矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

アナリストオピニオン
2015.08.11

ERPパッケージの顧客ロイヤルティ調査で人事・給与分野において最高評価を得たZeeM

Sponsored by株式会社クレオマーケティング

調査結果サマリー

矢野経済研究所で行った基幹システム利用動向調査において、「人事給与システムとして利用されているERPパッケージ」として顧客ロイヤルティで最も高い評価を得たのは、ZeeM(開発元:株式会社クレオマーケティング)だった。
本調査では、NPS(ネットプロモータースコア/Net Promoter Score)という顧客ロイヤルティを測るための指標を活用した 。NPSは、「究極の質問」の著者であるフレッド・ライクヘルド氏によって開発された顧客との関係性を図るための判断指標で、世界中の大手有名企業などでも幅広く使われている。
※NPS、Net Promoter、および Net Promoter Score は Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company、Fred Reichheld の登録商標となる

【図表:人事給与システムとして利用されているERPパッケージのNPSスコア】

【図表:人事給与システムとして利用されているERPパッケージのNPSスコア】

矢野経済研究所調べ
<調査概要>
調査件数:194件(ERPパッケージ利用、人事・給与部門の回答数)
調査対象:日本国内の民間企業及び自治体
調査方法:記名式郵送アンケート調査
調査期間:2014年7月~2014年10月
調査条件:
◆顧客ロイヤルティの測定にはNPS(ネットプロモータースコア/Net Promoter Score)を活用した。
◆「人事・給与」「財務・会計」など業務分野ごとに利用しているパッケージのNPSを調査した。
◆矢野経済研究所が、ERPパッケージ(基幹業務を統合する情報システムを構築するためのパッケージ)と区分している製品を対象とし、一定数(10件)以上の回答数を得た製品間で比較を行った

ZeeMの顧客ロイヤルティを支える3つの要因

ZeeMは2005年にリリースされたERPパッケージで、業務分野では人事給与と会計をカバーしている。中堅企業のユーザーが主体で、従業員数が300~3,000名の規模がもっとも適しており、製造業、流通業、小売業、教育機関等と幅広い業種で導入されている。
ZeeMの顧客ロイヤルティを支える要因は、①システムのTCO(総保有コスト)の低さ、②業務担当者の視点で活発化したユーザー会、③ユーザーの声を反映した製品開発体制、の3点にあると考えられる。

システムのTCOが低い
ZeeMは、2005年のリリース以後現在まで有償のバージョンアップは行っていない。
ERPパッケージは、機能改善や法改正などの対応を保守費用の範囲で無償で提供するのが一般的だ。しかし一部には、機能改善や基盤のバージョンアップ対応などを有償とする製品もある。
有償バージョンアップの有無は、システムのTCOに影響を与える。システムのコストは導入時の費用が注目されがちだが、長期間の利用が前提となるERPの場合は維持費用も考慮したい。

業務担当者の視点で活発化したユーザー会
ZeeMは2011年にユーザー会が設立されている。ユーザー企業の幹事会社が中心となり、活動方針や実際の活動内容までを企画し運営を行っている。ZeeMを利用している業務担当者の視点で「業務の課題解決策など、会員同士がノウハウを共有して、日常業務に役立てていく」ことを目的に活動している。
ZeeMユーザー会は「人事給与分科会」「会計分科会」「西日本分科会」で組織される。人事給与分科会は「年末調整」「有期雇用契約を結ぶ場合の注意点」などの業務勉強会を開催し、会計分科会は「決算早期化に向けた取り組み」についてグループディスカッションを行うなど、ユーザー同士の交流や意見交換の場として機能している点が特長である。
参加企業からは「他社がZeeMをどのように活用しているか具体的に知ることができるため業務に役立つ」「他社との交流や情報交換が難しい職種なので、積極的に参加して情報共有を行いたい」などの評価を得ている。

ユーザーの声を反映した製品開発体制
ZeeMユーザー会は開発元であるクレオマーケティングに対して機能・サービスの改善要望をあげる役割も担っている。クレオマーケティングはユーザーとディスカッションを行った上で次期バージョンの機能や仕様を決定し、開発責任者が直接ユーザー会で製品開発状況を報告している。
2015年9月にリリースする「ZeeM簡単マイナンバー収集システム」は、この開発体制が反映された事例となっている。制度導入時に従業員からマイナンバーを収集する業務を支援するツールだが、開発の経緯についてZeeM事業部 販売推進室 室長でユーザー会の事務局も務める平田氏は「ユーザー会で詳細を検討して仕様を決定したため、自社が当初想定した仕様とは大きく異なるものになった。しかし、結果的には安全かつ手軽に使えるものが欲しいという期待に応えられた。ユーザー会の発足前と後では、社員の意識は大きく変わった。これまで以上に『ZeeMを利用しているお客様に、より良い製品・サービスを提供する』という意識を社員全員が共有している。ユーザー会のおかげで、ZeeMの製品開発はより顧客志向になっている。」と説明している。

「タレントマネジメント」の真価を問うHRM市場の動向とZeeMの方向性

ZeeMもその一端を担うHRM(Human Resource Management)市場の近年の動向については、「タレントマネジメント」ブームが記憶に新しい。2012年はタレントマネジメントという言葉が注目され、外資系クラウドサービスの日本上陸もあって脚光を浴びた。興味や好奇心でシステムの試験的導入を始める企業もみられ、HRM市場にとっては飛躍の年となった。しかし、2013年以降は過度な期待への反動が起き、市場は沈静化に向かっている。

【図表:HRMパッケージライセンス市場の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)】

【図表:HRMパッケージライセンス市場の推移(エンドユーザ渡し価格ベース)】

矢野経済研究所推計
出所:矢野経済研究所「HRM市場の実態と展望2013」(2013年6月発刊)
注:HRMには人事管理、給与管理、就業管理、人事考課、人材育成、承認・ワークフローの各機能を含む。

市場動向の動向からは、欧米の発想に基づくタレントマネジメントを、日本企業がうまく咀嚼し定着させることができなかったことが指摘される。また、ユーザー企業には、タレントマネジメントというテーマのもとで何を実現したいのか目的が明確になっていないケースもみられた。
しかし、表面的なブームが去った後でニーズが顕在化し、実需が見えてくるという側面もあり、タレントマネジメントへの注目をきっかけに、最適な人材配置や組織力向上を図りたいという意識は高まっている。ワークスタイルの多様化、ダイバーシティの推進、少子高齢化、後継者育成、人事採用の変化、グローバル化など、経営環境、雇用環境が大きく変わる中、企業の規模を問わず、本来的な意味での人事の役割は重要性を増していると言える。
ユーザー企業が考慮すべきはタレントマネジメントシステムを導入するかどうかの検討やシステムの機能の優劣の比較ではなく、企業の方向性や戦略に基づいた人事マネジメントの確立や人事業務プロセスの見直しという観点でのIT活用であり、パートナーとなりうるベンダーの選択もポイントとなるだろう。

この観点でクレオマーケティングの取り組みを紹介する。ZeeM事業部 営業部長の寺崎氏は、「タレントマネジメント自体は一過性の施策で終わるものではない、継続的なテーマだ。適切な人材配置を行うために人事情報を柔軟に検索したい企業もあれば、組織の人材の偏りや傾向と業績との関連を分析したい企業もある。人事システムとしてのZeeMの機能で解決するケースも少なくない。」と説明する。
現在クレオマーケティングは、ユーザー会などの活動を通して、人事業務の専門性をさらに高め、ZeeMに蓄積された人事情報の活用を支援することを目指している。分析やレポーティングの機能を強化すると同時に、情報の効果的な活用方法を積極的に提案していく考えだ。寺崎氏は、「組織の活性化や人材育成に向けた人事制度の改善点はどこにあるかなど、人事部は様々なマネジメント情報を必要としており、具体的に役立つアイデアやノウハウを提供していきたい。ZeeMを利用することにより、経営層の人事部への評価が高まるような状況を実現するのが理想だ。」と事業の方向性を示した。

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