株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のリーガルテック市場を調査し、市況、参入企業の動向や将来展望を明らかにした。
2018年のリーガルテック国内市場規模(事業者売上高ベース)は前年比115.2%の228億円と推計した。
【図表:リーガルテック国内市場規模推移と予測】
本調査におけるリーガルテックとは、法律サービスの利便性を向上させるために開発されたITを活用した製品やサービスをさすが、昨今のデジタル化、働き方改革、ペーパレス化などの流れを受け、その必要性は高まっている。また、リーガルテックサービスに対する認知度が向上していることなどから、同サービスを利用するユーザー企業は増えており、市場は順調に成長している。
■リーガルテックは電子契約サービスが牽引
2018年の電子契約サービス国内市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比139.3%の39億円と推計した。国内のリーガルテック市場は、なかでも電子契約サービスが今後もしばらくは牽引していくとみる。これまで電子契約サービスは、印紙代や郵送費など目に見えるコストの削減を理由に導入が進んできた。しかし、最近は、契約締結スピードの向上や契約手続に関する工数(契約書作成、郵送に要する時間など)の削減を理由にした導入が増加基調にある。人手不足やワークスタイル変革など、企業はこれまで以上に生産性の向上を求められており、今後もこうした目に見えにくいコストの削減を目的とした導入が加速していくと考える。
リーガルテック国内市場規模(事業者売上高ベース)は、2016年から2023年までのCAGR(年平均成長率)が9.8%で成長し、2023年には353億円に拡大すると予測する。
宅地建物取引業法で書面による交付を義務付けられていた「重要事項説明書」の電磁的方法による交付を認める社会実験が始まる例にみられるように、デジタル化に向けた法改正が様々な分野で進んでいることから、電子契約サービスをはじめ、今後更にリーガルテックが進展しやすい環境が整っていくものとみる。
またメール、チャット、Officeドキュメントなどのテキストデータをはじめ、IoTの進展などにより、今後、企業が取扱うデータ量が爆発的に増大することが想定されるなか、証拠・不正調査の分野では、これらのデータから探し求めるデータを効率的に抽出・活用するためのテクノロジーに対する必要性は拡大していくと考える。こうしたなか、リーガルテックに対する需要もそれぞれの分野においてますます拡大していくと予測する。
■アドビ システムズ株式会社
■レポートサマリー
●電子契約サービス市場に関する調査を実施(2022年)
●電子契約サービス市場に関する調査を実施(2020年)
●eKYC市場に関する調査を実施(2021年)
■アナリストオピニオン
●オンライン上での本人確認「eKYC」の活用進む
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調査対象:国内リーガルテック関連事業者等
調査期間:2019年5月~8月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話、e-mailによるヒアリング併用
※リーガルテックとは:本調査におけるリーガルテックとは、リーガル(法律)とテクノロジー(技術)を掛け合わせた造語で、法律サービスの利便性を向上させるために開発されたITを活用した製品やサービスを指す。市場規模は、リーガルテックベンダ(サービス提供事業者)の事業者売上高ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
契約作成・締結・管理、登記・登録、法律相談、知的財産、証拠・不正調査、集団訴訟、法令・判例検索に関する製品/サービス(プラットフォームを含む)。
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