矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2026.08.27

家賃債務保証市場に関する調査を実施(2026年)

家賃債務保証市場は安定した成長を維持、2030年度の市場規模は3,657億円を予測する。競争軸は市場規模の拡大から生産性、収益性、付加価値の向上へ。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の家賃債務保証市場を調査し、家賃債務保証市場の動向および将来展望を明らかにした。

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【図表:家賃債務保証市場推移と予測】

【グラフ:家賃債務保証市場推移と予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:事業者売上高ベース
  • 注:市場規模は居住用と事業用の合算値
  • 注:2026年度見込値、2027年度以降予測値

 

家賃債務保証市場の概況

2025年度の家賃債務保証市場規模(居住用・事業用の合算値)は、事業者売上高ベースで2,722億1,800万円(前年度比106.8%)となり、2026年度には2,905億2,800万円(同106.7%)へ拡大する見通しである。

分野別にみると、事業用市場規模は、2025年度の337億円(同117.1%)から2026年度には379億円(同112.5%)へ拡大する見通しであり、居住用市場を上回る成長率で推移している。居住用市場が成熟局面へ移行するなか、事業用市場は市場全体の成長を牽引する分野として存在感を高めている。

こうした市場拡大の背景には、2020年の民法改正を機に家賃債務保証サービスの活用が定着してきたことに加え、単身世帯、高齢者世帯、在留外国人の増加などに伴う社会構造の変化がある。家賃債務保証は賃貸借を支える社会インフラとして定着し、市場は引き続き安定した成長を維持するものとみる。

一方、居住用市場では保証サービスの普及が進んでいるものの、賃料上昇や物価高の影響による転居需要の鈍化もみられ、家賃債務保証会社は事業用市場への展開や高齢者・在留外国人向けサービスの拡充、業務の効率化に資するAI・DXへの投資、M&Aによる事業基盤強化など、新たな成長機会の創出を進めている。

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家賃債務保証市場の注目トピック

■与信審査へのAI活用とDX化が進展
家賃債務保証会社では、申込受付から審査、契約、債権管理までの業務プロセス全体でDXが進展している。

特に、自社に蓄積された審査データや債権回収データをAIで分析し、与信審査の高度化を図る動きが活発化している。スマートフォンによるオンライン申込、AIを活用した審査支援、電子契約、督促・回収業務の自動化などにより、審査時間の短縮と審査精度の向上、生産性向上を同時に実現する取り組みが広がっている。

今後は、人手不足のなかでも対応できる業務体制の構築やリスク管理の精度向上を実現する基盤として、AI・DXの重要性はさらに高まると予測する。

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家賃債務保証市場の将来展望

家賃債務保証市場規模における2026年度から2030年度までの年平均成長率(CAGR)は約6%で拡大基調を維持し、2030年度には3,657億4,400万円(事業者売上高ベース、居住用と事業用の合算値)と予測する。

このうち、事業用市場は居住用市場を上回る成長率を維持し、2030年度には600億円を超える市場へ拡大すると予測する。居住用市場の拡大は安定して推移する一方、事業用市場は市場全体の拡大を牽引する原動力として、今後も高い成長率を維持すると見込む。

家賃債務保証市場の競争軸は、市場規模の拡大から、生産性、収益性、付加価値の向上へ移行すると考える。AIを活用した業務の高度化、保証サービスにとどまらない生活支援サービスの拡充、物流施設・医療施設など新市場への展開、更新保証料を軸としたストック型収益の拡大、M&Aや資本提携による業界再編などが、今後の重要なテーマになるものとみる。

家賃債務保証は、安心・安全な賃貸契約を支える社会インフラとして、その役割をさらに拡大していくと考える。また、家賃債務保証会社は「保証サービス」を提供する企業から、生活支援やデジタル技術を組み合わせた「総合保証サービス企業」へと発展する転換期を迎えており、こうした変革を実現する企業が次世代市場を牽引すると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • 登録事業者の事業開始年の状況
  • 登録事業者数の推移(年別)
  • 家賃債務保証業者の全体構造
  • 登録業者の営業展開地域の構成比
  • 主な家賃債務保証業界の動向
  • 総世帯数および単身世帯数推移(2013~2030年予測)
  • 65歳以上の高齢者のみの世帯数推移(2013~2024年)
  • 外国人在留者数推移(2015~2024年)
  • 日本全国の借家の1ヵ月あたり平均家賃推移(2003~2023年)
  • 東京都23区のマンションの1ヵ月あたり平均家賃推移(2008~2026年)
  • 東京都23区のアパートの1ヶ月当たり平均家賃推移(2008~2026年)
  • 家賃債務保証市場規模推移(全用途)
  • 家賃債務保証市場シェア(全用途)
  • 家賃債務保証市場規模推移(居住用)
  • 家賃債務保証市場規模推移(事業用)
  • 家賃債務保証市場シェア(事業用)
  • 家賃債務保証市場規模予測
  • 家賃債務保証市場規模予測(居住用)
  • 家賃債務保証市場規模予測(事業用)
  • 営業収益推移(百万円)
  • 営業利益推移(百万円)
  • 営業利益率推移(%)
  • EBITDA推移(百万円)
  • 新規保証料推移(百万円)
  • 総保証額推移(百万円)
  • 新規契約件数推移(千件)
  • 保有契約件数推移(千件)
  • 紹介手数料推移(百万円)
  • 家賃立替金推移(百万円)
  • 前受金推移(百万円)
  • 保証履行損失引当金推移(百万円)
  • 代位弁済率(%)
  • 10代位弁済回収率(%)
  • 協定不動産会社数推移(協定会社拠点数)
  • 拠点数推移(店)
  • 組織体制
  • 都道府県別の不動産管理会社の状況
  • 主要参入企業一覧
  • 家賃債務保証ビジネスの全体像
  • 主要家賃債務保証会社の業績動向
  • 主要家賃債務保証会社の実績動向
  • 家賃債務保証市場規模推移(居住用/事業用別)
  • 主要家賃債務保証会社の管理会社との接点強化に関する取組み
  • 主要家賃債務保証会社の居住用家賃債務保証に関する取組み
  • 主要家賃債務保証会社の事業用家賃債務保証に関する取組み
  • 主要家賃債務保証会社の審査に関する取組み
  • 主要家賃債務保証会社の債権管理・回収に関する取組み
  • 債権の状態に応じた回収プロセス
  • 主要家賃債務保証会社のDXに関する取組み
  • 主要家賃債務保証会社のDX高度化のプロセス
  • 主要家賃債務保証会社の組織体制
  • 主要家賃債務保証会社の人材採用戦略
  • 家賃債務保証市場規模予測(居住用/事業用別)
  • 主要家賃債務保証会社の課題
    • 市場の成熟を見据えた差別化
    • AI・DXへの対応  
    • 事業用を含めた新領域拡大への取り組み
    • 回収体制の強化
    • 人材不足
    • 企業文化・人材育成
  • 日本セーフティー
  • 全保連
  • オリコフォレントインシュア
  • ジェイリース
  • Casa
  • イントラスト
  • あんしん保証
  • USEN TRUST

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調査要綱

調査対象:主要家賃債務保証会社
調査期間:2026年3月~7月
調査方法:当社専門研究員による直接面談を主体に文献調査等を併用

※家賃債務保証市場とは:本調査における「家賃債務保証市場」とは、個人や法人(個人事業主を含む)が賃貸物件またはテナントを契約する際に、家賃債務保証会社と保証契約を締結し、一定の保証料を支払うことで、万一家賃の支払いが滞った場合に保証会社が家賃を立て替える制度を指す。従来は、入居時に連帯保証人を付けることが一般的であったが、2020年4月の民法改正により、連帯保証の債務限度額の上限設定など法的制約が強化されたことで、家賃債務保証の活用が急速に広まり、現在では入居形態としては主流となっている。なお、市場規模は居住用と事業用を合算し、事業者売上高ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
家賃債務保証

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