2022年1月にデジタル庁が「教育データ利活用ロードマップ」を公表してから1年が経過した。教育データとは、授業の理解度やテストの結果といった学習に関わるデータだけではなく、身体測定や校外のクラブ活動に関するデータなど多岐に渡る。現在、このデータは各学校や各自治体、各家庭などがそれぞれ独自に集め、管理方法も統一されていない。そのため、組織の間でデータを連携したり、データを引き継いで活用するといったことが難しい。子どもの転校や進級の際も、これまで蓄積された教育データが学校の間で上手く引き継がれないケースやデジタルで保存されているデータを一度紙に記載して引き継ぐといった手間が発生している。
こうした実態に対して、各省庁では教育データの利活用に向けたロードマップの策定に着手した。 教育データを適切に流通させるには、まずはこれまでばらばらに集められてきたデータを標準化する必要がある。しかし、教育に関わるデータは学校内外含めて様々な情報があり、全てを標準化させることは不可能である。そこで、標準化の対象となるデータを組織間で共通化できる教育データに限定した。具体的には、学習者・教員・学校の属性等の「主体情報」、学習した内容等の「内容情報」、学習以外も含めた活動である「活動情報」、これら3つが対象となっている。既に各情報の定義は公表されているが、今後も必要に応じて随時更新されることとなっている。
標準化されたデータを活用していくには、データの収集および連携ができる環境の整備を進めていく必要がある。この点についてロードマップでは、まず学習支援システムと校務支援システムのデータの相互流通を確保することが喫緊の課題だと示している。 そこで、デジタル庁は2022年10月に教育関連データの連携実現に向けた実証調査研究に参加する事業者の公募を実施した。この公募では初等中等教育における校務支援システム、学習支援システム、関連する教育アプリとの間の教育データ連携の実施研究が目的とされている。採択された事業者は校務支援システム事業者が10、学習支援システム事業者が8、学習アプリ事業者が25であった。採択事業者は2023年3月までの間に各システムの間でデータ連携の実証を行う。(今野慧佑)
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