矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2021.09.27

【アナリストオピニオン】アフターコロナの企業の課題①

財務省が2020年10月30日に発表した2019年度の法人企業統計では、企業が蓄えた内部留保に当たる利益剰余金が、前年度比2.6%増の475兆161億円となり、8年連続で過去最高を更新したという。消費税増税や新型コロナウィルス感染拡大による景気の先行き不透明感を背景に、企業が投資を抑制し、内部留保が一段と積み上がったとされている。

企業の内部留保、つまり利益剰余金は2009年頃の200兆円台後半から一貫して増え続けており、この10年程度で200兆円近く増加している。さらに言えば、あのバブル経済当時は200兆円にさえ届かなかったにも関わらず、現在はその倍以上に膨れ上がっているのだ。
過去、バブル経済の崩壊、リーマンショックを経て、近年の企業は目先の利益を優先する姿勢を顕著にするとともに、将来のリスクに対して内部留保をできるだけ積もうとする極めて保守的な姿勢を貫いてきていると言えるのではないか。こうした中、誰もが予想しなかった新型コロナウィルスというパンデミックが起きたことにより、今後ますます企業の保守的な姿勢が強まる可能性は否定しがたい。

一方、売上総利益に占める人件費の割合は、1980年以降、好不況の波に合わせて上下してきたものの、2000年代以降は低下傾向にある。2018年の人件費割合は54.8%、2018年と景況感の近い2005年は57.1%で、2ポイント以上比率が低下している。ここ10年は企業が人件費やそれ以外の販売費及び一般管理費を減らして、営業利益率の確保に励んだという構図になっていると言えそうだ。企業が内部留保を積み上げているにも関わらず、人件費に配分しないことがデフレ経済を招いているという意見は根強い。
また、当社が毎年実施している国内企業のIT投資の動向調査によれば、近年の日本企業のIT投資額は、年によって上下はあるものの、やはり概ねほぼ横ばいで推移していると言ってよい。日本の設備投資全体を通して見ても、傾向は同様である(野間博美)。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/328

野間 博美(ノマ ヒロミ) 理事研究員
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