矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2020.09.16

フィールドワーク支援ソリューション市場に関する調査を実施(2020年)

製造、建設及びインフラ設備/エネルギー設備保全がシールドワーク支援ソリューションマーケットを牽引。近年では、各種ロボットを利用したシステムソリューションも増加している。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のフィールドワーク支援ソリューション市場を調査し、需要分野別の動向、分野毎の主なソリューション事例、将来展望などを明らかにした。

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【図表:フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移・予測】

【図表:フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2020年度は見込値、2021年度以降は予測値

フィールドワーク支援ソリューション市場の概況

2019年度の国内フィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比129.6%の442億円と推計した。なお、市場規模には、ITベンダーがパッケージやソリューションとして提供しているものに加えて、大規模なSI/システム開発案件の一部を構成する類似ソリューション、PoC(概念実証)/実証試験段階のもの、さらにはユーザ事業者の自社開発システム分なども対象としている。

需要分野別にみると、製造、建設及びインフラ設備/エネルギー設備保全などのプロジェクト規模の大きな案件がマーケットを牽引している。一方で、稼働中のシステム数/デバイス数の多い介護や医療/ヘルスケア分野では、一件当りの案件規模が限定的なため、市場に占める構成比率は低い。

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フィールドワーク支援ソリューション市場の注目トピック

■業務支援ソリューション
フィールドワーク支援ソリューションは、「業務支援」「健康・安全管理」「教育・研修/トレーニング」の3つのソリューションに大きく分類できる。 「業務支援」は現場作業者の業務支援を行うソリューションで、製造/工場をはじめとした各種設備・機器の保全/メンテナンス業務を支援するシステムが主体となっている。その他、現場業務全般での作業支援や業務の効率化、事務作業の軽減(台帳ソリューションなど)を目的としたソリューションも多い。近年では、各種ロボットを利用したシステムソリューション(作業支援、コミュニケーション、協働型、業務用など)も増えており、工場や大型商業施設、交通拠点(ターミナル駅、空港など)、建設現場などでの実装が進む。

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フィールドワーク支援ソリューション市場の将来展望

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、システム開発や実証試験、現場での実装などの多くの作業が遅延しており、2020年度のフィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比97.5%の431億円と前年度割れを見込む。 コロナ禍が収束し、経済環境の回復とともに2021年度以降は拡大基調に転じ、2022年度頃からはローカル5G/5Gソリューション(第5世代移動体通信システム)に連動したフィールドワーク支援ソリューションも登場する見通しで、2022年度以降は年率20%超の高成長が続くと予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • フィールドワーク支援ソリューションでの要素技術/ターゲット
  • フィールドワーク支援ソリューションでのネットワーク
  • 主な現場系職種での有効求人倍率(2020年2月)
  • 業務支援ソリューションのイメージ
  • 健康・安全管理ソリューションのイメージ
  • 教育・研修/トレーニングのイメージ
  • フィールドワーク支援ソリューションマーケットの構造
  • ターゲット分野別のデバイス/ツール別の期待度
  • フィールドワーク支援ソリューショングで活用される技術
  • 健康経営に係る顕彰制度
  • 健康経営関連サービスの分類
  • 生産性向上サービスの概要
  • フィールドワーク支援ソリューション関連サービス一覧
  • フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移(システムベース)
  • フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移(デバイスベース)
  • フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移(金額ベース)
  • フィールドワーク支援ソリューションの需要分野別内訳(システムベース)
  • フィールドワーク支援ソリューションのデバイス別内訳(システムベース)
  • 今後の技術動向

■製造/工場

  • スマートデバイスを活用した事例
  • 「AR・VR」を活用した事業推進事例
  • RFID/GPSを活用した事業事例
  • 製造現場でのロボット/ドローンの活用事例
  • 現場作業者の健康管理事例
■建設
  • タブレットを活用した現場作業支援サービス事例
  • 竹中工務店 IoTプラットフォーム「TSUNAGATE(ツナゲート)」
  • 現場作業におけるロボット活用事例
  • 竹中工務店と鹿島建設の技術連携
  • i-Constructionによる生産性向上イメージ図
  • i-Construction推進コンソーシアム
  • i-Construction推進コンソーシアムにおいてマッチングされた内容
  • BIMの推進事例
  • 東急建設 ICTモデル現場 イメージ図
  • トンネル工事でのAI活用事例
  • 安藤ハザマ:切羽地質情報取得システム・取得データ活用ネットワーク
  • バイタル情報活用による作業者の健康管理事例
  • パワーアシストスーツ事例
■運輸
  • 運輸向けソリューション事例
  • 安全管理・健康管理ソリューション事例
■倉庫/物流
  • 総合物流施策大綱(2017~2020年)
  • 倉庫/物流向けWMSシステム
  • 倉庫/物流業務での作業と機能
  • 倉庫/物流でのフィールドワーク支援ソリューション事例
  • 国土交通省「空の産業革命に向けたロードマップ2019」
■医療(遠隔医療)/ヘルスケア
  • 遠隔医療に関する用語の定義
  • 遠隔医療/オンライン診療/オンライン受診勧奨/遠隔健康医療相談の関連性
■介護
  • 介護職員の推移
  • 介護職員の需要見通し
  • 介護サービスの分類と医療との関わり
  • 「居宅サービス分」の生産性向上のためのガイドライン
  • 「施設サービス分」の生産性向上のためのガイドライン
  • 介護職員の作業分類
  • 見守り支援機器の高齢者施設導入・販売状況
  • 介護向けアシストスーツ事例
■インフラ施設/エネルギー設備保全
  • インフラ施設/エネルギー設備保全向け現場作業支援事例
  • インフラ施設/エネルギー設備保全向けの生産性向上事例
  • インフラ施設/エネルギー設備保全向けの研修・トレーニング事例
■ビル管理
  • ビル管理における業務区分
  • ロボットを活用したビル管理業務の推進事例
  • タブレット/スマートフォン/スマートグラスを活用した事業推進事例
  • 日本ユニシス「まるっと点検 サービス概要」
  • スマートグラス/スマートグラスソリューション
■警備・セキュリティ
  • 警備業務の区分
  • ロボットを活用した警備業務例
  • ドローンを活用した警備業務事例
  • バーチャルキャラクターを活用した警備業務支援事例
  • スマートグラスを活用した警備業務支援事例
■農林水産・畜産
  • 農林水産・畜産でのIT活用事例
■防犯/見守り(子供・児童/高齢者向けソリューション)
  • 防犯業務支援ソリューション
  • KDDIグループ/セコム:スタジアム警備ソリューション
  • ALSOK 都市空間セキュリティソリューション
  • 児童見守り業務支援ソリューション
  • 高齢者見守り業務支援ソリューション
  • シャープAIoTプラットフォームを活用したサービス連携イメージ
■流通/小売
  • コミュニケーションロボット事例
  • 店頭巡回・在庫管理を担うロボット事例
  • 「AI×カメラ」の事例
  • 海外でのキャッシャーレスストア/無人店舗の事例
  • 日本における無人店舗の実証実験事例
  • 温度管理ソリューション事例
  • その他のフィールドワーク支援ソリューション事例
■料飲/外食
  • 寿司ロボットの主要ベンダ
  • キッチン自動化事例
  • レストランテック関連の事例
  • スマートデバイスを用いるオーダー・POSレジシステム事例
  • キッチンプリンター/レシートプリンター事例

 

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関連リンク

■レポートサマリー
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■アナリストオピニオン
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調査要綱

調査対象:ITベンダー、SIer、デバイスメーカー、通信事業者、ユーザ事業者、インフラ運営事業者など
調査期間:2020年5月~8月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話やeメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

※フィールドワーク支援ソリューション市場とは:フィールドワーク支援ソリューションとは、スマートデバイスやタブレットを始めとしたIT機器/IoTテクノロジーを活用した、ユニフォームを着て作業する現場作業者の業務をサポートするシステムを指し、作業者の業務負担の低減や作業効率の向上、働き方改革やワークスタイル変革への対応、作業者教育・トレーニング支援、ノウハウ継承支援などの実現を目的として導入される。
本調査におけるフィールドワーク支援ソリューション市場規模は、タブレットやスマートフォン、HMD(Head Mounted Display)、スマートグラス、ウェアラブルデバイス(時計、バンド、ウェアタイプ等)、ドローン、IoT型ロボットなどの端末やデバイス、システム開発費、通信モジュール、通信費、プラットフォーム・クラウド利用料、運用管理費などを対象として、事業者売上高ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
フィールドワーク支援ソリューションシステム

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産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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