矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2022.06.03

【アナリストオピニオン】NTT Comの新サービス カーボンニュートラルへの取り組み③

今回NTT Comの新サービスに関する紹介であったが、カーボンニュートラルへの取り組みは、あらゆる業種で拡大していく。近年、環境意識の高い企業では、サプライヤーに対して排出量の削減を求めるようになっている。カーボンニュートラル経営を行うことで、そうした企業とも継続的に取引を行うことができるだろう。また、金融機関からの融資条件でもカーボンニュートラル化に向けた取り組みを求められるようになっている。そのため、資金調達の面でもカーボンニュートラルへの取り組みは重要となっていく。
しかし、現状どういった取り組みから始めるべきなのか分からないといった企業もあるだろう。そうした中で、こうしたカーボンニュートラルへの取り組みを掲げるデータセンターの存在は非常に重要と考える。データセンターの置き換えをするだけでもカーボンニュートラルにつながる点は企業にとって魅力的だろう。

データセンターに限らず、IT業界では脱炭素に関連する様々な動きが見られる。1つ挙げられるのは、これまで排出量の可視化が難しいとされてきたScope3を算定とするソリューションの開発である。Scope3とは排出分類の1つであり、事業者自らが直接排出するScope1、電気供給や熱の使用に伴う間接排出であるScope2、それ以外に当たる製品の廃棄や輸送・配送の際に発生する間接排出がScope3である。事業によってはこのScope3が排出量の8~9割を占めることもあるといわれる一方で、他社の製品やサービスまで測定の範囲となるため、これまで可視化ができていなかった。しかし、現在ではScope1、2、3それぞれの排出量の算定や可視化が可能であるソリューションが開発されており、企業は具体的な排出量の目標設定等が行えるようになっている。
今後、カーボンニュートラルの実現に向けて、IT業界ではより精度の高い排出量の測定ができるソリューションの提供が必要となる。但し、正確な排出量の測定が可能なソリューションが開発されても、直接的に排出量の削減につながることはない。測定された排出量に対して、AIを用いた具体的な課題抽出や、その解決策の提案といったソリューションの提供が求められるだろう。IT業界では自社のカーボンニュートラルを実現することと同時に脱炭素への取り組みが加速するユーザーに対応したサービス提供が重要になる(今野 慧佑)

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/347

今野 慧佑(コンノ ケイスケ) 研究員
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