矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2019.05.24

ブロックチェーン(Blockchain)活用サービス市場に関する調査を実施(2019年)

ブロックチェーンの利用は金融機関をはじめ、食品や医薬品の流通経路の追跡確認や美術品にまで拡がっている。実証実験から商用化へ、さまざまな分野での活用が期待される。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内ブロックチェーン活用サービス市場を調査し、現況、領域別の動向、および将来展望を明らかにした。

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ブロックチェーン活用サービスの市場概況

2019年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模(事業者売上高ベース)は、171億5,000万円の見込みである。サプライチェーンや仮想通貨などを含めた価値流通におけるプラットフォームなどを中心に、さまざまな実証実験が行われており、なかには商用化に向けた効果検証に進んでいる事例もでてきている。

ブロックチェーンは利用者同士をつなぐ P2P(ピアツーピア)ネットワーク上のコンピュータを活用し、権利移転取引などを記録、認証するしくみである。同技術は、データの改ざんができず、真正性が保証されていること等から、ブロックチェーンが登場した当初は仮想通貨の基盤として金融機関を中心に注目されてきた。

しかし、2017年後半~2018年にかけては金融機関に留まらず、幅広い業界においてサプライチェーンや権利証明など、同技術を応用した実証実験を積極的に実施し、その活用可能性を見出しつつある。

昨今では、ジビエ(野生鳥獣肉)のトレーサビリティ(流通経路の追跡確認)のほか、美術品の権利移転や真贋証明等をはじめとして利用が拡大しており、物流の透明性向上によるコスト削減や書類チェックに係る時間の短縮など、さまざまな成果を上げ始めている。今後、ブロックチェーンを活用したサービスがさまざまな分野において商用化へと進むことが期待される。

【図表:国内ブロックチェーン活用サービス市場規模推移予測】

図表:国内ブロックチェーン活用サービス市場規模推移予測
  • 矢野経済研究所推計
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2019年度見込値、2020年度以降予測値

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ブロックチェーン活用サービス市場の注目トピック

■BaaS(Blockchain as a Service)ソリューションの提供始まる
ブロックチェーンは主に3つのレイヤー(層)をなしている。レイヤー1であるブロックチェーン基盤は複数登場しており、概ねBtoB向けやBtoC向け、IoT向けなど、用途に応じて使い分けがされるような基盤も出てきている。その上にレイヤー2として、Colored Coin※1やLightning Network※2をはじめとしたブロックチェーンを補完する技術があり、国内のスタートアップ企業を中心に研究開発や具体的なソリューション開発などが進展している。レイヤー3ではブロックチェーンを活用した様々なアプリケーションが開発されており、いずれのレイヤーでも大手IT事業者や国内スタートアップ企業を中心に、ユーザー企業とともに実証実験を進めている。

また、大手IT事業者を中心に、ブロックチェーン基盤からアプリケーションの構築まで支援するBaaS(Blockchain as a Service)ソリューションの提供が始まっており、ブロックチェーンの積極的な活用に向けた技術的な支援体制が整いつつある。

※1. Colored Coinとは、ビットコインに色を付け、複数の種類の資産を流通させるしくみ
※2. Lightning Networkとは、ビットコインのブロックチェーンが抱えるスケーラビリティ(拡張性)や処理速度などの課題を解決するために開発されたソリューション

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ブロックチェーン活用サービス市場の将来展望

2022年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模(事業者売上高ベース)は1,235億9,000万円に達すると予測する。2017年度~2022年度の5年間の年平均成長率(CAGR)は108.8%とみる。なお、フェーズ(段階)別では、実証実験が多いものの、2019年度以降、商用化に向けた効果検証フェーズや本格的な商用化フェーズへと進む案件が増えていくと考える。

現在、欧米を中心に多くの事業者を取り込んだ組織によるブロックチェーン活用に向けた実証実験が進められている。今後、ブロックチェーン活用における世界的な事業展開を行う上での存在感(プレゼンス)を高めるべく、日本発のブロックチェーンコンソーシアムの立上げが期待される。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

第1章 総論
  • パブリック/クローズド/プライベートブロックチェーンの比較
  • 一般社団法人日本ブロックチェーン協会(概要)
  • 一般社団法人ブロックチェーン推進協会(概要)
  • 金融庁による行政処分の発出数る改正内容)
  • 日本仮想通貨交換業協会の自主規制(主たる自主規制の概要)
  • 仮想通貨
  • 代表的なブロックチェーンの機能比較
  • 主たるLayer2を構成するミドルウェア
  • Layer2におけるソリューションの例
  • Layer3における事業者の取組み(アプリケーションの例)
  • 経済産業省によるブロックチェーンにおける潜在的市場規模
  • ブロックチェーンを活用した実証実験における金融と非金融の構成比の変化
  • ブロックチェーン活用サービス市場規模予測
 
第2章 ブロックチェーン関連事業者の実態と取組み
  • 大手IT事業者が手掛けるブロックチェーンに関わる事業戦略
  • 主たる大手IT事業者が手掛けるブロックチェーン関連ソリューション
  • 大手事業者におけるブロックチェーンと既存システムとの使分けに関する見解
  • 普及にあたって乗り越えるべき課題や見解
  • スタートアップにおけるブロックチェーンに関わる事業戦略
  • サービス概要
  • 実績
  • ブロックチェーンと既存システムとの使い分けに関する見解
  • ブロックチェーンが抱える主たる技術的な課題
 
第3章 ブロックチェーン活用サービスの実態と取組み
  • 仮想通貨取扱い状況
  • ビットコイン取引所と販売所の違い
  • 国内における仮想通貨取引量の推移(2014年~2017年度)
  • ビットコインの価格推移(2009年~2019年)
  • [仮想通貨別]現物取引における仮想通貨取引量の推移(2014年度~2017年度)
  • [仮想通貨別]証拠金・信用・先物取引における仮想通貨取引量の推移(2014年度~2017年度)
  • 仮想通貨交換業者に対する不正送信事犯における認知件数、被害額の推移
  • 代表的なセキュリティ対策
  • Fressets EWMシステム対応通貨一覧
  • ICOに関する一連のフローチャート
  • IPOやクラウドファンディングとの違い
  • 仮想通貨に関する消費生活相談件数の推移(件)
 
第4章 ブロックチェーン関連事業者の実態と取組み
  • NTTデータ
  • 日本オラクル
  • 日本マイクロソフト
  • SBI R3 Japan
  • ZEROBILLBANK JAPAN
  • ソラミツ
  • Chaintope
  • ディーカレット
  • Nayuta
  • bitFlyer(miyabi)
  • フレセッツ
  • ブロックチェーンロック
  • blockhive OÜ

…ほか

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調査要綱

調査対象:国内のIT事業者、ブロックチェーン関連スタートアップ企業等
調査期間:2018年12月~2019年4月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

※ブロックチェーン活用サービス市場とは:ブロックチェーンとは、利用者同士をつなぐ P2P(ピアツーピア)ネットワーク上のコンピュータを活用し、権利移転取引などを記録、認証するしくみである。データの改ざんができないため、真正性が保証されているほか、ブロックチェーンに記録されたデータは消えることなく、データのトレーサビリティが可能であるため、透明性の高い取引が可能であるなどの特徴を持つことから、金融分野以外でも、食品、農産物、医薬品などのトレーサビリティ(流通経路の追跡確認)や美術品の権利移転や真贋証明等といった利用が拡大している。本調査ではブロックチェーンを活用したサービスについて、国内市場規模を事業者売上高ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
ブロックチェーンおよびブロックチェーンを補完するソリューション、ブロックチェーンを活用したサービス、ソリューション

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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