株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のピープルアナリティクス関連ソリューション市場を調査し、参入企業・ユーザ企業の動向、将来展望を明らかにした。
【図表:ピープルアナリティクス関連ソリューション市場規模推移・予測】
【図表:人的資本の情報開示に関する国内外の主な動向】
2021年のピープルアナリティクス関連ソリューション市場規模は、前年比31.7%増の30億4,500万円となった。
勘や経験による判断からデータに基づく意思決定への移行、従来型の人事から戦略的に人材を活用するための人事への転換、人事関連データのデジタル化・一元化の加速などが市場の成長を後押ししている。このように市場環境が変化していることで、人事領域においてデータを利活用して各種施策に役立てる取組みが広がっている。また、ピープルアナリティクス関連ソリューション提供事業者が増加したことも市場成長の要因となっている。
■人的資本の情報開示に向けた動きが活発化
人材活用に関する取組み状況を把握したいという投資家の意向を中心に、国内外で人的資本(人間のもつ能力を資本として捉える考え方)への関心が高まっており、人的資本の情報開示に向けた動きが活発化している。
国内では、2022年2月に内閣官房が「非財務情報可視化研究会」を発足させ、人的資本など非財務情報の価値を評価する方法の指針をまとめる取組みを行っている。企業が人的資本情報を開示するには人事関連データの収集・分析が必要となっており、人的資本の情報開示の手段としてピープルアナリティクス関連ソリューションを導入する企業が増加すると見込む。
2022年のピープルアナリティクス関連ソリューション市場規模は、前年比34.0%増の40億8,000万円になると予測する。
上述の通り、人事領域での判断や情報管理におけるデジタルデータの活用の加速や、日々の業務を遂行する「守りの人事」から、経営戦略や人的マネジメントの分析により業務を遂行する「戦略人事」への転換など、環境の変化が市場の成長を後押ししている。また、人的資本の情報開示に向けた動きの活発化がそれを促進しており、特に2022年と2023年は人的資本の情報開示に向けた取組みを行う企業が増加することで、本市場の成長は加速すると見込む。
ピープルアナリティクス関連ソリューション市場における2019年から2025年までのCAGR(年平均成長率)は32.5%で成長を維持し、2025年には95億円になると予測する。
■レポートサマリー
●HCM(人材管理)市場動向に関する調査を実施(2021年)
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調査対象:ピープルアナリティクス関連ソリューション提供事業者
調査期間:2022年5月~7月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・メール取材、ならびに文献調査併用
※ピープルアナリティクス関連ソリューション市場とは:ピープルアナリティクスとは、人事領域を中心とした多様なデータを収集・分析して人事課題の解決を図る手法である。本調査におけるピープルアナリティクス関連ソリューションは、人事関連データの分析やインサイトの提示・予測等を行うシステム及びシステム提供に付随するコンサルティングを対象としている。コンサルティングのみのサービスや汎用的なBIツール、統計解析ソフト等は含まない。
また、本調査におけるピープルアナリティクス関連ソリューション市場規模は、ピープルアナリティクス関連ソリューション提供事業者のライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)とクラウドサービス売上高を合算し、算出した。但し、コンサルティング・SI、保守サポートなどの関連売上高は含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
ピープルアナリティクス関連ソリューション
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