矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2024.11.25

CAD/EDA市場に関する調査を実施(2024年)

2023年度のCAD/EDA市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比3.5%増となった。AI・自動化機能の提供も進み、今後も市場は成長を続けると予測する。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)では、国内のCAD/EDA市場を調査し、アプリケーション別の売上高推移および売上高シェア、今後の展望を明らかにした。ここでは、CAD/EDA市場規模推移について、公表する。

「CAD/EDA市場に関する調査を実施(2024年)」 小見出し一覧

【図表:国内CAD/EDA市場規模推移】

【図表:国内CAD/EDA市場規模推移】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:メーカー出荷金額ベース
  • 注:2024年度は見込値

 

CAD/EDA市場の概況

2023年度のCAD/EDA市場規模は、メーカ出荷金額ベースで3,211億5,300万円、前年度比103.5%となった。
2022年度は日米の金利差拡大が影響して為替が円安傾向になっており、波があるものの2023年度も円安が継続した。その影響を受けて日本製造業の業績は好調となり設備投資も行われ、CAD市場も堅調に推移した。
EDA市場においては、半導体産業再興に向け国を含めた取組みが本格化し、半導体の国内製造・開発拠点開設の動きもみられ、上向き基調である。
土木・建設業界では、原油等エネルギーおよび原材料の世界的な不足や価格高騰の中、業務効率化に取組むユーザ企業を中心に、CADソリューションへの投資は堅調であったと考える。

▲小見出し一覧に戻る

 

CAD/EDA市場の注目トピック

■AI・自動化ソリューションの動向
CADソリューションにおいて、AIの活用は数年前から取組まれており、すでに機能として実装され、ユーザが利用しているものもある。
AIと親和性の高い領域のひとつに検証や解析があり、その一例として、EDA領域が挙げられる。半導体設計において、周波数や熱、大きさといった背反条件が存在し、そのバランスを検討して設計することに、これまで多大なリソースがかかっていた。この検証/設計でのAI活用はすでに実装化されており、ユーザからも高評価を得ていると考える。

なお、AI活用に関連したユーザニーズにおいては、領域や分野を問わず、図面作成・設計の自動化が大きなトピックである。検証や解析だけではなく、通常の図面やモデル作成についても、CADオペレータは納期や作成量等の負担を少なからず感じている。図面作成・設計の自動化は、ユーザから強く求められているものとして、ベンダ各社も認識しており、関連機能の開発に取組んでいる。

▲小見出し一覧に戻る

 

CAD/EDA市場の将来展望

2024年度のCAD/EDA市場規模は、前年度比105.5%の3,388億1,100万円と予測する。
為替動向や地政学的リスク、インフレの加速による経済環境の悪化は、CAD/EDA市場の規模拡大を減速させる可能性がある。一方で、2023年度までの市場概況が2024年度も継続するとともに、ユーザ企業によるDX推進やものづくりプロセスの高度化への意欲が醸成されており、AIや自動化機能をはじめとした高度なCADソリューションの導入実績の積み上げが進むと見込む。また、半導体分野を重要視するユーザ企業が増加傾向であることも追い風となり、CAD/EDA市場は成長を続けると予測する。

▲小見出し一覧に戻る

 

参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • CAD/EDA売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 2D/3D CADの売上高比率の推移
  • バーチャル・エンジニアリングに関する調査結果
  • 今後の半導体戦略の全体像①
  • BIMによる建築確認の環境整備に関するロードマップ
  • BIM導入・活用に関するアンケート結果
  • CAD/EDA売上高推移(2022~2027年度予測)
  • CAD/EDA売上高推移(2022~2024年度見込)
  • CAD/EDAアプリケーション分野別売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 機械系CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 機械系CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 機械系CADアプリケーション分野別売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 2次元CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 2次元CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 3次元CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 3次元CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 金型設計用CAD/CAM売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 金型設計用CAD/CAM売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • PDM売上高推移(2022~2024年度見込)
  • PDM売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • EDA売上高推移(2022~2024年度見込)
  • EDA売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • EDAアプリケーション分野別売上高推移(2022~2024年度見込)
  • IC設計ツール売上高推移(2022~2024年度見込)
  • IC設計ツール売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 検証ツール売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 検証ツール売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • PCB設計ツール売上高推移(2022~2024年度見込)
  • PCB設計ツール売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • インターフェイスIP売上高推移(2022~2024年度見込)
  • インターフェイスIP売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 土木・建築系CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 土木・建築系CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 土木・建築系CADアプリケーション分野別売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 建築設計CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 建築設計CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 設備設計CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 設備設計CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 住宅設計CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 住宅設計CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • 土木・測量CAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • 土木・測量CAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • プラントCAD売上高推移(2022~2024年度見込)
  • プラントCAD売上高シェア推移(2022~2024年度見込)
  • アヴィバ株式会社
  • アラスジャパン合同会社
  • 株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
  • オートデスク株式会社
  • 株式会社CAD SOLUTIONS
  • 株式会社C&Gシステムズ
  • シーメンス株式会社(シーメンスグループ)
  • ジェービーエムエンジニアリング株式会社
  • 株式会社図研
  • 株式会社ダイテック
  • ダッソー・システムズ株式会社(CATIA)
  • ダッソー・システムズ株式会社(SOLIDWORKS)
  • 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
  • 日本シノプシス合同会社
  • PTCジャパン株式会社
  • 福井コンピュータグループ
  • ベクターワークスジャパン株式会社
  • UEL株式会社(BIPROGYグループ)

▲小見出し一覧に戻る

 

関連リンク

■デイリーコラム
【発刊裏話】2024 CAD/EDA市場の実態と展望
【発刊情報】「2024 CAD/EDA市場の実態と展望」を発刊

■同カテゴリー
[ソフトウェア]カテゴリ コンテンツ一覧

▲小見出し一覧に戻る

 

オリジナル情報が掲載されたショートレポートを1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
   Aパターン
  • セグメント別の動向
    • 土木・建築系CADの動向
  • 注目トピックの追加情報
    • 建設業における法改正
  • 将来展望の追加情報
以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

利用方法を確認する


調査要綱

調査対象:CAD/EDAベンダ
調査期間:2024年7月~10月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話やメールによる調査、ならびに文献調査併用

※CAD/EDA市場とは:本調査におけるCAD/EDA市場とは、機械系CAD(2次元CAD、3次元CAD、金型設計用CAD/CAM、PDM)や、電子機器や半導体の設計作業を支援するソフトウェアであるEDA(Electronic Design Automation)、建築や設備、土木、プラントなどの設計を支援するソフトウェアである土木・建築系CADを対象として、メーカ出荷金額ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
機械系CAD、EDA、土木・建築系CAD

関連マーケットレポート
佐藤 祥瑚(サトウ ショウコ) 研究員
絶えずイノベーションが起こり、市場をとりまく環境が変化する中、決断に役立つ情報が必要であると考えております。誠実な調査を行い、知識と経験を積み上げ、価値ある情報を提供できるよう精進して参ります。   

YanoICT(矢野経済研究所ICT・金融ユニット)は、お客様のご要望に合わせたオリジナル調査を無料でプランニングいたします。相談をご希望の方、ご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。

YanoICTサイト全般に関するお問い合わせ、ご質問やご不明点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

東京カスタマーセンター

03-5371-6901
03-5371-6970

大阪カスタマーセンター

06-6266-1382
06-6266-1422