矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2024.11.29

IoT/M2M市場に関する調査を実施(2024年)

国内M2Mの市場規模は2023年度で前年比10.4%増。2025年度以降も堅調な伸びを継続し、国内M2Mマーケットは2030年度に向けて高成長する見通し。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、世界のM2M市場、国内のIoT市場を調査し、市場規模、セグメント別の動向、参入企業動向、注目動向、将来展望を明らかにした。ここでは、国内M2M市場規模推移・予測について、公表する。

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【図表:国内M2M市場規模推移・予測】

【図表:国内M2M市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2024年度は見込値、2025年度以降は予測値
  • 注:M2Mを実現するためのネットワーク(ネットワーク機器、通信モジュール、センサー/デバイス)、プラットフォーム(クラウド)、システム(アプリケーション、ミドルウェアなど)等を対象とした。

 

IoT/M2M市場の概況

本調査では、人が介在せずに、主に携帯電話 / PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをするM2M(Machine to Machine:機器間通信)を対象とし、ネットワークを用いたシステム構築やプラットフォーム利用動向を調べた。
​2023年度の国内M2M市場規模は、事業者売上高ベースでは前年度比10.4%増の2,660億円と推計した。2023年度は2020~2021年度の低位推移から完全に脱却し、2022年度の勢いが継続した。コロナ禍以降、社会全般で広まった「遠隔・リモート志向」に加えて、「人手不足」や「働き方改革志向」なども相まって、M2Mビジネスの市場環境は完全に好転したといえる。

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IoT/M2M市場の注目トピック

■ローカル5G動向
2024年度からローカル5G利活用の検討・検証が本格化している。そして、ローカル5Gは2025年度以降には普及期に入ると考える。

短期的なローカル5Gビジネスとしては、ターゲットは「リアルタイム対応/遠隔モニタリング、業務最適化、意思決定支援、自動化・自動制御、(データ活用を基にした)予知・予測・予防、価値向上」といったテーマになる見込みである。
中・長期的に見ると、産業分野での5G型IoTは徐々に浸透する見通しである。2030年頃になると、既存のIoTシステムでのセルラー回線分(4G/LTE、3G、セルラーLPWA)や有線ネットワークなどを代替する形で、5G型IoTマーケットが形成されると予測する。そしてこの段階では、ローカル5G型とセルラー5G型のIoTネットワークが並列すると考える。

※参考資料:「 ローカル5Gソリューション市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年2月28日発表)

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IoT/M2M市場の将来展望

国内M2M市場は2025年度以降も引き続き堅調で年率10%前後の伸長を継続し、2030年度は5,300億円に成長すると予測する。
要因としては、まずは5G対応通信モジュールの登場により、カメラ・画像系ソリューション等での新たなM2M需要の創出がある。さらに、新車販売のうち、今後は通信機能を持った「コネクテッドカー」の比率が高まり、このカテゴリーでの需要底上げ効果も大きい。加えて近年では、LPWAや920MHz帯を中心とした新たなIoTネットワークの普及も進んでおり、この影響も新たなM2M需要の創出に奏功している。
以上のようなことを勘案すると、2030年度に向けて、国内M2Mマーケットは高い成長を遂げる見通しである。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

■M2M/IoT概況

  • 主なIoT向け通信規格
  • 920MHz帯のワイヤレスIoTでの問題点・課題>
  • 5G型IoTへの流れ
  • ローカル5Gのポテンシャル評価
  • M2M/IoTの活用見通し
  • 物流/倉庫関連での基礎データ
  • 流通小売での基礎データ
  • 防犯/セキュリティ関連での基礎データ
  • 医療・介護での基礎データ
  • 社会インフラ/防災関連での基礎データ
  • 農林水産/畜産での基礎データ
  • Wi-SUN市場規模推移(2020~2030年度)
  • Wi-Fi HaLow市場規模推移(2020~2030年度)
  • その他920MHz帯LPWA市場規模推移(2020~2030年度)
  • 機能別の周波数帯活用イメージ
  • フィールドワーク支援ソリューションでの要素技術/ターゲット
  • フィールドワーク支援ソリューションで実現すること
  • フィールドワーク支援ソリューションの需要分野別内訳(システムベース)
  • ターゲット分野×デバイス別の将来性評価
■M2M市場規模
  • 国内M2M市場規模推移(M2M売上ベース:2020~2030年度予測)
  • 国内M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2020~2030年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(M2M関連売上ベース:2020~2030年度予測)
  • 世界M2M市場規模推移(累計M2M回線数ベース:2020~2030年度予測)
■M2M市場の内訳
  • 国内M2M市場の内訳(2023年度)
  • 世界M2M市場の内訳(2023年度)
  • 海外の有力M2M/IoT関連事業者の事業動向
■分野別の国内M2M市場動向及び市場規模推移(2020~2030年度)
  • カテゴリー別のM2M市場規模推移(国内累計回線数)
  • カテゴリー別の構成比推移(%)
■IoT市場動向
  • 国内 IoT市場規模推移(IoT売上ベース:2020~2030年度予測)
  • 国内 IoT市場の内訳(2023年度)
  • IoTが生み出す価値イメージ
■CPS/デジタルツイン
  • デジタルツインの概念図
    • 分野別の動向_製造/工場
      • CTCのデジタルツインソリューション
      • Meisterシリーズでのデジタルツイン
    • 分野別の動向_建設/土木
      • リアルタイムデジタルツイン基盤のイメージ
      • 石見銀山メタバースプロジェクト事例
    • 分野別の動向_エネルギー/社会インフラ
      • デジタルツインの社会実装に向けたロードマップのイメージ
      • Smart Data Fusionのイメージ
      • 現場拡張メタバースのイメージ
    • 分野別の動向_医療/ヘルスケア
      • NTTグループでの取り組み
    • 分野別の動向_運輸・物流
      • アプリケーションアウェアICT制御技術のイメージ
    • 分野別の動向_流通/小売
    • 分野別の動向_農業/畜産
      • (株)Happy Qualityの取り組み
    • 分野別の動向_住宅/不動産
    • CPS/デジタルツイン市場規模予測(2020~2030年度予測)
    ■産業分野での「AI×IoT」活用
    • AI×IoTの活用イメージ
      • 電力分野
        • 次世代電力プラットフォームイメージ
        • SenaSonの概要
        • プラントの劣化診断向けAIイメージ
        • 鉄塔点検向けAI活用イメージ
      • 製造/工場分野
        • 常圧蒸留装置におけるAIによる安定的な自動運転
        • AI導入ガイドブックの概要
        • 行動分析AI
      • 建設分野
        • i-Construction 2.0の概要
        • EARTHBRAINの取り組み
        • 非SLAM型自律飛行ドローン
      • 物流分野
        • 無人点検管理への取り組み
        • トラック積載量の算出でのAI活用
      • 防災・防犯分野
        • AI警備システム「アジラ」
      • 医療・介護分野
      • 農業分野
        • 農機無人化の流れ
        • ピンポイント農薬散布サービスのイメージ
      • 小売分野
        • 主なレジレス店舗向けソリューション

       

■エネルギー関連

  • エネルギー関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2020~2030年度予測)
■流通/運輸・物流関連
  • 流通/運輸・物流関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2020~2030年度予測)
  • フィジカルインターネット事業での各社の役割
■設備・機器監視
  • 設備・機器監視分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2020~2030年度予測)
  • 「M2M×製造」によるイノベーションイメージ
■自動車関連
  • 自動車関連でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2020~2030年度予測)
■その他分野
  • その他分野でのM2M市場規模推移(累計回線数ベース:2020~2030年度予測)
  • 社会インフラでのIT活用の背景

 

■国内企業

  • 株式会社ABEJA
  • BIPROGY株式会社
  • 株式会社GUGEN
  • KDDI株式会社
  • 株式会社YE DIGITAL
  • 株式会社ウフル
  • 株式会社オプティム
  • 沖電気工業株式会社
  • ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
  • 東芝デジタルソリューションズ株式会社
  • 日本電気株式会社
  • 株式会社日立製作所
  • 株式会社マクニカ
  • 三菱電機株式会社
  • 横河電機株式会社
■海外企業
  • Cisco(アメリカ)
  • Digi International(米国)
  • Ericsson(スウェーデン)
  • IBM(米国)
  • Microsoft Corporation(米国)
  • PTC(Parametric Technology Corporation:アメリカ)
  • Telefónica, S.A.(スペイン)
  • Telenorグループ(ノルウェー)

 

 

 

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関連リンク

■レポートサマリー
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ローカル5Gソリューション市場に関する調査を実施(2024年)

■アナリストオピニオン
生産現場へのIoT導入で、製造業の業態変換が急速に進む!
IoT関連ビジネスへの参入では、成果を可視化しやすい領域へのアプローチを目指せ
産業向けIoTの本命は「製造」or「運輸・物流」or「自動車」?
2018年はIoT元年になるか?
注目されるIoT社会実現までの道筋
将来的にM2Mの社会インフラ化が進む

■デイリーコラム
【発刊情報】「2024年版 IoT/M2Mマーケット」を発刊
【発刊裏話】2024年版 IoT/M2Mマーケット

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    • 自動車関連
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    • 産業分野での「AI ✕ IoT」活用
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調査要綱

調査対象:ITベンダー、SIer(システムインテグレータ)、プラットフォームベンダー、ITベンチャー、海外事業者等
調査期間:2024年7月~10月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による調査、アンケート調査、ならびに文献調査併用

※M2M市場とは:M2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話 / PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。
また本調査におけるM2M市場規模とは、M2Mを実現するためのネットワーク(ネットワーク機器、通信モジュール、センサー/デバイス)、プラットフォーム(クラウド)、システム(アプリケーション、ミドルウェアなど)等を対象として、各事業者の売上高ベースで算出した。

※IoT市場とは:IoT(Internet of Things)は、既存のM2M通信領域に加えて、家電製品や家具、パソコン、 スマートフォン、タブレット端末、人(SNSなどの情報)、畜産・ペット、運輸・物流、防犯・セキュリティ、見守りサービスなど、ネットワーク接続環境下にある全てのモノやコトを対象とする。そのためマーケット構造として、IoTは本調査におけるM2Mを包括する上位概念に位置する。

<市場に含まれる商品・サービス>
ネットワーク・回線利用料/通信費、通信モジュール、センサー/デバイス、プラットフォーム/クラウド利用料、システム/アプリケーション開発費、パッケージ/ミドルウェア料、運用管理費など

関連マーケットレポート
早川 泰弘(ハヤカワ ヤスヒロ) 主任研究員
産業調査/マーケティング業務は、「机上ではなく、現場を回ることで本当のニーズ、本当の情報、本当の回答」が見つかるとの信念のもと、関係者各位との緊密な関係構築に努めていきます。日々勉強と研鑽を積みながら、IT業界の発展に資する情報発信を目指していきます。

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