矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2019.02.08

米国CES2019で アナリストは見た!③ 進む異業種間競合

毎年1月初旬に米国ラスベガス開催される世界最大のエレクトロニクス展示会「CES」に行ってきました。(写真2枚あり)

当コラムではCES2019の話題として、①トランプ政権下のCES、②世界中から押し寄せるスタートアップ、③進む異業種間競合、④動き出している米国MaaS社会、の4テーマを取り上げて掲載します。

第3回のテーマは「③進む異業種間競合」です。

今回はアマゾン、グーグルの2社による「音声認識AI」における展示競争は熾烈でした。もっともこの2社は車載でのアプリケーションをも狙ってくるので、アップルも含め自動車産業のプレーヤとも競合関係になりえます。

このように「音声認識AI」に限らず、今回のCESでは「まさかこんな企業とこんな企業とが競合になるとは!」といった異業種間競合の展示が目につきました。

たとえば「モビリティ」領域では、これまでのオーナーカー、ここ数年急増しつつあるシェアカーのような四輪車ばかりでなく、ホバーボード、空飛ぶタクシー(写真は米ベルヘリコプター社製「Bell Nexus」。人間が乗れる巨大なドローンで、空飛ぶタクシーとして実用化検討中)など四輪以外の製品との競合が出てきました。

「AI搭載ロボティクス」領域においては 人型ロボットや、会話に主眼を置いたエージェントロボットに参入企業が目立ちました。さらには国内展示会でも有名なオムロンのAI搭載卓球ロボット「フォルフェウス」も目を引きました(写真あり。超人気で挑戦者長蛇の列)。

AI搭載ロボットとしては、米中貿易戦争が順風に影響するといわれる製造ラインロボットも有望でしょう。これは中国の工場で製造している米企業に自国生産を促す狙いがあるためです。米企業はそうした米政府の意向を忖度せざるを得ず、今後は米国内で工場の設備投資を活発化していくことになるでしょう。ファナックや安川電機に対する競合企業が米国IT産業から出てきても不思議はありません。(森健一郎)

○本コラムのシリーズ①はこちらよりご覧いただけます。

○本コラムのシリーズ②はこちらよりご覧いただけます。

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