矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

レポートサマリー
2021.10.22

国内コード決済市場に関する調査を実施(2021年)

モバイルアプリを起点としたコード決済の利用が拡大。キャッシュレス決済事業者がモバイルアプリの提供に注力する動きが出ている。

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のコード決済やコンタクトレス決済の市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。ここでは、国内コード決済市場の分析結果を公表する。

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【図表:コード決済市場規模推移・予測】

図表:コード決済市場規模推移・予測
  • 矢野経済研究所調べ
  • 注:コード決済取扱高ベース
  • 注:2021年度は見込値、2022年度以降は予測値

 

国内コード決済市場の概況

国内における2020年度のコード決済市場規模(コード決済取扱高ベース)は6兆1,216億円と推計した。
コード決済事業者は、決済サービス利用者へのインセンティブ付与を、加盟店に対しては決済手数料の無料化を通じて、サービスの利用を拡大してきた。今後も決済手数料の無料化に取組むコード決済事業者は多くみられ、決済サービスが利用可能な箇所数は増加を続けるだろう。こうした環境から、QRコード決済とバーコード決済で構成されるコード決済市場は急激に拡大している。

※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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国内コード決済市場の注目トピック

■モバイルアプリを起点としたコード決済の利用拡大
コロナ禍においてリアル店舗では顧客との関係を維持する必要性が高まっている。その際、モバイルアプリを通じて、店舗と利用者がコミュニケーションをとることが得策となる。こうしたことから、キャッシュレス決済事業者がモバイルアプリの提供に注力する動きが出ている。

なかでも、コード決済事業者は、特典クーポンの配信や、加盟店からコード決済アプリ利用者へのメッセージ送付などを通じて、加盟店への送客に取組んでいる。
コード決済の利用者数が一層拡大すれば、加盟店から料金を徴収してアプリに広告を掲載するなどして、コード決済事業者は加盟店へユーザーの送客を図るOMO(Online Merges with Offline)の来店促進サービスの提供に注力する動きが進むだろう。

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国内コード決済市場の将来展望

コード決済市場規模は、2025年度には12兆3,976億円まで拡大すると予測する。コロナ禍では、店舗・利用者双方において感染拡大防止のためキャッシュレス決済のニーズが高まっており、コード決済の利用がさらに広がる契機となっている。キャッシュレス決済の浸透を通じて、コード決済の利用は拡大する見込みである。

さらに、コード決済アプリから様々なサービスが利用可能になってきている。アプリが金融サービスや、飲食店の事前注文、タクシー配車など決済以外のサービス機能も搭載することで、スーパーアプリの実現をめざす動きがみられる。ミニアプリの利用が生活に浸透し、コード決済が日常的に用いられるキャッシュレス決済手段となれば、大きな市場拡大の要因になると考える。
コード決済事業者はアプリと利用者の接点を増やすため、アプリの機能拡充に注力していくだろう。ユーザーにおいても、ミニアプリの機能強化などを通じた利便性の向上などを背景に、より一層コード決済アプリの利用は浸透していく見通しである。

※ミニアプリは、ダウンロードすることなく、アプリ内で利用できるアプリ機能を指す。ミニアプリを格納している親アプリを、スーパーアプリと呼ぶ。

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参考:このレポートに掲載されている主なデータ一覧

  • モバイル決済/コンタクトレス決済市場の概念図
  • コード決済/コンタクトレス決済市場規模推移と予測(2020~2025年度予測)
  • コード決済の概念図
  • モバイル決済市場規模推移と予測(2020~2025年度予測)
  • コード決済市場規模推移と予測(2020~2025年度予測)
  • コンタクトレス決済市場の概念図
  • コンタクトレス決済市場規模推移と予測(2020~2025年度予測)
  • 主たるモバイル決済サービス
  • 主要コード決済サービスの加盟店手数料
  • 主要コード決済サービスのチャージ・支払い方法
  • 主要コード決済の決済対応状況
  • 主要コード決済の会員数・利用可能箇所数
  • コード決済の取扱高シェア(2020)
  • 主要コード決済事業者の経緯
  • 主要コード決済事業者の戦略
  • 主要コード決済事業者における新型コロナウイルスの影響
  • 主要事業者のビジネススキーム
  • 主要コード決済事業者の利用拡大に関する取組み
  • 主要コード決済事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要コード決済事業者のアプリの機能拡充に向けた取組み
  • 主要コード決済事業者の他事業者との連携に関する取組み
  • 主要コード決済事業者のデータ活用に関する取組み・見解
  • 主要コード決済事業者の課題
  • 主要事業者の今後の方向性
  • モバイル決済市場規模推移と予測(2020~2025年度予測)
  • 主要マルチコード決済サービス
  • 主要マルチコード決済事業者の戦略
  • 主要マルチコード決済事業者におけるコロナウイルスの影響
  • 主要マルチコード決済事業者のビジネススキーム
  • 主要マルチコード決済事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要マルチコード決済事業者のオンライン決済に関する取組み
  • 主要マルチコード決済事業者の決済手段の拡充に関する取組み
  • 主要マルチコード決済事業者の加盟店の支援に関する取組み
  • 主要マルチコード決済事業者のデータ分析・CRMに関する取組み
  • 主要マルチコード決済事業者の今後の方向性
  • 主たるコンタクトレス決済サービス
  • Apple Pay対応ブランドやイシュアの状況
  • Google Pay対応ブランドやイシュアの状況
  • コンタクトレス決済市場規模推移(プリペイド/ポストペイ別:2017~2021年度見込)
  • コンタクトレス決済市場規模推移(カード/モバイル:2017~2021年度見込)
  • コンタクトレス決済市場規模予測(ポストペイ/プリペイド別:2020~2025年度予測)
  • コンタクトレス決済市場規模予測(カード/モバイル別:2020~2025年度予測)
  • 主要プリペイド型非接触IC型電子マネーの実績動向
  • プリペイド型非接触IC型電子マネーの決済額推移
  • プリペイド型非接触IC型電子マネーの市場規模予測(決済額ベース)
  • 主要ポストペイ型非接触IC型電子マネーの実績動向
  • ポストペイ型非接触IC型電子マネーの決済額推移
  • 主要事業者の加盟店拡大に向けた取組み
  • 主要事業者の利用促進に向けた取組み
  • ポストペイ型非接触IC型電子マネーの市場規模予測(決済額ベース)
  • PayPay株式会社(PayPay)
  • 楽天ペイメント株式会社(楽天ペイ(アプリ決済))
  • 株式会社NTTドコモ(d払い)
  • KDDI株式会社(au PAY)
  • LINE Pay株式会社(LINE Pay)
  • 株式会社メルペイ(メルペイ)
  • キャナルペイメントサービス株式会社(PAYTREE)
  • 株式会社ネットスターズ(StarPay)

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関連リンク

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調査要綱

調査対象:主要コード決済サービス提供事業者、主要マルチコード決済サービス提供事業者等
調査期間:2021年4月~9月
調査方法:当社専門研究員による直接面談、文献調査等併用

※コード決済市場とは:コード決済とは、利用者が提示したコード(QRコード・バーコード)を加盟店が端末を通じて読み取る、または利用者がスマートフォンなどにより加盟店に提示されているコードを読み取ることで決済するサービスを指す。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

<市場に含まれる商品・サービス>
コード決済(QRコード決済・バーコード決済)

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