矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.12.25

【アナリストオピニオン】日本における金融教育の在り方とは④

お店や利用者にとってのキャッシュレス決済のメリットについてグループディスカッション

お店にとっていい所は何か?という問いには下記の様な回答があがった。

  • 強盗に遭いにくい
  • 釣銭切れがない
  • 人件費の削減ができる
  • 売上がわかる
  • 2千円札への対応など面倒なことがない

講師からの補足では下記が上げられた

  • 現金管理の手間が無くなる
  • 収益の管理が簡単
  • 海外客への対応が楽になる
  • 衛生面でも感染症の問題が無くなる
  • レジ締めが楽になる
  • お金の受け渡しが減る
  • レジの混雑を緩和できる
  • 差別化に繋がる

キャッシュレス決済の注意点は?

  • お金の使い過ぎ
  • 不正利用
  • 使えない時がある

覚えて帰って欲しいこと(まとめ)

  • キャッシュレス決済の利用が増えている
  • キャッシュレス決済はお金の記録のやりとりをするもの(魔法のカードではない)
  • キャッシュレス決済には3種類のパターンがある
  • 利用者やお店の人にとって多くのメリットがある
  • 自己責任で、自分で判断をして利用する事が大事である

という言葉で授業を締めくくった。

生徒の声

■感想は?
この授業はみんなで自由に意見をいえて、話し合いができるような場所だったのでとても楽しかった。
■キャッシュレス決済を知っていた?
キャッシュレス決済については知っていたが、どちらかというと堅いイメージで、型にはまっているようなイメージがあった。今回の授業でより身近なサービスと感じることが出来た。
■周りのみんなはキャッシュレス決済を使っているか?
周りではキャッシュレス決済を利用する友達はいるが、私は現金が中心で、キャッシュレス決済は大人の政治の世界の話という印象だった。
■これからキャッシュレス決済を利用していきたいか?
今回の授業で身近になったので、キャッシュレス決済を使ってみたいと思うようになった。

最後に

今回の授業への取材を受けて感じた事は主に2点。1点目はキャッシュレス決済が魔法のカードという言葉で表現したことである。中学生ながらにキャッシュレス決済を活用する事が非常に手軽で魅力的である反面、利用が出来るからと欲望のままに使ってしまうケースが予見しているところが興味深い。もう1点は、キャッシュレス決済は大人の政治の世界で堅いもの、子供達には少し遠い存在と考えている点である。今回キャッシュレス決済の授業を通して、キャッシュレスがお買い物をどれだけ便利にするか、お店の煩雑なオペレーションがどれだけ楽になるか、を意識することが出来て、より身近なものと感じてもらえたのは大きな前進である。

キャッシュレス決済を活用する事で生じる経済効果は計り知れない部分があり、DXの推進に寄与するものである事は間違いない。その中で、利用者の自己責任の意識を醸成すると同時に、決済サービス提供事業者の社会的責任を明確にしていく必要がある。この中学生たちや将来を担っていく子供たちが、安心・安全に利用できる環境を作っていく事が決済サービス提供事業者の社会的責任である。オンラインでの利用をはじめとした不正利用対策はもちろんであるが、利用者の使い過ぎを期待するようなマーケティング施策に対しても、見直しを行っていくべきである。自己責任という言葉で片付けるのではなく、適正な利用を見守っていく姿勢こそ、決済サービス提供事業者の社会的使命ではないだろうか。キャッシュレス決済の将来を考える大変貴重な機会であった。(髙野淳司)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/396

高野 淳司(タカノ ジュンジ) 主席研究員
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