矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2023.05.29

【アナリストオピニオン】変革に向けて動き出す中小企業 ③

チーム制の採用で課題を解消~クロス・ヘッド

クロス・ヘッドが提供する「情シスSAMURAI」は、情報システム部門の人手不足や業務の属人化問題、ルールの不足をコンサルティングとアウトソースの2つの柱で支援し、最適な情シス業務環境へと導く、情シス問題解決に特化したサービスである。顧客ごとに必要なサービスが異なるため、提供メニューを定型化するようなことはせず、顧客の環境を事前に把握し、必要なサービスを柔軟に組み合わせ、個社ごとに提供している。定型化すると、どうしても定型化できない業務が出てきてしまうためであろう。同社の顧客に寄り添う姿勢がうかがえる。

中堅以下の企業では、専任の情シスが不在、一人情シスというケースも多く、DXに取組みたくともその余裕がない企業もある。同社は情シスを担う担当者に事業変革を主導する立場としてDXに取組んでもらえるよう、そのサポートをする考えである。ユーザは本サービスを利用することで、DXに取組む時間の確保や、コストの改善を図ることなどができる。

同社サービスの強みのひとつはチーム制を採用していることである。ユーザが本サービスを利用しても、その先の担当者が一人というのでは、属人化は解消されず、また、その一人が体調不良になった場合、自社システムの運用等に不安が出る。チーム制を採ることで、ユーザはそうした課題を解消でき、経験豊富なエンジニアに安価に相談等もできる。さらに、同社もチーム構成をマネージャと若手とすることで人材育成ができるなど、メリットは多い。同社のこのチームは「xF1T(クロスフィット)」と言い、メンバは、改善も代行もできるスキル・ノウハウを持っている。こうした点を評価し、他社サービスから乗り換えてくる顧客もあるようだ。

本サービスの主な顧客層は従業員数100~500人程度である。サービスの性質上、業種は様々で、ターゲットも定めていないと推測する。顧客の利用の始め方として、最初から全社で利用するケース、スモールスタートのケースがあると見る。

最近目立つ需要のひとつに、セキュリティ関連があると同社は言う。同社は、テクマトリックスのグループ会社である。テクマトリックスはセキュリティに強みを持っており、同社もノウハウ等について共有することもあると思われ、それらも活かし、顧客のニーズに応えていると推測する。

同社は今後、DX(業務改革)に関するコンサルティングにより一層注力する意向を持っており、顧客の競争力向上に貢献していくと考える。(小山博子)

※全文は以下よりご覧いただけます。

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/381

小山 博子(コヤマ ヒロコ) 主任研究員
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