矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.06.06

【アナリストオピニオン】新しい自動車所有方法?米国で自動車のサブスクリプションサービスが拡大②

キャデラックの親会社であるGMでは、自動運転技術のCruise Automation、ライドシェアのSidecar、配車サービスのLyftなどの企業に出資しており、Lyftドライバーを対象 に自動車リースの優遇サービスも提供している。LyftのドライバーがGM車をリースして週に65回以上Lyftのライドシェアを提供するとリース料金が無料になり、実質無料で自 動車を保有することが可能になる(ガソリン代のみ負担)。ライドシェア提供が週に40回以下の場合には99USドル/週+走行距離に応じて20セント/マイルの支払いが必要だが 、ライドシェア提供回数が増えるにつれて走行距離の費用が削減されてゆく仕組みになっている。 なお、GMが立ち上げたカーシェアリングサービスMavenでもUberドライバー向けに車両を179USドル/週で貸し出すサービスも提供している。Mavenは米国内11都市でカーシェア (1時間単位の貸し出し)を展開。

maven.com

フォードは、サンフランシスコエリアで開始したサブスクリプションサービス「Canvas」をロスアンゼルスエリアにも拡大。費用のモデルでは、基本料金50USドル/月+車 両月額329USドル/月(2015年Ford Fiesta)で合計379USドル/月としており、保険やワランティ、ロードサイドアシスタンスと走行距離500マイル/月分が含まれる。Canvasサブ スクリプション期間は1-12カ月までを選択でき、長期間であるほど優遇される制度となっている。OEMが主体となって運営されている他のサービスと異なる点は、Canvasはフォ ード・モーター・クレジット・サービスが主体となって、主にリースアップ車両を提供することで他社に比べて月額を低く抑えている点である。

drivecanvas.com

ポルシェ(ノースアメリカ)では、アプリ上の操作でMacanやBoxsterに乗り換えられるサブスクリプションサービス「Porsche Passport」をアトランタエリアで提供。 Boxster、Cayman、Macan S、Cayenneに乗れる「Launch」プランは2,000USドル/月、911 Carrera S, Panamera 4S, Macan GTS, Cayenne S E-Hybridに乗れる「Accelerate」は 3,000USドル/月としている。両プランとも保険や登録費用、メンテナンス費用を含む。Porsche Passportは、後述するClutchとのパートナーシップで提供されている。

porschepassport.com

BMWも「Access by BMW」をテネシー州ナッシュビルで実験中である。他社同様、保険、メンテナンス、ロードサイドアシスタンスが付帯した車両サブスクリプションサービ スを月額固定で提供するものである。Access by BMWの場合は、車両を無制限に変更することができ、大人数を乗せる必要がある場合にはSUV、週末のドライブにはコンバーチ ブルと必要に応じた車種をその都度アプリから調達でき、コンシェルジュがユーザーの好みのラジオ局などをプリセットしたうえで納車する。
Access by BMWには2段階のメンバーシップが用意されており、基本プランの「Legend」が2,000USドル/月で4シリーズ、5シリーズ、X5 、M2クーペに乗車可能で、上位プランの 「BMW M」は3,700USドル/月でM4コンバーチブル、M5セダン、M6コンバーチブル、X5M、X6Mに乗ることができる。

○本シリーズの①は下記URLよりご覧いただけます

(https://www.yanoict.com/daily/show/id/114)

○全文は下記URLよりご覧いただけます

(https://www.yanoict.com/opinion/show/id/233)

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422