矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2021.10.13

【アナリストオピニオン】基幹システムのクラウド化の進展②

販売管理、生産管理含めたSaaS化が注目される

AWSやAzureなど、クラウド基盤の利用は既に一般的になりつつあるが、今後増加が見込まれるのは、アプリケーションをサービスとして提供するSaaSの利用である。昨今SAP、マイクロソフト、オラクルなど、外資系有力ERPベンダーがSaaS製品の提供を強化しており、「ERPを個別システム/パッケージではなくSaaSで利用する」というトレンドの変化が訪れつつある。2021年には、GRANDIT miraimil (開発元:GRANDIT)、ProActive C4(開発元:SCSK)など国産ベンダーによるSaaSの新サービスの提供開始も予定されている。

会計・人事は企業による業務の差が少ないため、マルチテナント型のSaaSとしても利用しやすい。バックオフィス系分野は着実にSaaSの利用が進むと考える。今後の動向として注目したいのは、販売管理、生産管理を含めたSaaS化である。これらの業務領域は企業による業務の違いが大きく、まだ自社開発システムの利用率も高い。クラウドの意欲の高まりは、まずはIaaS・PaaS利用に反映されるだろう。
しかし、既に一部のベンダーでは販売管理、生産管理のSaaS提供の動きが始まっている。エクスの生産管理システム(販売管理機能を持つ)「Factory-ONE 電脳工場」や富士通「GLOVIA きらら販売」はSaaSで提供されている。2021年10月から提供される「GRANDIT miraimil」は販売管理を含む統合型ERPとして利用できることが特徴となる。中小企業向けに、モジュール間でDBが連携されたERPのメリットを訴求することで、会計のみ、人事給与のみを対象とした専用業務パッケージのSaaSとの差別化を図る考えだ。その他にも、mcframe(開発元:ビジネスエンジニアリング)やFutureStage(開発元:日立グループ)などクラウド化に積極的な姿勢を持つベンダーもある。2021年以降、SaaSのサービスの種類は増加していき、企業にとっては選択肢が増えることになることが見込まれる。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/329

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422