矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

Daily column

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2026
【今週の"ひらめき"視点】ふるさと納税、過度な競争が招く自治体財政の不安定化
当社代表が最新のニュースを題材に時代の本質、変化の予兆に切り込みます。   6月12日、会計検査院は地方財政計画の検証結果を公表、ふるさと納税が地方団体の歳入歳出総額の見込み額と決算数値との乖離を拡大させていると指摘、総務省に対して影響を検証するよう要請した。ふるさと納税は応援したい自治体に寄付すると寄付額から2000円を引いた額が住民税や所得税から控除される。事業は2008年にスタート、初年度の受入件数5.4万件、寄付額81.4億円、以後、急速に事業規模が拡大、2024年の受入数は5800万件を越え、金額も1兆2727.5億円に達した(総務省)。 “官製通販”とも揶揄される返礼品競争のし烈化はご存じのとおり。総務省は返礼品の上限を寄付額の3割に抑えるなど制度の見直しをはかってきた。2024年度の返礼品総額は3,208億円、還元率は25.2%だ。とは言え、事務費、広報費、送付費用、仲介サイトへの手数料といった諸経費を加えると自治体の財源として残るのは53.6%に過ぎない(総務省)。結果、寄付した人が住む地域から他の地域へふるさと納税を介して税が移動することで自治体の歳入総額は減収となる。 流出超過自治体における減収は当然ながら行政サービスの質を低下させるとともに、行政サービスに要する費用を住民自身が負担する“受益と負担の原則”を揺るがす。加えて、高所得者ほど控除額の上限が高くなる現行制度は、住民税が本来持っている所得再分配機能を低下させる。そもそも国産ブランド牛、タラバガニ、シャインマスカットといった高級食品にふるさと納税ならではの“お得感”を感じて寄付をする世帯の多くは日々の暮らしに追われる層ではないだろう。 さて、筆者の住む世田谷区における住民税流出額は全国5位の134億円、これは耐震対策、トイレの洋式化、猛暑対策といった区立学校の改築・改修予算に匹敵する。流出額がもっとも大きい自治体は横浜市であるが、こちらは流出額の75%が地方交付税で補填される。一方、23区は地方交付税の不交付団体であり補填はない。それだけに区は「地方自治の根幹を破壊する不合理な税制」と手厳しい(令和8年度当初予算概要より)。ふるさと納税の理念、自治体間における一定の競争原理は理解できる。ただ、日本全体が縮小する中での“パイの奪い合い”は根本的な解決とはならない。地方自治とその財源について、あらためて問い直す必要があろう。 今週の“ひらめき”視点 2026.6.14 - 6.18 代表取締役社長 水越 孝
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2026
重要システムのクラウド移行は進むか――注目集まるソブリンクラウド②
需要拡大の背景??地政学リスクと法規制の圧力 このような主権確保の動きが世界的に加速している要因は、2020年代に入り顕著となった地政学的リスクにある。米中対立の深刻化やロシア・ウクライナ情勢、さらには中東や台湾海峡を巡る緊張など、国際秩序の不確実性はかつてないほど高まった。実際に、経済制裁の影響で特定の国におけるクラウドサービスが突如として停止し、企業の経済活動が麻痺する事態も発生している。加えて、国家の関与が疑われるサイバー攻撃が重要インフラを標的として激化しており、デジタル基盤を他国の技術や法制度に過度に依存することのリスクが再認識されている。 各国の法規制・制度もこの流れを後押ししている。米国ではクラウドセキュリティ認証制度である「FedRAMP」が運用されている。これにより、厳格なセキュリティ要件を満たしたクラウドサービスのみが政府調達の対象となる。大手クラウド事業者は、こうした政府が定める厳格なセキュリティ基準やコンプライアンス要件に準拠した専用のクラウドサービス基盤を構築・提供している。欧州ではGDPR(一般データ保護規則)による個人データの域外移転への厳格な制限に加え、データ主権と透明性を掲げた「Gaia-X」プロジェクトが推進されている。フランスの「Bleu」やイタリアの「PSN」といった国家主導のクラウド戦略が展開される中、AWSやMicrosoft、Google Cloudといったハイパースケーラー各社も、欧州市場向けにデータや運用の主権を強化した専用リージョンの提供を開始するなど、事業者の対応も急ピッチで進んでいる。
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2026
重要システムのクラウド移行は進むか――注目集まるソブリンクラウド①
主権の確立に向けた潮流 デジタル化が加速し、多くのデータがクラウド上で処理されるようになった現代において、企業のITインフラ環境は日々変化が求められる。かつてクラウド移行の主目的はコスト削減や拡張性の確保であったが、昨今の不安定な国際情勢や地政学リスクの顕在化により、新たな評価軸として「デジタル主権」の重要性が注目されるようになった。こうした背景から、特定の国や地域の法律・規制を遵守し、データの保管から運用までを自国内で完結させる「ソブリンクラウド」が、特定の要件を持つ企業にとっての新たな選択肢として浮上している。 ソブリンクラウドとは   ソブリンクラウド(Sovereign Cloud)とは厳格な定義はないが、主に特定の国・地域の法律・規制に準拠し、データの保管・処理・運用がその国・地域内で完結するクラウドサービスを指す。従来のパブリックク ラ ウドサービスが、グローバルな展開とスケールメリットを重視してきたのに対し、ソブリンクラウドは主権の確保と経済安全保障に重点を置く。 そもそも、「ソブリン(Sovereign)」とは英語で「主権」「統治者」「君主」「国王」などを意味し、IT分野においては、組織や国家が独立してデジタル基盤を管理および運用できる能力として解釈される。なお、現代のITインフラにおけるデジタル主権の議論では、主にデータ主権、システム主権、運用主権の3つの要素が中心となる。 【図表:コントロールが求められる主な3つの主権】 また、これらの3つの主権に加え、クラウド基盤やOS、セキュリティなどの基幹技術を自国で開発・保守し、海外への依存を避ける「技術主権」や、自国のデータに対して他国の法律が優先的に適用される事態を回避し、法的な管轄権を自国内に維持することを指す「法的主権」、セキュリティ対策の実施主体を自国内に限定する能力を指す「セキュリティ主権」といった見解もある。  
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2026
「NTTドコモビジネスは、多様なデバイスの映像を統合して収集・蓄積・分析し、現場変革を加速させる映像AIプラットフォームを提供開始」
NTTドコモビジネスは2026年6月11日、多様なカメラや現場機器の映像を安全に集約・分析する映像AIプラットフォームサービス「docomo business SIGN VPaaS」の提供を開始した。本サービスは、施設・設備に設置されたカメラや、ロボット・ドローンなど現場の機器から映像を収集し、分析可能な形で統合管理するプラットフォームである。 ニュース 2026年6月11日:多様なデバイスの映像を統合して収集・蓄積・分析し、現場変革を加速させる映像AIプラットフォーム「docomo business SIGN VPaaS」を提供開始|NTT…   先日、同社が開催したこの新サービスに関する記者説明会に参加した。本サービスは、カメラゲートウェイを使用することで、既存のカメラをそのまま活用できる設計となっている。また、すべての映像データをクラウドへ転送するのではなく、人や車両の動きなど変化が起きた必要な映像のみを判別してクラウドに集約する仕組みを採用している。これにより、データ転送量とストレージ容量を最小限に抑え、従来のクラウドサービスと比較してカメラ1台あたりのシステム単価を低く抑えることを実現しており、導入のハードルを極めて低くしている点が特徴的である。 さらに説明会では、蓄積された映像データから必要な情報を自然言語等で引き出せる「AIエージェント型UI」を近日中に提供予定であることも明かされた。その先には、分析結果をロボットや設備などの制御にリアルタイムにフィードバックし、サイバー空間とフィジカル空間を融合させる「フィジカルAI」を見据えた商品展開も想定している。 現在、多くの工場や商業施設、オフィスにはすでに防犯や監視用のカメラが設置されているものの、その多くはトラブル時の確認用に留まっており、データとして有効活用されているとは言い難い。本サービスは、すでに市場に存在する膨大な既存映像データを有効活用することを想定しており、本サービスが市場に浸透するポテンシャルは非常に高いと言えるだろう。

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2026
2026 AI時代のサイバーセキュリティ市場の現状と展望
近年は、AIによる攻撃が急増しています。被害報告も増える中、経営層のサイバーセキュリティに対する意識は高くなっており、サイバーセキュリティ=「IT部門が担う技術的なもの」から「事業を継続するための経営基盤そのもの」という認識が広がり始めています。本調査レポートでは、各ベンダーの取組から広くサイバーセキュリティ市場について言及するとともに、サイバー保険、IT資産管理、アイデンティティ管理の各市場についても焦点をあてるとともに、実務者へのアンケート結果から得られたリアルな市場の温度感についても触れています。 本レポートは2026年5月に発刊したサイバーセキュリティに関するレポートで、市場規模にはハード、ソフト、サービスを含みます。 調査期間は2026年3月~5月、アンケートは2025年6月~9月に実施しています。 各市場の成長率は下記の通りです。 サイバーセキュリティ市場の2025年度の市場規模は前年度比9.2%増 アイデンティティ管理(IDaaS)市場の2025年度の市場規模は前年度比16.7%増 IT資産管理市場の2025年度の市場規模は前年度比11.7%増 サイバー保険市場の2030年度のCAGR(年平均成長率)は109.4% ※2025年度からのCAGR
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2026
2026 AI-DV(AI定義車両)市場の実態と展望 ~SDV/車載ソフト市場の構造大変革、産業OS・都市OS化を目指す未来~
国内AI-DV(SDV)の最新動向やアーキテクチャ、市場規模、将来予測を網羅した調査資料。 2018年/2025年/2028年/2030年におけるアーキテクチャの変遷と各年におけるプレイヤーの関係性の変化などを記載。今後のAI-DVに対応するうえで必要な情報を収録。 2025年の国内車載ソフトウェア市場は8,766億円を見込み、2030年には2兆円に達すると予測。 2026年3月に矢野経済研究所発行。 本レポートは従来、『車載用ソフトウェア市場の実態と展望 vol.2 OEM、Tier.1、2編』と題して継続してきたレポートの最新版である。従来の車載ソフトウェア市場の動向を押さえるとともに、2028年以降、クラウドベンダーの存在感が高まってきた際に、車載ソフトウェア市場にどのような影響を与えるのか、OEMやTier.1、2に加えて、クラウドベンダー等との意見交換を通じて、シナリオを検討、2035年までの方向性を提示していく。 特にCASEからSDVへと移り変わるなか、AIエージェントを筆頭にAIを積極的に取入れていく動きが勃興、まだ定義はかなり曖昧ではあるものの、「AI-DV」との言葉が出始めており、タイトルの変更を行った。本レポートでは、OEMおよびサプライヤーの視点から制御系や車載IT系、SDV、今後勃興が想定されるAI-DVの構成比がどのように移り変わっていくのか、また実際のアーキテクチャの変遷を含め、以下4点について明らかしていく。 (1)車載ソフトウェア市場の市場規模 (2)車載ソフトウェア市場における制御系/車載IT 系/SDV/AIDV 別シェア (3)車載ソフトウェア市場における参入企業別シェア (4)車載ソフトウェアに関するアーキテクチャ(2018年/2025年/2028年/2030年)

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