米国では、UberやLyftなどのライドシェアサービスの利用が拡大して、さらにカーシェアが浸透する今後の社会では、自動車販売台数が影響を受けるとの懸念が広がってい る。一方で、新たなテクノロジーが次々に導入される自動車は価格が上昇しているのに加え、購入者はセダンよりもクロスオーバーを選ぶなど以前よりも高額な自動車が売れている。
今後は「所有から利用へ」ということで、カーシェアも急浮上しているが、常に自分専用の自動車が利用可能である「所有」に対する安心感はいまだ根強い。
こうした自動車が高額化する背景もあって、自動車購入にローンよりもリースが選ばれる傾向が高まっており、米国の新車購入者の3割がリースを利用しているという。燃費性 能の向上、ハイブリッドやダウンサイズエンジン、ハイブリッドやEV等パワートレインの進歩、車載カメラや自動ブレーキなど安全装置の進歩、車載インフォテイメントのス マホ連携やコネクティビティなどといった近年のテクノロジーの進歩のスピードに追い付くためには、3年で乗り換える方が得策だと考えるドライバーが増えたためとみられて いる。
こうしたなか、自動車の新しい所有形態として「サブスクリプション」が広がりつつある。サブスクリプションサービスは、カーメーカーにとっても新たな収益獲得方法とし て試されている方式である。
キャデラックは、どの車種にでも乗り替えできるサブスクリプションサービスを展開。月額1,800USドルに登録費用や税金、保険、定期点検・保守などの 車両費用に加え、OnStar(緊急通報、24時間コンシェルジュ)、Sirius XM衛星ラジオ、4G LTE車内Wi-Fiが含まれ、走行距離は無制限で1年間に18台まで車両を交換できる。 従来の自動車リースよりも乗り換えの自由度が高く、レンタカーよりは所有の要素が強いサービスである。提供エリアはニューヨーク、ロサンゼルス、ダラスの3都市。
高級セダンCadillac CTS-Vを頭金ゼロの36か月リースした場合、月額は約1,000USドル/月程度になる。保険料金(米国の自動車保険料は高い)や保守費用を考慮すれば、 1,500USドル/月は法外な価格では無いばかりか、雪が降る地域であれば、冬の間はSUVのEscaladeに交換ということもできる。
Cadillac CTS-V, Book by Cadillac
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