矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.03.01

経費精算ソリューション市場に関する調査を実施(2021年)

2021年度の経費積算ソリューション市場は、事業者売上高ベースで前年度比142%増を予測。ユーザ企業によるIT投資の加速に加え、電子帳簿保存法の改正が市場成長の追い風に。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の経費精算ソリューション市場を調査し、参入企業・ユーザ企業の動向、将来展望を明らかにした。

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【図表:経費精算ソリューション市場規模推移・予測】

【図表:経費精算ソリューション市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:2021年度、2022年度は予測

 

経費精算ソリューション市場の概況

2020年度の経費精算ソリューション市場規模を、事業者売上高ベースで前年度比130.2%の154億4,500万円と推計した。
新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う社会経済活動の変化により、市場にはプラス・マイナス双方の影響があった。しかし、プラス要因の方が影響が大きく、結果として2020年度は好調に推移した。
マイナスの要因としては、コロナ禍により企業活動の中で出張や接待などが減少したことが挙げられる。経費精算の業務量が縮小したことで、経費精算ソリューションに対するユーザ企業のニーズも一時的に停滞した。一方で、プラスの影響としては、テレワーク環境への対応を目的とした製品の新規導入が活発化したこと、コロナ禍を契機としてデジタル化やペーパーレス化の必要性を認識したユーザ企業においても新規導入が進んだことが、挙げられる。

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経費精算ソリューション市場の注目トピック

■電子帳簿保存法の改正が市場成長の追い風
2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行された。主な改正点は、税務署長の事前承認が不要になることや、適正事務処理要件として実施されてきた原本確認と検査が不要になること、タイムスタンプの付与期間が最長約2か月以内に延長され自署が不要になることなどであり、電子帳簿の保存やスキャナ機能を利用した保存のハードルが大きく下がることが期待されている。

改正により、これまで経費精算業務を紙ベースで運用してきたユーザ企業の経費精算システム利用促進につながるとみられ、経費精算ソリューション提供事業者は新規ユーザを増やすための機会として、新機能の開発やマーケティング活動に注力している。 また、同時に複合機(プリンタ、FAX、スキャナ等の複数機能を持つオフィス設置コピー機)を活用した紙書類の電子化ニーズも高まるとみられ、経費精算ソリューションと複合機の連携も堅調に進展すると考える。

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経費精算ソリューション市場の将来展望

2021年度の経費精算ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比142.0%の219億3,000万円を予測する。テレワーク環境への対応を目的とした製品の新規導入や、デジタル化やペーパーレス化の必要性を認識したユーザ企業によるIT投資の加速に加え、改正電子帳簿保存法の施行により、好調に推移する見込みである。状況は2022年度も継続する見通しで、2022年度の同市場規模は同141.9%の311億2,500万円になると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 「新しい生活様式」における働き方の新しいスタイル
  • 企業のテレワーク導入率及び導入予定率の推移
  • テレワーカーの割合(2016年~2020年)
  • テレワークの実施率
  • テレワークの課題
  • 経費精算ソリューションにおける主な申請手段
  • 複合機メーカによる複合機連携の製品ラインナップ
  • 経費精算ソリューション市場規模推移(2019年度~2022年度予測)
  • 経費精算ソリューション市場におけるコロナ禍の影響
  • 電子帳簿保存法上の電子データによる保存区分
  • 改正電帳法における主な改正事項
  • 経費精算ソリューションの売上高シェア(ベンダ売上高ベース)(2020年度、2021年度予測)
  • ユーザの企業規模に対する各社の方向性
  • 経費精算ソリューションの複合機との連携状況

■株式会社コンカー

  • Concur Expenseの主要な特徴
  • コンカー社が実施するデータ連携サービスの全体像
■jinjer株式会社
  • jinjer経費の概要
■freee株式会社
  • freee社が提供する製品の全体像
■株式会社マネーフォワード
  • Money Forwardのラインアップ
  • マネーフォワード クラウド経費とスキャナの連携
■株式会社ラクス
  • 楽楽精算の主な機能

 

  • レーザ複合機の出荷台数及び売上高(2018~2023年度予/国内)
  • 複合機メーカにおけるコロナ禍の影響
  • 主要各社の業績動向
  • 各社の製品ラインナップ
  • 各社の提供体制

■キヤノンマーケティングジャパン株式会社

  • uniFLOW Onlineの機能一覧
  • 料金プランと提供サービス
■シャープ株式会社
■富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
  • 主要な複合機連携ソリューション
  • Cloud Service Hubの概要
■リコージャパン株式会社
  • リコーの主要な複合機連携ソリューション(他社連携)

 

  • テレワーク関連業務アプリケーション市場規模推移・予測(2019年度~2025年度予測)
  • 仮想オフィスツール市場規模推移・予測(2019年度~2025年度予測)
  • 国内民間IT市場規模推移予測(2017年度~2023年度予測)
  • コロナ禍によるデジタル化への取組み状況の変化

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関連リンク

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調査要綱

調査対象:経費精算ソリューション提供事業者、複合機メーカ
調査期間:2021年8月~12月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、ならびに文献調査併用

※経費精算ソリューション市場とは:本調査における経費精算ソリューション市場とは、経費申請や承認(押印)などの運用をデジタル化し、経費精算業務を効率化させるシステム製品を対象として事業者売上高ベースで市場規模を算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
経費精算ソリューション

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