矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.11.29

来店型保険ショップ市場に関する調査を実施(2022年)

コロナ禍の影響を受け、Web相談導入企業は3割。この1年間で約10ポイント拡大。また、AIを利用したチャットボットやアバターを活用した相談を導入する企業も。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の来店型保険ショップ市場を調査し、市場の動向、市場規模(新契約年換算保険料)、新規契約件数、将来展望を明らかにした。

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【図表:来店型保険ショップの市場規模(新契約年換算保険料)推移】

【図表:来店型保険ショップの市場規模(新契約年換算保険料)推移】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:各事業者の会計(決算)年度における新契約年換算保険料ベース
  • 注:2021年度は見込値、2022年度は予測値

 

来店型保険ショップ市場の概況

コロナ禍の影響もあり2019年度は生命保険の新規契約高と新規契約件数が減少し、新契約年換算保険料も減少した。対面販売が主流であった来店型保険ショップ市場も2019年度は大きな影響を受けた。その後、顧客の非対面ニーズを捉えたWeb相談件数が増加したことに加え、感染対策の下での集客イベントも再開され、2020年度は増加に転じた。
2021年度は行動制限などの緩和が図られてはいるが、長引くコロナ禍の影響は残り来店客の戻りは厳しく、店舗の統廃合も進んだ。収益面でも増収増益となった来店型保険ショップ経営企業もあるが、減収減益の企業も増え、格差が一層鮮明化した。その結果、2021年度の来店型保険ショップ市場規模(新契約年換算保険料)は前年度比2.7%減の1,912億円と見込む。

2022年度は、コロナ禍で顧客の行動変容が続く中、各企業は来店型に訪問型を加えた対面販売に加え、非対面のWeb相談を交えたハイブリッド型の営業スタイルのブラッシュアップを図っている。また、若年層・ファミリー層の新規加入促進や老後を見据えた資産形成などの長生きリスクも取り込んだ販促を進めるものの、来店客は回復しきらず、2022年度の同市場規模を同0.5%増の1,922億円、新規契約件数を190万件と予測する。

※一般社団法人生命保険協会統計資料

【図表:Web相談の導入実態】

【図表:Web相談の導入実態】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:左図は、来店型保険ショップ経営企業273社を対象とし、Web相談実施の有無を調査
  • 注:右図は、Web相談実施中の経営企業82社の展開している店舗数を調査した。オンライン専業で0店舗の企業等を含む。

 

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来店型保険ショップ市場の注目トピック

■この1年でWeb相談導入企業は20%から30%に拡大、アバターの導入も
コロナ禍をきっかけに広がった新たな試みが非対面の「Web相談」である。2022年8月現在、来店型保険ショップ経営企業273社のうち、82社(30.0%)がWeb相談を導入していた。2021年8月の前回調査では、約20%の企業が導入していたので、この一年間で約10ポイント拡大している。保険販売では一定の対面ニーズが潜在的にある一方で、新たに相談チャネルの多様化を図ることができたWeb相談は、激減した新規の来店客や相談客を補えるポテンシャルを示した。
展開している店舗数別でWeb相談の導入率をみると、100店舗以上の企業6社が全て導入(100.0%)に対し、0~2店舗の企業の導入率は17.5%(32社)にとどまり、店舗展開数による導入格差があることが分かった。一方で、数店舗展開の小規模地場企業から全国展開する大規模企業まで、店舗数に関係なくWeb相談を採り入れている。 また、AIを利用したチャットボット機能はもとより、アバターを活用した相談を導入する企業もあり、顧客体験の向上に努めている。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 販売チャネル
  • 顧客接点から見た多様化する販売チャネル
  • 生保の乗合来店ショップの誕生
  • 生命保険業界の年間新規契約の規模推移
  • 生命保険業界の保有規模推移
  • 生命保険業界の新契約年換算保険料
  • 生命保険の世帯加入件数
  • コロナ禍における生保の契約動向(新契約年換算保険料)
  • コロナ禍における第三分野のシェア(新契約年換算保険料)
  • 市場規模推移(新契約年換算保険料)
  • 来店型保険ショップの年間新規契約件数
  • 業界を取り巻く動向
  • 主な業界動向
  • 来店ショップ企業の再編、財務基盤強化の状況
  • 参入している異業種
  • 異業種、大手資本、金融機関の取組み
  • 生命保険会社、損害保険会社の保険会社の取組み
  • 生命保険会社の多様化する販売チャネル
  • 有力生命保険会社の多様化する販売チャネル
  • 業界におけるWeb相談の導入企業の割合
  • 業界全体のWeb相談導入店舗の割合
  • Web相談等への取組みと効果、予定
  • 来店ショップ等企業のDX推進の現状
  • Web相談等のメリット、デメリット
  • 生命保険会社のデジタル化の取組み(新契約時)
  • 生命保険会社のデジタル化の取組み(保全時)
  • 生命保険会社のデジタル化の取組み(支払・請求時)
  • 有力生命保険会社のオンライン化の現状
  • 生保のWeb相談等への取組みと効果、予定
  • 個人への訪問の注力状況と影響、今後の予定
  • 法人への注力状況
  • 法人向け生命保険の市場規模(新規契約年換算保険料)
  • その他の取組み
  • 代理店への取組み
  • 代理店網の見直し
  • 子会社代理店等との協業状況
  • 代理店への顧客誘致策
  • 販売チャネルへの期待度
  • 金融サービス提供法の概要
  • 金融サービス仲介業の意向
  • 介護、住宅ローン、相続相談等
  • 保全代行
  • その他の取組み
  • 保険業界以外での顧客接点強化策
  • FD宣言公表企業数の推移
  • FD宣言、自主的KPI公表企業数と構成比(2ヵ年比較)
  • 生命保険のチャネル別契約構成の推移
  • 満足度の変化と満足度が増減した項目(2021年調査時点)
  • 有力生命保険会社の中期経営計画
  • 中期経営計画
  • 有力生命保険会社のDX戦略
  • DX戦略
  • 事業戦略
  • 各社の課題と今後
  • 各社の差別化策
  • 将来展望
  • 生命保険会社からみた業界展望と課題
  • 来店ショップ等企業からみた業界の展望
  • 業界展望に対する課題
  • 来店ショップ等企業からみた業界の課題
  • 来店ショップ経営企業
  • 生命保険の代理店数推移
  • 損害保険の実在代理店推移数
  • 乗合代理店の推移
  • 来店型保険ショップ経営企業の設立時期
  • 来店型保険ショップ経営企業の従業員数構成
  • 来店型保険ショップ経営企業の資本金構成
  • 店舗数の増減変化
  • 規模別に見た店舗数の増減
  • 来店ショップ経営企業の店舗数増減率
  • 来店型保険ショップ経営企業の平均出店店舗数
  • 規模別の店舗増減数
  • 提携保険会社数の動向【平均】
  • 規模別提携保険会社数の動向
  • 全体に占める提携保険会社数が多い上位企業シェア
  • 全体に占める提携保険会社数が多い上位企業の構成比
  • 提携保険会社数
  • 収益増減構成の推移
  • 各社の営業収入の推移
  • 各社の当期純利益の推移
  • 2022年内、2023年の見込み
  • 新規開拓策
  • 新規開拓の課題と対策
  • 既存顧客の囲い込み策
  • 顧客利便性向上のための施策
  • 推奨商品の選定条件の現状と今後の方針
  • 生命保険(個人)の種別構成の推移
  • 生命保険会社の注力商品
  • 損害保険の種別構成
  • 来店保険ショップの生命保険・新契約件数の種別構成(各社直近年度)
  • 来店保険ショップの損害保険・新契約件数の種別構成(各社直近年度)
  • 生保の売れ筋、高シェア会社・商品
  • 損害保険の注力方針、販売方針
  • 今後の注目商品
  • 契約者数
  • 保有実績(生保、損保、その他の合算)
  • 保有実績(生保)
  • 保有実績(損保)
  • 新契約実績(生保、損保、その他の合算)
  • 新契約実績(生保)
  • 新契約実績(損保)
  • 新契約年換算保険料(生保、損保、その他の合算)
  • 生命保険業界の新契約年換算保険料
  • 顧客の来店目的、ニーズ変化
  • 生命保険会社での顧客動向、ニーズ変化
  • ターゲット層
  • 既存と新規顧客の変化
  • 今後の顧客動向予測
  • 店舗展開地域のイメージ
  • 店舗展開地域と今後の展開
  • 生目保険会社の店舗展開の現状
  • アフラックの店舗展開地域別店舗数
  • 店舗数推移(3ヵ年)
  • ほけんの窓口グループ(株)
  • (株)アドバンスクリエイト
  • (株)アイリックコーポレーション
  • ライフネットみらい(株)
  • アフラック生命保険(株)
  • ライフネット生命保険(株)

★取材に協力頂いた企業や情報開示を行なっている企業が少ないため、参考数値として例示に留まる項目もあります

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関連リンク

■レポートサマリー
生命保険の販売チャネルに関する調査を実施(2023年)
来店型保険ショップ市場に関する調査を実施(2021年)
来店型保険ショップ市場に関する調査を実施(2020年)
来店型保険ショップ市場に関する調査を実施(2019年)
生命保険の営業職員アンケート調査を実施(2023年)

■同カテゴリー
[金融・決済]カテゴリ コンテンツ一覧

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調査要綱

調査対象:従来型の生命保険会社、ネット保険会社、来店型保険ショップ経営企業、オンライン型や保険関連サイトを運営する乗合代理店、訪問販売型乗合代理店など、保険募集実績がある企業、新規参入企業等
調査期間:2022年8月~10月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※来店型保険ショップとは:本調査における来店型保険ショップとは、複数の保険会社と提携した乗合代理店とし、市場規模は同店舗で販売される保険商品について、各事業者における会計(決算)年度の新契約年換算保険料ベースにて算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
個人向け生命保険及び損害保険、法人向け生命保険及び損害保険

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