矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2023.07.28

PLM市場に関する調査を実施(2023年)

国内PLM市場規模は経済活動の停滞で落ち込んだものの、製造領域DXの進展が大きく影響し、2021年は前年比4.1%増、2022年も同様に回復している。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役 水越孝)は、PLM世界市場を調査し、アプリケーションや業種別の動向、参入企業動向、市場展望を明らかにした。ここでは、日本国内のPLM市場規模推移・予測について、公表する。

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【図表:国内PLM市場規模推移・予測】

【図表:国内PLM市場規模推移・予測】
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:PLMシステムメーカー出荷金額ベース、ハードウェア売上高を含まず、サービス・保守メンテナンス売上高を含む。
  • 注:2023年以降は予測値。

 

PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場の概況

2022年の国内PLM市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比5.2%増の2,940億5,900万円となった。2020年の日本国内のPLM市場は、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞で製造業の設備投資が落ち込み、前年比約3.3%減となった。その後、日本国内でも大規模な金融緩和策を取ったことにより、景気が回復し、企業における設備投資も回復に転じた。その結果、2021年の同市場は前年比4.1%増、2022年も同様に回復している。
DX(デジタルトランスフォーメーション)がトレンドになっており、日本においてはコロナ禍を契機として、テレワーク環境でデザインレビューシステムの普及やクラウドが定着するなど製造業領域DXの進展、ITの力で乗り切るという前向きな努力がなされたことが、PLM市場の回復に大きく影響している。

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PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場の注目トピック

■PLMの次に来るもの
ものづくりにおけるデータ量は膨大な規模になってきており、今後、ソフトウェア開発の効率化と品質管理が非常に重要になってくる。さらに製品に搭載されているソフトウェアをOver The Air(OTA)で更新するといったことが一般的になってくると、それなりの管理ツールが求められる。そうした管理をするのは現状のPLMでは困難であり、PLMの次に来るものであろうと考える。

MBD(モデルベース・デザイン)、あるいはMBSE(モデルベース・システムズ・エンジニアリング)といった設計手法が主流になってくると、1DCAE+3DCAD+シミュレータのようなツールが必要となり、作成した組み込みソフトウェアが、設計者の意図どおり、機械を制御するかどうかをデジタル(サイバー)空間で確認するための道具となる。これに実機からのデータ、フィジカル(現実)空間のデータが加われば、デジタル・ツインをベースとした高精度な設計ツールになる。
今後、PLMは、AIやビッグデータ解析、シミュレーション、クラウド・コンピューティングを取り入れた、新しいプラットフォームへの移行が急速に進むものと予測する。

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PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)市場の将来展望

2023年の国内PLM市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比3.7%増の3,048億円になると予測する。
2023年以降、世界のPLM市場が回復に向かうと同様に、日本国内のPLM市場も回復に向かうと考える。円安により、PLMの大手ユーザーである自動車や電機など輸出型産業の企業業績は大きく回復している。これはPLM市場に好影響を与えており、この流れはしばらく続く見通しである。PLMもSaaSへの移行が始まりつつあり、ChatGPTなど生成AIの応用が進むとみられ、大きく変化しつつある。こうした新しいIT技術を取り込みながら、国内PLM市場は今後も発展していく見込みで、2026年の同市場は3,476億円に達すると予測する。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • PLMの出荷状況(全世界)
  • PLMの出荷状況(日本国内)
  • PLM関連売上高予測(全世界/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • 地域別売上高の予測(全世界/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • アプリケーション別売上高の予測(全世界/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • PLM関連売上高予測(日本国内/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • アプリケーション別売上高予測(日本国内/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • CAD/CAM/CAE売上高の予測(日本国内/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • PDM売上高予測(日本国内/メーカー出荷ベース/2020-2026予測)
  • デジタルファクトリー売上高の予測(日本国内/メーカー出荷ベース/2020-2026予測
  • ビューワ/DMU売上高予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 業種別売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 電気・電子機械業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 精密機械業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 産業機械業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 自動車・輸送機械業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • エネルギー・プロセス産業業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • その他業界に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 年商別売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 大手企業に対する売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • 中小・中堅企業に対する売上高の推移(日本国内/2020-2026予測)
  • ライセンス、サービス別売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • ライセンス売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)
  • サポート・保守・サービス売上高の予測(日本国内/2020-2026予測)

■PLMの出荷状況(全世界)

  • PLM売上高推移(全世界)
  • PLM売上高シェア(全世界)
  • 地域別売上高の推移(全世界)
  • アプリケーション別売上高の推移(全世界)
    • CAD/CAM/CAE売上高の推移(全世界)
    • CAD/CAM/CAE売上高シェア(全世界)
    • PDM売上高推移(全世界)
    • PDM売上高シェア(全世界)
    • デジタルファクトリー売上高の推移(全世界)
    • デジタルファクトリー売上高シェア(全世界)
    • ビューワ/DMU売上高の推移(全世界)
    • ビューワ/DMU売上高シェア(全世界)
■PLMの出荷状況(日本国内)
  • PLM売上高推移(日本国内)
  • PLM売上高シェア(日本国内)
  • アプリケーション別売上高推移(日本国内)
    • CAD/CAM/CAE売上高の推移(日本国内)
    • CAD/CAM/CAE売上高シェア(日本国内)
    • PDM売上高の推移(日本国内)
    • PDM売上高シェア(日本国内)
    • デジタルファクトリー売上高の推移(日本国内)
    • デジタルファクトリー売上高シェア(日本国内)
    • ビューワ/DMU売上高の推移(日本国内)
    • ビューワ/DMU売上高シェア(日本国内)
  • 業種別売上高の推移(日本国内)
    • 電気・電子機械業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 電気・電子機械業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • 精密機械業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 精密機械業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • 産業機械業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 産業機械業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • 自動車・輸送機械業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 自動車・輸送機械業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • エネルギー・プロセス産業業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • エネルギー・プロセス産業業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • その他業界に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • その他業界に対するPLM売上高シェア(日本国内)
  • 顧客企業年商別売上高の推移(日本国内)
    • 中小・中堅企業(年商500億円以下)に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 中堅・中小企業(年商500億円以下)に対するPLM売上高シェア(日本国内)
    • 大企業(年商501億円以上)に対するPLM売上高の推移(日本国内)
    • 大企業(年商501億円以上)に対するPLM売上高シェア(日本国内)
  • ライセンス、サービス別売上高の推移(日本国内)
    • ライセンス売上高の推移(日本国内)
    • ライセンス売上高シェア(日本国内)
    • サポート・保守・サービス売上高の推移(日本国内)
    • サポート・保守・サービス売上高シェア(日本国内)

 

  • アラスジャパン
  • オートデスク
  • シーメンスDIソフトウェア
  • 図研
  • ダッソー・システムズ
  • PTCジャパン
  • 富士通
  • ラティス・テクノロジー
  • アンシス
  • NTTデータエンジニアリングシステムズ
  • オートデスク
  • シーメンスDIソフトウェア
  • C&Gシステムズ
  • 図研
  • ダッソー・システムズ
  • ESIグループ
  • NEC(日本電気)
  • BIPROGYグループ(旧 日本ユニシスグループ)
  • PTC
  • 富士通
  • Hexagon Manufacturing Intelligence
  • ラティス・テクノロジー

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調査要綱

調査対象:PLMシステムメーカー
調査期間:2023年1月~6月
調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話・e-mailによるヒアリング調査併用

※PLM市場とは:PLM(Product Lifecycle Management)とは、開発・生産からメンテナンス、あるいはリサイクルにいたるまでの、製品のライフサイクル全般にわたり管理しようという概念である。本調査におけるPLM市場とは、それを実現するためのツールとして、CAD/CAM/CAE、PDM(Product Data Management)、デジタル・ファクトリー、ビューワ/DMU(Digital Mock-Up)等のシステムツールを対象としている。

<市場に含まれる商品・サービス>
PLM、CAD/CAM/CAE、PDM、デジタルファクトリー、ビューワ/DMU

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