矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2026.07.16

ECプラットフォーム市場に関する調査を実施(2026年)

2025年度のECプラットフォーム市場規模は前年度比5.8%増の約2,398億円。生成AIやAIエージェントの活用拡大も中長期的な市場成長の要因に。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内ECプラットフォーム市場を調査し、市場規模の推計および将来予測、構築モデル別の市場動向、主要事業者の戦略やAI活用状況、Agentic Commerce市場の現状と将来展望を明らかにした。

「ECプラットフォーム市場に関する調査を実施(2026年)」 小見出し一覧

【図表:ECプラットフォーム市場規模推移と予測】

【グラフ:ECプラットフォーム市場規模推移と予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:ECプラットフォーム事業者売上高ベース
  • 注:2026年度は見込、2027年度以降は予測値

【図表:国内一般消費者向け(BtoC)EC市場に占めるAgentic Commerceの市場規模予測(2026~2030年度)】

【グラフ:国内一般消費者向け(BtoC)EC市場に占めるAgentic Commerceの市場規模予測(2026~2030年度)】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:一般消費者向け(BtoC)EC取引額ベース、なお、Agentic Commerce市場規模はAIエージェント経由の一般消費者向け(BtoC)EC取引額ベース
  • 注:本調査におけるAgentic Commerce市場は、AIエージェントが消費者に代わって商品またはサービスの探索、比較、予約、購入を支援または実行する一般消費者向け(BtoC)EC取引市場と定義する
  • 注:すべて予測値

 

ECプラットフォーム市場の概況

国内ECプラットフォーム市場は、EC(電子商取引)利用の定着や企業のDX推進を背景に拡大を続けている。近年はSaaS型ECプラットフォームの普及に加え、オムニチャネル(実店舗やECなどのあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合したデータ連携)対応や越境EC支援、データ活用支援などサービス領域の拡大が進んでいる。また、生成AIを活用した商品情報の生成や顧客対応、顧客情報や販売データ等を活用したマーケティング支援機能の実装も進み、EC事業者による業務効率化や顧客体験向上に向けた投資が活発化している。

一方で、新型コロナウイルス禍を契機とした新規ECサイト構築需要は一巡し、ECプラットフォーム市場は成熟化の局面を迎えている。そのため、市場成長の中心は新規導入から既存ECサイトのリニューアルや機能高度化、データを活用したマーケティング支援へと移行している。特に中堅・大手企業を中心としたリプレース(入れ替え)案件や企業間取引(BtoB向け)案件の増加により、EC事業者1社当たり売上高(ARPU)は向上しており、市場成長を支える要因となっている。

さらに、生成AIやAIエージェントの進展に伴い、AI対応基盤(AIがサイト内検索や情報収集をし、当該情報を適切に選択できるようにするための共通の仕組み)やデータ活用能力、API(Application Programming Interface)連携やMCP(Model Context Protocol)への対応力などが新たな競争要因として重要性を増している。AIエージェントやAgentic Commerceへの関心も高まっており、市場環境は新たな変化の局面を迎えている。

以上のことから、2025年度の国内ECプラットフォーム市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比105.8%の2,397億5,000万円と推計した。

※MCP(Model Context Protocol)とはAIとEC(電子商取引)システムなどを接続するための標準プロトコルで、商品情報や在庫情報、注文情報などをAIへ適切に提供するための基盤技術であり、Agentic Commerce時代における重要な連携技術として注目されている。

▲小見出し一覧に戻る

 

ECプラットフォーム市場の注目トピック

■Agentic Commerceがもたらす新たな購買チャネルの形成
本調査では、Agentic Commerce市場を「AIエージェントが消費者に代わって商品またはサービスの探索、比較、予約、購入を支援または実行する一般消費者向け(BtoC)EC取引市場」と定義する。

日用品や消耗品などの日常的(定型的)な購買領域ではAIエージェントの活用が進展する一方、ブランド価値や体験価値が重視される領域では従来型ECサイトの重要性が維持されると考える。そのため、今後は「効率性を重視するAgentic Commerce」と「体験価値を重視する従来型EC」が併存する市場構造へ移行していくものとみる。

このような背景から、Agentic Commerceは既存ECを代替するのではなく、新たな購買チャネルとして段階的に市場が拡大していくものと予測する。

国内Agentic Commerce市場規模(AIエージェント経由の一般消費者向け(BtoC)EC取引額ベース)は、2026年度の1,500億円から2030年度には3兆円規模へ拡大し、2026年度~2030年度の年平均成長率(CAGR)は111.5%で推移すると予測する。市場規模は急速に拡大するものの、2030年度時点においても国内一般消費者向け(BtoC)EC市場全体に占める割合は8.9%にとどまる見通しであり、当面は既存ECを補完する新たな購買チャネルとして、日用品や消耗品を中心に利用が拡大していくものと考える。

▲小見出し一覧に戻る

 

ECプラットフォーム市場の将来展望

国内ECプラットフォーム市場は、一般消費者向け(BtoC)EC市場の成熟化や新規ECサイト構築需要の一巡を背景に、今後も成長を続けるものの、市場成長率はこれまでに比べて緩やかに推移すると予測する。

そのため、今後の市場成長は新規導入需要よりも、既存ECサイトのリニューアルや機能高度化、企業間取引領域におけるDX需要の拡大、オムニチャネル対応、越境EC対応への投資拡大などによって支えられると考える。

また、生成AIやAIエージェントの活用拡大も、中長期的な市場成長の促進要因になると考える。特にAIエージェントの活用が業務支援から業務自律化の領域へと広がることで、ECプラットフォームの高付加価値化が進み、EC事業者1社あたりの平均契約単価(ARPU)の向上を通じた市場規模の拡大が期待される。

さらに、API連携や外部サービスとの連携機能の充実、高いカスタマイズ性を備えたSaaS型サービスの拡大などを背景に、フルスクラッチ型からSaaS型・パッケージ型への移行が中長期的に継続することも、市場全体の安定成長を支える要因になるとみられる。

こうしたなか、国内ECプラットフォーム市場規模は事業者売上高ベースで、2025年度の2,397億5,000万円から、2030年度には2,940億円へ拡大し、2026年度~2030年度の年平均成長率(CAGR)は3.9%で推移すると予測する。

▲小見出し一覧に戻る

 

参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 国内BtoC-EC市場規模の経年推移2014~2024年
  • 物販系BtoC-EC市場規模とEC化率推移
  • BtoC-EC市場規模/EC化率の推移
  • スマートフォン経由のEC市場規模の推移(物販系BtoC-EC)
  • インターネットを通じて注文をした世帯の割合の推移(2023~2026年)
  • ネットショッピングの月支出額(二人以上の世帯)の推移(2023~2026年)
  • Amazonグローバルの売上高推移(2020~2025年)
  • Amazon日本事業の売上高推移(2020~2025年)
  • 楽天 国内EC事業の売上収益の推移(2023~2025年度)
  • 楽天 国内EC流通総額の推移
  • LINEヤフーの「コマース事業」売上推移(2021~2025年度)
  • LINEヤフーの「eコマース」取扱高の推移(2024~2025年度)
  • ECサイト構築モデル別の主要事業者と主要サービス一覧
  • ECプラットフォーム事業者のビジネスモデル変化
  • ECプラットフォーム市場における競争構造の変化
  • ECプラットフォーム市場規模推移(売上高ベース)
  • ECプラットフォーム市場規模予測(売上高ベース)
  • ECサイト構築モデル別シェア推移(売上高ベース)
  • ECサイト構築支援サービスの提供方法別市場シェア予測(2026~2030年度)
  • Agentic Commerce国内市場規模予測(2026~2030年度)
  • ECプラットフォーム主要事業者の動向と戦略
  • 各社ヒアリングからみた今後の成長領域
  • ECサイト構築モデル別の今後の市場見通し
  • ECプラットフォーム事業者におけるビジネスモデルの類型と特徴
  • ECプラットフォーム事業者のビジネスモデル一覧
  • 主要事業者のEC事業の売上推移(2023~2025年度)
  • 主要事業者の導入企業数推移(2023~2025年度)
  • 主要事業者のサービス概要と特徴一覧
  • 主要事業者の最近の取り組み/主なアップデート一覧
  • 主要事業者の顧客属性・導入状況一覧
  • 主要事業者のリプレース需要の背景/選ばれる理由・優位性一覧
  • 主要事業者の顧客企業のニーズ動向一覧
  • ECプラットフォーム事業者のAI活用の共通動向と示唆
  • AI導入の状況および提供機能一覧
  • AIエージェント関連の共通点・示唆
  • AIエージェント関連の取り組み動向一覧
  • AI接続前提の基盤戦略一覧
  • 今後AIで代替されるEC領域と人間の役割一覧
  • 今後想定されるAI時代の収益モデル
  • 主要事業者のAI機能提供による収益モデル/売上への寄与度一覧
  • Agentic Commerce時代に向けたECプラットフォーム各社の対応方向性
  • Agentic Commerceに向けた取り組み一覧
  • 主要事業者の重点戦略の共通項
  • 主要事業者の今後の戦略・注力分野一覧
  • AI・Agentic Commerce時代における主要課題
  • 主要事業者の課題一覧
  • 市場の成長性に関する主要事業者の見解一覧
  • AI×SEO・データ生成
  • AIエージェントの主な役割と効果
  • AI機能×自律化レベル
  • CRM・マーケティング運用の進化
  • 主要事業者のCRM・マーケティングにおけるAIエージェント活用事例
  • 商品登録・在庫管理・受発注におけるAI活用の主要機能と導入効果
  • 商品登録・在庫管理・受発注の自律化に向けた進化シナリオ
  • 商品登録・在庫管理・受発注におけるAIエージェント取り組み事例
  • データ分析・意思決定の自動化における主要機能とAI導入効果
  • データ分析から自律意思決定への進化シナリオ(今後の期待)
  • EC構築モデルの進化(従来型とAI接続前提型の比較)
  • AI接続前提構築に必要な主要要素
  • 主要事業者のAIエージェントに関する取り組み状況一覧
  • AI技術専業ベンダーのEC領域における事業戦略
  • AI技術専業ベンダーのAgentic Commerceに向けた対応方針と市場見通し
  • AI活用拡大に伴う主要課題と懸念点
  • プレイヤー別の懸念点
  • ECプラットフォーム主要事業者のAI活用における課題・懸念点一覧
  • AI接点を持つ主要プレイヤーの競争優位性比較
  • AI技術専業ベンダーのEC領域における注力度・特徴・有望領域
  • AI技術専業ベンダーのEC領域への注力度・特徴
  • Agentic Commerceの今後の方向性とEC事業者への示唆
  • Agentic Commerce市場形成の方向性
  • Agentic CommerceとInvisible Commerceの関係
  • Invisible Commerceに関する事業者の見解
  • Agentic Commerce国内市場規模予測(2026~2030年度)
  • 国内BtoC-EC市場に占めるAgentic Commerceの市場規模と位置づけ(2026~2030年度)
  • Agentic Commerce市場の発展イメージ
  • Agentic Commerce時代に求められる競争要件
  • 商品カテゴリー別のAgentic Commerce適正

Ⅰ ECプラットフォーム事業者

  • 株式会社イーシーキューブ
  • 株式会社ecbeing
  • 株式会社Eストアー
  • 株式会社インターファクトリー
  • GMOペパボ株式会社
  • GMOメイクショップ株式会社
  • 株式会社セールスフォース・ジャパン
  • W2株式会社
  • 株式会社DGビジネステクノロジー
  • 株式会社フューチャーショップ
  • ネットショップ作成サービス「BASE」
  • 株式会社メルカート
Ⅱ AI技術専業ベンダー
  • 株式会社エクサウィザーズ
  • 株式会社PKSHA Technology

 

▲小見出し一覧に戻る

 

関連リンク

■アナリストオピニオン
ECサイトは不要になるのか―AIが変えるECプラットフォーム市場の次の主戦場
AI技術の進化によりEC市場が変わる

■デイリーコラム
【アナリスト便り】「2026 ECプラットフォーム市場の実態と展望-AIエージェント時代の市場変化とAgentic Commerce-」を発刊

■同カテゴリー
[ICT全般]カテゴリ コンテンツ一覧
[通信/放送/ネットワーク]カテゴリ コンテンツ一覧
[情報サービス/ソリューション]カテゴリ コンテンツ一覧
[コンピュータ/システム]カテゴリ コンテンツ一覧
[コンテンツ/アプリケーション]カテゴリ コンテンツ一覧
[テクノロジ/デバイス]カテゴリ コンテンツ一覧
[ネットビジネス]カテゴリ コンテンツ一覧
[エンタープライズ]カテゴリ コンテンツ一覧
[金融・決済]カテゴリ コンテンツ一覧
[その他]カテゴリ コンテンツ一覧
[ソフトウェア]カテゴリ コンテンツ一覧
[ITS]カテゴリ コンテンツ一覧

▲小見出し一覧に戻る

 

オリジナル情報が掲載されたショートレポートをお求めやすい価格でご利用いただけます!

※プレスリリースに以下の情報が追加されています。
  • 注目セグメントの動向
    • パッケージ型サービス、SaaS型サービス、フルスクラッチ型などサービスの市場シェア
    • AI接続(API/MCP/AEO)を前提とした構築モデルへの進化
  • 注目トピックの追加情報
    • ECプラットフォーム市場におけるAIエージェント対応の進展と競争環境の変化
    • AI活用拡大に伴う課題と懸念点
  • 将来展望の追加情報
以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

利用方法を確認する


調査要綱

調査対象:ECプラットフォーム事業者、AI技術専業ベンダー等
調査期間:2026年4月~6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※ECプラットフォーム市場とは:本調査におけるECプラットフォーム市場とは、ECサイトの構築・運営を支援するプラットフォームおよび関連サービスの市場を指す。対象には、SaaS型/ASP型、パッケージ型/カスタマイズ型、フルスクラッチ型などの構築モデルを含む。なお、ECサイト構築モデル別詳細は以下参照。市場規模はECプラットフォーム事業者売上高ベースで算出している。
また、本調査におけるAgentic Commerce市場は、AIエージェントが消費者に代わって商品またはサービスの探索、比較、予約、購入を支援または実行する一般消費者向け(BtoC)EC取引市場と定義し、市場規模はAIエージェント経由の一般消費者向け(BtoC)EC取引額ベースで算出している。

ECサイト構築モデル別詳細

  • SaaS型/ASP型:ECシステムをクラウドサービスとして提供する形態。月額利用料を中心としたサブスクリプション型のビジネスモデルが主流であり、導入のしやすさや継続的な機能アップデートを特徴とする。
  • パッケージ型/カスタマイズ型:あらかじめ開発されたECシステムの利用ライセンスを提供し、企業ごとの要件に応じてカスタマイズを行う形態。従来はライセンス販売と保守契約を中心としたビジネスモデルが主流であったが、近年はクラウド環境での提供やサブスクリプション型の料金体系を採用する事業者も増えている。
  • フルスクラッチ型:企業の要件に合わせてECシステムをゼロから個別に開発する形態。開発費や保守・運用費を収益源とする受託開発型のビジネスモデルが中心であり、高度なカスタマイズに対応できる点が特徴である。

<市場に含まれる商品・サービス>
SaaS型、パッケージ型、フルスクラッチ型などのECプラットフォームサービス

関連マーケットレポート
金貞民(キムジョンミン) 上級研究員
業界の皆様の新たなアイディアを整理し、方向性を提示することもリサーチャーの役割と思います。 常に市場変化を敏感に観察しながら、業界の皆様に価値のあるデータが提供できるよう精進して参ります。

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422