矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2022.02.18

国内スマートシティ市場、自治体型スマートシティのロードマップを予測(2022年)

国内の自治体型スマートシティ市場の2030年度までのロードマップを予測。スーパーシティ構想を背景に、先端技術を活用したサービスの実装が進む見通し。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のスマートシティ市場を調査し、地方自治体及び参入企業の動向、将来展望を明らかにした。ここでは、自治体型スマートシティの2030年度までのロードマップについて、公表する。

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【図表:自治体型スマートシティ市場のロードマップ】

【図表:自治体型スマートシティ市場のロードマップ】
  • 矢野経済研究所調べ

 

国内スマートシティ市場、自治体型スマートシティの概況

政府が、2030年頃に実現される未来社会を先行実現するとして推進する「スーパーシティ構想」を契機として、地方自治体をフィールドとしたスマートシティ市場に大きな動きが生じている。本調査では、国内の自治体型スマートシティ市場のロードマップとして、IT活用戦略、スーパーシティ構想、分野間連携、実装と横展開の関係、事業規模(目安)の各項目について、2030年度までの動向を予測する。

短期(2022~2024年度)では、政府が推進するスーパーシティ構想の対象区域に指定された自治体で、先行事例の創出が進むと見込む。政府主導で規制改革や補助金による支援が行われ、AI・IoT・ビッグデータ分析など先端技術を活用したサービスの実装が始まるとともに、データ連携基盤(都市OS)の整備が行われる見込みである。スーパーシティ対象区域以外での取組みも行われ、スマートシティ市場は前進する。

中期(2025~2027年度)には、スーパーシティ構想の成果が公表されることで、近隣自治体や全国各地へ先端的なサービス導入事例の横展開が徐々に行われていく。この頃には、スマートシティを推進する自治体でのデータ連携基盤(都市OS)の整備が一般化すると予測する。また、データ連携基盤(都市OS)の活用により、複数分野を横断したデータの利活用によるソリューションの高度化が進むことが期待できる。

長期(2027~2030年度)においては、自治体が地域課題の解決や住民サービスの向上を図るために、IT技術を活用することが一般化する。民間事業者が先端的なサービスをパッケージ化することで、全国各地への横展開がしやすくなるためである。人口規模を問わず多くの自治体で、データ連携基盤(都市OS)の整備や先端的なサービスの実装が進むと予測する。

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国内スマートシティ市場、自治体型スマートシティの注目トピック

■自治体の取組みは進むものの、予算面が課題となる
スーパーシティの公募には、31の自治体(複数団体による共同提案は1団体とする)からスーパーシティ区域指定の提案があったが、政府は2021年8月に再提案を求め、2022年2月現在まだ採択されていない。この状況を受け、スーパーシティ構想に提案を行った自治体では、採択されるかどうかに関わらず、独自にITを活用した地域課題解決の施策を実施していく方針を打ち出している。

しかし、少子高齢化や地方の過疎化などにより自治体の財政が厳しさを増す中で、共通の課題となっているのは予算確保である。自治体においては、スマートシティを推進するための初期投資費用(イニシャルコスト)も、施策を継続的に進めるための運用費用(ランニングコスト)も、共に不足していることが多い。
また、スマートシティに関わる民間事業者側では、自治体の予算のみで事業を成立させることが難しいソリューション領域が多く、現状は実証実験を行いながらビジネスモデルを模索している段階である。マネタイズ手法を確立し、持続可能な事業に転換することが求められている。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

■国内スマートシティ市場(自治体型)の現状と将来展望

  • 国内スマートシティ市場(自治体型)のロードマップ(2022~2030年度)
■先端的サービスの現状と将来展望
  • 国内スマートシティ市場(自治体型)の分野別ロードマップ(2022~2030年度)
  • 先端的サービスの動向
  • 先端的サービスの実装に向けた主要な課題

 

■スーパーシティ構想の分野別施策計画

  • 先端的サービスの分野別提案内容の例
  • 各自治体における先端的サービスの分野別提案内容
■スーパーシティ構想応募自治体のIT活用戦略
■スーパーシティ構想の位置づけ
■スーパーシティ構想に応募する自治体の背景
■IT活用戦略の推進体制
■推進部署と原課との関係性
  • IT活用戦略の推進部署と原課との関係性
■連携事業者との関係性
■IT活用戦略における予算面の現状と課題
  • 自治体における予算面の課題の細分化
■住民との合意形成の現状と課題
■今後の展望
  • 先端的サービスの自治体規模別展開フェーズ

 

■スマートシティ事業の概要
■注力する領域・階層

  • 階層別参入ベンダのカオスマップ
■スマートシティ事業の推進体制
■自治体との連携状況
■他参入事業者との関係性
■スマートシティにおけるマネタイズ面の現状と課題
■今後の展望

 

■これまでの経緯と歴史

  • スマートシティに取り組む上での基本コンセプト
  • スマートシティ関連事業一覧
  • スマートシティモデルプロジェクト 先行モデルプロジェクト
  • スマートシティモデルプロジェクト 重点事業化促進プロジェクト
  • データ利活用型スマートシティ推進事業の採択事業
  • 未来技術社会実装事業
  • 日本版MaaS創出推進事業
  • 地域新MaaS創出推進事業
  • 民間企業主体のスマートシティ
  • スマートシティとスーパーシティの関係図
■スーパーシティ構想の現状
  • スーパーシティ構想の概要
  • 事業検討の手続き
  • スーパーシティの経緯と今後のスケジュール
  • グリーンフィールドを対象とした自治体
  • スーパーシティの応募自治体一覧

 

●取組み概要
●スーパーシティ構想/スマートシティの特長と強み
●2020年度、2021年度の概況
●注力する分野・領域
●庁内における推進体制
●関連事業者との連携状況及び方針
●現状の課題と解決の方向性
●今後の展望

 

■秋田県仙北市

  • 仙北市スーパーシティ構想の取組み概要
  • 主な連携事業者
■宮城県仙台市
  • 主な連携事業者
■茨城県つくば市
  • 主な連携事業者
■群馬県前橋市
  • 主な連携事業者
■長野県茅野市
  • 主な連携事業者
■長野県松本市
  • 「DXで目指す松本のまち」で示す取組みの方向性
  • 主な連携事業者
■石川県加賀市
  • スマートシティ加賀における9の施策と32の事業一覧
  • 主な連携事業者
■静岡県浜松市
  • 浜松市が2020年4月に設立した組織
  • 主な連携事業者
■大阪府
■兵庫県養父市
  • 主な連携事業者
■熊本県人吉市
  • 主な連携事業者

 

●会社概要
●スマートシティ関連ソリューションの特長・強み
●2020年度、2021年度におけるスマートシティビジネスの概況
●注力する階層やソリューション提供分野
●スマートシティビジネスの推進体制
●自治体や民間企業との連携及び貴社位置づけ
●スマートシティビジネスに対する現状の課題と解決の方向性
●今後の展望

 

■株式会社ウフル

  • スマートシティの全体像から見たウフルのスマートシティ関連ソリューション
■エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • Smart Data Platform for Cityの全体像
■日本電気株式会社
  • NEC都市OSの概要
  • 都市経営の最適化
■株式会社日立製作所
■富士通株式会社
  • Fujitsu UvanceのKey Focus Areas
  • 富士通が提供するスマートシティ関連ソリューション

 

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関連リンク

■レポートサマリー
国内スマートシティ市場、都市OS実装エリア数を予測(2020年)
自治体向けソリューション市場に関する調査を実施(2023年)

■同カテゴリー
[ICT全般]カテゴリ コンテンツ一覧

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調査要綱

調査対象:地方自治体、スマートシティ関連ソリューション提供事業者
調査期間:2021年11月~2022年1月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

※自治体型スマートシティ市場とは:本調査における自治体型スマートシティ市場とは、自治体をフィールドとしたスマートシティ(スーパーシティを含む)を対象とし、事業規模は設計、コンサルティング、データ連携基板、都市OS、通信インフラ、各種の先端技術を活用したソリューション等から算出した。但し、民間事業者を主体とするスマートシティを含まない。

<市場に含まれる商品・サービス>
スマートシティ(スーパーシティを含む)の設計、コンサルティング、データ連携基盤、都市OS、通信インフラ、移動・物流・支払い・行政・医療/介護・エネルギー・防災・観光Iなどの領域においてIoT・AI・ビッグデータ分析などの先端技術を活用したソリューション

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