矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2025.03.21

アフィリエイト市場に関する調査を実施(2025年)

国内アフィリエイト市場の伸長率は今後緩やかに推移すると予測。不正行為に対する新たな法規制の導入で業界全体の健全化が期待されている。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のアフィリエイト市場を調査し、市場概況、アフィリエイトサービス事業者(ASP)の動向を明らかにした。

「アフィリエイト市場に関する調査を実施(2025年)」 小見出し一覧

【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】

【図表:国内アフィリエイト市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:市場規模は、アフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し、算出した。
  • 注:2024年度は見込値、2025年度以降は予測値。

 

アフィリエイト市場の概況

2023年度はクレジットカード系やカードローン等金融分野における一部広告主の予算縮小やコロナ禍以降急成長したEC分野の成長が鈍化したことで、前年度に比べて成長率は減少し、2023年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比107.2%の4,113億4,000万円となった。
2024年度も引き続き金融分野とEC分野において成長鈍化がみられる。一方、コロナ禍をきっかけにオンライン診療に関する法改正が行われ、オンラインクリニック分野のアフィリエイト需要が拡大している。また、2023年からステマ(ステルスマーケティング)規制が実施され、業務停止や罰金処分が課せられている。一部のアフィリエイトサービス事業者(ASP)の売上が縮小したり、新興ASPの中には淘汰されるような影響も出ると考えられる。
このような状況を踏まえ、2024年度の国内アフィリエイト市場規模は、前年度比106.5%の4,382億円の見込みである。

▲小見出し一覧に戻る

 

アフィリエイト市場の注目トピック

■不正行為への取り締まり強化により、業界全体の健全化が進展
2023年10月からステマ規制が実施され、メディアやASPにおいて、広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する不正行為に対する管理体制が非常に重要となった。
また、2024年にかけて、これまで不正行為で売上を伸ばしていた悪質な事業者に対して、実際に業務停止や罰金処分が多く課されるようになり、アフィリエイト業界全体において健全化が進んでいくとみられる。最近では、特にSNSやYouTubeなどの広告プラットフォーム上で、「著名人なりすまし」の投資詐欺や、SNS系ロマンス詐欺が社会問題となっており、各広告プラットフォームの規制がさらに厳格化している。
2025年以降、新たな法規制がアフィリエイト業界に導入される見込みで、不正行為を繰り返す悪質業者は徐々に市場から淘汰されていくと期待されている。

▲小見出し一覧に戻る

 

アフィリエイト市場の将来展望

国内アフィリエイト市場は今後も拡大していくものの、過去に比べて伸長率は穏やかに推移していくと予測する。

市場成長の要因としては、新たにアフィリエイトを利用する広告主やオンラインクリニックのような新規ジャンルからのアフィリエイト参入、若年層アフィリエイターによるメディア参加の増加、新しいECプラットフォームの登場などが挙げられる。
近年、ECの利用率の増加と共にモール型のビジネスによるアフィリエイト需要は好調に伸びている。これに加え、新たな大型ECプラットフォーム運営企業による自社アフィリエイトプログラムが登場する可能性は十分にあると考えられる。さらに、近年アフィリエイトに対する法規制の整備が進み、市場の健全化が進展している。これにより、不正が多発している他の広告プラットフォームにおける広告予算がアフィリエイトに流れてくる可能性もあると考えられる。
上記のような要因から、2023年度から2028年度までのアフィリエイト市場のCAGR(年平均成長率)は7.2%となり、2028年度の国内アフィリエイト市場規模は5,835億円に達すると予測する。

▲小見出し一覧に戻る

 

参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • アフィリエイトサービスの分類
  • 「ASP(代理店型)」のビジネスモデル
  • 「モール型」のビジネスモデル
  • 「独自型」のビジネスモデル
  • 「プラットフォーム型」のビジネスモデル
  • アフィリエイト市場規模推移
  • アフィリエイト市場規模予測
  • 主要ASPの事業経緯一覧
  • 主要参入企業一覧(61社)
  • 主要ASPのサービス概要一覧
  • 主要ASPの業績動向一覧
  • 主要ASPの業種別構成比一覧
  • 広告主のニーズと取組み一覧
  • アフィリエイトメディアのニーズと取組み一覧
  • 主要ASPの注力分野一覧
  • 主要ASPのAIを活用した取組み一覧
  • 主要ASPの事業戦略・今後の取組み一覧
  • 主要ASPの課題一覧
  • 主要ASPの考える市場の見通し一覧
  • アフィリエイトを始めてからの年数
  • ひと月のアフィリエイト収入
  • ひと月アフィリエイト収入×一日にアフィリエイト運営にかける時間
  • ひと月のアフィリエイト収入×アフィリエイトを開始してからの年数
  • アフィリエイト収入の増減
  • 一番力を入れている広告主のジャンル
  • 二番目に力を入れている広告主のジャンル
  • 三番目に力を入れている広告主のジャンル
  • 今後取組んでみたいジャンル
  • 利用しているASPの満足度
  • 最も力を入れている集客方法(単一回答)
  • 現在利用しているSNS(複数回答)
  • 現在利用している広告媒体(複数回答)
  • アフィリエイト市場規模推移
  • 事業者セグメント別市場シェア(2023年度、2024年度見込み)
  • ASP事業者別市場シェア(2023年度、2024年度見込)
  • アフィリエイト市場予測(2024~2028年度)
  • 主要ポイントサイト運営事業者の概要
  • ポイントサイト市場規模推移(売上高ベース)
  • 主要ポイントサイトの会員獲得に向けた取組み
  • コンテンツの拡充に関する取組み
  • AI活用に関する取組み、考え方
  • データ活用や顧客対応に関する取組み
  • 事業者の課題
  • 事業者の今後の方向性
  • 事業者の市場に対する考え方
  • 韓国の重要アフィリエイト事業者とサービス
  • NAVER AdPostの広告サービス
  • 国内BtoC-EC市場規模の経年推移2013~2023年
  • 物販系分野のBtoC-EC市場規模およびEC化率推移
  • スマートフォン経由のEC市場規模の推移(物販系BtoC-EC)
  • インターネットを通じて注文をした世帯の割合の推移(2021~2024年)
  • ネットショッピングの月支出額(二人以上の世帯)の推移(2021~2024年)
  • Amazon グローバルの売上高推移(2020~2023年度)
  • Amazon グローバル売上高のセグメント別推移(2020~2024年)
  • Amazon 日本事業の売上高推移(2020~2023年)
  • 楽天 国内EC事業の売上収益の推移(2020~2023年)
  • 楽天 国内EC流通総額の推移
  • コマース事業の主なサービス・商品
  • LINEヤフーの「コマース事業」売上推移(2020~2023年度)
  • LINEヤフーの「eコマース」取扱高の推移(2020~2023年度)
  • ショッピング取扱高推移(イシュアベース)
  • ショッピング取扱高予測(イシュアベース)
  • カード会社の業績及び事業実績
    • 営業収益
    • 経常利益
    • 当期純利益
    • 有効会員数
    • プレミアムカード会員数
    • カード取扱高(ショッピング)
    • カード取扱高(キャッシング)
    • ショッピングリボ・分割払い残高
    • キャッシング残高
  • 株式会社アドウェイズ(JANet/Smart-C/AppDriver)
  • 株式会社インタースペース(アクセストレード)
  • 株式会社キャナル(プレミアアフィリエイト)
  • GMO TECH株式会社(GMO SmaAD、GMO SmaAFFi)
  • 株式会社Skyfall(SKYFLAG)
  • バリューコマース株式会社(バリューコマースアフィリエイト)
  • 株式会社ファンコミュニケーションズ(A8.net)
  • 株式会社レントラックス (Rentracks)
  • 株式会社ロンバード(felmat)

▲小見出し一覧に戻る

 

関連リンク

■レポートサマリー
アフィリエイト市場に関する調査を実施(2024年)
アフィリエイト市場に関する調査を実施(2022年)
アフィリエイト市場に関する調査を実施(2021年)
アフィリエイト市場に関する調査を実施(2020年)

■アナリストオピニオン
AIの普及とアフィリエイトの再評価

■デイリーコラム
【発刊裏話】「2025アフィリエイト市場の動向と展望」
【アナリスト便り】「2025アフィリエイト市場の動向と展望」を発刊

■同カテゴリー
[ICT全般]カテゴリ コンテンツ一覧
[通信/放送/ネットワーク]カテゴリ コンテンツ一覧
[情報サービス/ソリューション]カテゴリ コンテンツ一覧
[コンピュータ/システム]カテゴリ コンテンツ一覧
[コンテンツ/アプリケーション]カテゴリ コンテンツ一覧
[テクノロジ/デバイス]カテゴリ コンテンツ一覧
[ネットビジネス]カテゴリ コンテンツ一覧
[エンタープライズ]カテゴリ コンテンツ一覧
[金融・決済]カテゴリ コンテンツ一覧
[その他]カテゴリ コンテンツ一覧
[ソフトウェア]カテゴリ コンテンツ一覧
[グローバル・海外]カテゴリ コンテンツ一覧

▲小見出し一覧に戻る

 

オリジナル情報が掲載されたショートレポートを1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
   Aパターン
  • 注目セグメントの動向
    • 業種別の動向
    • 事業者セグメント別市場シェア(モール型・独自型/主要ASP/その他新興ASPなど)
  • 注目トピックの追加情報
    • 囲い込み型メディア戦略の増加
    • AIの浸透とアフィリエイトの再評価
  • 将来展望の追加情報
以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

利用方法を確認する


調査要綱

調査対象:アフィリエイトサービス事業者(ASP:アフィリエイトサービスプロバイダ)、業界団体等
調査期間:2024年11月~2025年1月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)ならびにアンケート調査、文献調査併用

※アフィリエイト市場とは:アフィリエイトとは、Webサイトやブログ、SNSなどに、ある企業サイトへの広告(リンク)を張り、閲覧者がそのリンクを経由して当該企業のサイトで会員登録したり商品を購入すると、Webサイトやブログ、SNSなどのサイトオーナーに成果(コンバージョン)が発生した時に、一定額の報酬が支払われるという広告手法を指す。

本調査におけるアフィリエイト市場とは、①各種広告主とサイトオーナーを仲介し、広告主から広告料・手数料を得て、サイトオーナーに報酬を支払うASP(代理店)型、②仮想ショッピングモール出店事業者から取り扱い商品の販促目的で広告料・手数料を得て、サイトオーナーに報酬を支払うモール型、③自社のショッピングサイトにある商品・コンテンツの販促目的で自社が広告主となり、サイトオーナーに報酬を支払う独自型、④アフィリエイトに必要なトラッキングシステムや分析ツールを提供し、報酬を得るプラットフォーム型を対象とした。

なお、国内アフィリエイト市場規模はアフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し、算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
各種のアフィリエイトサービス

関連マーケットレポート
金貞民(キムジョンミン) 上級研究員
業界の皆様の新たなアイディアを整理し、方向性を提示することもリサーチャーの役割と思います。 常に市場変化を敏感に観察しながら、業界の皆様に価値のあるデータが提供できるよう精進して参ります。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422