矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2026
「都築電気、OBD型デジタコを「TCloud for SCM」オプションサービスとして提供へ」
都築電気は2025年12月24日、クラウド型動態管理サービス「TCloud for SCM」のオプションとして、日本初となるOBD型デジタコを2026年4月より提供すると発表した。 都築電気、日本初のOBD型デジタコを「TCloud for SCM」オプションサービスとして提供決定|2025年|都築電気株式会社 ------------------ 都築電気の「TCloud for SCM」は、スマートフォンを中心とした動態管理サービスであり、白ナンバー車両や軽車両にも対応できる点が特長である。リアルタイム動態管理や日報の自動作成など、従来のデジタコでは対応しづらい領域をアプリでカバーし、操作レス記録や導入しやすい料金体系など、現場で求められる機能を備えている。 今回の OBD 型デジタコは、この“スマホ主体の運行管理”を補完するオプションという位置づけであろう。OBDⅡは本来、車速・回転数などの CAN データを精度高く取得できるため、スマホだけでは取り切れなかった車両情報を補強できる点が特徴といえる。 今回個人的に特に注目したいのは、 ・走行/停車などの状態判定を OBDⅡ でどこまで自動化できるのか ・スマホの GPS・センサー情報とどのように統合されるのか ・操作レス記録がさらに広がるのか といったポイントである。 スマホ主体の動態管理は導入しやすい一方で、車両データの精度や取得範囲では専用デバイス型に劣る場合もある。その弱点を OBD 端末で補完する今回の発表は、TCloud for SCM が“スマホだけのソリューション”から、より高精度な運行管理にも対応できるモデルへ進化していくことを示していると捉えることができる。また、“挿すだけで使える” OBD 型は工事が不要で導入しやすいため、中小企業にとっても検討しやすい選択肢となるだろう。 2026年4月の提供開始後、スマホアプリとの組み合わせによってどの程度の精度・利便性・負荷軽減が実現されるのか。こうした点が実際のユーザーにどのように受け止められるのかも含め、今後の動向を見ていきたい。
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2026
「東京海上日動、コムテックと提携を発表:後付けドラレコを保険サービスに取り込む動き」
東京海上日動火災保険は2025年12月18日、ドライブレコーダー大手のコムテックと戦略的業務提携を締結したと発表した。 同社は2017年より通信型ドライブレコーダーを活用したテレマティクス自動車保険「DAP」を展開しており、事故時の映像自動送信や衝撃検知による救急対応デスクへの自動接続、位置情報取得を通じた迅速な事故対応などのサービスを提供してきた。今回の提携により、コムテック製ドライブレコーダーを活用した新たな事故対応サービスの共同開発を進めるとしている。 251218_01.pdf ------------------ これまで国内で展開されてきたテレマティクス保険は、大手損保が通信型ドライブレコーダーとセットで提供するモデルが中心であった。一方で、通信型ドラレコを保険会社経由で入手する必要がある点は、利用者にとって負担が大きく、加入の広がりに影響した側面があるだろう。一般のドライバーの多くが量販店で購入する後付けタイプを利用しており、また通信機能が必須とは言い切れなかったことも背景にある。 今回の東京海上日動とコムテックの提携は、こうした状況を踏まえた動きと言える。通信機能を持たない後付けドラレコでも、事故映像や状況データを保険会社側が活用できる仕組みが整えば、これまでテレマティクス保険の対象になりにくかった層にもサービスの幅が広がる可能性がある。 テレマティクス保険の普及率については、「2023年版 テレマティクス保険の実態と展望」において、2025年度は11.9%と1割程度にとどまると予測した。あおり運転や重大事故を背景にドラレコ需要が伸びたものの、後付けタイプの利用が中心である状況が続いており、この点が通信型を前提としたサービスの広がりにも一定の影響を及ぼしてきたと考えられる。 東京海上日動は、2028年のサービス開始を目指し、コムテック製ドラレコと自動車保険を組み合わせることで、同社のテレマティクス保険「DAP」と同水準の事故対応サービスを提供する商品の開発を進めるとしている。後付けドラレコ市場との接点を広げる取り組みとして、保険契約者の獲得にもつながる可能性がある。 今回の取り組みが他社に広がるのか、それとも東京海上日動の独自モデルとして進むのか。通信型ドラレコを前提としてきたテレマティクス保険の事故対応サービスについても、今後どのような変化が生まれるのか注目したい。
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2026
【発刊裏話】「2025 SDV時代における車載アプリケーション市場の徹底研究 ~アーキテクチャとビジネスモデルの将来像~」
車載アプリケーションに関するレポートを発刊しました。そこから1つトピックスを取り上げてみたいと思います。 皆さんは「車載アプリケーション」と聞くと、どのようなアプリを思い浮かべるでしょうか。ゲーム?音楽?動画?etcetc ところがこうしたアプリは安心安全の観点から制限が付きます。 具体的には、例として「画像表示装置の取り扱いについて 改訂第3.0版」において、表示機能のうち、視覚情報の表示機能および情報の内容として、「走行中に表示する視覚情報の内容は、運転に関わる内容にとどめ、かつ注視し続ける必要がないものであること。」と規定したうえで、附則において、走行中表示を禁止すべき情報の内容として、「①案内情報としての住所、案内情報としての電話番号は、走行中の表示を禁止、②レストラン、ホテル等の内容紹介は、走行中の表示を禁止」とあります。 また、放送により提供される情報の内容についても「テレビジョン放送およびビデオ,DVD 等の再生により表示される動画を表示しないこと。」などとあります。 要は運転手の気が散るような、エンタメ系や、地図上にレストランやホテルなどの情報を表示することはダメ。では、「わざわざエンタメ等を楽しむために停車するか」と考えた場合、少なくても日本ではクルマを停めて車内で過ごすという文化がなく、実質上記のアプリは成立しないのでは....と思いませんか??? 「少なくても」と但し書きを付けたのは、例えば中国では職場でランチを取る際に、自分の車の中でランチを取るんだそうで、食事をしながら車内で映画を観るとか。また塾に迎えに行った際に、早く到着した場合、路肩に駐車、車内で映画を観ながら待つなどの文化があるんですって。「所変われば.....」っていう諺通りです。 日本では現状、こうした規制がありますが、自動運転が登場してくると、状況がガラリと変わる可能性があります。引き続き動向を追っかけていきたいと思います。

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2025
2025 SDV時代における車載アプリケーション市場の徹底研究 ~アーキテクチャとビジネスモデルの将来像~
従前より車載ソフトウェア市場をウォッチしてきたが、今回は車載アプリケーション側にフォーカスした調査を実施した。車載アプリケーションについて、従来より各ドメイン(車両制御/ADAS系/ボディ系/情報系)に紐づく形でアプリケーションが存在し、サイロ化の状態にある。E/Eアーキテクチャもドメインベースで機能ごとに分割する形で構成してきた。 そうしたなか、トヨタ自動車のビークルOS「Arene」をはじめとしたビークルOSの登場に伴い、ドメイン間の連携をとるための統合化層(HAL)を設け、当初は情報系およびボディ系の一部をカバーしてきたものの、徐々にADAS系へとカバー範囲が拡充していくにつれ、サイロは縮小しドメイン間の連携に向けた動きが徐々に出てきている。 また、アプリケーションも徐々にAIや生成AIを取り込みながら、ドメイン間の連携などの進化も背景に、コンシェルジュサービスやIVIを用いたサービスを筆頭に、よりパーソナライズされたアプリケーションが出てくる可能性がある一方、アプリケーションの開発に際しては、スマートデバイスのそれと異なり、安全確保に係る各種規制を押さえた開発が必要となる。本レポートにおいてはアプリケーションの広がりと併せて主たる規制などについても取り上げた。 本調査においては、車載アプリケーション市場について、車載アプリケーションと車載プラットフォーム(ビークルOSなど)に区分したうえで、各々の市場について市場規模と併せて、アーキテクチャの変遷など以下3点を中心に明らかにする。 (1)車載アプリケーション市場の市場規模(2021年~2030年) (2)プラットフォームサービスおよびアプリケーションに関するアーキテクチャおよびその変遷(2018年~2030年) (3)車載アプリケーションにおけるビジネスモデル

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