矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2026.10.09

ERP市場動向に関する調査を実施(2026年)

2025年のERPパッケージ市場規模は2,020億7,000万円。Fit to Standardに限界がみられるものの、クリーンコアで2027年にはSaaSのみ市場が3割に。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のERPパッケージライセンス市場を調査し、参入企業やユーザー企業の動向、将来展望を明らかにした。

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【図表:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測】

【図表:ERPパッケージライセンス市場規模推移・予測】

 

ERP市場の概況

2025年のERPパッケージライセンス市場の伸びは、2024年よりも落ち着いた。インボイス制度への対応が終わったことや、生成AIの導入を検討する動きが落ち着き、AIエージェント製品や課金モデルの動向を見極めようとする企業が増えたこと、Windows10のサポート終了に伴う優先度の後退などが影響したものとみる。しかし、ERPパッケージライセンス市場は前年比10%を超える成長率を維持しており、成長トレンドは続いている。なぜなら、企業のIT投資意欲は衰えておらず、既存のシステムや保守期限が切れるシステムを入れ替え、時代に即した技術や設計、構造へと刷新する動きが強まり、市場を押し上げているからである。その結果、2025年のERPパッケージライセンス市場規模(エンドユーザ渡し価格ベース)は前年比13.1%増の2,020億7,000万円と推計する。

今後のAI活用を見据え、SaaSを導入するユーザー企業も多い。これはFit to standard(業務内容に合わせてシステムを改変するのではなく、システムの標準機能に自社の業務を合わせる考え方)がユーザー企業に根付き始めていることに加え、Fit to standardを基本としながらも、ユーザー企業独自のカスタマイズを導入し、運用するクリーンコアが広がり始めたことにあると考える。こうした背景から、今後もSaaSの利用は進展していくと予測する。

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ERP市場の注目トピック

■業務の自律実行へ
ERPとAIエージェントの連携が実用段階へと進展していく見通しである。ERPとAIの連携が進むことにより、基幹システムは業務データの正確な記録・管理(System of Record)から、自律的に判断し企業を動かすブレイン(System of Intelligence)としての役割を担うものと考える。ERPは蓄積された情報から、未来の予測や最適な提案を行い、次に何をすべきか、という経営側の意思決定をこれまで以上に支援するシステムになっていく。そのため、AIエージェントが安全に業務を完了できるよう、実績と暗黙知に基づくプロセスを標準化して実装し、加えて、AIがルール通りに仕事を終えたことを確認でき、人が責任を取れる製品の提供が求められている。

もっとも、足元をみると、現在提供されている製品すべてにAIエージェント機能が搭載されているわけではなく、提供されているAIエージェントの段階もさまざまである。今後、複数のAIエージェントが連携し、自律的にタスクを実行する段階や、さらにその先の完全自律型の製品をベンダーが提供するのであれば、ベンダーに求められるものもシステム構築の伴走ではなく、業務そのものの再設計や、AIへの委任判断を支援する伴走へと、その内容が変化していくと考える。

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ERP市場の将来展望

2026年のERPパッケージライセンス市場規模(エンドユーザ渡し価格ベース)は、2,279億6,000万円(前年比12.8%増)、2021年から2026年までのCAGR(年平均成長率)は13.0%と予測する。2026年に入ってからも既存システムなどからの移行や刷新が続く見通しである。新規パートナー企業の獲得や、既存パートナー企業の対応領域拡大による売上の伸びに加え、AIエージェントを活用するための土台としてERPを新調・移行する動きが市場の成長を後押しすると考える。

AIについてみると、短期的には業種・業界に特化したAIエージェントやAIアシスタントが増加すると予測する。AIを利用する上では、ERPに蓄積されたビジネスの背景や状況(コンテキスト)をどのように活かしていくかが重要になる。データと業務プロセスを理解したAIが競争力を持つと考える。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • ERPパッケージライセンス売上高推移(エンドユーザー渡し価格ベース)(2021~2028年予測)
  • 貴社の景況
  • 設備投資額(ソフトウェア投資額を含む、土地購入額を除く)
  • 日銀短観(ソフトウェア投資額)     1.2.2.中長期的な市場の見通し~アドオンの減少はサービスで補う
  • ライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2025年)
  • 年商500億円以上(大手企業)向けライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2025年)
  • 年商500億円未満(中堅中小企業)向けライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • 業種別 ERPパッケージ売上高比率(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • 業種別 ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • モジュール別 ERPパッケージ売上高比率(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • モジュール別 ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • 企業規模別 ERPパッケージ売上高比率(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • 企業規模別 ERPライセンス売上高の推移(エンドユーザー渡し価格ベース)(2021~2026年予測)
  • クラウドの区分と定義
  • ERPパッケージのクラウド売上高の推移(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2027年予測)
  • クラウド全体(IaaS・PaaSとSaaSを含む)の売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • クラウド全体(SaaSのみ)の売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2025年)
  • マネーフォワード クラウドERPのソリューション(2026年7月現在)

■ERPパッケージの市場規模推移

  • ERPパッケージのエンドユーザー渡し価格によるライセンス売上高推移(2021~2028年予測)
  • ERPパッケージのベンダー出荷価格によるライセンス売上高推移(2021~2028年予測)
  • ERPベンダー出荷価格による総売上高推移(2021~2028年予測)
  • ユーザー企業の年商規模別ERPライセンス売上高推移(2021~2026年予測)
  • 大手企業/SMBにおけるERPライセンス売上高推移(2021~2026年予測)
  • 業務ソリューション(モジュール)別ERPライセンス売上高推移(2024~2026年予測)
  • 業種別ERPライセンス売上高推移(2024~2026年予測)
  • ERPパッケージのクラウド売上高推移(2024~2027年予測)
■ERPパッケージのライセンス売上高シェア
  • ERPパッケージのライセンス売上高シェア
  • 大手企業向けERPパッケージのライセンス売上高シェア
  • 中堅・中小企業向けERPパッケージのライセンス売上高シェア
■ERPパッケージのソリューション別ライセンス売上高シェア
  • 財務会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • 人事給与管理ソリューションのライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • 販売・在庫管理ソリューションのライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • 生産・物流管理ソリューションのライセンス売上高シェア(エンドユーザー渡し価格ベース)(2024~2026年予測)
  • 年商規模別ERPパッケージのソリューション別ライセンス売上高シェア
  • 業種別ERPパッケージのライセンス売上高シェア
  • ERPパッケージのクラウド売上高シェア

 

■IFSジャパン株式会社
■インフォアジャパン株式会社
■インフォコム株式会社

  • 「SI AI Connect for GRANDIT」による活用イメージ
■株式会社内田洋行
■SAPジャパン株式会社
■SCSK株式会社
■株式会社NTTデータ・ビズインテグラル
■株式会社OSK
■株式会社オービック
■株式会社オービックビジネスコンサルタント
■キヤノンITソリューションズ株式会社
■株式会社クレオ
■株式会社テラスカイ
  • 「mitoco ERP」連携イメージ
  • 「mitoco 会計」料金イメージ
  • 主な連携サービス
■日本オラクル株式会社
■日本電気株式会社(EXPLANNER)
■日本電気株式会社(FlexProcess)
■日本マイクロソフト株式会社
■ビジネスエンジニアリング株式会社
  • mcframeの進化のストーリー
  • AI×製造業特化ERPがもたらす真のデータ活用
■株式会社日立ソリューションズ/株式会社日立システムズ
■富士通株式会社
  • 「GLOVIA One」のコンセプトと特長
■株式会社ミロク情報サービス
  • MJS DXコンサルティング サービスプラン
■株式会社ワークスアプリケーションズ
■ワークデイ株式会社

 

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関連リンク

■アナリストオピニオン
●ERP SaaSにみる強みの変質
●注目度高まる「非財務情報の開示」
●ERP市場と「2025年」を巡る問題
●「次世代ERP」のリリースラッシュが起きているのはなぜか

■デイリーコラム
●【発刊裏話】2026 ERP市場の実態と展望
●【アナリスト便り】「2026 ERP市場の実態と展望」発刊

■同カテゴリー
●[ソフトウェア]カテゴリ コンテンツ一覧

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調査要綱

調査対象:ERPパッケージおよびSaaSベンダー
調査期間:2026年5月~8月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※ERPパッケージライセンス市場とは:ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。
本調査におけるERPパッケージライセンス市場は、ERPパッケージベンダーのライセンス売上高をエンドユーザ渡し価格ベースで算出した。市場規模には、クラウド型利用[クラウド全体(IaaS・PaaSとSaaSを含む)市場、クラウド(SaaSのみ)市場]を含む。
なお、従来型パッケージではコンサルティング・SI等、保守サポートなどの関連売上高は含まないが、クラウド型利用ではライセンスに保守運用を含む。

<市場に含まれる商品・サービス>
ERPパッケージおよびSaaS

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小山 博子(コヤマ ヒロコ) 主席研究員
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