矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2020.07.10

テレワーク関連ソリューションの動向調査を実施(2020年)

新型コロナウイルス感染症への対応のため、国内の多くの企業・団体がテレワークを実施した。国内ビデオ・Web会議システム市場規模は2020年度に需要が大きく拡大する見通し。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のテレワーク関連ソリューション市場を調査し、直近のITツール利用状況とテレワーク関連ソリューション市場動向、ポストコロナの働き方の変化を明らかにした。ここでは、緊急事態宣言下のテレワークでのITツール利用状況、ならびにビデオ・Web会議システム市場動向について公表する。

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【図表:テレワーク勤務中のITツール利用状況について】

 図表:テレワーク勤務中のITツール利用状況について
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:調査時期:2020年5月、調査対象:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県のオフィスに勤務する20歳~70歳代の男女500人(自社がテレワーク実施中あるいは自身がテレワーク勤務中の経営者、または自身がテレワーク勤務中のマネジメント層および一般社員)を対象とした。調査方法:インターネットアンケート調査、単数回答。

テレワーク関連ソリューションの市場概況

新型コロナウイルス感染症への対応のため緊急事態宣言が2020年4月に発令され、国内の多くの企業・団体がテレワークを実施した。

本調査では、4月7日に 緊急事態宣言が発令された7都府県のオフィスに勤務し、テレワークを実施した男女500人に対し、インターネットアンケート調査を実施した。4種類のオンラインツール(Web会議システム、ビジネスチャットツール、オンラインストレージ、タスク・プロジェクト管理ツール)の利用の有無を聞いたところ、Web会議システムの利用率(79.2%)が最も高く8割近くに達しており、次いでビジネスチャット(46.2%)で5割弱程度、一方でタスク・プロジェクト管理ツールは8.4%と最も低くなった。新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークで、Web会議システムやビジネスチャットを初めて利用したというユーザも多く、ごく短期間でオンラインツールの利用が大いに進んだことが分かる結果となった。

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【図表:ビデオ・Web会議システム市場規模推移・予測】

図表:ビデオ・Web会議システム市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:ビデオ会議、Web会議、音声会議に関わる端末・システム・サービス、多地点接続装置(MCU)を提供する事業者売上高ベース。
  • 注:2020年度以降は予測値。

テレワーク関連ソリューションの注目トピック

■国内ビデオ・Web会議システム市場規模は2020年度に需要が大きく拡大する見通し
国内のITベンダーに対してテレワーク関連ソリューションの動向を調査したところ、2019年度のビデオ・Web会議システム市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比104.7%の405億円となった。

2019年度は、2020年7月より開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに向けたテレワーク環境への投資や、台風・地震など自然災害の発生対策としての事業継続性(BCP)の観点、働き方改革の浸透などからビデオ・Web会議システムの導入が進んだ。

2020年度では、新型コロナウイルス感染症への対応としてWeb会議システムを中心に需要が大きく拡大しており、前年度比120.4%の487億5,000万円になると予測する。今回のインターネットアンケート調査結果でも、テレワークを行った人の8割近くがWeb会議システムを利用しており、テレワークを円滑に進めるために大きな役割を果たしていると考える。

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テレワーク関連ソリューションの将来展望

テレワーク関連ソリューションのオンラインツールは、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワーク実施を契機に、今まで全く利用経験がなかった大勢のワーカー(マネジメント層や一般社員)がその利便性を知ったことから、今後普及が進む見通しである。

特にWeb会議システムは、距離と時間を劇的に効率化できるため、対面での会議の代替に留まらず、セミナーなどのイベントや営業活動、採用における面接など、幅広い分野で利用の拡大が進むであろう。ビジネスチャットツールも、eメールや電話通話に替わり利便性が高いツールとして広く普及していくと予測する。ただし、ビジネスチャットとWeb会議システムはこれまでのように別のツールとして発展していくのではなく、コミュニケーションツールとして複合化が進む可能性もある。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

■ポストコロナの働き方
  • 緊急宣言下のテレワーク対象者
  • 「新しい生活様式」における働き方の新しいスタイル
  • テレワークの三類型
  • 職位別テレワーク実施のメリット
  • テレワークのメリットと企業存続
  • 職位別今後の働き方について
  • コロナ禍後のテレワーク進展予測(経営層)
  • ジョブ型・メンバーシップ型雇用形態の比較
■テレワークに関するアンケート調査結果
  • テレワークの実施状況
  • コロナ禍以前のテレワーク実施状況
  • コロナ禍以前の業種別テレワーク実施状況
  • コロナ禍以前の従業員規模別テレワーク実施状況
  • 緊急事態宣言下のテレワーク対象者(再掲)
  • 緊急事態宣言下の業種別テレワーク実施状況
  • 対象者のテレワーク実施率
  • 対象者の業務別テレワーク実施率
  • テレワーク実施時の課題
  • テレワーク運用上の課題
  • テレワーク実施のメリット
  • 属性別 テレワーク実施のメリット
  • 家族状況別 テレワーク実施のメリット
  • 職位別テレワークのメリット(再掲)
  • テレワークの総合評価
  • 属性別 テレワークの総合評価
  • 家族状況別 テレワークの総合評価
  • 職位別 テレワークの総合評価
  • 今後の働き方について
  • 職位別今後の働き方について(再掲)
  • テレワークの継続意向
  • 属性別 テレワークの継続意向
  • 家族状況別 テレワークの継続意向
  • 職位別 テレワークの継続意向
  • コロナ禍後のテレワーク進展予測
■テレワーク関連ソリューションの活用動向
  • 緊急事態宣言下のテレワークで利用したITツール
  • Web会議システム 今後の利用意向
  • テレワーク関連ソリューション導入・活用の時間軸
■テレワーク関連ソリューションに関するアンケート調査結果
  • 利用したWeb会議システム(MA)
  • Web会議システムで行った業務
  • 最も利用したWeb会議システム(SA)
  • サービスを選択した理由
  • コロナ禍以前の利用状況
  • Web会議システム利用頻度
  • Web会議システムのテレワークへの貢献
  • Web会議システムが役立った内容
  • Web会議システムでは解決できなかった内容
  • サービス別満足度
  • Web会議システムによる働き方の変化
  • Web会議システム 今後の利用意向(再掲)
  • 利用したチャットツール(MA)
  • 最も利用したチャットツール(SA)
  • サービスを選択した理由
  • コロナ禍以前の利用状況
  • チャットツールの利用頻度
  • テレワークへの貢献状況
  • チャットツールが役立った内容
  • チャットツールでは解決できなかった内容
  • サービス別満足度
  • チャットツールによる働き方の変化
  • チャットツール 今後の利用意向
  • 利用したオンラインストレージ(MA)
  • 最も利用したオンラインストレージ(SA)
  • サービスを選択した理由
  • コロナ禍以前の利用状況
  • オンラインストレージの利用頻度
  • テレワークへの貢献状況
  • オンラインストレージが役立った内容
  • オンラインストレージでは解決できなかった内容
  • サービス別満足度
  • オンラインストレージによる働き方の変化
  • オンラインストレージ 今後の利用意向
  • 利用したタスク・プロジェクト管理ツール(MA)
  • サービスを選択した理由
  • コロナ禍以前の利用状況
  • タスク・プロジェクト管理ツールの利用頻度
  • テレワークへの貢献状況
  • タスク・プロジェクト管理ツールが役立った内容
  • タスク・プロジェクト管理ツールでは解決できなかった内容
  • タスク・プロジェクト管理ツールによる働き方の変化
  • タスク・プロジェクト管理ツール 今後の利用意向
  • 緊急事態下における利用の有無
  • コロナ禍以前の利用状況
  • テレワークへの貢献度
  • 今後の利用意向
■テレワーク関連ソリューションの市場動向
  • ビデオ・Web会議システム市場規模(国内)
  • ビデオ・Web会議システムの主な参入企業
  • ワークフロー・BPM市場規模推移
  • ワークフローの主な参入企業
  • 働き方改革ソリューション市場規模
■テレワーク関連ソリューション企業の動向
  • 株式会社エイトレッド
  • 日本マイクロソフト株式会社
  • 株式会社ブイキューブ
  • 経営層でのテレワーク実施上の課題(FA)
  • 営業・カスタマ対応業務でのテレワーク実施上の課題(FA)
  • バックオフィス系業務でのテレワーク実施上の課題(FA)
  • 企画・研究・開発・設計系業務でのテレワーク実施上の課題(FA)
  • テレワークを実施したか
  • 新型コロナウイルス終息後のテレワークの継続意向
  • 新型コロナウイルス前と同じ働き方に戻ることについてどう感じるか
  • 最も利用したWeb会議システムがテレワークに役立ったか
  • 最も利用したWeb会議システムがテレワークにどう役立ったか
  • 最も利用したWeb会議システムの満足度
  • 最も利用したWeb会議システムの継続利用意向
  • Web会議システムの使い方についての発見(FA)
  • 最も利用したチャットツールがテレワークに役立ったか
  • 最も利用したチャットツールがテレワークにどう役立ったか
  • 最も利用したチャットツールの評価
  • 最も利用したチャットツールの継続利用意向
  • チャットツールの使い方についての発見(FA)
■各国のテレワーク実施率と日本の位置づけ
  • テレワーク導入状況の国際比較(2016年企業導入率)
  • 各国の労働環境とテレワークの関係(コロナ禍前)
■日本のテレワークの利用状況とコロナ禍による変化
  • 企業のテレワーク導入率の推移
  • 産業別 テレワーク導入状況(企業)
  • 人数規模別 テレワーク導入状況(企業)
  • テレワークの三類型(再掲)
  • 導入しているテレワークの形態
  • テレワークの導入目的(企業) 複数回答
  • テレワークの効果
  • ビジネスICTツールの利用状況
  • テレワーカーのコミュニケーション確保のための対策
  • 感染症対策としてのテレワーク(在宅勤務に限る)の実施有無
  • テレワーク(在宅勤務に限る)を実施してみて問題があったこと
  • 都内企業(従業員30人以上)のテレワーク導入率
  • 業種別のテレワーク利用状況
■世界のテレワークの利用状況とコロナ禍による変化
  • 米国
    • 在宅勤務の実施状況(2004年~2018年)
    • 業界別 在宅勤務の実施状況(2018年)
    • 最終学歴別 在宅勤務の実施状況(2018年)
    • テレワークの実施理由(2019年)
    • マネージャー(管理職)が考えるリモートワーク実施にあたっての課題/懸念
    • コロナ禍後の勤務形態の希望
    • ロナ禍後のテレワークについての意向
  • 中国
    • 新型コロナウイルス流行期間中の勤務形態(2020年2月)
    • 在宅勤務における課題
    • 中国 テレワーク業界市場規模(2017年~2024年予測)
    • 総合コミュニケーションツール 新規加入者数推移(2020/1/22~2020/2/12)
    • Web会議ツール 新規加入者数推移(2020/1/22~2020/2/12)
    • オンラインファイル編集サービス 新規利用者数推移(2020/1/25~2020/2/12)
  • 欧州
    • EU28ヶ国別(イギリス含む) 日常的に在宅勤務を行っている従業者割合(2019年)
    • EU28ヶ国(イギリス含む)別 時々在宅勤務を行っている従業者割合(2019年)
    • EU諸国(5ヶ国)別 職場復帰の意向(2020年5月7日~2020年5月10日)

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関連リンク

■レポートサマリー
働き方改革ソリューション市場の調査を実施(2020年)
ワークスタイル変革ソリューション市場の調査を実施(2018年)
ワークスタイル変革ソリューション市場の調査を実施(2017年)

■アナリストオピニオン
進むオンライン化 4分野にみる新たな社会へのパラダイムシフト
働き方改革最前線~ITベンダの先進事例4選~(後編)
働き方改革最前線~ITベンダの先進事例4選~(前編)

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調査要綱

調査対象:インターネットアンケート調査:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県のオフィスに勤務する20歳~70歳代の男女500人 ITベン ダー調査:国内テレワーク関連ソリューション提供事業者
調査期間:2020年5月~6月
調査方法:インターネットアンケート調査、当社専門研究員による直接面談ならびに文献調査併用

※テレワーク関連ソリューションとは:テレワーク関連ソリューションとは、テレワークで利用されるITソリューションを指し、本調査では特に、Web会議システム、ビジネスチャットツール、オンラインストレージ、タスク・プロジェクト管理ツールの4種類のオンラインツールを対象とした。

<市場に含まれる商品・サービス>
ビデオ・Web会議システム、ビジネスチャットツール、オンラインストレージ、タスク・プロジェクト管理ツール

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小林 明子(コバヤシ アキコ) 主任研究員
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