矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2022.07.27

【アナリストオピニオン】現状3社に留まる金融サービス仲介業、今後の拡大可能性を考える①

2021年11月から登録が始まった金融サービス仲介業であるが現状3社に留まる。実際にふたを開けてみるとシングルライセンスでありながら、各業務の要件をクリアしなければならず、「シングルライセンス」は表面上の表現に留まる。しかしながら、金融サービス仲介業は仕組み作りが上手く作れれば新たなチャネルとしての潜在力を秘めている。そこで本稿では拡大における制約条件や後押しする条件を考えたうえで、金融サービス仲介業の拡大可能性を考察してみたい。

金融サービス仲介業とは

従来、生命保険をはじめとした金融商品を取り扱う上では、「預金等媒介業務」「有価証券等仲介業務」「保険媒介業務」「貸金業貸付媒介業務」の4つの業務について、各業界ごとに免許を取得する必要がある。すべてをカバーするためには体制整備やコストがかかるため、すべての免許を取得している代理店は5社に留まる。
元々日本には、1996年の保険業法の改正に伴い、保険仲立人制度が創設された経緯がある。保険仲立人(IFA)は、保険会社に所属せず、中立的な立場で最適な保険の提案や保険契約の締結を媒介することが可能であるものの、主に一定程度の金融資産を保有している富裕層をサポートしているため、普及しているとは言い難い状況にある。

そうしたなか一般ユーザーにとっては、保険ショップなどを運営する乗合代理店が保険仲立人と類似の役割を担っているものの、保険会社各社と代理店委託契約を締結しているため、契約している保険会社の保険商品に限定した提案に限られている。
また、最近ではインターネットの比較サイトや比較記事などを通じて情報収集し、自身にとって最適な金融サービスを選択できる環境にあるものの、投資商品や貯蓄型保険、住宅ローンなど、多岐にわたるうえ複雑な金融商品も多く、専門知識をITでカバーしたワンストップサービスに対するニーズが高まってきている。

そこで2017年11月の金融審議会総会・金融分科会合同会合における金融担当大臣への諮問を受けて金融審議会 金融制度スタディ・グループが発足。機能別・横断的な金融規制体系の整備に向けた基本的な考え方について審議し、2018年6月に中間整理を発表、金融規制体系を横断的なものとして、同一ルールを適用すべきと提言。こうした提言をベースとして金融サービス仲介業が生まれている。2019年12月の決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキンググループ報告を踏まえて、2020年6月に「金融サービスの利用者の利便性の向上及び保護を図るための金融商品の販売等の関する法律等の一部を改正する法律案」が国会を通過、2021年11月の施行に至っている。しかしながら、現状、登録者数は3社に留まる。

そこで本オピニオンでは金融サービス仲介業について拡大における制約要因や後押しする条件を明らかにしたうえ、拡大可能性について考察してみたい(山口泰裕)。

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/358

山口 泰裕(ヤマグチ ヤスヒロ) 主任研究員
ITを通じてあらゆる業界が連携してきています。こうした中、有望な業界は?競合・協業しうる企業は?参入障壁は?・・・など戦略を策定、実行に移す上でさまざまな課題が出てきます。現場を回り実態を掴み、必要な情報のご提供や戦略策定のご支援をさせて頂きたいと思います。お気軽にお声掛け頂ければと思います。

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