矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

アナリストオピニオン
2017.10.06

Shopifyの日本戦略

     

Shopifyロゴ

Shopifyはカナダを拠点とするECプラットフォーム運営事業者であり、ECプラットフォームでは世界一のシェアを獲得している。初期費用や開発費用が不要で、グローバルに向けたビジネスを手軽にスタートできる強みを持っており、世界175ヶ国、50万以上のアクティブ店舗を有している。ソーシャルコマースを活用したSNSのストア化やコミュニティを活用した成長支援など、多くの強みを有するShopifyの日本展開について、インタビューを実施した。

【写真:Shopifyの日本チーム】

【写真:Shopifyの日本チーム】

日本への参入経緯

日本のECマーケットは、世界有数の市場であり、2020年のオリンピックを控え、日本をグローバルに発信していくには、非常にいいタイミングであると考え、2017年に入り、日本市場での本格的なサービス展開を開始した。

基本方針

同社の基本方針としては、Shopifyは日本市場向けにプロダクトを開発していくことが特に重要であると考えており、7ヵ月以上の期間をかけて、日本ユーザーのニーズに合わせてローカライズを進めるなど、ローカライズに関しては特に高い意識を持って取り組んでいく。
10,000人のセラーに対して、中途半端にサービスを提供するより、100人のセラーを完璧にサポートすることで、導入セラーの満足度を高めていく方が重要であると考えている。
「すべての人のコマースをより良くしていくこと」をミッションとして掲げ、価値のある機能の開発や販売チャネルの拡充に取り組んでいる。

ローカライズに関する取り組み

従来のShopifyのプラットフォームでは、コンビニ払いに対応していなかったが、コンビニ払いに対応して欲しいというニーズの高さを鑑み、日本においては、コンビニ払いへの対応も進めた。
また、住所の入力においては、郵便番号の入力による住所自動入力には対応していなかったが、郵便番号の入力による住所自動入力もできるようにするなど、その地域に適したサービスを提供すべく、日々、ローカライズを進めている。
なお、決済サービスにおいては、クレジットカードやPayPalに対応しており、クレジットカードに関しては、Stripeの仕組みを組み込んでいる。

ターゲット顧客

小規模のユーザーから大企業まで幅広い事業者まであらゆる規模の事業者をターゲットとしている。同社は、グローバルで50万以上のアクティブユーザーを有しており、TeslaやRed Bullのようなメガブランドでも利用されている。
業種としては、ゲームからファッションやコスメなど幅広い業界で利用が可能であり、ゲームサイトにおいては、ゲームをしながら、別ページを遷移することなく、グッズの購入が可能にするなど、プロダクトの付加価値の向上につなげている。

マーケティング戦略

Shopify Japanというコミュニティを作っており、コミュニティを訴求するためのイベントを積極的に展開し、コミュニティを拡げていくことに注力している。Shopifyはローカライズされたプロダクトとコミュニティを拡大することで、自然とShopifyが広がる仕組みを構築している。
また、プロダクトを強化していくと同時に、積極的にミートアップや様々なイベントなどを開催している。
また、カイリージェナーをはじめとした、セレブの方々と連携することで、セラーの販売支援なども行っている。

ビジネスモデル

Shopifyは月額課金モデルであり、料金体系は下記の通りである。

【図表:Shopifyの料金体系】

【図表:Shopifyの料金体系】

矢野経済研究所作成

今後の拡大のポイント

Shopifyは、プラットフォームを日本人に利用してもらえるサービスにすることが重要であると考えている。コンビニ決済や郵便番号による住所自動入力のような、日本にしかない、日本人が日本での販売を成功させるために必要な要素をプロダクトに組み込んで、ローカライズしていくことで、日本ユーザーのニーズに対応し、サポートしていくことが重要となる。
また、AIやChatbotを活用したUI/UXの改善に加え、コンバージョンレートの向上に向けたプロダクトの強化やカスタマーサービスも日々改善している。

日本においては、ShopifyのようなECプラットフォームは少ないものの、ECサイト構築に関するマーケットはレッドオーシャンである。日本市場において、どの程度のインパクトを与えていくかに注目していきたい。

関連リンク

■レポートサマリ
ECサイト構築支援サービス市場に関する調査を実施(2017年)

高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主任研究員
数多くの取材を通して得ることの出来た「生の情報」を元に、お客様が抱えている問題にしっかり耳を傾け、もっとも効果的な解決方法を発見できる調査を提案することをモットーとしています。

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