矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2026.04.06

社会インフラIT市場に関する調査を実施(2026年)

2024年度の国内社会インフラIT市場規模は7,028億円、前年度比5.5%増。社会インフラ向けITソリューション市場も前年度比44.4%増と大幅に拡大した。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の社会インフラIT市場を調査し、市場規模、分野別/地域別の動向、入札情報の整理・分析、将来展望、社会インフラ向けITソリューションの動向などを明らかにした。ここでは、社会インフラIT市場規模推移・予測について、公表する。

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【図表:社会インフラIT市場規模推移・予測】

【グラフ:社会インフラIT市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:国や自治体、インフラ運営事業者等の発注金額ベース。
  • 注:2024年度までは各種公開情報等をもとに矢野経済研究所推計、2025年度は見込値、2026年度以降は予測値。
  • 注:市場規模には、工事費(電気設備・通信設備/その他工事)、ハードウェア、ソフトウェア、設備・機器、SI(システム・インテグレーション)、コンサルティング、回線利用料、サービスサポート、維持管理費、要員派遣費などを含む。

 

社会インフラIT市場の概況

本調査における社会インフラIT(従来型社会インフラIT)は、道路や鉄道、空港、港湾、河川、ダム、水関連、防災・消防/警察の8分野を対象とし、国や自治体、インフラ運営事業者(高速道路事業者、鉄道事業者、民間空港等)の発注金額ベースで市場規模を算出している。

2023年度は、新型コロナウイルス禍後の2022年度の成長率からはやや鈍化したものの堅調に推移し、前年度比3.7%増の6,660億円となった。同年度では道路関連の伸びが顕著で、ETC関連や料金所安全対策設備、CCTV設備(Closed Circuit Television:閉回路テレビジョン)といった高速道路事業者向け大型案件が牽引した。また一般道路関連では、100億円超の超大型案件もみられた。

2024年度の市場規模は前年度比5.5%増の7,028億円と大幅に伸長した。同年度では鉄道、道路、水関連といった主要3分野がいずれも高伸長で、道路では100億円超の超大型案件が複数あった。また鉄道では、大手鉄道事業者を中心にIT投資が旺盛で、鉄道IT分野は堅調に推移した。さらに水関連においても大手事業者の案件が牽引し、安定的に推移した。特に水関連団体による発注が旺盛であった。

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社会インフラIT市場の注目トピック

■社会インフラ向けITソリューション
本調査における社会インフラ向けITソリューションとは、既存技術をベースとした社会インフラIT(従来型社会インフラIT)の中で、IoTやクラウド、ローカル5G、画像解析/データ解析AI、スマートデバイス/IoTデバイス、センサーネットワーク、ドローン(AI画像解析を含む)といった情報通信技術を活用したソリューションを指す。

社会インフラ向けITソリューションは、インフラ保全の高度化(次世代保全/状態基準保全など)や業務の最適化(業務の効率化/省人化、渋滞緩和、点検の最適化など)、政策立案/戦略立案での判断支援などの分野において期待されるソリューションである。なお、社会インフラ向けITソリューションは社会インフラIT(従来型社会インフラIT)市場規模の内数である。

社会インフラ向けITソリューションでは、IoTモニタリング/遠隔監視が様々な分野で普及しているほか、カメラ画像を元にしたAI活用(点検支援、劣化診断、防災シミュレーションなど)も普及が進む。また鉄塔/橋梁点検、防災用途などで、AI画像解析と組み合わせたドローン活用も増えている。さらにクラウドベースの台帳ソリューション(クラウドへの接続が可能なタブレット等を使った台帳システム)、スマートデバイスをベースとした現場作業支援ソリューション(AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった機能を付加したスマートグラスを使った現場作業向けシステムなど)の実装が始まっている。このような中で、2024年度の社会インフラ向けITソリューション市場規模は前年度比で44.4%増の130億円となり、大幅に拡大した。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

■社会インフラITの概況

  • 社会インフラITの全体イメージ
  • 本調査で対象とする社会インフラ分野
  • 社会インフラITでの対象業務
  • 公共事業費の推移(2010~2024年度)
  • 国交省関係一般会計予算案の内訳(2026年度当初予算額)
  • インフラ保全でのIT活用の背景
  • 社会インフラでのデジタル活用の現状と今後の見通し
  • 社会インフラ向けITソリューションの背景事情
  • 鉄道総研での研究テーマ
  • 建設後50年以上経過する社会資本の割合(2023/3時点)
■社会インフラIT市場概要
  • 社会インフラITマーケット分析での考え方
  • 社会インフラIT市場規模推移(2020~2030年度予測)
  • 分野別の社会インフラIT市場規模推移(2020~2030年度予測)
  • 社会インフラITの地域別構成(2023~2024年度平均)
  • 社会インフラITのメーカーグループ構成(2023~2024年度平均)
  • 社会インフラ向けITソリューション市場規模推移(2020~2030年度予測)
  • 社会インフラIT市場での社会インフラ向けITソリューション比率(2030/2020)
  • 社会インフラ向けITソリューションの導入効果/ポテンシャル
  • インフラ保全で期待されるITテクノロジー
  • 主なIT関連事業者の入札案件(2023~2024年度)
    • 三菱電機グループ
    • 日立グループ
    • 日本電気グループ
    • 東芝グループ
    • 富士通グループ
    • 三菱重工グループ
    • 日本無線/JRCグループ
    • その他企業
  • 社会インフラ関連での基礎データ
■テーマ研究
  • 社会インフラ分野における衛星データ活用について
    • 衛星データ活用サービス市場規模推移(2022~2030年度予測)
    • 需要分野別の内訳(2022~2030年度予測)
    • 用途別・業務別の衛星データ活用ビジネス(2023年度)
  • 社会インフラにおけるドローンサービス/ドローンソリューション活用
    • 分野別のドローン活用サービス/ソリューション
    • ドローンの概要・特徴
    • ドローン活用における問題点・課題
    • ドローン活用サービス/ソリューション市場規模推移(2023~2030年度予測)

 

■道路関連ビジネスの事業構造

  • 道路の種類・管理主体・総延長
  • 高速道路の種類・管理主体
  • 橋梁、トンネルの総延長
  • 主要ベンダーの道路関連電気・通信系業務一覧
  • インフラ構造物の診断結果区分
  • 道路施設での累積点検実施状況(2019~2023年度)
  • 道路施設での判定区分割合(2019~2023年度)
  • 修繕が必要な施設の変化
■道路ITビジネスの現状と構造
  • 道路IT市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 道路管理者別の道路IT市場の内訳(2023~2024年度平均)
  • 道路IT市場のカテゴリー別構成(2023~2024年度平均)
  • 「RoAD to the L4」プロジェクト実施体制
  • 自動運転レベルの定義
  • カテゴリー別の道路ITプレイヤー一覧
  • 道路IT案件一覧:2023年度~2024年度
■道路ITビジネスの評価と展望

 

■鉄道事業関連ビジネスの事業構造

  • 鉄道事業者一覧・営業距離
  • 鉄道ITでの分野別主要プレイヤー一覧
  • 鉄道事業における主な投資対象テーマ
  • 鉄道橋・鉄道トンネルの建設後の経年経過の状況
  • 私鉄大手の大規模設備投資一覧(首都圏)
  • 私鉄大手の大規模設備投資一覧(首都圏):計画
  • 私鉄大手の大規模設備投資一覧(近畿圏)
  • 私鉄大手の大規模設備投資一覧(中京圏)
  • 私鉄大手の大規模設備投資一覧(九州圏)
  • JRグループ各社の情報システム子会社一覧
  • 大手IT/電機事業者の鉄道IT
  • 公営鉄道での鉄道IT関連プロジェクト一覧:2023-2024年度
■鉄道ITビジネスの現状と構造
  • 鉄道関連IT市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 鉄道ITの内訳(2023~2024年度平均)
  • 鉄道事業者別の構成(貨物含む:2023~2024年度平均))
  • 鉄道ITビジネスにおける課題
  • 信号技術研究部/情報通信技術研究部のIT関連研究
  • 2023~2024年度のIT関連研究開発成果
■鉄道ITビジネスの評価と展望
  • 環境面での鉄道輸送の優位性
  • 鉄道ITでの技術取り組み事例

 

■空港関連ビジネスの事業構造

  • 日本の空港と管理主体
  • 空港運営民間委託(コンセッション)の推進
  • 空港の利用状況
  • 業務別の空港IT
■空港ITビジネスの現状と構造
  • 株式会社方式での空港事業委託先(国管理空港)
  • 空港IT関連プロジェクト一覧:2023~2024年度
  • 国土交通省・航空局・空港整備予算
  • 空港関連IT市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 空港IT市場のカテゴリー別構成(2023~2024年度平均)
■空港ITビジネスの評価と展望
  • 空港コンセッションのイメージ
  • 国管理空港の運営委託(コンセッション)に関する検討状況
  • 空港制限区域内へのレベル3相当自動運転導入に向けた実証実験
  • 空港制限区域内へのレベル4相当自動運転導入に向けた実証実験

 

■港湾関連ビジネス

  • 区分別港湾数/港湾管理者数一覧
  • 経過年数別港湾数(2025年8月時点)
  • 港湾取扱貨物量の推移
  • 主な港湾関連施設
  • 用途分類と主な入港船舶の概略
  • カテゴリー別の主要港湾ITプレイヤー
■港湾ITビジネスの現状と方向性
  • 港湾IT市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 港湾IT市場のカテゴリー別構成(2023~2024年度平均)
  • 港湾IT市場の地域別の内訳(2023~2024年度平均)
  • 港湾IT関連プロジェクト一覧:2023~2024年度
■港湾ビジネスの現状評価と展望

 

■水関連ビジネスの事業構造

  • 水関連事業の事業概要
  • 水関連ビジネスでの主なシステム・設備
  • 上水道関連業務での主なIT関連システム
  • 地方公営企業の分野別内訳(2024年度決算規模ベース)
  • 地方公営企業の決算規模の推移(2017~2024年度)
  • 地方公営企業の建設投資の推移(2017~2024年度)
  • 地方公営企業(水関連事業)の事業数
■水関連ITビジネスの現状と構造
  • 水関連IT 市場規模推移(2020~2025年度見込)
  • 水関連IT関連主要プロジェクト一覧:2023~2024年度

 

■河川関連ビジネスの構造

  • 水系別の河川分類
  • 河川区分及び管理者
  • 河川法・水防法・その他関連法規の対象範囲
  • 河川関連ITシステムの概要
■河川ITビジネスの現状と構造
  • 河川IT関連主要プロジェクト一覧:2023~2024年度
■河川IT市場規模
  • 河川IT 市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 河川周辺でのITソリューション
■河川ITビジネスの現況と展望
  • 主な革新的河川技術プロジェクト
  • 河川管理における問題点・課題
  • 河川管理施設のうち築50年を経過する施設割合の推移
  • 河川ITビジネスの展望

 

■ダム関連ビジネスの事業構造

  • ダムの目的分類別の数
  • ダムの用途と目的
  • ダム管理での事業主体
  • ダムITビジネスの位置づけとビジネス構成
■ダムITビジネスの現状と構造
  • 国交省の取り組み
  • ダムIT 市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • カテゴリー別のダムITプレイヤー
  • ダムIT関連主要プロジェクト一覧:2023~2024年度
  • 有力IT ベンダーのダムIT ビジネス
■ダムITビジネスの評価と展望
  • ダム・堰コントロールシステムに必要な機能一覧
  • ダム・堰コントロールシステムの概要
  • ダムITに関する背景要因

 

■防災/警察関連の事業構造

  • JBPのソリューションマップ
  • 防災/警察関連ビジネスの業務構成
  • 国土交通省での防災ITに関連する予算内訳
  • 「国土強靱化予算」での防災ITの関連する内訳状況
■防災/警察ITの現状と構造
  • 防災/警察IT市場規模推移(2020~2025年度見込み)
  • 防災/警察IT市場のカテゴリー別の内訳(2023~2024年度平均)
  • 防災/警察IT市場の地域別の内訳(2023~2024年度平均)
  • 主要防災ITプレイヤー一覧
  • 主な防災/警察関連プロジェクト:2023-2024年度
■防災/警察関連ITの現況評価
  • 新総合防災情報システム(SOBO-WEB)の概要図
  • 防災向けAI活用イメージ
  • 防災DXサービスマップの全体像
  • 有力IT事業者の防災/警察関連ITでの事業動向
  • 防災/警察ITでの近年の技術取り組み事例

 

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関連リンク

■レポートサマリー
社会インフラIT市場に関する調査を実施(2023年)

■アナリストオピニオン
インフラ保全で進むITテクノロジー活用!
IoT社会はセンサーネットワークによって実現する
センサーネットワークは社会インフラ化する
ITインフラモニタリングの期待と可能性

■デイリーコラム
【発刊裏話】「2026 社会インフラ向けICT市場の実態と展望 ~インフラ保全・点検で進むデジタル技術/衛星データの活用~」
【アナリスト便り】「2026 社会インフラ向けICT市場の実態と展望 ~インフラ保全・点検で進むデジタル技術/衛星データの活用~」を発刊

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調査要綱

調査対象:官公庁、地方自治体、公的機関、ITベンダー/SIer、通信事業者、建設事業者、電機メーカー、重電メーカー、建設コンサルティング事業者など
調査期間:2025年8月~2026年2月
調査方法:当社専門研究員による文献調査、直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング等を併用

※社会インフラITとは:本調査における社会インフラIT(従来型社会インフラIT)とは、①道路(高速道路、直轄国道、一般国道、地方道、信号機/交通管制システムなど)、②鉄道(JRグループ、地下鉄、私鉄、公営鉄道など)、③空港(拠点空港、地方管理空港、共用空港、その他空港)、④港湾(国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾、地方港湾、56条港湾)、⑤河川(一級河川、二級河川など)、⑥ダム、⑦水関連(上水道、簡易水道、下水道、浄水場、排水処理、農業用水など)、⑧防災・消防/警察の8分野を対象とした。
社会インフラIT市場規模には、工事費(電気設備・通信設備/その他工事)、ハードウェア、ソフトウェア、設備・機器、SI(システム・インテグレーション)、コンサルティング、サービスサポート、維持管理費、要員派遣費などを含み、国や自治体、インフラ運営事業者(高速道路事業者、鉄道事業者、民間空港等)の発注金額ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
①道路、②鉄道、③空港、④港湾、⑤河川、⑥ダム、⑦水関連、⑧防災・消防/警察の8分野での社会インフラIT

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早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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