矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2023.04.20

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2022年)

2022年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比9.7%増を見込む。消費者に誤認を与えうる広告の排除が市場の大きな課題であり、成長の促進要因に。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のアフィリエイト市場を調査し、市場概況、アフィリエイトサービス事業者(ASP)の動向を明らかにした。

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【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】

【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:市場規模は、アフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し、算出。
  • 注:2022年度は見込み、2023年度以降は予測値。

 

アフィリエイト市場の概況

2021年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比8.8%増の3,505億3,000万円と推計した。予算を抑えていた広告主の出稿が例年通りの傾向に戻り、市場は順調に伸びている。分野別では2021年度も引き続きコロナ禍の影響によりエステティックサロンなどの来店型や旅行業などの一部分野で業績低迷が続いていたが、一方で、金融やオンライン講座などのオンライン特化型サービス分野が大きく成長した。

2022年度はコロナ禍で在宅時間の増加により急増した分野(ビデオ・オン・デマンドなどの映像配信、食品宅配、インターネットなどの通信分野関連など)は落ち着いたものの、コロナ禍で打撃を受けた分野の回復や広告主のアフィリエイト広告への予算拡大、新規分野(オンラインを想定した新生活様式に合わせたサービスや商品分野)の開拓により、前年度以上の成長率が見込まれ、2022年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比9.7%増の3,846億5,000万円を見込んでいる。

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アフィリエイト市場の注目トピック

■消費者庁ガイドライン強化による市場健全化の取り組み
近年、アフィリエイト広告に対する消費者庁のガイドラインが強化され、市場の健全化が図られている。2022年2月には消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会」から報告書が出され、景品表示法に基づく指針(「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」)が改定された。これにより行政ガイドラインにアフィリエイトに関する事項が追加された。

​消費者に誤認を与えうるアフィリエイト広告を排除していくことが現行のアフィリエイト市場の大きな課題である。アフィリエイトサービス事業者(ASP)の多くは景品表示法に基づく指針の強化について、市場の健全化のための正しい取り組みであると認識しており、悪質な広告や事業者が排除されることによって中長期的にはアフィリエイト市場成長の促進要因になるものとみている。

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アフィリエイト市場の将来展望

現下、主要なアフィリエイトサービス事業者(ASP)の業績が堅調に推移し、さらに新興ASPによる取り扱いが増えることから市場は拡大基調にある。
業種別では、金融とインターネット通販(EC)分野が堅調に拡大している。2020年はコロナ禍の影響により、消費者のオンラインでの消費行動が活発化した。このような傾向は今後も継続し、オンラインでの情報量がさらに増加すると予想されることから、アフィリエイト市場も拡大するものとみる。

今後の市場成長性については、新興ASPによる取り扱いの増加や新規分野の開拓、新規広告主の市場参入、広告主のアフィリエイト広告への予算拡大などにより、2023年度から2026年度までの年平均成長率(CAGR)は10.0%で推移し、2026年度の国内アフィリエイト市場規模は5,639億円に達すると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • アフィリエイトサービスの分類
  • 「ASP(代理店型)」のビジネスモデル
  • 「モール型」のビジネスモデル
  • 「独自型」のビジネスモデル
  • 「プラットフォーム型」のビジネスモデル
  • アフィリエイト総市場規模推移
  • PCアフィリエイト市場規模推移
  • モバイルアフィリエイト市場規模
  • アフィリエイト総市場規模予測
  • PCアフィリエイト市場規模予測
  • モバイルアフィリエイト市場規模予測
  • 主要ASPの事業経緯一覧
  • 主要参入企業一覧(60社)
  • 主要ASPのサービス概要一覧
  • 主要ASPの業績動向
  • 主要ASPの需要分野における業種別構成比
  • アフィリエイト市場規模推移
  • アフィリエイト市場シェア推移
  • アフィリエイト市場シェア(2021年度)
  • アフィリエイト市場シェア(2022年度見込)
  • 主要ASPの広告主のニーズと取組み一覧
  • 主要ASPのアフィリエイトメディアのニーズと取組み一覧
  • 主要ASPの注力分野一覧
  • 主要ASPの営業体制
  • 主要ASPの事業戦略・今後の取組み一覧
  • 主要ASPの課題
  • アフィリエイト市場の成長性
  • アフィリエイト広告への取り締まり強化について
  • クッキーレスがアフィリエイト市場に与える影響
  • ASP各社のアドベリフィケーション対策
  • インボイス制度の導入への対策/アフィリエイト市場に与える影響
  • アフィリエイト市場予測(2022~2026年度)
  • アフィリエイトを始めてからの年数
  • アフィリエイト運営にかける時間
  • ひと月のアフィリエイト収入
  • ひと月のアフィリエイト収入×アフィリエイト運営にかける時間
  • ひと月のアフィリエイト収入×アフィリエイトを開始してからの年数
  • アフィリエイト収入の増減
  • 新型コロナによる影響
  • ASPの専属担当(個人担当)の状況
  • 現在掲載中の特別報酬案件の状況
  • 一番力を入れている広告主のジャンル(MA:複数回答)
  • 二番目に力を入れている広告主のジャンル(MA:複数回答)
  • 三番目に力を入れている広告主のジャンル(MA:複数回答)
  • 今後取組んでみたいジャンル(MA:複数回答)
  • 利用しているアフィリエイトサイトの作成ツール(MA:複数回答)
  • アフィリエイトサイトへの集客手段(MA:複数回答)
  • ITPに関する見解
  • 主要ポイントサイト運営事業者の概要
  • ポイントサイト市場規模推移と予測(売上高ベース)
  • 国内BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
  • 物販系EC市場規模およびEC化率推移
  • ネットショッピング利用世帯の割合の推移(2019~2022年)
  • ネットショッピングの支出額(二人以上の世帯)の推移(2019~2022年)
  • Amazonグロバルの売上高推移(2018~2021年度)
  • Amazonグローバル売上高の内訳(2021年)
  • Amazonグローバル売上高の内訳推移(2019~2021年)
  • Amazon日本事業の売上高推移(2018~2021年)(単位:百万ドル)
  • 楽天の国内EC事業の売上高推移(2018~2020年度)
  • スマートフォン経由のEC市場規模の推移(物販系BtoC-EC)
  • ショッピング取扱高推移(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2021年度)
  • ショッピング取扱高シェア(イシュアベース:2020年度)
  • ショッピング取扱高予測(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高予測(カード決済/モバイル決済別:2021年度~2027年度)
  • 株式会社アドウェイズ(JANet/Smart-C/AppDriver)
  • 株式会社インタースペース(アクセストレード)
  • 株式会社キャナル(プレミアアフィリエイト)
  • GMO TECH株式会社(GMO SmaAD、GMO SmaAFFi)
  • バリューコマース株式会社(バリューコマースアフィリエイト)
  • 株式会社ファンコミュニケーションズ(A8.net)
  • 株式会社レントラックス(Rentracks)
  • 株式会社ロンバード(felmat)

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  • セグメント別の動向
    • 業種別の動向
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調査要綱

調査対象:アフィリエイトサービス事業者(ASP:アフィリエイトサービスプロバイダ)、業界団体等
調査期間:2022年11月~2023年1月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびにアンケート調査、文献調査併用

※アフィリエイト市場とは:アフィリエイトとは、Webサイトやブログ、SNSなどに、ある企業サイトへの広告(リンク)を張り、閲覧者がそのリンクを経由して当該企業のサイトで会員登録したり商品を購入すると、Webサイトやブログ、SNSなどのサイトオーナーに成果(コンバージョン)が発生した時に、一定額の報酬が支払われるという広告手法を指す。
本調査におけるアフィリエイト市場とは、①各種広告主とサイトオーナーを仲介し、広告主から広告料・手数料を得て、サイトオーナーに報酬を支払うASP(代理店)型、②仮想ショッピングモール出店事業者から取り扱い商品の販促目的で広告料・手数料を得て、サイトオーナーに報酬を支払うモール型、③自社のショッピングサイトにある商品・コンテンツの販促目的で自社が広告主となり、サイトオーナーに報酬を支払う独自型、④アフィリエイトに必要なトラッキングシステムや分析ツールを提供し、報酬を得るプラットフォーム型を対象とした。

なお、国内アフィリエイト市場規模はアフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し、算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
各種のアフィリエイトサービス

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