今回、三越伊勢丹ホールディングスが導入したこのコミュニティは、コミューン株式会社が提供するcommmuneで、「ツール・デュ・ショコラ」は、2021年12月のオープンからおよそ1カ月で1,500人の登録があったという。commmuneには、カスタマーサクセスに必要な機能がすべて備わっており、分析・コミュニケーション・最適なサポートがひとつのプラットフォームで実現できる、とコミューンはいう。精度が高い分析と個別最適なアクションが可能になる点は、企業に大きなメリットがあるはずだ。
2019年に弊社でも『法人向けファンコミュニティクラウド構築市場の実態と展望』というレポートを発刊しており、コミューン株式会社(当時はDayone株式会社)に取材をしている。commmuneは当時から柔軟な運用やサポート、十分な機能などが強みであった。2019年当時、法人向けファンコミュニティクラウド構築市場について2022年の市場規模を63億円と予測した。
三越伊勢丹は、このコミュニティについて、「誰もが文化の探索と深化ができる豊かな社会を創る」をビジョンに掲げる三越伊勢丹社内起業制度にて採択された新規事業「GUIDE by ISETAN MITSUKOSHI」の取り組みの一環で、主な目的は次の2点であるという。
- 三越伊勢丹と繋がりのある様々な業界のプロフェッショナルの知識(ナレッジ)やハウツーをキュレーションし伝えることで、信頼できる情報を誰もが取得でき、文化の「探索」と「深化」ができること
- 作り手が興味関心のある顧客に向けて情報発信できる環境を作ることで物づくりをしやすい世の中を作ること
さらには、これまであまり表に出てこなかったイベントやプロモーションの制作過程や、バイヤー自身にもフューチャーをし、「プロセスエコノミー」という側面や一緒にイベントや場づくりを盛り上げる「共創」という側面からも顧客に豊かな体験を届けることを目指しているという。
共創はDX(デジタルトランスフォーメーション)においても重要なキーのひとつである。コミュニティマーケティングも万能ではなく、製品やサービスにファンがいない場合(例えば新商品など)は使うことが難しい手法だが、少なくとも私にとっては今年のサロン・デュ・ショコラを豊かにし、また来年へとつなぐものになった。
顧客の生の声を聞けることで、既存顧客との関係構築や、新商品の開発などにも活用できるファンコミュニティマーケティング。市場も順調に成長しており、今後、デジタルマーケティング市場に大きなインパクトを与えていきそうである(小山博子)。
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