矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.08.04

【アナリストオピニオン】公的個人認証がeKYCの中心に デジタル庁の動向③

健康保険証・運転免許証との一本化
健康保険証、運転免許証については、今後マイナンバーカードとの一本化が発表されている。健康保険証は2022年度に保険医療機関等のオンライン資格確認の原則義務化が開始され、2024年度にマイナンバーカードとの一体化の運用を開始し、2024年秋には健康保険証の廃止が予定されている。
運転免許証は2022年度以降、県警の運転者管理システムの移行や一体化に必要なシステム改修、下位法令の制定等が進められ、保険証と同じく2024年度の少しでも早い時期に一体化の運用を開始する予定としている。
健康保険証については、大手通信会社において、本人確認書類としての取扱いが廃止されるなど、本人確認書類としてはマイナンバーに置き換わると考えられる。


eKYCのマイナンバーカードへの一本化
第4回デジタル社会推進会議(2023年6月6日)における「デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)」において、マイナンバーカードの活用方針についての発表がなされた。
その中で「犯罪による収益の移転防止に関する法律51、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律52(携帯電話不正利用防止法)に基づく非対面の本人確認手法は、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、運転免許証等を送信する方法や、顔写真のない本人確認書類等は廃止する。対面でも公的個人認証による本人確認を進めるなどし、本人確認書類のコピーは取らないこととする。」との記載があり、今後、法令に基づく本人確認は公的個人認証に一本化される方針が明らかとなった。
実施スケジュールとしては、2023年度に「eKYC廃止等について。事業者と議論・調整の上、改正内容の検討」、2024年度に「パブリックコメントのうえ、改正内容決定」、2025年度以降に「十分な準備期間を確保した上で施行」としており、数年以内にeKYCに係る外部環境が大きく変わっていくことが予想される。(石神 明広)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/386

石神 明広(イシガミ アキヒロ) 研究員
現在の市場の分析だけでなく、それによって何がもたらされるか、どう変化していくかといった将来像に目を向けていきたいと考えております。一歩踏み込んだ調査を心掛け、皆様のお役に立てるよう精進を重ねて参ります。

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