矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2026.07.16

デジタルマーケティング市場に関する調査を実施(2026年)

デジタルマーケティング市場規模は堅調に拡大。AIの活用を見据えたデータ整備需要を受け2026年は4,789億円、今後も市場は成長を見込む。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のデジタルマーケティング市場を調査し、市場概況、参入企業の動向や将来展望を明らかにした。ここでは、MA、CRM/SFA、CDP市場の市場規模推移・予測について公表する。

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【図表:デジタルマーケティング市場規模推移・予測】

【グラフ:デジタルマーケティング市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2026年は見込値、2027年以降は予測値
  • 注:市場規模はMA、CRM/SFA、CDPを対象とした

 

デジタルマーケティング市場の概況

2025年の国内デジタルマーケティング市場規模は、事業者売上高ベースで4,201億2,000万円と推計した。2026年の同市場は、前年比114.0%の4,789億円に成長すると見込む。

市場を牽引する最大の要因は、AI活用に取り組むユーザー企業でのデータ整備需要である。AIを高度に活用するには、データの質と量に大きく依存することが認識されるようになり、自社固有のデータを整備し、活用することの重要性が高まっている。なかでも、顧客データはAI活用における競争力の源泉となる。AIを活用し、個々の顧客に最適な営業・マーケティング活動を実践するため、顧客データを収集した上で蓄積し、活用するといった仕組みとしてのデジタルマーケティングツールへの投資意欲が一層高まっている。

また、この動きは、新規導入の拡大に直結するとともに、既存ユーザー企業においても活用の深化・定着が進むことで市場拡大に寄与している。従来、デジタルマーケティングツールは導入後における活用の定着が課題とされてきたが、AI活用を見据えたデータ整備の必要性が経営課題として認識されるようになったことで、これらを積極的に活用しようとする機運が高まっている。さらに、生成AIを活用したFAQや操作サポート機能の充実も相まって、ユーザー企業の自律的な活用を後押ししている。

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デジタルマーケティング市場の注目トピック

■AIエージェントがツールのあり方を変える
2024年末以降、生成AI技術の進展やAIエージェントの普及を背景に、SaaS※1というビジネスモデルの持続可能性を問う議論が業界全体に広がった。AIエージェントが人間の代わりにタスクを自律的に実行するようになれば、従来の「シート数(ライセンス数)×月額」という課金形態が成り立たなくなる可能性がある。これに対して、既に一部のベンダーでは、利用量に応じた従量課金やタスク処理件数、生み出した成果に応じた成果報酬型といった課金形態への転換が進められている。また、システムの接続性とインターフェースの転換も避けられない課題となっている。AIエージェントはAPI※2やMCP※3を通じてツールを直接操作するため、これらへの対応が遅れたツールは、機能の優劣以前に選定候補から外れるリスクがある。従来は画面の使いやすさが差別化のポイントであったが、今後はAIエージェントとの接続性が、ベンダーの新たな評価軸になると考える。

※1 SaaS(Software as a Service):ソフトウェアをインターネット経由でサービスとして提供する形態
※2 API(Application Programming Interface):異なるソフトウェア同士がデータや機能をやり取りするための接続口
※3 MCP(Model Context Protocol):AIエージェントと外部ツールを統一された規格でつなぐための標準仕様

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デジタルマーケティング市場の将来展望

デジタルマーケティング市場は、引き続きAI活用を見据えたデータ整備需要の高まりにより、拡大すると見込む。加えて、各ツールへのAI機能の実装・強化及びユーザー企業でのAIエージェントの普及が進むことで、より高度な営業やマーケティング活動を実践できるようになり、ツールの活用範囲と利用深度がさらに広がることも、市場拡大を後押しする要因になると考える。

AIエージェントが適切に機能するためには、顧客の行動履歴・購買背景・商談経緯といったコンテキスト(文脈情報)が不可欠である。質の高いデータを保有するツールほど、AIエージェントが参照し、活用する情報基盤として機能しやすいという優位性が生まれる。一方、AIエージェントの普及速度は企業規模やデジタル活用の成熟度によって異なる。大企業では自律型AIエージェントの本格的な活用が進む一方、中堅・中小企業では引き続きツールの導入や定着支援が重要な課題として残る。ユーザー企業が求めるものは状況によって大きく異なり、有効な戦略も変わる。ベンダーは、どのようなユーザー企業向けて価値を提供するかを起点に、製品・機能・サポート体制を一貫して設計することが求められる。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • デジタルマーケティング市場規模推移(2025年~2029年予測)
  • 業種別 デジタルマーケティング市場規模推移(2025年~2026年見込)
  • 業種内訳
  • CRM/SFA市場規模推移(2025年~2029年予測)
  • CRM/SFAベンダーシェア(2025年~2026年見込:事業者売上高ベース)
  • セールスイネーブルメントツールの主な機能
  • セールスAIプロダクトシリーズ「ナレッジワーク」で提供するプロダクト
  • MA市場規模推移(2025年~2029年予測)
  • MAベンダシェア(2024年~2025年見込:事業者売上高ベース)
  • CDP市場規模推移(2025年~2029年予測)
  • AIエージェント実装形態別の特徴

■株式会社シャノン

  • SHANON MAの機能
  • SHANON MAの料金体系
■株式会社セールスフォース・ジャパン
  • Salesforce エージェンティック エンタープライズのイメージ
■ゾーホージャパン株式会社
■ソフトブレーン株式会社
■トレジャーデータ株式会社
  • エージェンティック・エクスペリエンス・プラットフォームとは
■HubSpot Japan株式会社
  • Agentic Customer Platformの概要
■株式会社プレイド
■株式会社NTTデータ
  • Smart AI Agentのイメージ
■JAPAN AI株式会社

 

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関連リンク

■レポートサマリー
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■アナリストオピニオン
生成AIの活用が進むデジタルマーケティング市場
優良観光客を囲い込むデータの利活用
コミュニティマーケティングについて考える

■デイリーコラム
【発刊裏話】「2026年版 デジタルマーケティング市場の実態と展望~生成AI/AIエージェントが促すSaaSモデルの再編~」
【アナリスト便り】「2026年版 デジタルマーケティング市場の実態と展望~生成AI/AIエージェントが促すSaaSモデルの再編~」を発刊

■同カテゴリー
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調査要綱

調査対象:MA、CRM/SFA、CDP、デジタルマーケティング領域におけるAI関連サービスを提供するベンダー等
調査期間:2026年4~6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、一部電話やメールによる調査、ならびに文献調査併用

※デジタルマーケティング市場とは:デジタルマーケティングツールとは、企業がデジタルマーケティングを実施する際に活用するソフトウェアやアプリケーションを指す。
本調査におけるデジタルマーケティング市場では、MA(Marketing Automation)、CRM(Customer Relationship Management)、CDP(Customer Data Platform)に関するツールを対象とし、事業者売上高ベースで算出した。
なお、各ツールの定義については以下の通りである。

(1)MA
ウェブサイトの行動履歴やメールの開封状況、属性情報など、様々な顧客データに基づいたデータ分析を活用し、見込み顧客を含むリードに対して、パーソナライズされたコミュニケーションを自動化することで、効率的かつ効果的にリードを育成するシステムである。
(2)CRM
顧客との関係を構築し、長期的な顧客ロイヤリティを育成するための情報一元管理システム。なお、本調査においては、SFA(セールスフォースオートメーション)をCRMの重要な構成要素として捉え、CRMに含むものとして扱う。
(3)CDP
複数のチャネルで蓄積していた顧客データを収集・統合・分析するためのプラットフォーム。

<市場に含まれる商品・サービス>
MA、CRM(SFAを含む)、CDP

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