市場の実態と展望 vol.2 OEM、Tier.1、2編』と題して継続してきたレポートの最新版である。従来の車載ソフトウェア市場の動向を押さえるとともに、2028年以降、クラウドベンダーの存在感が高まってきた際に、車載ソフトウェア市場にどのような影響を与えるのか、OEMやTier.1、2に加えて、クラウドベンダー等との意見交換を通じて、シナリオを検討、2035年までの方向性を提示していく。 特にCASEからSDVへと移り変わるなか、AIエージェントを筆頭にAIを積極的に取入れていく動きが勃興、まだ定義はかなり曖昧ではあるものの、「AI-DV」との言葉が出始めており、タイトルの変更を行った。本レポートでは、OEMおよびサプライヤーの視点から制御系や車載IT系、SDV、今後勃興が想定されるAI-DVの構成比がどのように移り変わっていくのか、また実際のアーキテクチャの変遷を含め、以下4点について明らかしていく。 (1)車載ソフトウェア市場の市場規模 (2)車載ソフトウェア市場における制御系/車載IT 系/SDV/AIDV 別シェア (3)車載ソフトウェア市場における参入企業別シェア (4)車載ソフトウェアに関するアーキテクチャ(2018年/2025年/2028年/2030年)

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