横断的アクションプランではIoT時代の技術進歩の成果を踏まえ、訪日外国人等のスムーズな移動、観光、買い物等の実現に向け、スマートフォン、交通系ICカードやデジタルサイネージ等と、共通クラウド基盤を活用した多様なサービス連携(個人の属性・言語等に応じた情報提供や支払手続の簡易化等)をめざす“IoTおもてなしクラウド”事業を推進している。
都市サービスの高度化に関する進捗についてみると、平成28年度は、IoTおもてなしクラウドを活用し、千葉・幕張・成田地区におけるスムーズなホテルのチェックイン、美術館へのチケットレス入場、デジタルサイネージによる自国語での観光情報・経路案内等の提供、レストランでのスムーズなサービスの提供、多言語翻訳などの実証実験が行われた。この実験の課題を受け、平成29年度はおもてなしクラウドの情報仲介機能に必要な要件・ルールや第三者提供に係る同意取得等の在り方・ルール、利用者のインセンティブとなる利益の還元方法などの検証が行われた。さらに平成30年度になると、おもてなしクラウドの実用化に向け、おもてなしクラウドへの情報登録方法等、実運用に必要なプロセスの検証(例えば旅行代理店や航空会社等と連携し、旅行の流れの中で、自然にストレスなく属性登録できる仕組みの検証)や、自発的に属性登録するようなキラーサービスの検証が行われる方向性である(総務省「都市サービス高度化ワーキンググループ第8回_平成29年11月_配布資料8-1_IoTおもてなしクラウド事業について」より)。
IoTおもてなしクラウド事業が“訪日外国人等”のスムーズな移動としているように、こと、国内に限っていうならば、自国語での観光情報・経路案内等の提供や多言語翻訳などはインバウンド以外の需要を期待しにくい。2020年東京大会以降の我が国の持続的成長も見据えるのであれば、日本人にとってもメリットのあるサービスの提供がデジタルサイネージ市場のさらなる拡大につながる。この点からもどのようなキラーサービスが生まれるのかが市場にとってひとつの鍵になりそうだ。
もっとも、デジタルサイネージの規格については国際標準化を目指しており、それが果たされれば多言語翻訳などに対するニーズも高まる。この場合、地図情報などの交通系・移動系サービスがキラーサービスになることが考えられるが、それらに性別や年齢などを登録することには違和感もある。交通系でキラーサービスになる可能性が高いのは、飛行機を利用したサービスになるだろう。もっとも、キラーサービスとするには飛行機は敷居が高い。となると決済系が候補になりそうだ。しかし、日本のキャッシュレス決済比率は海外諸国と比較するとまだ低く、デジタルサイネージとの連携を考える上では更なる拡大が期待される。
【図表:キャッシュレス決済比率の各国比較(2015年)】
出所:経済産業省 商務・サービスグループ「キャッシュレスの現状と推進」(平成29年8月)
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